2010年01月07日

失業による生活苦を自己責任にする異常国家

◆【サプライサイドだけで経済を考える気違い政策】

竹中平蔵氏をはじめとする改革政策を立案した人達が悪い。
勝たなければ、頑張り続けなければ野垂れ死にしてしまう様な経済構造(プライマリーバランス)、社会構造(自己責任、再配分の削減)にしたのが悪い。
おかげで国がぐちゃぐちゃ。日本人は借金返済の自転車操業の経済構造(プライマリーバランス)の為に働かせ続けられ、疲れ果て、子孫すら残せず国は衰退して行くでしょう。

労働者の未来を塞いで賃金を買い叩いて蓄財し、その貯めた資産で更に他人にタカって生きて行こうとする、投機投資家、投機資産家が増えすぎたせいで、日本経済、社会は成長分よりも、より多くを搾取される様になり(債務残高はGDPの1.7倍以上)、労働者達は疲れ果てています。

働かず享楽的に遊びほうける資産家達は、納税を渋り、資産を国や企業や労働者達に貸付けることで、日本社会、国全体にタカり、日本を衰退に導いている。
国のエネルギーや未来(子孫)を金に変えて遊び回っている様なものだ…。

世界の企業資本はM&Aを繰り返し、世界経済は単純化されてゆく。
いずれ、すべての産業がマイクロソフト的な寡占企業に集約される。

世界から労働者がいらなくなる。

世界から、お金と仕事と労働者の生活エネルギーを搾取しているのは、大企業とそれにお金を貸している資本家達…。グローバル化が進めば進む程、 世界経済は死に近づいているともいえる。

関税障壁を設けたり、所得再配分を行い、経済構造を複雑にする必要性、社会(地域零細経済構造)の維持を理解出来ない様では駄目です。

○集約大量生産、単純化→失業の増加、経済の萎縮(信用収縮)

富める者だけが、資産運用投資で金(資産)で富を稼ぎ出し、永遠と一方的に肥え太り続ける社会システムは異常です。

『所得再配分』は経済成長の為に、経済政策として有効な考え方だと考えます。
経済学に詳しい方いらしたら教えて下さい。どう思われますか?

再配分こそが、先進国経済の信用創造や経済の枠組みの複雑さを作り出し、経済の底上げ、底堅さを作り出していると考えるのですが…。

逆に、完全なる所得再配分無しの資本主義、競争経済は、富裕層による富の寡占化に至るだけであり、経済学的には国家社会の経済を萎縮させ、途上国化に至るだけだと思うのですが…。

●【NHKスペシャル アメリカ発「世界金融危機」】
http://www.geniuslab.net/2008/10/post-5.php

90年
実体経済:3100兆円
金融資産:5500兆円
比率:1.7倍

07年
実体経済:6400兆円
金融資産:2京2000兆円
比率:3.5倍

NHKの「マネー資本主義」というドキュメンタリー番組でアメリカの金融バブルの話をやっていました。

金融投資経済(金融資産)は、実体経済(GDP)の90年:1.7倍⇒06年:3.5倍にまで膨張し、世界経済に大きな影響をもっています。
需要と供給、信用拡大と信用収縮、バブル崩壊の罠からは、世界経済、金融投資経済は永遠と逃れられないと思います。
(金融投資経済、金融商品は近年永遠とバブル状態であり、世界の実体経済に悪影響を与えていると考えます。架空の金融投資経済がバブル状態だから、余計に論理どうりに世界経済は動かず、経済動向の予測がたたない状態です。)

金融投資経済と実体経済の比率には適正値があると考えます。
金融投資経済が際限なく膨らみ続ける事は、証券、債券の利子配当の負荷で世界経済が全てが、停滞、衰退状態に陥ってしまう事につながります。
(逆の言い方をすれば、実体経済に対して金融商品があまりに多すぎると、一証券あたりの儲けが少なくなって当然の筈です。)

安易に金融投資経済だけが一方的に膨らみ続ける現在の世界経済は、自分自身の足(実体経済、GDP)を食うタコの様なものです。(大量の金融商品が実体経済に負荷をかけて実体経済を萎縮させてしまう。)

金融投資経済の異常な膨張に比べて、労働賃金は伸び悩み続けています。(日本の場合、派遣社員等の非正規雇用労働者の多用でむしろ低下。)
大企業や銀行や資産家が作る金融投資経済の儲けが、中小零細企業や労働者の所得に適正に再配分される経済構造にもどさないと、世界経済はいずれ行き詰まると考えます。
(世界的に投資金融経済に減税し過ぎなので一方的にバブル状態なる。働かず投資だけで儲けて生活しようとする資産家が増えすぎて、消費者である労働者層全体の資金(賃金、貯蓄)が減り、個人消費という実体経済GDPを萎縮、衰退させてしまう。又、世界中の先進国の年金を投資で賄おうとするのも無理がある…いずれ破綻するのでは?)

金融投資経済は爆弾を抱えたまま先のない未来に向けて際限なく太り続け暴走していると疑います。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

■グローバル化によって、中国や東南アジア等の新興途上国の海外製品が大量流入し、その海外製品との安売り競争によってデフレになっています。又、円高のせいもあるでしょう。

ただし、一昨年の様に異常な原油高の様に投資資金が先物に流れて、異常な物価高になる場合もあります。

日本の場合、食品や衣服や家電製品は、新興途上国の海外製品が大量に輸入されていますから安くなっていますが、アパートやマンションなどは、不景気にならない限りは永遠と高めで、それが世界的な比較では、日本は世界トップクラスに物価が高く生活がしにくい国と言う評価になっています。又、社会保障費も永遠と値上がりし続けています。

そのせいで、近年、増え続けているのが現場労働派遣社員などの低賃金非正規雇用の『ワーキングプア(働く貧困層)』であり、新興途上国の海外製品との安売り競争で企業に給与を途上国労働者並みに下げられ非正規雇用で働かされながらも、社会保障納税義務やアパート家賃だけは日本水準を要求され、同じ企業の海外労働者よりも酷い雇用形態や労働条件、生活苦を強要されている様な状態になって来ています。

●【所得階層別給与所得者数の推移(単位:千人)】
区分 98年→05年:差

100万円以下〜 3,294→3,555:+261
100万円超〜200万円以下 4,639→6,257:+1,618
200万円超〜300万円以下 6,783→7,104:+321
300万円超〜500万円以下 14,705→14,104:-601
500万円超〜700万円以下 8,281→7,395:-886
700万円超〜1,000万円以下 5,178→4,374:-804
1,000万円超〜1,500万円以下 1,995→1,602:-393
1,500万円超〜2,000万円以下 394→335:-59
2,000万円超〜2,500万円以下 79→101:+22
2,500万円超 98→109:+11
合計 45,446→44,936:-510

●【世帯当たり平均所得金額】
http://nenkin.co.jp/lifeplan-blog/data/archives/2008/06/25-125709.php
(平成10年:655.2万円→平成17年:569.8万円)

■新興途上国との価格競争で労働者の賃金を下げる。→労働者の所得が下がる。→所得を下げられた労働者の購買力が下がる。物を買わない。→企業は製品が売れないので、労働者の給与を更に下げる。(デフレスパイラル)→そのうちに労働者はリストラ、企業は潰れる。

新興途上国製品に関税をかけたり、最低賃金の規定をあげないと日本の労働者の給与は途上国レベルにまで落ち続ける。
ただし、アパート家賃や社会保障費は日本レベルなので生活が成り立たなくなる。ホームレスや生活保護家庭が増え続けるだろう。

■昨年8月の有効求人倍率は0.42倍。残りわずかのハローワークの求人は、もの凄く経験を積んだ専用分野のエリートを探している求人か、さもなければ、年金や介護保険すら払えない様な、もの凄く低賃金のアルバイトの仕事ばかり。

貧困層の人達は年金や健康保険料を支払えない状態でどうやって暮らして行けば良いのでしょうか?

不景気だから、財政が足りないから、我慢しなければ…と、野垂れ死に覚悟で仕方がないって思って生きている人達だらけなのかな?
貧困の自己責任を迫る政府の福祉政策が悪い、経済政策が悪いって言い切って、行政や政治家のせいにしても良いと思うのに、誰も文句を言わない…変だ。

欧米先進国も競争社会ですし、失業貧困層もいる。
しかし、欧米先進国の失業貧困労働者の人達が野垂れ死にしない理由は、生活保護を皆もらって生活いるからです。

国家を共同でやっているという認識(愛国心)から、納税の義務と福祉の考え方が行き届いており、『所得再配分』を当たり前のルールとしているからです。
生活保護受給者も受給された中から納めている。
逆に言えば、貧困層からは税金も社会保障費もとらず、みんなで面倒をみている。成功して豊かになった人が、多く税金を納めて支えれば良いという考え方。

又、富裕層も不労所得の『投資』や自分達の独善的寡占『事業』によって、経済、産業の流れや社会の枠からはみ出してしまう労働者層、失業や貧困を作ってしまっているのを知っているから、失業貧困層に対して寛容なのである。

誰も『自己責任』という言葉を失業貧困労働者なんかに問わないし使わない。

不景気で失業率が高いのに、日本の政治家どもが失業貧困状態の人達に対して『自己責任』をあえて強調して使う方が異常であり、守銭奴の心理の現れ、作為的で気持ちが悪い非常識行為なのです。

●【日本の奇妙な生活保護制度】
http://bizplus.nikkei.co.jp/colm/harada.cfm?i=20071101c3000c3&p=1

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1997、8年の金融機関の大量破綻で、本来大赤字の債務者ぐらいの立場だった銀行や投資資産家が、構造改革の金融再生プログラムで助けられ、減税優遇処置で資産を貯め増やし、今や逆に企業や労働者や自治体の債権者側となりました。
政財界の資産家連合は、改革の既得権益で資産を稼ぎ出し勝ち組富裕層となり続けています。

彼らが偉そうに金持ちをやってられるのは、頭が良いわけでも能力がある訳でもない…。政治、行政に近い立場で、政策立案、立法や行政に口出し、自分達に有利な政策を内閣にやらせる事で既得権益作り出しインサイダー情報を得て、巧く事業をすすめたり、一攫千金になりそうな大きな投資ネタを作り出したりして儲けているだけです。更に、改革で労働者達の給与を買い叩きながら知恵を搾らせこき使い、利益をあげた企業の上前をはねたり、既得権益の事業の投資で上前をはねて資産を築き偉そうにしているだけなのです。
(更に言えば、幾ら頑張っても真っ当な企業活動の範囲内で、(例えば、メーカー企業等での革新的ヒット商品がたいして無い中で)わずか10年程度で巨万の富を築けますか?無理です。
銀行、投資資産家の富は偽物です。
消費税増税や社会保障費負担の値上げをする一方で歳出を削減し、逆に自分達の90年土地バブル、97、8年の通貨危機と金融機関の大量破綻、サブプライム問題やリーマンショックで作った数々の負債を、(財源が減ってしまうのに)企業、資産家向けの優遇減税や、財政出動による企業や銀行や投資資産家向けの損失補填で優遇、救済し、国の債務残高を850兆円に膨れあがらせて、国全体の債務(国民全員が負うことになる債務)とすり替えただけで偉そうにしているのです。近年の企業や銀行や投資家や資産家の儲けは、真っ当な企業活動や真っ当な投資の範囲内で利益を出していた訳では無く、単なる無理やりのバブル景気の創出とその失敗(サブプライム問題、リーマンショック、ドバイショック)の結果だと疑います。)

■投資をする側からすれば、『投資』は安易にお金が儲かるイメージであり、逆に『投資』して貰う立場からすると、安易にお金を貸してもらえるイメージかも知れません。
しかし、『投資』に対しては、配当という『利息』を払わなければなりません。つまり『借金』と同じです。

日本では、国の債務残高が850兆円まで膨らみ、そして、世界の『金融資産』(証券、債券、国債の塊)は、世界の実体経済(GDP)の90年:1.7倍⇒06年:3.5倍にまで膨れ上がって、世界経済に大きな負荷を与える様になっ来ています。
増えすぎた金融商品の配当、利息の拠出という負荷に、果たして世界経済は耐えられるのか?知識人の良識を問いたいです。

信州:usahara

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2009年12月31日

政府が「派遣村を封じ込め」 失業者増大にもかかわらず

 派遣法を改悪するなどして大量の派遣労働者を切り捨ててきた前政権を選挙で倒した鳩山政権。全国136の自治体に協力を求めて、年末年始に住む所がない人たちに宿と食事を提供する「官製派遣村」を実施している。

 昨年末、仕事も住居も失った労働者らが、厚労省のお膝元の日比谷公園で炊き出しとテントを求めて長蛇の列を作った「派遣村」の再現を防ぐためだ。

 昨年の派遣村は日比谷公園までたどり着いて登録を済ませれば誰でも「入村」できた。職と住まいを喪失した人々に欠かせない「生活保護」「就業」「住宅」「医療」などについての相談コーナーもあり、人だかりができるほどだった。

 今年の「官製派遣村」はどうだろう。東京都の例をとるならこうだ。ハローワークで求職登録を行い、受付票をもらう→東京都健康プラザ・ハイジアで手続き→バスで都の施設へ→1月4日朝まで宿と食事が提供される。

 「官製派遣村」は飢えと寒さをしのぐことはできる。だが職も住居も失った人たちの生活再建については何のフォローもない。景気の冷え込みは凄まじく住居喪失者個人の努力だけでは、再就職など不可能であるにもかかわらずだ。

 「これでは事態は改善されない」と危機感を抱いた法律家や労働組合員らが31日夕まで、新宿・大久保公園で相談に乗る。「元祖派遣村」の中核となった法律家や労働組合員らで作る「ワンストップの会」(代表:宇都宮健児弁護士)だ。専門家が「多重債務」「就業」「住宅」について相談に応じる。場合によっては生活保護申請も行う。
 
ワンストップの会.jpg
「ワンストップの会」。法律家や労働組合員らが、就職や住宅などの相談に乗る(新宿・大久保公園で筆者撮影)
 
 サービス業の正社員だったという男性(40歳)は秋口にリストラされた。会社が失業保険に入っていなかったため、解雇されてからは引越しや倉庫内作業などで日銭を稼いできた。住まいはネットカフェだった。年の瀬で仕事もなくなりネットカフェに泊まる金も尽きた。「就職や住まいの相談に乗ってもらいたいのでここに来た」と力なく話す。

 総務省の調査(11月25日発表)によると完全失業者数は331万人と前年同月に比べ75万人増加した。労働者をとりまく状況は昨年より悪化しているのである。1月4日の朝まで食事と宿を提供するだけの「官製派遣村」では事態の改善には結びつかない。「元祖派遣村」のような「総合相談」が必要なのである。
 
 政府と東京都は「官製派遣村」の場所さえ公表していない(渋谷区の国立オリンピック記念青少年総合センターのようだが)。記者クラブメディアはそれに協力し、外観さえも写さない。ボランティア関係者は「政府による派遣村封じ込め以外の何ものでもない」と吐き捨てた。
 
※ワンストップの会・連絡先
 TEL:080−3432−9023
東京:田中龍作田中龍作ジャーナル 
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2009年12月28日

手配師「来年はもっと仕事減るぞ」

 炊き出し.jpg
1月3日まで、野宿者支援のNPOが昼500食、夕800食の食事を提供する(新宿中央公園。筆者撮影)

 摩天楼の都庁が見下ろす新宿中央公園。毎週行われるボランティアの炊き出しには、路上生活者が長蛇の列を作る。墨田公園、上野公園などでも毎週、炊き出しがあり、それぞれ曜日が違うため、路上生活者たちは足さえ運べば1日1度は食事にありつける。

 新宿中央公園では、ホームレス支援団体がせめて年越しくらいは炊き出しを求めて移動しなくても済むようにと、27日から1月3日まで食事を提供する。29日からは24時間体制で医師と看護師が医療相談や診療にあたる。

 ベンチに腰を降ろし炊き出しが始まるのを待つ男性がいた。足元にはぽつんとボストンバッッグ。身なりもこざっぱりしているので派遣切りに遭ったのかと思ったらそうではなかった。男性(37歳)は多額の借金がもとで路上にはじき出されて5年が経つ。飯場と根城の新宿を行ったり来たりだ。

 深刻な不況で飯場の仕事は減り給料も安くなった、という。手配師から「来年はもっと(仕事が)減るぞ」と言われた、と話す。

 「ポックリ死んだらどれだけ楽か。メシの心配をしなくていいし」。男性はつぶやいた。

東京:田中龍作田中龍作ジャーナル 

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2009年12月14日

少数者の人権は少数者のためにあらず [弁護士業について] [編集]

 蛇足のような説明だが、「少数者の人権(を尊重すること)は少数者のためになるだけではなく、多数者のためになる」というのがタイトルの意味である。
 
 多分私の創作だが、自らの心に刻み続けたい言葉である。

 
 昨日、用があって、神戸元町の大丸周辺を歩いた。

 ルミナリエで、相当な人が出ていた(私の用事はルミナリエとは関係ない)。

 それとともに、県警の雑踏警備がかなり目立つ形で行われていた。警官も、ちゃんと緊張感をもちながら職務をしておられたように見えた。

 雑踏警備を見れば、雑踏事故のことを思う。

 イベントの雑踏事故により命が失われたことがあり、そのとき、被害者の方や弁護団の方が、一生懸命に、将来雑踏事故が起こらないように、ということを訴えられていたことを思い出す。
 
 そのことがあってこそ、今のルミナリエのような手厚い雑踏警備があるのだと思う。

 その時点において、国民多数から見れば、被害者の方は少数。しかし、その少数者の声を聴き、少数者の立場に思いを馳せることは、多数の国民の安心・安全に繋がる。

 自分が今たまたま強者あるいは多数者の側にいるとしても、いつ何時、弱者ないし少数者の立場になるかわからない。
 例えば、今日はピンピンしていても、明日、病気や事故で身体機能が損なわれるかもわからない。
 そんなときでも、そのアンラッキーのダメージが最小になるような社会がいい。

 人ひとりひとりがかけがえのない存在だという前提に立ち、他人の立場を想像する。
 それが私たちのよって立つ法の精神(憲法13条のいう個人の尊厳)である、と思い、日々の仕事を通じてそれに少しでも役立ちたいと思う。

 
 ルミナリエの雑踏警備の方々へ。
 寒い中、職務は大変でしょうが、どうぞ、多数の参加者の生命身体の安全のために、宜しくお願いします。

神戸:村上英樹  弁護士村上英樹のブログ

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2009年12月07日

弁護士業そのものの「申し訳なさ」 [弁護士業について] [編集]

 最近、TVコマーシャルで、「払いすぎた利息は取り戻せます」等の巨大広告を目にする。
 以前の記事http://h-m-d.blog.so-net.ne.jp/2007-08-17で「過払い金」について書いた。
 元々、法で認められていない利息を消費者金融がとっていたのだから、それを取り戻すことも良いことで、取り戻せることを広く知らせることも悪いことであるはずがない。

 けれど、どうしても違和感がぬぐえない。

 一つの違和感は、ついこの間まで、「ハワイいきたいなー」「じゃあ!!」みたいな軽いノリで借金を勧誘するようなCMがバンバン流れていたのに、今になって、「払いすぎた利息は・・・」とバンバン流す。
 このような電波のなせる広告に翻弄される国民の立場って一体!?という違和感。
 
 これが、果たして、直江兼続が目指した「愛」と「義」の世の中ですか!?という気持ちがぬぐえない。

 
 そして、もう一つは、私の弁護士業に対するものの見方に関するもの。

 私は、もちろん、弁護士業は公務ではなく、民間の自営業であるから、営利事業であることは当たり前の前提だ。また、人の一大事を扱う責任の重さ、気の重さ、専門的知識を得て維持するための努力は小さなものではないから、それに見合った報酬がなければならない、と思う。

 けれども、やっぱり、他人のトラブル、すなわち他人が困っている状況、不幸な状況があるから仕事があり、そこでお金をもらうのであるから、どうしても「困っている人から、その困っていることを原因として、お金をもらう立場」であるのだ。
 だから、根本的に、申し訳ない。
 弁護士というのは、そういう「申し訳ない」存在である。

 「申し訳ない」存在であるから、もしも社会が完全な「和」に包まれたならば、弁護士は不要である。というより、弁護士など不要な世が究極の理想である。
 
 であるから、若い女性が超さわやかな笑顔で微笑みながら、「借金のこと、弁護士に相談してみたら?」などと語りかけてくるCMに違和感を感じる。
 「人の不幸が飯のタネ」である因果な身の上のはずなのに、ピカピカの新車を売るかのうように、「ビジネスだよ。いらっしゃい!いらっしゃい!」というノリになれることが、そういう考え方・在り方もあるだろうけれど、なんというか、私の感覚では美徳だとは感じられない。

 といって、私自身、弁護士が儲けることを否定する気持ちはない。
 そればかりか、専門的知識を有し、一般に難しいとされる物事の判断を仕事としている以上、それに見合った報酬を得たいし、そのことで仕事を人一倍頑張って、利益もしっかりあげたいし、良い暮らしもしたい。
 けれども、申し訳ないのである。
 ある種の「不幸」がなければ弁護士費用を払う必要もないのであって、「わしゃ儲かってしょうがないし、幸せでしょうがないから、センセにお金たくさん払わしてもらいますわ。」という人はいない。
 人の「不幸」が飯のタネ、なのは申し訳ない。
 申し訳ないけれど、自分の生業だし、物事が軽いことではないから、ちゃんとお金はいただきます、という生き方が弁護士の宿命なのである。
 
 それに過払い金だって、元々その人が「払いすぎた」利息であって、全額かえってきても依頼者の「儲け」ではない。
 だから、そこから報酬をもらうのも、申し訳ない。
 「仕事をしたから報酬をもらう」これは当然であるし、私もしっかりもらうが、そこに仕事があること自体が申し訳ない。
  
 だいたい他人のトラブルに首をつっこんでそれを仕事にするなんて、要するにヤクザのすることであって、それに国のお墨付きがついているにすぎない。

 自分の仕事は、人助けでもあり、必要悪でもあり、そうと知りつつ、依頼者のために職務に邁進するのが弁護士であるというのが私の考え。
 職務に邁進することは究極的には、不当な力の支配がなくなる世の中の実現のためであって、それが本当に実現したら弁護士の活躍の場も殆どなくなる。

 人の世が愛と義、そして和に包まれ、軍隊も不要、弁護士も不要になる世の中を目指している。

 これは本気で、その理想に向けて日々努力を怠らないつもりである。

 私がこの世に生を受けた以上、何事かなさんとするならば、平和と他人同士の想像力・尊敬に満ちあふれた世の中の実現だ。
 核兵器による威嚇力ではなく、はたまた、理屈で相手をねじ伏せるようなことでもなく、本当の思いやりにより、この星にくらすみんなが穏やかな気持ちで、日々笑顔で、それぞれに楽しく暮らしてゆける世の中の実現だ。
 その一プロセスが弁護士業だ。

 言ってしまえば、憲法9条がこの星の全体で実現されることと、弁護士の廃業が夢だ。


 けれど、きっと、本当に弁護士が不要な世の中に移行するときがきたら、私は、仕事面では実際には困るだろう。
 極力、徹底的には困らないように、起こってしまったトラブルを扱うというどちらかといえば「後ろ向き」の仕事だけではなく、よりよい楽しい未来を創る仕事もやっていきたい。
 
 これが、今までで言う弁護士業とはまた違ったものになるかもしれないし、もしからしたらもはや「弁護士業」の範疇ではなくなるかもしれない(あるいは、「話し家」みたいな範疇に入ったり、「コメディアン」の範疇に入ったり、「芸術家」の範疇に入ったりするかもしれない)が、「人の不幸がなければ仕事がない」という「申し訳ない」種類の仕事ではなく、幸せと笑顔の中にある人にも何かを提供し対価も支払ってもらえるようなことができないか、それを創造的に考えていきたい、と思う今日この頃である。

神戸:村上英樹  弁護士村上英樹のブログ

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2009年10月20日

本筋・俗筋(囲碁)と法律にまつわる本説・俗説 [法律案内]

みなさん、先日、囲碁の新名人、それも関西初の名人、それも20歳という最年少の名人が誕生したのをご存じですか?
 
 (ゴルフ界における石川遼選手のような存在である)井山裕太8段が、張ウ名人を破り、新名人になりました。

 実は、私も今年の4月から囲碁をはじめて半年になります。
  
 今年、私の所属する神戸シーサイド事務所に入った新人弁護士のTさんは、囲碁の有段者です。
 「4月からNHK囲碁講座で石倉昇九段の分かりやすい入門講座が始まるので、村上センセも、囲碁をはじめられてはどうですか?」と勧めてくれたので、33の手習いで、囲碁をはじめることにしました。

 私の囲碁・将棋等については、おそらくお世辞で「さぞやお強いのでしょう」と言ってくださる方が多いのですが、囲碁は当分は級位者レベル(将棋は「あやしい初段」)です。

 なかなか難しいもので、たまに、囲碁の打ち方の本を読んでみたりします。例えば、↓のような本。



ひと目でわかる「本筋・俗筋」対照表 (マイコミ囲碁文庫シリーズ)

ひと目でわかる「本筋・俗筋」対照表 (マイコミ囲碁文庫シリーズ)

  • 作者: 月刊碁学
  • 出版社/メーカー: 毎日コミュニケーションズ
  • 発売日: 2008/07/24
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)




 こういう本を読むと、「私だったらきっとこう打つな〜」という手が、ことごとく、

俗筋=初級者が陥りやすい悪手

として紹介されています。「俺だって、それなりに考えてるのに〜ぷんぷん」と思いながら、「本筋」はどういうものかを謙虚に勉強しよう、という私の囲碁ライフです。


 さて、さて、囲碁や将棋に、「俗筋」があるように、法律問題にまつわる「俗説」もたくさんあります。
 
 一般には、法律問題は難しい、ややこしい、怖い?というイメージがあるので、かえって「俗説」がたくさん生まれたりするようです。

 今日は、そのうち2例を紹介して、「本説」を解説したいと思います。(囲碁では「俗筋」とばっかり言われてしまうので、その分、本職のほうで偉そうに「俗筋」「本筋」を解説している、という見方をされる読者の方いらっしゃると思います。全くその通りです。)



法律にまわわる俗説1   「離婚は言い出したほうが不利」


 これは、本当によく言われます。
 なぜこういう説が流れるのか、と思いますが、何も知らずにそう言われるとそうなのか、と思ってしまうので怖いものです。

【本説】
 
 離婚原因は民法で決まっています。不貞行為とか色々のほか「婚姻を継続しがたい重大な事由」があるとき、ということなので、離婚理由があって、どうしても離婚したい、と思えば、

「離婚したい」

と言い出すことは法律上も認められているし、何も不利になるようなことはありません。

 もちろん、婚姻はお互いの協力・努力によって維持するのが「本筋」ですので、はっきりした理由もなく「離婚したい」などと言い出すべきものではありませんが、それとて、本心から離婚したいと思うのならば、そう思っていることを相手に告げることは別に不利でも何でもありません。 
 
 また、離婚時の慰謝料についても、「先に離婚を言い出した」という理由だけで慰謝料が発生するということは考えにくいです。



法律にまつわる俗説2   「交渉で、金額を出したら恐喝になる」

 これも頻繁に聞きます。
 たとえば、AさんがBさんを怪我させたという事故?事件?があったとして、AさんがBさんに賠償すべき金額を交渉する場合。
 BさんがAさんに損害賠償請求します。
 ところが、このとき、いくら
「Bさん、あなたは、何円賠償して欲しいのですか?」
と聞いても、答えないBさんがいるのです。
 なぜ金額を言わないか?
 「金額を言わない=言わせる作戦」のこともあります。
 それだったらわかりますが、どっこい、作戦ではなくて、Bさんの心中=「交渉で、金額を出したら恐喝になる」であることがしばしばあります。

【本説】
 損害賠償請求にせよ、何にせよ、まず請求する側が具体的な請求内容(つまり金額)をいうべきものです。
 そうしなければはじまりません。
 請求側(B)の請求額が100万円であったとして、Aさんの考えが0円か50万円かということによって、やっと、紛争がどういう内容と幅を持ったものであるかが決まります。
 そのあとに、その幅の中で、何円と決めるのが妥当かを話し合ったり、場合によっては訴訟で調べて決めたりすることになるのです。
 請求するときに具体的金額を提示するのは当たり前で、それが理由で恐喝になることはありません。



 他にも色々「俗説」があって、惑わされている方が多いです。

 法律問題の場合、本当に困るのは、専門家ではなくて、「何となく法律に詳しいと自称している人」が「俗説」に代表される間違ったアドバイス・不正確な情報を教えてしまい、トラブルに困っている人を余計混乱させてしまったりすることです。

 「法学部出身で詳しい」とか「昔、司法試験の勉強をしていたので詳しい」とか言う人の中に、本当にちゃんとした知識があって詳しい人も居ますが、一方、知ったかぶりで、不正確な知識をトラブルの渦中にある人に注入したりすることがあって、不必要に困ったことを招いてしまうケースは残念ながら多いです。 「法律」については「教えたがり」の人が本当に多いです。


 なので、何か法律がからむようなトラブルに見舞われたとき、友人・知人に相談するのもいいですが、専門知識については余り鵜呑みにせずに、自分で調べるか、弁護士に早期に相談されることをお勧めします。

神戸:村上英樹  弁護士村上英樹のブログ

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2009年09月06日

自然人と法人 [法律案内] [編集]

 何年か前「借金返せないなら目玉を売れ、臓器を売れ」と言って取り立てていた金融業者があったのを覚えていますか。
 時間が経って、今は、その金融業者が取りすぎていた利息を返さないといけない立場になって(過払い利息返還請求を受けている)、ところが、返すべき義務があるお金を返せなくて、過払い請求する顧客(元顧客)側が、差押えなどの強制執行を考えざるを得ないような状況のようです。
 
 立場逆転なのですが、しかし文字通り「目には目を」とはいきません。
 金融業者に対しては「目玉を売れ」と言っても、会社ですから「目玉」も「内臓」もありません。


 法律を勉強しはじめのころに出てくる言葉に、「法人格」というものがあって、その分類として、「自然人」と「法人」というものがあります。

 何となく、字だけ見ていると、

自然人 は 裸で獣を追っている野生児、野人  のような

法人 は  生真面目そうなメガネの人

のようなイメージがします。もちろん、「社団法人」とかそういう言葉をみなさんも聞いておられるでしょうから「法人」というのは団体のことかなあ、というのはお分かりでしょうが、字面だけみると「野人」対「メガネ」みたいな感じ。

 
 「私権の主体」と教科書に載っているのですが、要するに、「○○は、Bさんにお金を返せと言う権利を持っている。」という文脈で、主語「○○は」にあてはまる存在として、

自然人



法人

というのが存在するのです。

 自然人とは、野人のことでもなく、また、無農薬野菜だけを食べている人ということでもなく、単に「人間」のことです。
 だから、添加物も摂取しているかも知れないけれど、「目玉」や「内臓」があります。

 法人とは、「自然人以外のもので、法律上、権利義務の主体となりうるもの」ということになっています。会社などのことです。
 つまり、「人間」ではありませんので、「目玉」や「内臓」はない。

 でも、法は、自然人=人間のほかに、「法人」にも、人に金を貸したり、商売をしたりする権利を認めたわけです。
 それはなぜか?どういう意味か?
 なぜ、「目玉」も「内臓」もない会社が、人間と同じように、契約をしたりできるようにしたのか。

 この点はなかなか奥が深いようで、「法人の本質は何か?」とめぐって大きく分けると2つの考え方があります。

A説   法人などというものは、本当は実体がない。法律という架空の世界の中で認められるに過ぎない。
     (法人擬制説と呼ばれます。擬制とは、「存在することとみなす」というくらいの意味。)

B説   法人は、擬制でも何でもない、現実に社会に存在する法的な主体たりうる実体である。
     (法人実在説) 

 なんだか、「おばけがいるかどうか」「神様が存在するかどうか」のような対立と似ているかも知れません。
 そして、今見ている、弘文堂 伊藤真著「試験対策講座 民法総則」によれば、この議論は「きわめて抽象的な議論であり、今日あまり実益のある議論ではない」とされています。厳しい−。でも、そうでしょうね。

 
 しかし、「金を貸していて威勢が良かった時は、弱い人に対して「目玉を売れ」「内臓を売れ」などと言って、強引な取り立てをして、大きな利益をあげた会社がある。だが、その会社がお金を返さなければならない立場となると『目玉』も『内臓』もないのは明らかなので、『目玉を売れ』とも『内臓を売れ』とも言えず、ないものはないでしょうがない。」ということになると、

やっぱり、オバケなんかいないじゃないか

いやいや

やっぱり「法人」なんてものは本当は存在しない(のと一緒)じゃないか

というと、上のA説(法人擬制説 法人なんか本当は存在しないが、法律によって「存在するとみなす」説)に説得力を感じてしまうというのが本音です。

 本当は存在しないものを法律が「存在するとみなす」ことにしたのは、もちろん、そのほうが人々の生活を便利にする、幸福にするという考えのもとなのですが、ところがそうして作ったはずの「法人」が、もし「悪いことをして、消えてしまう」なら、これは単に「タチの悪いオバケ」ということになってしまいます。

 村上説では、法人擬制説を勝手に改めて、「法人」=「オバケ」説としておきましょう。

 その上で、

 「オバケ」が  オバケのQちゃん とか ゲゲゲの鬼太郎 とか  「ヒカルの碁」に出てくる藤原佐為(最強の平安時代の棋士が現世に亡霊として現われた)  のように、人に愛され人を幸せにしてくれる存在であればよい、とおもいます。

 そうでなく、「オバケ」が悪さをするのであれば、「法人」=「オバケ」を認める価値がありません。
 そして、「法人」の話の場合、その「オバケ」の生みの親は人間です。
 つまり、「会社」という「法人」の姿をつくり、その姿を利用してそこで利益を上げた人間がいる、その人間(黒幕?)がちゃんと責任をとらなければならない、と思います。

 
神戸:村上英樹  弁護士村上英樹のブログ
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2009年08月27日

景気悪化と派遣社員のリストラについて。

○【4割弱が非正社員=派遣は倍増−07年厚労省調査】
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1020991005

現場派遣の派遣会社は公社、NPO法人にしか認可してはいけないものと考えます。現代の奴隷制度は禁止、奴隷商人は排除すべきです。
労働者の賃金を買い叩き利益を出そうする体質の営利団体の派遣業務の形態は禁止すべきです。
NPO的な非営利法人のみに派遣紹介業務の許可を出すべきでり、収支や派遣労働者の待遇の監査の厳格化を義務付けるべきです。

派遣会社事業主の懐ではなく、派遣労働者のところに正当な給与が届く様にすべきです。
或いは、派遣会社の営利を許す現状の派遣制度を続行するなら、派遣労働者の人権保護の不備を正す為に、企業間の派遣レートを派遣社員に対して公開を義務付けたり、派遣企業と派遣社員の取り分の差、割合の上限を(転職斡旋、人材紹介等の特殊な業態を除いて、原則15%未満とかに規定するとか)、具体的に定めるべきです。
又、企業が寮費等で福利厚生費をボッタクリする傾向があるので、福利厚生費用の給与天引きは禁止すべきです。

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■アメリカに倣った自由競争、市場原理主義の構造改革により、日本企業は非正規雇用を増やし、給与を下げるとともに安易にリストラや下請け切りをする様になりました。

しかし、派遣労働者も下請け企業の労働者も、全て皆、自社製品を買ってくれるお客様でもあり、大企業が給料を下げたり、リストラしたり、取引きを断れば、回り回って自社製品を買ってくれるお客様が減るという結果につながります。
従って、安易に大企業が自社の利益追求や利益温存の為に、不用意に非正規雇用を増やし、リストラや下請け切りを繰り返すと、回り回って社会全体が不景気のスパイラルに陥ります。

不景気のなか自社企業の利益だけ守ろうと、安易に大量のリストラや下請け切りを繰り返している大企業、銀行、株主だけが儲かっていても社会全体の景気の悪化は抑えられません。

1998年以降、利益追求の為に、労働者の非正規雇用化や安易にリストラや下請け切りが行われていますが、案の定、日本の景気は一進一退の状態が続いています。
(国のGDPの伸び率が低いのは納税を怠り労働者の賃金を買い叩いて失業者や非正規雇用を増やし地方や労働者に不景気を押し付けている企業や投資家富裕層のせいです。
彼らには『経済における好景気=消費者(自国民労働者)の所得の向上で考える』『お金を増やして利用する』『お金を回して供給と需要を創出し社会を発展させる』といった経済学の知識がなく、単純に他人が利用しているお金までを守銭奴的に集め溜め込み、安直な高利貸しや賭博投資で儲けようとする程度の品性、知識レベルだろう。そのせいで『共成』という考え方による国全体、国民全員の好景気の創出が出来ていません。)

『情けは他人の為ならず。』です。

その点に気付かない経団連や投資家富裕層は、馬鹿か単なる独善的支配者ではないでしょうか?
経済は育てる物です。産業の効率化は削減する事であり経済を萎縮させる。又、高利率の投資は搾取的に社会の経済活動に負荷をかけます。

■企業が時価総額やら自己資本比率やらキャッシュフローやらで経営を考える様になってから、実体経済の悪化以前に金融投資経済の悪化で、簡単に企業の経営状態が悪化する様になったと考えます。
企業の大株主や債権者が銀行や特定の資産家だけだと企業の株価はさして影響を受けないのですが、97、98年頃から護送船団方式の解体や金融の自由化や外資の流入や海外の経営手法を日本企業が取り入れたりしてから、かえって日本企業の経営体力が弱まったのではないかと疑います。

昔は永遠と赤字経営でも会社は潰れず、リストラも一切なかったのに…。
(雇用の調整弁として企業は非正規雇用を多用する様になり、景気の変動によって安易にリストラ、再雇用を繰り返す様になりました。(強欲株主に要求される配当分の利益を確保する為に、安易にリストラして収益をあげざるをならなくなった…。)
薄給でも我慢して、一生懸命働いて自社の売り物の自慢の製品を作ってくれる、有り難い派遣労働者達(給与をあげてやれば、自社製品を買ってくれるお客様(消費者)にもなる存在)を、株主都合で企業が使い捨てにするのなら、労働者のモラルが下がり非難をされて当然です。労働者は奴隷ではないのですから…。
非正規雇用労働者を多用し、安易にリストラ、再雇用を繰り返す、日本企業製品のクオリティは、どんどん下がり続けるでしょう。)
不景気なんですから富裕層である株主に対する配当を下げるのは当然とすべきです。昔の日本は株主に頼らならい経営方法だったはずです。
(09年になってトヨタは突然赤字決算をはじめました。内部留保を非難さる中で、株主への高配当だけは守る為に為に、当面赤字を出すと言って雇用を絞り下請け切りを増やして利益確保しておきながらも、納税を渋り対外的に赤字決算をだすつもりなのでしょう。)

そもそも、株主配当の為に非正規雇用労働者を増やし労働者の賃金を買い叩いておいて何兆円なんて利益を出す経営手法の方が異常です。派遣社員と言えども自社製品を作ってくれている労働者の人達に冷た過ぎる経営をして何の為にそこまで利益を必要とするのか納得できかねます。

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○【メガバンク銀行、優遇政策で法人税を10年納めず】
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik07/2008-10-30/2008103001_01_0.html

○【上場株式の譲渡益、配当の軽減】
http://sankei.jp.msn.com/economy/finance/081015/fnc0810152247022-n1.htm

○【国際金融、資本市場の発展と世界経済(実体経済に対する金融投資経済の比率、90年の2.0倍から06年には3.5倍へと拡大)】
http://www.meti.go.jp/report/tsuhaku2008/2008honbun/html/i1120000.html

○【日本企業の金余り】
http://www.dir.co.jp/publicity/column/041206.html

○【空前の高配当 東証1部上場】
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/mnews/20060407mh09.htm

○【証券優遇税制、資産家優遇税制】
http://kaz1910032-hp.hp.infoseek.co.jp/z141214.html

■『証券優遇税制』…これをやっているから労働者の賃金が買い叩かれ国が腐っていくと思われます。『証券優遇税制』は、投資を優遇して国民の労働意欲を削ぎ国を堕落させる悪法です。

搾取的な所得収入方法、不労所得を優遇し国のモラル低下を誘う様な減税処置は最悪な税制です。
政府は、『証券優遇税制』で証券投資を優遇していますが、いわば配当で高利貸し的に不労所得を得ようとする投資家富裕層を優遇し、労働者にたかる社会構造を肯定、推奨している様なものであり、国民の労働意欲を著しく削ぎ国民を堕落させています。『証券優遇税制』は悪法です。

これを推進しているのは不景気時に余剰労働者の首切りや賃金を買い叩く様な事を平気でする様な人間でしょう。金だけで経済や社会や産業や生活が成り立つているとでも思っている拝金主義の馬鹿者だと思います。

馬鹿連中が実際の現場で物を作り、社会を形成してきた労働者を軽んじて、国の拝金主義政策をおし進め、労働者層を失業や貧困に追い込む事で奴隷化を図り、彼ら労働者達の労働エネルギーや生活エネルギーにたかり搾取して野垂れ死にさせ国を傾けています。

ワーキングプア層は貧困の中、生き延びる事に精一杯で、家庭や文化や思想、夢すら持てず現代先進国であるはずの日本社会の中で奴隷化しています。
国民の誰もが安心して暮らし結婚し子供を作り守り育て未来をつなげることが可能な社会にすべきであると考えます。(日本は貧困層の未婚化で滅びそうです。)

○【男性の結婚率「非正規は半分」所得、雇用形態が影響 厚労省調査】
http://sankei.jp.msn.com/life/lifestyle/090312/sty0903120003000-n1.htm

○【所得格差指数 最大に…非正規雇用増が一因か】
http://job.yomiuri.co.jp/news/ne_07082705.htm

○【非正規労働者の賃金は正社員の半分にも満たない!(欧米60%〜90%、日本は48%)】
http://finalrich.com/sos/sos_economy_work-regular.html

○【日本、無保険失業者の比率77% 先進国で最悪。ILO報告書】
http://www.47news.jp/CN/200903/CN2009032501000123.html

■私は投資、金融産業を国家の基幹産業とは思えません。むしろ労働者の経済を細らせ労働意欲をそぐ、寄生虫的悪魔のシステムと考えます。
しかし国内の1、2次産業を海外に移転させて国内産業空洞化を招く様な事をしておいて、外貨稼ぎの為に国家の基幹産業として投資、金融産業を推奨し国家の経済の中心に据えるのなら、他の第1、2次産業の法人の固定資産や利益に多量に課税する様に、配当課税や株譲渡税等に対しても、しっかりと課税して『国民に富を還元させる』責任を担わせるべきと考えます。

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■公共事業を行ったり、補助金を出していても国内の景気は全体として良くならず広がり続ける格差社会…。
そもそも、政府が小泉構造改革で格差肯定社会を公言したせいでそうなっているとも言えます。

労働者層の貧困化と資産家富裕層の格差の二極化が進むなか、いわゆる『勝ち組』と言われる流行りに敏感で小賢しい庶民が、アメリカ的な資産家、投資家、事業主に憧れ、構造改革で新たな既得権益で作った既得権益で労働者の賃金を買い叩きつづ、蓄財したお金を投資や投資運用に利用し資産を作り続けているのでしょう。
労働者の賃金を買い叩き、出された公共事業の交付金や補助金を労働者に還元せずに、事業主や株主が独善的に吸収してし続けているのです。

労働者を雇用せずに投資による事業規模拡大や資産運用ばかり考える投資資産家事業主ばかりのせいで、せっかく出された交付金が失業貧困層にまで届かず(国による所得の再分配、富の還元がなされず)、庶民の貧困化がかえって広がっています。

近年、企業のモラル低下が著しく、又、一般労働者庶民の賃金の低下がどんどん進んでいる事から、悪徳事業主が増えており、公共事業や補助金のバラマキ行政では、失業率の改善、貧困層の救済の役には、たいして立っていないと推察します。

政府の方で労働者の業種や雇用形態による最低賃金の規定を設け、最低賃金の底上げを厳しく指導すべきと考えます。又、公共事業や補助金の種類によっては失業者を雇用する事を義務付けたり、公共事業や補助金が適正に使われているか監視すべきと考えます。

あるいは、いっそのこと、格差肯定の競争社会の中では、事業主の横暴で労働者の賃金が買い叩かれたり補助金のもらい方が搾取的になるので、企業のリストラ経営を許容し(企業への公共事業や補助金を出すよりも)、失業保険や生活保護を直接、ハローワークや役所を通じて貧窮失業貧困層に無制限支給した方が安あがりとも思えます。(失業保険や生活保護を得た失業貧困層の消費に企業の方がたかるという、定額給付金と同じ経済効果も期待できます。モラルの問題がありますが…。)

例えば、

※《2005年度:特例公債28.2兆円、建設公債6.2兆円、合計34.4兆円、公債依存度41.8%。(予算)》

仮に、2005年度の特例公債28.2兆円分を全て生活保護費や失業保険に回したとします。

生活保護や失業保険を一世帯あたり年間100万円つづ配るとして、2820万世帯に支給する事が可能です。(日本の総世帯数5110万の半分以上をカバー可能です。)

貧窮失業貧困層を救済する為には、事業主の懐にしまい込まれてしまうようなバラマキの公共事業や補助金を交付するよりも、欧米の様に失業保険や生活保護を直接失業貧困層に支給した方が安あがりになる可能性があります。

公共事業等で無理して働かせて税金の無駄使いをするよりも、潔く失業保険や生活保護を支給し、その間に起業アイデアを練らしたり次の就職先をゆっくり探させた方が労働者の為にも、公共事業や補助金を出す側の行政にとっても良いのかも知れません。

失業貧困対策についても高失業先進国の欧米のやり方を見習うべきなのかも知れません。

信州:usahara

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2009年08月24日

小泉元首相が言っていた『米百俵』は何処へ消えた?

急激な世界のグローバル化により世界各国で格差、貧困問題が起きていますが、そもそも企業、富裕層、庶民、政府とではグローバル化に対する考え方、認識がそれぞれ違うのではないのかと疑います。

企業、銀行、資産家にとって金融、産業のグローバル化は絶好の儲け話であり、またグローバル化後の世界の支配権をかけた世界競争です。
投資家、銀行、証券会社にとっても市場経済のグローバル化と、グローバル化による経済、社会の混乱は、またとない儲け話であり、不動産、証券、債券、先物、ファンドを利用して市場経済を賭博化し、旧バブルの再来とばかりに稼いでいます。
そんな中で庶民は、お金や製品が国や地域を越えて飛び交い、弱者がいっこうに仕事やお金を得れないグローバル化競争の弊害や問題に気付く事なく、グローバル化の間(又その後も)永遠と失業、格差、貧困に悩まされ続けます。
政府は世界のグローバル化の中で『21世紀ビジョン』を定め、それに向かって構造改革を押し進めている様ですが、グローバル化の先に必ずしも国民(全体)の幸福な未来社会がある保障は何もないのです。
『供給サイドの経済学(レーガン税政)』と『イノベーション論』に基づく机上の理想論による改革ではなく、政府はグローバル化によって産まれる闇と負の部分を国民に注意喚起し、格差肯定、過当競争社会であるグローバル化社会の是非を全国民に問うべきです。
このまま何も考えなく、完全自由競争による経済、産業のグローバル化を押し進める事は労働者、貧困層を悪戯に疲弊させ、庶民の人権『人間の安全保障』を脅かすとともに、資産家による、投資、金融(株やお金)で支配された独裁国家に至ります。
二極化が進み、成金資産家が、さながら北朝鮮の労働党の幹部富裕層の様に日本の労働者を支配して操る様な社会への変化に気付くべきです。(労働者層の奴隷化)民主主義を死に至らしめています。
非正規雇用の労働者層のワーキングプアは、生き延びる事に精一杯で、文化や思想を持ったりする事が出来ず、又、恋愛し、結婚して子育てする余裕もない貧困状態です。
グローバル化だからこそ、国家よる弱者の個性ある庶民文化や生活の保護の為の経済、社会、文化に対する『反グローバル化』の考えも必要と提唱します。富裕層や投資に対する重課税による、国家の共産性の確保や社会や国民生活の保障や維持の考えも必要と考えます。

このまま弱者の自己責任として、過激な『グローバル化競争社会』を肯定して、共喰いや階層社会を容認しないで下さい。
負け組の弱者がホロコースト状態になる阿鼻叫喚の地獄の大失業時代の未来に対する現実から目をそらさらぬ様お願いします。
小泉元首相の言う『希望選択的な格差社会』という考え方に騙された『負け組』は、グローバル化競争社会の中で、国や自治体に予算不足を理由にたいしてセーフティネットを設けて貰ず、又、国の強いた自己責任の競争社会の中で、収入の得方や生活の成り立たせ方が分からずに、迷走して行き詰まり、現代人の生活レベルも確保出来ない貧困の中で、日本に「少子化、自殺、野垂れ死に、孤独死、犯罪、殺人、気違い」の呪い的な社会現象をもたらし続けています。

2001年より始まった『小泉構造改革』は、一般庶民の認識としては、景気回復と財政難を理由に、規制緩和、行政の縮小を行なっているものと思われていますが、実際には米国の求める投資、金融の規制緩和、自由競争、市場開放に迎合したものです。
アメリカと交わした年次改革要望書に基づくもので、米国の求める経済のグローバル化に伴う日本経済(金融、投資、産業)の市場化、開放への改革要求に迎合したものであり、『規制緩和』『小さな政府』『官から民』への改革で、市場原理に基づく自由競争と経済的利益追求を重視したアメリカ型競争資本主義社会への改革です。
その為に日本は、自由競争、市場原理主義の副産物である格差、貧困、犯罪、殺人等の様々な社会問題までアメリカと同じ様に被る結果となってしまっています。
日本人は内罰的なので自殺、野垂れ死に、家庭内殺人が多く、現状の競争社会の認識が欠落した経済的、社会的弱者の家庭にとってより悲劇的状況です。
庶民は現状の社会問題に対する正しい認識が欠落しており、内罰的に共喰いや、共倒れを繰り返して野垂れ死にに至っています。
が、生活に困っていない享楽的な『勝ち組』の富裕層に同情される事はなく、むしろ競争社会の意味を知っている貪欲な富裕層や、ヤクザ紛いの経営者、犯罪者の餌食となって仕事や財を奪われたり、貧困の中、人権も主張出来ず、享楽的な勝ち組の配当や利益を稼ぎ出す為の奴隷的な低賃金の非正規雇用労働者の『負け組』として利用され続けています。
彼ら負け組は、勝ち組に低賃金労働をいとわない国内外の外国人労働者と賃金を競合させられて買い叩かており、途上国の労働者と同じ給与で労働する事を求められ、物価の高い日本で途上国の庶民以下の生活を強要されて未来の無い状態です。
構造改革以前の日本は、護送船団方式と非難されつつも政府が企業、銀行を取りまとめ管理することによって、国内経済のコントロールと成長を促すとともに、企業の高課税によって集めた税を商工、農林水産業等の協同組合への補助金や土建等の公共事業によって国民に富を還元する、一億総中流の共産的社会を保って来ました。(『修正資本主義』)
又、関税や大企業に対する各種規制を設ける事によって、国の産業や中小零細個人の弱者を保護して来ました。
それを破壊したのが構造改革であり、アメリカの押し進めている自由貿易、自由競争、市場原理主義による経済、産業のグローバル化の流れです。
規制緩和のなかで中小零細個人の商工、農林水産業従事者は、国の枠を取り外した国際競争を迫られて次々と倒産に追い込まれ続け、失業し、大企業に非正規雇用のパート、派遣、アルバイトとして企業利益追求の為に低賃金労働者として使い捨てにされ、社会的に奴隷、家畜の貧困層に追い込まれ続けています。
彼らからすると、政府のいう構造改革による景気回復とは株式(株価)の経済の回復を指し、実際には自分達の産業(会社、仕事)を奪い、貧困労働者層に落としめた改革でしかなく、自分達の生活向上や景気回復には貢献していません。
構造改革のスタート時に小泉元首相が言っていた『米百俵の精神』は何処へやらで、一方的に経済的、社会的弱者に、途上国の同じ生活レベルの貧困を押し付ける現状になっています。
投資優遇税政等の減税処置により、現在バブルで浮かれている富裕層とは対象的に、同じ日本国民でありながら、『規制緩和』『小さな政府』『官から民』への改革の中で庶民が政府に守られなくなり、個人の自己責任で世界競争を生き延びる過酷さを(ノーアイデア、情報格差のある)貧困労働者層に強要するだけになってしまっています。(自己責任で生き延びなければならない自立を弱者に迫る社会。『人間の安全保障』が無い社会。)
『米百俵の精神』の例えを信じ過ぎた中小零細個人の商工、農林水産業従事者や非正規雇用の貧困労働者層は、この過酷な競争社会の中で先進国の現代人の生活レベルを個人で確保できるのでしょうか…?助けられていない彼らは、小泉元首相や当時の自民党に騙されたと思って恨んでもいい筈です。

果たして、現政府は『米百俵の精神』を忘れて、グローバル化における格差の二極化を容認するつもりで構造改革を押し進めていくつもりなのでしょうか?
2001年当時、庶民の景気感の恐慌と財政難を利用して、非効率でインモラルな旧官僚、政治家を中心とした天下り、談合などの官僚や政治家などの既得権益(公共事業、補助金で地方にお金をバラ撒く政治で成り立っていた社会)を破壊し、規制緩和、民営化、投資優遇税政により民間、企業主導の社会に改革し、企業の国際競争力強化による景気回復を期待して始めた構造改革であったが、(不景気で公務員や地方自治体に国民の不満の矛先が向き、経済基盤が脆弱な地方に自立を迫る『三位一体』等の行政改革に各自治体も納得して従った様だが)実際には2001年当時も、それ以前も大企業自体は、たいして不景気ではなく、むしろ80代後半のバブル期以後の大企業の海外進出による下請け切りや途上国等からの格安の輸入品や逆輸入品により中小零細の企業が倒産、廃業に追い込まれ、国内産業空洞化状態になっていたのが直接的な原因と考えられます。
また1997年にアジア通貨危機、1998年にロシア通貨危機が起こり、中小零細企業の倒産による連鎖で銀行が潰れまくり、1998年頃に日本のモラルハザードが起こりました。(自殺、犯罪の急増)
同時期に『金融システム改革法』『外為法改正』『金融ビッグバン』によりメガバンクの誕生や外資の流入や投資金融の規制緩和が行われています。(この時、既に国は投資金融のグローバル化の流れに乗っていた。)
構造改革前後に経団連等に政府が頼んだのか、大企業は国内に工場を一定量戻すとともに失業者を派遣雇用してコストダウンを図るとともに、下請け企業の再下請け化と海外への共同進出、産業の創出によって日本経済(産業)の景気回復を図り、日本工場と海外工場&日本市場と海外市場を貿易(輸出入、逆輸出入)と生産品目や量のコントロールによって自国や相手国の経済や産業や雇用の安定を図るコントロールを業界団体と政府で行なっている様に見えます。
日本の景気回復は、こうした大企業の国内回帰と産業創出と海外市場開拓による所が大きく、『金融改革』『資産家優遇税制(レーガン税政)』『外資の流入』による投資優遇政策がどの程度、日本全体の経済の景気回復に貢献しているかは疑わしいと考えます。
むしろ金融改革と減税は構造改革以上に、日本に社会変革『二極化』と国民のモラル低下をもたらしました。
安直に資産家という事で、金で金を儲ける(実際には社会の寄生虫的立場でありながら)社会を支配しかねない、納税を渋る無職の投資資産家の『勝ち組ニート』を大量に生み出し、お偉い株主や経営者としてもてはやしつつ、同時に構造改革以前の社会を支え、社会のモラルを形成し保って来た筈の大部分の労働者層であった中小零細個人の商工、農林水産業従事者を大量失業に至らしめ『負け組』として、高配当を生み出す為の奴隷的な低賃金の非正規雇用労働者層の『ワーキングプア』や、企業の産業の流れから外れた貧困失業者層の『ネットカフェ難民』『求職者ニート』に至らしめ、社会のモラルを破壊したのではないでしょうか?

グローバル化による原始的な資本競争における格差、貧困社会への変革であり、現在の格差、失業、貧困は、投資家、資産家によって押し付けられたものであることを日本国民全員が認識すべきことです。

アメリカは元々西部開拓地代より自己責任の競争社会『アメリカンドリーム』で国を形成しており、又、キリスト教国であることから富裕層には競争によって当然発生する弱者に対する慈善事業や寄付やCSR等の考えもあります。
又、長い間、日本等の途上国からの大量の輸入品による貿易赤字、万年失業大国を長年続けており、国民全員の失業に対する理解が高い国です。
これからグローバル化がますます進むにつれ、世界各国の先進国がアメリカと同じ万年失業大国の悩みを抱えることになるでしょう。それを理解して改革を進めるべきと考えます。
日本が常に勝ち続け、世界の経済、産業のイニシアティブを取り続けられるとは考えられません。
弱者の生活を無視した国民全員を付き合わせる経済、産業のグローバル化競争の第3次世界大戦を、国の枠を壊して無制限に続けても、今後ますますの少子化(過激な競争により子育てしている場合ではない)の進行と、巨大な資本による投資金融の混乱や寡占化(ヘッジファンド、M&A)に国民生活を巻き込み、国内経済は焦土になるでしょう。
過激な過当競争による国内経済、産業の焦土化を避ける為には、自由競争ではなく、友好国や友好企業との手打ちによる談合の経済、産業のコントロール、規制や税政の統一ルール作りの必要性を感じます。
自由競争が建前としても、将来的にグローバル化による経済、産業の寡占化が世界各国で問題なると考えます。

信州:usahara

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2009年08月11日

裁判員裁判と新たなブラックボックス〜担当する法律家の良心が問われる[弁護士業について]

 ついに裁判員裁判がスタートしました。

 検察官がいわゆる「プレゼン型」冒頭陳述を行い、弁護人もそれに負けじと「プレゼン」ということが報じられています。

 なるほど、パワーポイントを用いたり、図示をしたり、そういった「分かりやすい工夫」は良いことで、私が目指してきたものにも近いものがあります。

 ただし、私が今まで「分かってこそ法」という理念を実現するために一番苦労してきたし、大事だと思っていることは、実は「プレゼン技術」ではありません。
 もっと大事なポイントがあるのです。

 「市民に分かりやすくプレゼンする」ことは、見た目には単に「技術」でできてしまいます。一見「分かりやすくプレゼンしている」「分かりやすく要約している」かのような形を作ることは実は簡単。
 が「分かりやすく」しながらも「うそをつかない」「正確性を損ねない」ことが何より大切なのです。そしてそれができるのは、「本当に分かっていること」「事件の本質に限りなく迫れるまで記録を読み込み分析していること」が不可欠なのです。

 単純に言って、

裁判で出されている膨大な書類の山、資料の山と、

裁判員裁判で市民に分かりやすくプレゼンされる 図・表とでは、情報量が全く違います。

 ということ、「プレゼン」「要約」は、(当然ながら)膨大な事実や資料のポイントを抜き出して、細かい部分を省略している、ということが大事な点です。

 タイトルで「ブラックボックス」と私が書くのは、つまりここです。

 検察官や弁護士が、裁判員(市民)に対する「プレゼン」を作るときに、


膨大な資料のうち  どのポイントを抜き出すか  (それが本当にポイントなのか)

             どの部分を省略しているか (省略の仕方が本当に正しいか)


という、ここがブラックボックスだ、ということです。

 つまり、「分かりやすいプレゼン」をするときに、大切なことは、プレゼン技術だけではなく、

誠実に、職業倫理に基づいて、嘘をつかずに膨大な資料を「要約」すること

なのです。後者のほうが本質的には遙かに大事。

 
 ハッキリ言います。

 その場限りのウソなら専門家は素人に対していくらでもつけますし、多くの場合、ウソやごまかしは後になってもばれません。
 ましてや、「要約の仕方」というレベルになれば、そこにいい加減なところがあっても、まずなかなか分かりません。「ウソ」とまでいかずとも、不正確な要約や過剰な演出によって、裁判員がミスリードされる恐れは大きいのです。

 だからこそ、裁判員制度の「プレゼン」には、法律家の職業的良心、倫理観、誠実さが求められるのです。


 裁判員裁判。
 市民に対して「分かりやすい」ことはいいことです。
 ですが、皆さん、「分かりやすくする工夫」、つまり、「料理の仕方」は専門家に任せていることをお忘れ無く。
 さらに、「分かりやすい」がために、「分かりやすくする工夫」(「料理」)に変な物が混ざっていたらより怖い、ということも指摘しておきたいと思います。
 
 そして、裁判員裁判を担当されている検察官・弁護人にはこう言いたい。
 過度に「プレゼン技術」に躍起になるのではなく、それ以前に、「プレゼン」「要約」をする際に法律家には法律家としての誠実さを持ち続けないといけないことをまず確認して頂きたい、と思います。
 
 私も裁判員裁判を担当する際には、「小手先のプレゼン技術」に走るのではなく、事件や法律についての正しい認識に基づいて、本質を損ねず、正しいやり方で分かりやすい言葉に言いかえることによって、市民参加の裁判を本物にしていくことを心がけたいと思っています。
 
 さらに一言。
 アメリカ映画の陪審みたいでかっこいい、面白そう、という感覚も悪いとは言いません。法廷で、依頼者に代わって、依頼者が言いたいことを伝える役目が私たち弁護士です。このことには、アメリカも日本も元々変わりはありません。「伝える技術」を磨くことは、プロ野球選手が毎日素振りをするのと同じくらいに大切なことでしょう。

 ですが、それにもかかわらず、法律家は口べたでも誠実なほうがよい、ということもお忘れ無く。「口から先に生まれてきた」と言われ続けて三十余年の私が言うのも何ですが

神戸:村上英樹  弁護士村上英樹のブログ

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2009年08月10日

衆院選 貧困者の声を政治に反映させよ

 
貧困者の声を.jpg
「投票権のないホームレスやネットカフェ難民にも国会議員は光をあててほしい」と訴える「反貧困ネットワーク」の宇都宮代表(総評会館で。写真=筆者撮影)


 衆院選挙まで3週間を切ったが先月31日、ワーキングプア、シングルマザー、多重債務者などで作る「反貧困ネットワーク」が総評会館に各党の国会議員を招き、生活の窮状を訴えた。

 貧困問題は密接に政治と関わる。「派遣法」「母子加算」「貸金業の規制」などが来期も国会の争点になっていることを見ても明らかだ。国会で法改正してもらうために、「反貧困ネットワーク」所属の団体は日頃からこまめに国会議員に働きかけている。

 出席した国会議員(自民・民主・共産・社民など)を前に「反貧困ネットワーク」の宇都宮健児代表が挨拶した。「ネットカフェ難民、ホームレスは住民票がないので選挙の投票ができない。きょう来ている国会議員の先生たちは、このような人たちにも光を当ててほしい」。

 小泉政権以後続いた福祉切捨てや派遣法改悪などの結果、世代を超え、あらゆる階層に貧困が広がった。

 奨学生は「アルバイトで生活していた学友が進級できなかったため寮を追い出され学校からもいなくなった」。野宿者支援団体の代表は「ホームレスが倍増している」。シングルマザーは「一日も早く母子加算を復活してほしい」。派遣労働者は「労働者派遣法は労働者を切り捨てる法律だが、労働者を守る法律に変えてほしい」・・・・・・皆、血を吐くようにして訴えた。

 「反貧困ネットワーク」は、貧困の実態調査と生活保護、雇用、母子家庭など16の分野でセーフティーネットを早急に構築することを、各党に要求してゆく。

 「貧困問題に取り組まない政治家はいらない」というのが「反貧困ネットワーク」の揺るがぬスタンスだ。

 次期政権党となることが有力視されている民主党の菅直人代表代行は「貧困の実態調査はマニフェストには盛り込まなかったが、(鳩山首相の)所信表明に入れたい」と答えた。

 失業率が最悪を更新し続け、年収200万円以下のワーキングプアが1千万人を超えるご時世。どの政党が政権を取っても貧困問題は避けて通れないことは事実だ。

東京:田中龍作 田中龍作ジャーナル

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2009年06月25日

「骨太方針」撤廃、国民の骨だけがきしんだ

小泉政権が誕生した01年頃、国家財政は多額の赤字国債を抱え、金融機関は膨大な不良債権を負っていた。大型の企業倒産が相次ぎ、就職は氷河期。この国の経済はニッチもサッチも行かない状態だった。

 「財政再建なくして景気回復なし。痛みに耐えて頑張ろう」。集団催眠にかけるような詐術的なフレーズと共に、ヤリ玉にあげられたのが『公共事業』と『社会保障』だった。基本政策ともなった「骨太の方針」により両者とも大ナタを振るわれた。

社会保障費は「骨太の方針」が実行に移された02年度から今年度までに8兆円も削減された(朝日新聞24日付)というから驚く。筆者は福祉の現場で悲鳴を聞いた。

 障害者は介助費が1割負担となった。もともと収入が限られている身に余計な出費がのしかかった。時間でカウントされる介助費を削るためにトイレで食事を取る障害者まで現れた。
 
 生活保護の母子加算である月々2万3千円の支給を廃止されたシングルマザーは、どこを削ってよいのかわからないほど切り詰めた生活を送る。ある女性は「食費を節約するために、ス−パーで安売りのウドン玉を買い込んで少しづつ食べて行く」と話してくれた。

 

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「これでは生きてゆけない」老齢加算の復活を求めてお年寄りたちが提訴した(東京地裁前。写真=筆者撮影)


 生活保護の老齢加算を廃止された老人たちが「これでは生きてゆけない」として加算の復活を求める裁判を起こしたケースもあった。

 母子、老齢加算を廃止した政府の言い分は「一般の母子家庭、生活保護家庭よりも消費が多いから」だ。このうち母子加算については比較対象世帯がわずか32軒だったというから、根拠が実に怪しい。いずれにしろ論理が逆だ。「苦しくても我慢している世帯があるのだから、お前らはもっと我慢しろ」を強いるのでは、政府が社会保障政策を放棄したに等しい。 

 一方で官僚に代表される国家公務員の特権は温存された。天下りなどに伴う官僚の無駄遣いは年に12兆円にも上る(衆院調べ)。年額12兆円もあれば、今日本が抱えるほとんどの問題は解決するであろう。
 
 公務員は民間人よりも高い給与水準で事実上リストラはない。そんな彼らが格安の公務員住宅に住む。
 税金を払って彼らの優雅な生活を支えている一般の国民は、高い賃貸住宅に住みスーパーの安売り食品を漁る。額に汗して働いていても、簡単にクビを切られる。

 『痛み』に耐えなければならないのは、一般の国民だけだった。不評を買った「骨太の方針」は、総選挙を前に事実上撤廃されることが決まった。国民の骨だけがきしんだ8年間だった。

 東京:田中龍作 
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2009年06月10日

秋葉原通り魔事件から1年

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事件で殺害された恩人の冥福を祈る女性(8日午前10時、東京・外神田交差点で。写真:筆者)


 東京・秋葉原の歩行者天国で「派遣切り」に遭った労働者が、タガーナイフで17人を殺傷した事件から1年が経つ。凶行の現場となった外神田3丁目交差点には犠牲者の冥福を祈る人が次々と訪れ、花束やジュースなどを添えた。

 事件で恩人を失った女性(写真)は、「あのような事件は2度と起きてほしくない」と涙ながらに語った。

 歩行者天国で賑わう日曜日の秋葉原。レンタルのトラックで乗り付けた男は車を降りるとダガーナイフを手に無差別に斬りかかっていった。7人が死亡、10人が重軽傷――。禍々しい事件から8日でちょうど1年が経った。凶行の現場となった外神田3丁目の交差点には犠牲者の冥福を祈る人が次々と訪れ、花束やジュースのボトルなどを手向けた。

 現場すぐ近くの岩本町で生まれ育った主婦(40代)は事件発生と祖母の心臓発作が重なった。普段は外神田の消防署から来る救急車が無差別殺傷事件で出払っていたため、赤坂から来た。祖母は病院に運び込まれるのが遅れたが、どうにかこうにか一命は取り留めた。

 主婦は「秋葉原は物騒になった。子供をこの辺で遊ばせないようにしている。事件も犯人も絶対に絶対に許さない」と唇を噛む。実際、秋葉原の歩行者天国は再開のメドさえついていない。

 日野市から駆けつけた女性(26歳)は恩人が殺害された。事件から2年前、妊娠中だった女性はJR新宿駅の階段で転んだ。この時助けてくれたのが、芸大生の武藤舞さんであることを、テレビニュースに映し出される犠牲者の顔写真で知った。武藤さんの救いもあり、お腹の子供は無事生まれた。 

 「武藤さん天国で安らかに眠って下さい。あのような事件は2度と起きてほしくない」。女性は静かにそして長く手を合わせた。

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花を手向け合掌する女性(外神田交差点で。写真=筆者撮影)


  事件は犯人が派遣労働者であったこともセンセーショナルを呼んだ。加藤智大被告(当時25歳)は勤めていたトヨタ系列の自動車工場から「今月一杯で来なくていい」と解雇を通告され、自暴自棄になっていた。派遣会社の寮に入っていた加藤容疑者は職と住まいを同時に失うのだ。

 自動車工場で働く派遣労働者の労働条件は恐ろしいほど悪い。日野自動車の工場で派遣社員として働いた経験のある男性は話す。「普通のアパートより高額な派遣会社の寮費、冷蔵庫、テレビなど何から何まで給料から差っ引かれる。手元に残るのは2〜3万円」。
 仕事そのものも過酷だ。事件が起きた6月ともなれば工場の温度は30度C以上になる。熱中症で倒れる労働者が続出する、という。

 筆者は加藤被告を弁護するわけではない。だが、人間扱いされない状況で働かされてモノのように捨てられたのだ。休日を楽しむことができる人たちを羨み、それが殺意にまで昂じたのかもしれない。

 事件から半年後、「派遣切り」「非正規切り」で大量の労働者が職と住まいを同時に失い「派遣村」で夜露と飢えを凌いだ。今では「正規切り」も当たり前になっている。加藤容疑者の刃の意味を今改めて問い直す必要がある。

東京:田中龍作 
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2009年05月29日

ホームレスへの偏見に挑戦した写真集

「段ボールの寝床」「破れて穴の空いた靴」「路上で真昼間から缶酎ハイを煽り、頬はやせ細っている」……。ホームレス写真と言えば、公園や地下街などで暮らす彼らの苛酷な生活を撮影したものが目につく。しかもモノクロームで陰影が強調されていたりするので、余計に彼らの生活の厳しさが伝わってくる。

 こうしたホームレスに対する固定観念をきれいさっぱりと変えてくれる写真集が近く発売される。『STREET PEOPLE・路上に生きる85人』(撮影=高松英昭・太郎次郎社エディタス)だ。

 写真家の高松英昭さんが東京、名古屋、大阪のホームレス85人を6年がかりで撮影した。本のページをめくると「新手のファッション雑誌」かと錯覚する。

 ユニクロなどで売っている小粋なカジュアルウェアに身を包んだ男性が次々と登場するのだ。日焼けし、年季の入った男性モデルの顔が、強烈なアクセントになっている。『路上に生きる85人』のサブタイトルが表紙に載っていなければ、ホームレス写真集とは誰も気づかないはずだ。
 
 高松さんは写真集のねらいを語る。「きれいに撮ったのはホームレスに関心のない人たちの心の扉を開けようと思ったから。ホームレスに対する偏見への挑戦でもある」。

 一方で「ファッショナブルに撮ろうとしても、おっちゃんたちの視線や指の形が人生経験の豊かさを物語っていた」とも話す。苦労を積み重ねた男たちの人生を捨象するのは、容易ではなかったようだ。

ホームレスのモデル.jpg
               モデルになったホームレス男性たち。右端は写真家の高松さん(東京・赤坂で。写真:筆者)

 撮影には時間がかかった。1時間がかりであらゆるポーズをとってもらった人もいれば、3回撮り直した人もいた。高松さんは「(じっくり撮っていると)おっちゃんたちの目が『俺をもっと見てくれ』と語りかけてくるのが分かるようになる」と話す。レンズを通した被写体との会話は写真家の醍醐味だ。

 6年の撮影期間中には辛い出来事もあった。モデルになってくれた池袋のホームレス、佐藤さん(仮名)が今年2月、インフルエンザにかかり路上で命を落とした。「役所の世話だけにはなりたくねえ」が佐藤さんの口癖だった。最期まで生活保護を拒否し、病院にもかからなかったのである。

 「俺の目はきれいなんだ」と自慢していた佐藤さんの目をアップで捉えた写真は、今も佐藤さんがこの世にいて何かを語りかけているようだ。

 写真集を飾る85人のモデルは雑誌『ビッグ・イシュー』の販売員でもある。一冊(300円)売ると160円が販売員であるホームレスの収入になる。ホームレスが自立を目指すための取り組みだ。モデルの一人植村二三夫さん(50歳)は、「写真集を通じて『俺たち路上生活者は頑張っているんだよ』というメッセージが出せて嬉しい」と日焼けした顔をほころばせる。

 写真集『STREET PEOPLE・路上に生きる85人』は、全国書店に先駆けて『ビッグ・イシュー』販売員が6月1日から路上で売る。語りかけてくる「おっちゃんたちの目」に会いに行ってみないか。

東京:田中龍作 
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2009年05月23日

手持ちのお金がなくても弁護士に依頼することは出来る〜法律扶助制度 [弁護士業について] [編集]

 今日は、「法律扶助制度」について説明します。

 刑事のほうでは、裁判員制度がはじまっただけでなく、被疑者(裁判になる前に、逮捕拘留されている人)の国選弁護(特に、費用がない方のために、国が弁護士を付ける制度)について拡大されました。

裁判員制度が良いかどうか問題点は確かにありますが、国選弁護の拡大のように、貧富の差にかかわらず、誰もが必要な法的なサポートを受けられるようになることは、日本国憲法のもとでの法の支配にとってとても大切なことです。(ただし、国選弁護報酬が弁護士にとって「赤字仕事」になるくらいに低額であることは、憲法の法の支配の実現の妨げになり、趣旨に沿いませんので、直ちに改善すべきことですが。)
 
 さて、刑事に限らず、貧富の差にかかわらず法的サポートを受けられる制度が、「法律扶助制度」です。


1 法律扶助制度とは


 民事・刑事・家事・少年等にすべて共通して、「法律扶助制度」というものがあります。

 昔は、

「裁判をしようにも、裁判をするためのお金すらありません。」

という話がたくさんありました。

 が、現代においては、お金がなくても裁判をする、弁護士に事件を依頼することが可能です。

 弁護士に依頼する初期費用(「着手金」等)が用意できない場合に、収入要件等一定の条件の下に、初期費用を「立て替え払い」してくれる制度が「法律扶助」です。


 法律扶助の制度は、法テラス(日本司法支援センター)のHPに解説されています。

http://www.houterasu.or.jp/service/hiyoutatekae/


 基本的に、

@ 依頼しようとする人の収入が一定基準以下で(上の法テラスHP参照)

A 勝訴の見込みがないとはいえないこと(勝訴確実でなくてもよいです。但し、全く見込みがない事件はできません。)

B 立て替えをするべき筋合いの事件であること(簡単に言えば、「嫌がらせ目的」訴訟などはだめで、経済的な救済の必要があるような事件である、ということ)

の3つの条件を満たせば、法律扶助制度で、弁護士費用の立て替えが受けられます。

 立て替えを受けたお金は法テラスに、たとえば「毎月1万円ずつ」というかたちで返済して頂きます。
 この立て替え制度は、借金のようなものではありますが、利息はかかりません。


2 法律扶助制度を利用するには〜2つのルート


ルートその1 〜 法テラスへの直接申込

 事件を依頼する弁護士が決まっていないときに、法テラスという機関に直接申し込んで、弁護士の紹介を受けて、法律扶助制度を利用して事件を依頼するルートが1つです。
 弁護士に知り合いがいなくても、特に依頼するべき弁護士が見つかっていない場合でも、すぐに申込できることが利点です。
 連絡先は、お住まいの近くの法テラス事務所http://www.houterasu.or.jp/houterasu_gaiyou/shozaichi_renrakusaki/
です。


ルートその2 〜 持ち込み扶助 まず自分で依頼する弁護士を決めてから、その弁護士を通じて、法律扶助を申し込む方法です。
 弁護士が、手続きをしますから、弁護士が法テラスに事件を持ち込んで扶助申込するという意味で「持ち込み扶助」と言われます。
 メリットは、上の直接申込・法テラスで弁護士紹介の場合は自分で弁護士を選べないのに対し、「持ち込み扶助」方式の場合は、依頼者が信頼できると判断した弁護士に事件を委任することができます。
 弁護士を選べるということです。(ただし、依頼しようとする弁護士が、法律扶助申込してその事件を受けることに同意していることが前提ですが。)


  
3 その他およびまとめ  

 法律扶助の場合は、弁護士費用の金額は、法テラスが独自の基準で決定します。弁護士費用額を事件毎・事情毎に融通をきかせることはできません。そのことが欠点といえば欠点ですが、多くの場合は標準的な弁護士費用額より低額で利用者に有利ですから、経済的弱者に役立つ制度になっていると思います。

 ですから、「裁判をしたいと思っている。でもお金が・・・」という方でも方法はありますし、法律扶助利用することによって良い結果を得ることが出来る場合がありますから、遠慮せずにご相談頂ければと思います(付け加えると、一定の要件を満たせば、法律相談料も無料になる場合があります)。
神戸:村上英樹  弁護士村上英樹のブログ
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2009年05月15日

【ハケンという蟻地獄】登録型派遣の禁止、今国会で実現を

派遣法を抜本改正し登録型派遣の禁止などを求める集会が14日、日比谷野外音楽堂で開かれた。

 登録型派遣とは仕事がある時だけ雇用関係を結ぶイビツな雇用形態のこと。派遣先(例:メーカー)や派遣会社にとっては好都合だが、労働者にとっては細切れでこの上なく不安定だ。派遣切りに遭っているのは、ほとんどが登録型派遣である。

 派遣労働者のユニオンや労働問題に携わる弁護士などは、登録型派遣の禁止を強く求めてきた。国会では大労組を抱える民主党が及び腰だったが、このほど社民党や共産党などと共に登録型派遣禁止を制度化する法案を提出する方針を決めた。野党の足並みは揃ったことになる。

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                         シュプレヒコールをあげる非正規労働者たち(日比谷野音で。写真:筆者)

 冷たい風が吹きつける夕方の野外音楽堂には、派遣労働者をはじめとする非正規労働者約1,000人が自らの所属するユニオンの旗を持って集まった。
 
 主催者の一人で全国ユニオンの鴨桃代委員長が「派遣切りは事務職にまで広がっている。派遣切りは政治の責任、企業の犯罪」と訴えた。

 派遣村村長でNPO法人「もやい」の湯浅誠事務局長は、ある派遣労働者の惨状を紹介した−ー北海道で家業の酪農をしていたがダメになったので、派遣労働者になった→派遣切りに遭い生活できなくなった→偽造運転免許証で携帯電話を入手すれば金になることを闇サイトで知り実行する→警察に逮捕。

 湯浅村長は「地域を破壊し雇用そして生活までも破壊しているのが今の政治です」と指摘した。

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                                     登録型派遣禁止の法案提出で野党の足並みは揃った

 人間の人生までを台無しにしてしまう派遣労働は法改正して規制するしかない。集会に参加した誰もがこう考えているはずだ。

 今後の「行動提起」をした全労協の遠藤一郎・常任幹事は「あらゆるツテを通して国会議員に派遣法の抜本改正を訴えよう。各党のマニフェストに書かせよう」と呼びかけた。
 
 最後に参加者たちは国会に向けてデモ行進した。「派遣切りは許さないぞ」「派遣法の抜本改正を今国会で勝ち取るぞ」……。非正規労働者たちのシュプレヒコールが霞ヶ関と永田町に響き渡った。一体、どれほどの官僚や政治家が責任と痛みを感じているだろうか。

東京:田中龍作 
この記事の初出は田中龍作ジャーナル です。

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2009年04月22日

わからないことはわからないという勇気〜痴漢無罪最高裁判決 

 タイトルに書いたとおりですが、痴漢えん罪事件が多くある根本は、これまで、多くの裁判所、裁判官に「わからないことはわからないという勇気」がなかった、ということに尽きます。

 もちろん「被告人が痴漢をおかしたかどうか、わからない」と正直に言う勇気です。わからないことは、正直に、わからないと言うべきだ、ということです。

 裁判所、裁判官は、当然責任感から来るものですが「物事をハッキリ白黒つけなければならない」という思いを持っています。それを期待されているわけですし。こういう責任感はもちろん必要なことではあります。

 しかし、日本国憲法、刑事訴訟法は、「わからないことでも、無理矢理白黒ハッキリつけなさい」とは書いていません。

 痴漢という犯罪が卑劣で許すまじものであることは、当たり前のことです。ただ、そのことと、確たる証拠もないのに「多分この人やったのではないかなあ」というレベルで、疑問も残るのに、無理に「有罪」判決を出さなければならないということとは全然別問題です。

 刑訴法の立場は次の通りです。これは、たった1人のえん罪も生まないためにそうするものです。(あなたが、濡れ衣を着せられる立場になったらたまらない、ということを想像してもらえれば、刑訴法の立場に多くの人は賛成するでしょう。)

 「犯罪行為があったかどうか 合理的疑いが残らない 程度に証明された」 ならば有罪であって、そうでなければすべて無罪です。

 つまり、証拠から見て、

A  この人がある犯罪を犯したに違いないと確信できる状態  → 有罪

B  この人がある犯罪を犯した可能性も多分にあるけれど、確信はできない。疑いもある。  → 無罪  (「よくわからない」ところがある、ということです。)

C  この人がある犯罪を犯した可能性もあるが、可能性は低い。  → 無罪
 
D  この人は間違いなくやっていない。  → 無罪

と、こういうことです。
 今までは、痴漢事件などでは、Bの部分について、「よくわからない」ところが残っていることに目をつぶって「有罪」が出されていた傾向があった、と私も思います。
 最高裁の今回の判決が、上のABCDのように、本来の刑訴法の立場、「疑わしきは罰せず(被告人の利益に)」に忠実な司法を取り戻すきっかけになることを期待します。


(以下に、今日のニュース引用)

 痴漢事件 最高裁初の逆転無罪 「司法への不信ぬぐえた」
産経新聞(04月15日03時22分)

 「収監される覚悟もしていた。司法への不信感が渦巻いていたが、それが拭(ぬぐ)われるような判決で、胸のすく思いがした」

 事件から3年。名倉正博教授は無罪判決を受けた感想をこう語った。法廷で主文を聞いた瞬間は「信じられず、全身の力が抜けた」という。

 「無罪判決が得られず、萎(な)えた気持ちを立て直す自分と戦いが一番つらかった」と名倉教授。「支えてくれた奥さまに報告は」と問われると、「おたがいに涙が出てしまって、『ありがとう』とだけ言いました。娘も同じです」と笑顔をのぞかせた。

 ただ、初動捜査や30日間の勾留(こうりゅう)、1、2審については「人の一生をどう考えているのか。怒りを感じる」と語気を強めた。「犯罪者の汚名を着せられた人や、その家族を思うと言葉もなく、有頂天になる気もない」との配慮をみせ、自らの痴漢冤罪(えんざい)が“氷山の一角”であると位置づけた。

 主任弁護人の秋山賢三弁護士は「今後の冤罪救済に心強い判決。犯人を識別する供述証拠の信用性について、小法廷の裁判官の間で本格的な論争が行われたことがうかがえる」と評価、別の弁護人も「事実認定の教科書にもなるような論理展開」と語った。

 最高検の池上政幸公判部長は「被害者供述の信用性が否定されたのは遺憾だが、最高裁の判断であるので真摯に受け止めたい」とのコメントを発表した。

神戸:村上英樹  弁護士村上英樹のブログ

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2009年03月08日

つい7年ほど前のころのこと〜裁判官の「お説」を思う

自己破産事件というのは、ここ10年ほどはとても多い数になっている。

 いわゆるバブルがはじけた平成2,3年ころの後、すぐに自己破産事件が急増したわけではなく、みな不景気の中で耐えに耐えてがんばってきたが、平成7年の阪神大震災もあり、平成10年頃からは非常に多い数になった。

 昔は、主婦やサラリーマンの自己破産事件での裁判所の対応も厳格というか丁寧というか、大層なものであった。
 書類から見て明らかに自己破産であることは間違いなくても、「破産決定のための審尋」(この人は支払出来ない状態です、と裁判所が宣言するための面接のようなもの)と、「免責決定のための審尋」(「この人は、仕方がないから、とりあえず借金を返さなくて良いことにしてあげよう」と裁判所が決定するための面接のようなもの)との2回、破産する人は裁判所で裁判官と1対1で面接しなければならなかった。

 それが、やがて、そんなことをしていたら処理しきれないくらいの破産事件の数になって、書面から明らかなものは、面接は1回で、それも集団でやるようになった。
 これが大体5〜7年前ころのことか。
 今は、その面接もなく、結局、書類からして明らかな簡単な破産事件は、破産者が裁判所に直接赴くこともなく終わる。書類から見て裁判所が突っ込みどころがある事件だけ、破産する人は呼び出される、という仕組みになっている裁判所が多い。

 今日は、ちょっと息抜きに、ここ10年くらいの中での昔の話をしてみたい。

 まず、8〜9年くらい前、私が弁護士になったばかりのこと、このころは、自己破産事件でも、裁判官自らがとても時間を掛けて、懇切丁寧に、あるいはとても大層に、事件を扱っていたこともあった。
 裁判官と破産者(一般の消費者)の面談が1時間を超え、「ふだんの食材はどこで買っているの?」「まさかあなたの収入で、イ○リスーパーで買っているの?」とか、そんなことまでやるか?というくらいの丁寧さで、事件が処理されていたことがあった。
 私は代理人として付き添っていて、正直もう勘弁して下さいよ、と思っていたが、今思えば、時代を感じさせる出来事かもしれない。

 7〜5年前ころ、「集団面接」になったころはもっと味のある場面があった。
 破産を申し立てた人が集団で、一室に集まり、裁判官と面接する。
 面接と言っても、1人1人に声を掛けるわけではなく、裁判官が書類の山を指さして、「みなさんの事情は、ここに書いてある書類にあるとおりですね?違っている人がいたら手を挙げて下さい。」と言うが、だれも手を挙げない。
 裁判官は、「では、書類の通りということを前提に裁判所が判断をします。」と言い、面接の本旨は終り。
 このころ、私は、つい数年前の面接と比べて実に合理化された、と思ってとても嬉しかった。
 しかし、味があるのはこの後である。
 裁判官は、このような「形ばかり」の手続きで終わってしまうのに、やはり皆、物足りない気持ち、又は、若干の後ろめたさ(裁判官らしい生真面目さからくるものと思われる)があるようで、この後に、各裁判官なりの「お説」があることが多かった。
 私は密かにこの「お説」は楽しみにしていた。
 ある裁判官の、破産者への「お説」はこう。

「みなさん、今後は収入と支出をしっかり見直して、自分で管理して下さい。小泉改革が進められていますが、小泉改革で国民生活が良くなるわけではありません。あなた方1人1人の収支が改善されるなんてことはありません。自分で収支管理ができなければ、また同じように借金を作ることになりますから、宜しくお願いします。」

 また、ある裁判官は、
「みなさんは、収入に見合った支出になるように心がけて下さい。この間テレビを何気なくつけたら、芸能人が一ヶ月で○円で生活するという番組をやっていました。私なんか、感心してしまいました。やっぱり工夫すれば節約だって出来ます。今まで使っていなかった頭をちょっと働かせることで、みなさんの家計も変わるかもしれません。そんなに簡単に変わらないにしても、借金する前に、ちょっと頭を働かせて、改善できることがないか、そういう心がけが大事です。」

 こんな感じである。
 前者の例など、国家公務員たる裁判官が、ときの首相である小泉氏の改革で国民生活がよくならない、なんて言っていいのか?と思ったけれど、しかし、その裁判官なりにその人個人のものの見方で真面目に集まった人に語りかけている姿などは、実に味のある光景だった。
  
 
 裁判官の「お説」は、刑事事件でも、判決言い渡しの後に時々ある。
 一つの見方としては、裁判官が上から目線で民に語りかける、ということで「えらそう」な態度というきらいもある、とはおもう。だいたい、「お説」には手続法の根拠が何一つない。まったくの「雑談」である。
 でも、司法の世界には、刑事訴訟法にも民事訴訟法にも破産法にも根拠が存在しない、裁判官の「お説」というものがある(というか自然に出てくる)くらいの「遊び」の部分があるほうが味があってよいのではないかな、という気もする。
 私なんかは、逆に、つい「お説」をぶってしまう裁判官の姿に、ああ、裁判官も自分たちと同じ人間なんだなあ、という風な親近感を覚えてしまったりするから。

神戸:村上英樹  弁護士村上英樹のブログ

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2009年03月08日

お年寄り

○【おカネあるのに使わない高齢者 それが若者の低賃金を生む。日本の個人金融資産1500兆円の内訳の8割が50歳以上が占める。】http://news.livedoor.com/article/detail/4008551/

『第一生命経済研究所が2005年7月5日にまとめたレポートだ。
それによると04年度末の個人金融資産約1400兆円のうち30歳代以下は1割にもない。ほとんどが中高年で、うち5割強を60歳以上が占めている。
団塊世代を含む50歳以上だと8割にも達するのだ。
現在は資産総額が約1500兆円に増えているが、担当の主席エコノミストの熊野英生さんによるとこうした傾向は変わらないという。』
『大前さんは日本の個人金融資産はGDPの3倍と世界で例がなく、仮に10%の150兆円が市場に回れば日本の経済状況は激変することを挙げる。』

○参考:【年齢階層別の金融資産保有割合をグラフ化してみる】http://www.gamenews.ne.jp/archives/2009/01/post_4462.html#more

○【世代別個人金融資産】http://market-uploader.com/neo/src/1232090940837.jpg

○【竹中平蔵氏『消費しない20代が日本を滅ぼす!? 若者はサクセスストーリーを経験して積極的になれ!』】http://diamond.jp/series/nippon/10021/

>『個人金融資産1500兆円のうち8割を50歳以上が持つ…』

■どうりで若者のネットカフェ難民やホームレスがいる一方で、逆に繁華街や観光地で元気な爺さん婆さんを大量に見かけるわけだ…。
50歳代以上の高齢者の人達が8割の金融資産を持っているせいで、その配当の拠出の為に若者が奴隷的な非正規雇用の低賃金労働にあてられいる日本社会…。
若者や子育て世代が奴隷的な非正規低賃金労働で貧困に苦しむのは、全部団塊の世代以上の裕福なお年寄りの人達のせいです。
今の社会(構造改革による未来社会も)は、若者殺しの社会になっている。
富裕層のお年寄りへの増税…金融資産への課税と遺産相続税の増税を必須で願う。そして介護料や派遣の時給を2000円以上にアップさせる事を願いたいです。
現在貧困に苦しんでいる…明日を担うはずの若者や子育て世代が少しでも楽に生活出来る様にすべきです。

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○【2009年度予算。一般会計の総額は過去最大の88兆5480億円。】http://dailynews.yahoo.co.jp/fc/domestic/budgeting/

■国の年間予算88兆5480億円…国民一人当たり70万円と言う莫大なお金です。

○【社会保障給付費】http://www.mhlw.go.jp/toukei/list/124-1a.html
『平成18年度の社会保障給付の総額が89兆1098億円であるのに対し、社会保障負担(保険料収入など)の総額は56兆2,016億円(53.8%)にとどまっており、負担と給付の差額は31兆750億円(29.8%)に達する。』

■社会福祉費用と国家予算が一緒です。
何故こんなにお金が掛かるのでしょうか?

現在、財政難から消費税の値上げの話が出ていますが、『消費税⇒福祉目的税』のはずです。

が、50代以上の高齢者が日本の金融資産総額1490兆円の8割、約1200兆円も持っています。そこから税金をとって医療や介護や年金等の予算不足の福祉予算にあてるのが妥当なはずです。
なんで貧困層からも均等に消費税で税金を取る様な真似をして、若者や貧困層に福祉予算不足の責任を押し付け様とし続けるのでしょう?
高齢者の福祉予算不足の財源は同じ高齢者の資産家の金融資産で賄えばいいはずなのに…です。
富裕層のお年寄りの金融資産からちゃんと税金をととって福祉予算にあてるべきです。
ついでにか配当金利を下げたり、最低賃金保障を2000円以上にすべきです。
でないと低賃金労働者や若者が気が狂います。低賃金労働者や若者が金融資産持ちを恨んだりするのは当たり前であり、彼らが真面目に働く労働意欲を無くしていても当然です。

真面目に低賃金で働き続けても若者には今の御老人達の様な金融資産は作れません。
お金持ちの御老人達を支える為に若者は低賃金で働きつつ、将来に渡って増税と介護を強要される。
仕事を求めて派遣で全国を渡り歩いて働き続け若いみそらで恋愛も結婚も家庭を維持する事もままならず、果ては派遣切りであっさりホームレス化…。
そんな可哀想な彼らに、若いくせにホームレスになるなんて怠け者だのだらしないなどと罵る団塊の世代。そういう爺さん婆さんは金融資産の配当で旅行や買い物三昧。
若者の未来をふさいでおいて自分達の介護や事業の為に低賃金で使役しようとしている富裕層や経営者の高齢者達…。
貧困で野垂れ死にしそうな奴らは、『高齢者=可哀想』なんていう陳腐でウソくさい世論を信じられるのでしょうか?
まともな若者だったら気が狂います。金持ち高齢者と貧困層の若者がケンカする方が社会の健全化の為に必要な事です。ちゃんとケンカしないと若者は野垂れ死にしちゃいます。死にそうな状態でホームレスをやっいても資産家高齢者の世代は全然同情しなかったのだから…。

若者に我慢させ過ぎの社会だから若者が次々キレるし、自殺もするし、失業貧困からホームレスにもなり野垂れ死にもする。健康で元気なはずの若者のホームレス率、野垂れ死に率、自殺死亡率が日本は異様に高い(世界一では)と疑います。

世の中が金持ちと貧困層に極端な2層化に別れつつありながらも、支配者富裕層のお金持ちが、社会のモラル云々、権利云々いい続け、儲け過ぎて集め過ぎたお金を納税して社会に還元もせず、税金を支払うのを渋り逃げ回り過ぎのせいです。貧困層は年々実質増税状態なのに…。
失業や貧困から健康保険等の社会保障費すら払えない人達も増え続けています。
いい加減、金持ちの言う権利やモラルを無視しないと若者や貧困層は野垂れ死にします…。
自分達を押し潰し野垂れ死にさせ続ける社会に対して怒る事は何も間違っておらず、まともな人間の証です。
思いやりもなく若者を自分達の人生や事業に永遠と低賃金で付き合わせ、ただ使役して利用しておいて、自分達のお金を貯め込む権利を主張するだけの、爺さん婆さんの支配者富裕層の言い分を真面目に信じている奴らの方がまともではない。素直で真面目で大人しい、そういった若者の方が守銭奴なだけの馬鹿な大人達に大人しく従い続けて行き詰まり自殺や野垂れ死にをしている…。

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■『構造改革』の格差政策、競争政策で大量の国民労働者が野垂れ死にし続けている。(自殺者増加。95年:22,445人→05年:32,552人 http://research.goo.ne.jp/database/data/000606/

今の社会に『人情』ってあると思いますか?
政財界、マスコミ連中、又、一般庶民も、『派遣切り』でホームレスになりかかっている失業貧困労働者達に対して冷たすぎだと思います。
彼らは、『放っておくと他人は怠けるもの』『他人はわがままを言うもの』と自分勝手に疑い、弱者労働者をいたぶり続けています。
能は無いかもしれないが、従順で善良、真面目で素直な労働者を、『グローバル化』の中で起業家の自己都合、独善的で強引、傲慢な『構造改革』によって付き合わせたうえ、『派遣切り』で路頭に迷わせ、毎年1万人近い、国民の自殺者、野垂れ死に者を大量に出し続けている彼らは鬼です。
派遣労働者だって家庭もあれば、人生の悲喜こもごもの問題もあります。
そうそう、政府の構造改革の机上の派遣推進政策や派遣会社経営者の都合道理にいくとは限りません。
失業労働者を派遣社員として、日本全国津々浦々、仕事のある企業に数ヶ月の短期派遣で引きずり回し、転職と引越しを繰り返す様な人生を強要するのは無理があります。
そんなのは漂泊人生と言ってフーテンの寅こと車寅次郎(『男はつらいよ』)ぐらいの特殊な人種の人達であり、大抵の庶民は実家や地元で様々な人間関係のしがらみの中で生きているのです。
彼らは別に怠けている訳では無いのです。
政治家、官僚、公務員達の国民の失業貧困労働者層に対する行政のあり方、考え方を見直し義務や責任を感じて欲しいです。

国のまつり事に関わり、労働者派遣の推進、規制緩和、自由競争の構造改革を推進している、血も涙もない鬼畜の小泉純一郎氏、竹中平蔵氏、奥谷禮子氏、宮内義彦氏に『人情』や『堪忍』や『労り』や『思(想)いやり』や『派遣労働者の生活、人生、結婚、子育て、しがらみ、生活環境、家族、故郷』とは何か、何を考えて国のまつり事に関わっているのか問い(説い)ただしたいです。

彼らが思慮なく心なく進めた、派遣の積極推進、自由競争による格差政策の改革は、後々、日本社会に極端な少子化と、貧困化をもたらし、現在、労働者の自己責任で払う事になっている社会保障制度の崩壊と、税収による補填ですら追いつかない様な高額の社会保障費負担を国家財政にかける事になり、日本の社会福祉のレベルを途上国並にするでしょう。
自らの子孫達に途上国…、現在のフィリピンや北朝鮮の様な貧困の溢れかえる荒れた未来社会を遺す事になるでしょう。
構造改革という、現在の政財界富裕層支配者達の独善的でお粗末な政策による、失業貧困労働者の奴隷化、見殺し政策によって作らる極端な『少子化』という負の遺産が残るのです。

■構造改革を推進し労働者の非正規雇用化と金融資産購入を推進していた、小泉純一郎氏とお友達の竹中平蔵氏や奥谷禮子氏や宮内義彦氏達には、日本の明日を担うはずの若者や子育て世代が貧困に苦しむ様になっている事に対して責任があります

構造改革によって格差社会を作り出し、企業、金融優先政策で若者を非正規不安定雇用によって貧困化させ、若者や子育て世代の購買力を廃れさせ、構造的不景気の日本社会、経済構造を作り出した張本人達です。

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○【証券優遇税制、資産家優遇税制】http://kaz1910032-hp.hp.infoseek.co.jp/z141214.html

○【OECD相対的貧困率、日本は世界第5位から第2位。2006年】http://www.nikkeibp.co.jp/sj/2/column/o/44/index2.html

■不景気だといって正規雇用を絞る一方で、政財界や経団連や日本人材派遣協会は構造改革によって『法律』と『行政』をねじ曲げる事でがっぽり稼いでいた。

政財界の都合で旧来の『法』をまげ、年金、失業保険、健康保険料や家賃すら払えず、ホームレスにまで至る様な低賃金非正規不安定雇用の『現場派遣労働者層』を作り出し、日本の、社会保障制度を破壊した責任は、すべて立法、行政に関わっていた政財界、経団連、人材派遣業界の責任である。

よって『ワーキングプア』の滞納分の社会保険料は政財界、経団連、人材派遣業界に増税する事で賄い、日本の社会保障制度と労働者層の生活を破壊し続けている、政財界や経団連自身の犯した罪に対する責任と義務を負わせるべきである。

■失業貧困労働者層は、ただ生き延びる為に低賃金で闇くもに働き続けても、いずれ『派遣切り』で行き詰まりホームレスになるだけかも知れない。
自分達の置かれた立場を知る為には、政財界、経団連、富裕層が、何を考えて構造改革をおし進め、国の法律や行政をいじくっているかを監視すべきだ。

労働者は自分達が何故、失業や貧困にあえぐ『ワーキングプア』に至り、何故、社会保障制度のきちんと整備されている日本社会で、枠組みから放り出されホームレスにまで至るのかを知るべきです。
政財界、経団連、富裕層は、自分達好みに国の法律や行政をいじくってズルして楽してお金儲けをしていると疑い知るべきです。

金融や投資で楽してお金儲けをしつつ、ワーキングプアにただ貧困を押し付け、使役し搾取する階層社会を作り出しているだけだと労働者層の人達は知るべきです。

現代社会でお金持ちになる為に必要なのは努力や苦労ではなく、投資で儲ける種銭を持ったお金持ちである事と、権力という既得権益の流れにいて情報や利権を得やすい枠組みグループにいるだけで良い。
支配者富裕層がワーキングプアに思いやりがないのだから、支配者富裕層の支配する拝金社会で支配者富裕層の為にワーキングプアが闇雲に一生懸命働き続けても、いずれ使い捨てにされホームレスに至って野垂れ死にするだけ…。それをワーキングプア層は知るべきです。

信州:usahara

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2009年02月15日

原子力と地域社会 東海村JCO臨界事故からの再生・10年目の証言

c1ecb470180c3fcc47cae042043423e1-s.jpg 数日前、思いがけないメールが舞い込んだ。「ご無沙汰いたしております。茨城大学地域総合研究所の有賀です。過日はお世話になりました。実はこの度、帯刀先生などと『原子力と地域社会 東海村JCO臨界事故からの再生・10年目の証言』という本を出版しました。この時世、本の売り上げなども心配ですが、中身はとても充実しております。私は電動車椅子の障がい当事者、なおかつ研究者という立場から、災害時要援護者の避難について自分の経験を踏まえて述べました。もしよろしければ、取材をお願いいたします」。

 有賀絵理さんは28歳。重度の難病を抱える障がい者である。わたしと同じ研究所に在籍しているが、さほど親しくはない。昨秋、ベンチャービジネスを支援する茨城県の外郭団体で、彼女が推進しようしていた「海浜バリアフリー施設の事業化」のお手伝いをしたことがあっただけだ。その計画は資金面での難題が多く、頓挫(とんざ)したよう見えたが、新たなテーマに挑戦したと知って驚いた。

 今年は茨城県東海村の「JCO臨界事故」から10年目の節目。1999年9月30日、核燃料サイクル開発機構の高速増殖実験炉「常陽」向けの燃料工程中、ウラン溶液が臨界状態に達し核分裂連鎖反応が発生。20時間持続した連鎖反応により、致死量の中性子線を浴びた作業員3人中、2人が死亡した。事故の余波は同年10月12日、水戸市内で開催が予定されていたソプラノ歌手バーバラ・ボニーの水戸リサイタルが中止され、国際的にも波紋を投げかけた。茨城県内では、農産物への風評被害があったとして、近隣の農家がJCOに損害賠償を請求したりした。当時、「安全神話の崩壊」とメディアが伝え続けた大事故は、原発関連初の刑事事件にまで発展していった。

 茨城大学地域総合研究所(渋谷敦司所長)では、事故直後から地域再生の取り組みを検証し、「原子力と地域社会」をテーマにした公開講座「原子力と地域社会」を東海村との協働事業として取り組んできた。同研究所の客員研究員である有賀さんは、「障がい者の視座から原子力事故とのかかわり」を自身の体験を交え、次のように説明した。

 「10年前のあの日、わたしの自宅は事故現場から半径10キロ圏内にあった。当時のルールでは屋内退避で済んだが、屋外退避の場合、介助してくれる母とわたしの二人では逃げようがなかった。電動車椅子の利便性は高く、移動の自由をえてはいるが、玄関から自動車まで移動して移乗した後、指定避難先の日立市立久慈小学校まで移動するのは容易ではなかった。近隣の方々はみな親切だが、手順どおり避難場所に移動できても、緊急時にわたしたち母子を助けて下さる人がいるかどうか不安だし、第一、高齢者が多くて、ご自身のことだけで精一杯だったでしょう」と一気に話す。

 問題はそればかりではなかった。緊急避難所の小学校はバリアフリーではない。周辺の学区を調査したところ、避難生活に耐えられる施設ではないことに気づいた。もちろん、災害時に援護を期待するのは、身体障がい者ばかりではない。移動が不自由な高齢者や妊婦、幼児を抱えた母親、言葉の通じない外国人などの移動困難者(移動弱者)への配慮は到底満足するものではなかった。国土交通省主催の避難訓練の参加者は、健常者か元気な高齢者ばかり。避難訓練が最も徹底されなければならないはずの「移動困難者が不在のままの訓練で、主催者は満足している」と指摘する。

 共著者である茨城大学人文学部の帯刀治教授(63・地域社会論)は、「車椅子の体験を教訓として残したいとの思い入れは彼女にしかできないこと」とし、「有賀さんが参加することによって、優れたテキストに仕上がった」と功績を評価する。「この出版物を、『原発反対運動の指針』とか『対温暖化の切り札』といった狭い発想で読むのではなく、地域社会を構築する上で、企業も行政も住民も一体化して協力体制の構築こそが望ましい」と語った。

 偶然にも取材当日、経済産業省は、昨年の商業用原発55基の設備利用率(稼働率)が58%と低率にとどまると発表した。新潟県中越沖地震で停止した柏崎刈羽原発の再稼働が遅れる中、1979年度の54.6%以来、29年ぶりの低率だという。その結果、火力発電で電力供給を補うため、08年度には燃料費など約6000億円の追加コストが発生し、地球温暖化の原因となる二酸化炭素(CO2)の排出量も年間約3000万トン増えると試算した。米国や韓国の稼働率は90%前後で、他国と比べて日本の設備利用率の低さが際立っていると毎日新聞は伝えた。安心安全が担保されない原子力発電の存在はありえない。東海村の事故を再検証するには、タイムリーな出版となったようだ。

 有賀さんの長所はその明るさにある。重度の障がい(有賀さんは「障害」とは表現しない)を抱える身でありながら、こうした深刻な事態にも「わたしたち、ホント困っちゃうんですよ」笑い飛ばす元気さがある。「電動車椅子での経験を生かしたい」という有賀絵理さん。活発な一連のアクションや調査などが、茨城大学工学部准教授熊沢紀之さん(52・生物理化学)の目にとまり、04年2月から茨城大学の非常勤講師となった。各地の社会福祉協議会や自治体、経営者団体などからの講演依頼も増えた。有賀さんは、「わたしは弱者じゃないから、この言葉はキライなんです」というが、社会的弱者を平均とするインフラ整備と心構えが、今の日本社会には求められているように思われた。

 取材中、絵理さんのかたわらで母敏子さん(58)が控えておられた。つつましいいそのご様子は、昨秋も感激させられたものだ。一方、取材した3階建ての茨城大学地域総合研究所にはエレベーターがない。有賀さんを迎えるにあたって、同研究所では出入りのしやすい1階の一室をバリアフリーに改造し、使いやすくした。予算の縮小する中での改造には、関係者の暖かさが伝わってくる。社会の仕組みは、形として見えるものと見えないがある。そう思ったこの取材、(健常者である)記者にとっては、元気と有り難さを頂いたひと時でもあった。

『原子力と地域社会 東海村JCO臨界事故からの再生・10年目の証言』
 帯刀治・熊沢紀之・有賀絵理 編著(文眞堂出版)
 茨城大学地域総合研究所(有賀絵里) E-mail:ariga@mx.ibaraki.ac.jp
 〒310-8512 茨城県水戸市文京2-1-1 TEL:029-228-8191 FAX:029-228-8192

公開講座「原子力と地域社会」
2月11日から21日まで、4回にわけて臨界事故検証などを含む公開講座が開かれている。
参加は無料、希望者は東海村政策推進課(TEL:029-282-1711)まで申し込む。
・11日「JCO臨界事故時の対応とその後のまちづくり」村上達也(東海村・村長)
・14日「原子力発電は地球温暖化の切り札か」(大嶋和雄元茨城大学教授)
・15日「リスクコミニュケーション」土屋智子(電力中央研究所上席研究員)
・21日「避難経路のコンピューターシュミレーション」桑原祐央(茨城大講師) 

茨城:今藤泰資

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2008年12月31日

今の税政は間違っている。『富の再分配』を意識した税制をしないと失業貧困労働者層が野垂れ死にし続ける。

○《雇用環境も福祉も欧米以下!日本は「世界で一番冷たい」格差社会》http://diamond.jp/series/worldvoice/10012/

○【OECD相対的貧困率、日本は世界第5位から第2位。2006年】http://www.nikkeibp.co.jp/sj/2/column/o/44/index2.html

『「日本の相対的貧困率は今やOECD諸国で最も高い部類に属する」
相対的貧困率は国民を所得順に並べた真ん中の順位(中位数)の半分以下の所得(貧困層)の人達の比率。』

○【日本の所得再分配、国際比較でみたその特徴】http://www.esri.go.jp/jp/archive/e_dis/e_dis180/e_dis171.html

■自殺者の多さも相対貧困率も他のOECD先進国に非難される程のデータが出ています。
今の日本社会は明らかに異常であるにもかかわらず政財界、マスコミ、ネット界は失業、貧困、格差の対して問題視する様子がありません。
自殺や失業貧困層が多いにもかかわらず、それを先進国として恥ずかしい事ともせずに『富の再分配(失業保険、生活保護)』や『セーフティネット(弱者保護)』を渋り、1998年以前に比べて毎年1万人近い以前の約1.5倍の自殺者の増加を放ったらかしにしています。(95年:22,445人→05年:32,552人 http://research.goo.ne.jp/database/data/000606/
失業者や貧困層に対する救済策をほとんどとっておらず失業や貧困を大量生産する様な競争政策、格差肯定政策を構造改革によって取り続けています。

欧米諸国と比べて労働者の最低賃金が低い事、中間層と低所得層の税率の差が小さい事、所得再分配の労働年齢層への給付が少ない事が日本の貧困率を高める結果になっています。
日本の生活環境、労働環境は欧米諸国先進国に劣り、むしろ途上国に近くなって来ているとも言える。

○【大企業の賃金抑制で日本経済が肺炎になる】http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20080818/168133/

○【欧州並みに当り前の働くルールを】http://www.jcp.or.jp/akahata/aik3/2004-06-19/25_01.html

●近年の自殺、殺人事件の横行は世界のグローバル化と構造改革において負け組が奴隷化、失業、貧困化、野垂れ死の危機に達し絶望した人達の悲鳴だと思います。
アメリカ型金融投資支配社会への構造改革は投資や金融に興味のない労働者庶民にとっては理解不能のステルス的な社会の変革です。又、投資に熱を入れている人達も問題点を理解していません。

問題はそれをテレビ等のマスコミがほとんど問題提起することなく、又、国民もほとんど気にしないで投資にあけくれたり、日本国内における産業(仕事とお金)の奪い合い競争を無為に続けていることです。
政府が国民にアメリカ型競争社会への改革の全体像や、その意味する所の自由競争、市場原理主義、アメリカ型金融投資経済に参加するグローバル化の闇や負の部分を公言、広報して注意喚起しないでいるせいで政府は年1万人、10年で10万人の自殺者を大量生産し続けています。
世界経済、社会のグローバル化に参加するおいて、小泉元首相は金融、投資、企業の競争力優先、自由化優先のアメリカ恭順の構造改革を推し進める一方で、予算不足を理由に弱者の救済をせず(増税による予算の確保をせず)に、結果、弱者切り捨ての自己責任の競争政策についていけない自殺者や野垂れ死に者や犯罪者を大量に作り見殺しにしていました。

■自由競争によるグローバル化が世界各国に環境、文化、社会の破壊をもたらし、世界の人々を貧困に至らせています。

○【ルポ 貧困大国アメリカ:堤未果著 岩波書店】http://shinshomap.info/book/4004311128.html

○【貧富の差が拡大、ドイツ国民の8人に1人が貧困層】http://mediasabor.jp/2008/06/post_402.html

○【世界の3分の2の国で所得格差拡大、ILOが報告書】http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20081017AT2M1701717102008.html

○報告書は低所得者の賃金が伸び悩んでいる一方、富裕層の金融所得が増えていると指摘。
○データが入手できた73カ国中51カ国で過去20年間に所得全体に占める賃金の比率が低下したという。

■グローバル化された社会では定職の仕事にありつくのが困難となり、失業を繰り返す不安定雇用の貧困労働者層が生まれます。

その原因は、
グローバル化により企業が高効率化を進める。→企業の合併、集約が進む。労働力の安い途上国に工場を移し、工場で集約大量生産を進める。→世界中に製品を大量輸出する。世界中に安価な製品が溢れかえり物余りのデフレ不況に陥る。又、途上国では家内制手工業が安価な工業製品にとって代られ潰れ、小規模小売店はスーパーマーケットよって駆逐される。小規模農家は大型コンバイン等を使った大規模農場によって潰れる。→世界中で労働者が余る。→職にありつけ無い労働者が増え失業、非正規不定期雇用の貧困労働者層が増えるという現象が起こるのです。

世界のグローバル化によって産業の合理化が進み一般労働力が過剰になり定職にありつけないやもうえない失業を繰り返ざるをえない失業貧困労働者層が、現代、先進国、途上国において大量に発生していることを政府、マスコミは認めるべきです。

失業貧困労働者層の自己責任や自助努力に任すのではなく失業貧困問題を広報し企業や富裕層の意識改革を図ったり、他の先進国と同様に支給基準のゆるい失業保険(生活保護)の支給や公共事業等の積極推進で雇用を創出するなど何らかの手をうつべきです。

○《暴走する資本主義=スーパーキャピタリズムが民主主義をひき逃げする》http://diamond.jp/series/worldvoice/10019/

労働者や商工農林水産業の中小零細企業保護の為の規制を廃止した自由度が大きすぎるグローバル化は世界の国々を拝金主義による競争社会へと至らせ、かえって世界各国の経済や産業や文化や社会を破壊し世界各国の庶民を苦しめる結果になっていると考えます。

結局はグローバル化以前の様に国ごとに区切った保護主義、共産社会主義の経済を取り入れた国家単位のローカリゼーション(反グローバル化)をした方が世界各国個々の経済、産業、文化に複雑さを生み出すと共に、各国の個性ある経済、産業、文化を守り、労働者の失業を防ぎ経済の安定をもたらすと考えます。

○《4割弱が非正社員。派遣は倍増。07年厚労省調査》http://www.jiji.com/jc/c?g=eco_30&k=2008110700859

米国の進める自由競争、市場原理主義に従った構造改革により企業は安易にリストラや下請け切りをする様になりました。

しかし自社の労働者社員も下請け企業の労働者社員も、又、他社の労働者社員も全て皆、自社製品を買ってくれるお客様でもあり、大企業が給与を下げたりリストラしたり取引きを断れば、回り回って自社製品を買ってくれるお客様が減るという結果に繋がります。

従って安易に大企業が自社の利益追求や利益温存の為に不用意にリストラや下請け切りを繰り返すと、回り回って社会全体が不景気のスパイラルに陥ります。(実体経済の衰退が起こる。)

不景気のなか自社企業の利益だけ守ろうと安易に大量のリストラや下請け切りを繰り返している大企業、銀行、株主だけが儲かっていても社会全体の景気の悪化は抑えられないのです。

1998年以降、利益追求の為に安易にリストラや下請け切りが行われていますが、案の定、日本の景気は一進一退の状態が続いています。
近年の国のGDPの伸び率が低いのは納税を怠り労働者の賃金を買い叩いて失業者や非正規雇用を増やし地方や労働者に不景気を押し付けている企業や投資家富裕層のせいです。

彼らには『お金を増やして利用する。(マネーサプライ、信用創造)』『お金を回して供給と需要を創出し社会を発展させる。(課税と交付)』といった経済学の知識がなく、単純に他人が利用しているお金までを守銭奴的に集め溜め込み、安直な高利貸しや賭博投資で儲けようとする程度の品性、知識レベルでしょう。

そのせいで『共成による需要と供給の創出』という考え方による国全体、国民全員の好景気の創出が出来ていません。

『情けは他人の為ならず。』です。
その点に気付かない経団連や投資家富裕層は、お馬鹿か単なる独善的支配者ではないでしょうか?

経済は育てる物です。産業の効率化は削減する事であり経済を萎縮させる。又、高利率の投資は搾取的に経済に負荷をかけます。

●企業がアメリカと同じ様に時価総額やら自己資本比率やらキャッシュフローやらで経営を考える様になってから、実体経済の悪化以前に金融投資経済の悪化で簡単に企業の経営状態が悪化する様になています。

企業の大株主や債権者が、銀行や特定資産家だけだと企業の株価はさして影響を受けないのですが、1997、98年頃から護送船団方式の解体や金融の自由化や外資の流入や海外の経営手法を企業が取り入れたりしてから、かえって日本企業の経営体力が弱まったのではないかと疑います。

昔は永遠と赤字経営でも会社は潰れずリストラも一切なかったのに…。トヨタ等の大企業は例え不況でも未だに数千億円単位という結構な利益を出し続けています。それでいてリストラ(例え派遣社員と言えども)するのは変ともいます。

そもそも、株主配当の為に非正規雇用労働者を増やし労働者の賃金を買い叩いておいて何兆円なんて利益を出す経営手法の方が異常です。派遣社員と言えども自社製品を作ってくれている労働者の人達に冷た過ぎる経営をして何の為にそこまで利益を必要とするのか納得できかねます。

○【証券優遇税制、資産家優遇税制】http://kaz1910032-hp.hp.infoseek.co.jp/z141214.html

『証券優遇税制』…これをやっているから労働者の賃金が買い叩かれ国が腐っていくと思われます。

政府は『証券優遇税制』で投資を優遇していますが、いわば配当で高利貸し的に不労所得を得ようとする投資家富裕層を優遇し、労働者にたかる社会構造を肯定、推奨している様なものであり、国民の労働意欲を著しく削ぎ国民を堕落させています。『証券優遇税制』は悪法です。

マルチやたかりや高利貸し的な所得収入方法、不労所得を優遇し、国のモラル低下を誘う様な減税処置は最悪な税制です。

その税による税収の問題よりも投資を推進、優遇する事で高配当を課せられる企業が労働者のリストラや非正規雇用化や低賃金化をすすめる事が問題であり、不景気で失業者やワーキングプアが大量発生し貧困で苦しむ中、国が不労所得の投資を推奨し優遇しているという点が、失業貧困の生活苦に苦しむ国民の労働者層のモラル低下を誘い、労働意欲を削ぎ、投資資産家と同じ様に安直な所得を求め犯罪に走らせる一因になってしまっていると考えます。

『証券優遇税制、資産家優遇税制』が日本社会全体のモラルを破壊しています。これを推進しているのは、金だけで社会や経済や生活が成り立つとでも思っている拝金主義の馬鹿者だと思います。
馬鹿連中が実際の現場で物を作り社会を形成してきた労働者を軽んじて国の拝金主義政策をおし進め、労働者層を失業や貧困に追い込む事で奴隷化を図り、彼ら労働者達の労働エネルギーや生活エネルギーにたかり搾取して野垂れ死にさせ国を傾けています。

国民の弱者をおためごかし的に騙し、投資資産家富裕層による貧困労働者層を奴隷として搾取する様な北朝鮮的独裁社会を作ろうとしても北朝鮮的に国家のモラルが崩壊するだけです。

ワーキングプア層は貧困の中、生き延びる事に精一杯で家庭や文化や思想、夢すら持てず現代先進国であるはずの日本社会の中で奴隷化しています。
国民の誰もが安心して暮らし結婚し子供を作り守り育て未来をつなげることが可能な社会にすべきであると考えます。

私は投資金融産業を国家の基幹産業とは思えません。むしろ労働者の経済を細らせ労働意欲を削ぐ寄生虫的悪魔のシステムと考えます。
しかし国内の1、2次産業を海外に移転させて国内産業空洞化を招く様な事をしておいて外貨稼ぎの為に国家の基幹産業として投資、金融産業を推奨し国家の経済の中心に据えるのなら、他の第1、2次産業の法人の固定資産や利益に多量に課税する様に配当課税や株譲渡税等に対しても、しっかりと課税して国民に富を還元させるべきです。 (下に参考図あり)

信州:usahara

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2008年12月31日

【ハケンという蟻地獄】「派遣切りやめろ」要望書を経団連が受取り拒否

 派遣労働者たちで作るユニオンが12月26日、大量解雇の“司令塔”ともいえる日本経団連を訪れ、「仕事と住まいを奪う派遣切りをやめるよう」求める要望書を手渡そうとしたが、経団連は受け取りを拒否した。  

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             守衛がユニオンの入館をブロックした(経団連会館で筆者撮影)  

 ユニオンの一行が要望書を渡すために経団連会館の中に入ろうとしたところ、数人の守衛が玄関口に出てきて入館を拒んだ。チーフ格の守衛は「アポがない」と説明した。

 ユニオン側は「では、受付から(内線電話で)アポを取ります」と言い、館内に入ろうとしたが、守衛たちは両手を広げてブロックした。アポを取ろうとしても「ナシのつぶて」だから、ユニオンは押しかけてきたのだ。

 一行の中には派遣切りに遭った労働者の姿があった。勤め先の日産ディーゼルを「明日(27日)付で解雇だよ」と言われた佐藤真一さん(仮名)もその一人だ。「解雇通告された時は腹が立ってしょうがなかった」と目を充血させながら話す。

 「18日付けで解雇、寮も3日以内に出ていくように」と言われた荒井健太郎さんもいた。荒井さんは「日産ディーゼルユニオン」の委員長として解雇の撤回を求めて闘っている。 

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激しく詰め寄る派遣ユニオンの関根書記長

 「受付からアポを取らせて下さい」とするユニオンと「いいえ、外から電話かファクスでお願いします。手続きをしてからにして下さい」と頑なに拒否する守衛の激しいやりとりは45分間も続いた。

 身を切るように冷たい真冬のビル風が派遣労働者に吹き付けた。

 派遣ユニオンの関根秀一郎書記長は「死にそうな労働者が大勢いる時に『手続き』はないでしょう?」と迫った。だが、チーフ格の守衛は「アポを取ってからにして下さい」の一点張りだった。

 佐藤さんが怒りを露にした。「俺なんて昨日『あすでクビだ』なんて言われたんだぞ」と守衛につかみかかった。

 「お前、暴力をふるうと警察を呼ぶぞ」と守衛が応酬し、現場は一時緊迫した。

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 「我々の要望を聞いて下さい」と訴える日産ディーゼルユニオンの荒井委員長

 関根書記長は、「派遣労働はトヨタのジャスト・イン・システムだ」とする。「必要な部品を必要な時だけ調達して在庫を出さないようにする」システムだ。派遣労働者は部品と同じなのである。必要な時だけ雇い入れ、要がなくなったら捨てる。

 実際、メーカーで派遣を担当するのは資材部だ。人事部ではない。派遣労働をメーカーの製造ラインにまで解禁したのは2004年。経済財政諮問会議の委員として法改正を働きかけたのは、経団連会長にしてトヨタ会長(いずれも当時)の奥田碩氏だった。改めて言うまでもないが、労働者を部品扱いする制度を作ったのはトヨタだ。

 現経団連会長の御手洗冨士夫氏に至っては、自らが会長を務める「キヤノン」で偽装請負が発覚した。業界に大甘の派遣法に照らしても、偽装請負は違法なのだ。世論の指弾を浴びた御手洗氏は「制度が悪い」とまでうそぶいた。

 「明日で解雇だ」と通告された佐藤さんは「経団連なんて人間じゃない」とはき捨てた。

東京:田中龍作
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2008年12月25日

【ハケンという蟻地獄】「派遣切り」対策マニュアル

 突然解雇を通告され「寮も出ていくように」と言われた非正規社員のあなた。もう泣き寝入りする必要はない。メーカーの大量解雇が続くなか、派遣労働者らで作る「全国ユニオン」が『派遣切り対策マニュアル』の制作を進めており、このほど骨子が出来上がった。

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 派遣切り対策会議、衆院議員も出席した(東京・西新宿の全国ユニオンで) 
 
 『派遣切り対策マニュアル骨子』

1、契約中途解除、契約更新拒絶と退寮通告
 会社から「○月○日で解雇です」「契約終了です」「契約を短縮します」と言われたら・・・
 「解雇は認めません。働き続けます」と答える。

 「解雇と同時に寮も退去して下さい」と言われたら・・・
  「寮は出ません。ここに住み続けます」と答える。(※1・借地借家法が根拠)

  「家賃は払えるのか」と問われたら・・・
  「家賃は払います。今まで通り給与から天引きして下さい」と答える。

  「解雇だから給与は払えないよ」と切り返されたら・・・
  「解雇は認めません。今まで通り給与を払って下さい」と答える。
 
2、解雇通知あるいは短縮契約に同意のサインをしていたら・・・
  別紙でサインの無効を主張する(※2・ひな型)

3、シフト減を要求されたら・・・ 
  従来の労働日・労働時間の維持を要求する

4、雇用保険
 a、未加入の場合・・・
  遡及加入手続きをする。最寄のハローワークで「雇用保険被保険者資格確認請求」をする。
 b、離職票の発行
 ・1週間以内に発行してもらう
 ・「事業主都合」で発行してもらう
 ・住居喪失の場合の失業給付受給(模索中※3)

5、生活保護(※4)

6、有給休暇を取得する

7、ユニオンを結成して闘う(※5)
                   〜以上『派遣切り対策マニュアル骨子』〜 

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派遣法の抜本改正を求めるデモ(日比谷。撮影:山口朝)  

【解説】  
(※1)「雇用契約の終了による、住宅の賃貸もしくは占有契約の終了については、国内法と慣行が充分に尊重されなければならない」(ILO「会社の寮・社宅」に関する勧告)。
会社の寮にも「借地借家法」が適用されることになる。「借地借家法」では6ヶ月の猶予を置かねばならない。会社から「寮を退去して下さい」と言われたら「借地借家法」と「 ILO勧告」を盾に取って闘おう。


(※2)       解雇無効の通知

株式会社●●
代表取締役 ●●様

 「解雇予告通知書」(または 「雇用契約期間を一方的に短縮する派遣雇用契約書」)へのサインは、文面を読む余裕も与えられず、訳もわからないままにサインさせられたものですので、無効です。●年●月●日付解雇は不当ですので認められません。●年●月●日以降も引き続き働き続けます。

 また、寮を退去するつもりもありません。今後も寮に住み続けます。家賃は、今までどおり給与から天引きしてください

                               以上
    年 月  日

              氏名          (印)


(※3)
 寮に住みながら工場で働く派遣労働者の場合、住民票は実家にあるケースがほとんど。ネットカフェは一般的に住民票が取れない。1ヶ月分宿泊費を前払いすれば「定住の意志あり」と市・区役所がみなし、住民票を発行してくれるケースがある。しかし稀。ネットカフェで暮らす派遣労働者にも住民票を発行できないものか、政治レベルで調整を急いでいる。

(※4)
 解雇され次の仕事が見つからないので社会福祉事務所に行ったところ「あなたのように若くて健康な人には生活保護は適用できません」と断られた。一人で社会福祉事務所に申請に行くと、先ず断られる。→法律家、議員、ユニオンなどが同行する。

(※5)
 「派遣切り」に遭った日産ディーゼルの派遣労働者3人が8日、労働組合を結成し、日産ディーゼルと派遣元に契約打ち切りの撤回を求めた。労働組合を結成すれば会社側と団体交渉ができる。派遣先(例:メーカー)は「派遣元と交渉して下さい」と言って交渉を拒否してくることが多い。それでも労働組合があれば、会社(派遣先・派遣元)と交渉戦術を展開できる。

 ハローワークや社会福祉事務所は、今年は26日(金)に御用納めだ。派遣切りに遭った人、遭いそうな人は上記の『対策マニュアル骨子』を参考にして自らの生活を守ろう。

東京:田中龍作
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2008年12月17日

これは誰の罪?

オイルショックやバブル崩壊の様に重大な社会現象には名前が付くものだが、1998年の自殺者の急増した出来事には名前が付いていないのは何故だろうか?

名前を付けて失業貧困弱者救済の為の問題解決を本格的にするのを拒んでいる犯罪的な連中が政財界、マスコミの責任者や有識者の中にいるからだと推理します。

そいつらは問題を隠ぺいする事によって私腹を肥やしていると考えられ、年間1万人の自殺者に怨まれ呪われても当然です。(場合によってはテロで年間1万人殺されても『おあいこ』でしょう。)
国民を年間1万人自殺に追い込み続けた罪を問い、民事告訴で財産没収(追徴課税)の上で刑事告訴で檻の中に入れてやりたいです。

1998年以来の自殺者増加問題をチェインメールで盛り上げて国民の苦しんでいる人達皆で国を相手に集団告訴すべきと考えます。

(チェインメールは軽犯罪にあたるのでしょうが、私は1998年以来の年間1万人の自殺者増加現象の抜本的解決を目指し、正義の味方の軽犯罪者ねずみ小僧のつもりでチェインメールしています。
1998年以来の急激な自殺増加の社会現象を問題視もせずに、また名称も付けないで、失業貧困格差を肯定し競争政策を取り続ける様な政府、マスコミ、学者有識者は犯罪的です。自殺増加問題に名称を付けない事で1998年の社会問題を隠ぺいし続けています。
国民弱者の認識を狂わし自殺に追い込みつつ構造改革によって搾取し支配しようとしている悪党を何とか炙り出したいです。ご協力をお願いします。)

信州:usahara

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2008年12月10日

【ハケンという蟻地獄】突然の解雇で寮も失う数十万人が悲鳴

 景気後退による人員削減で派遣をはじめとする非正規雇用労働者数十万人が年度末までに解雇されることが予想されるなか、派遣労働者のユニオンが4日、参院議員会館で厚労省と交渉を持った。ユニオンは「(大量解雇体制に突入した)メーカーなどへの指導」を強く要請したが、厚労省側はあいまいな答弁に終始した。  

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全国ユニオン会長の鴨桃代氏が「セーフティーネットの確立を求める」舛添厚労相あての要請書を手渡した(参院議員会館)

 厚労省の“調査”によると、いわゆる「派遣切り」や「非正規切り」により3万人が職を失う。ところがこの“調査”とは対象が主要メーカーだけなのだ。

 自動車メーカー本社が発表しているだけでも1万人を超える。自動車メーカー本体に連なる下請けの部品メーカーも真っ先に非正規労働者を解雇する。家電もあればカメラメーカーもある。小売、流通もある。「派遣切り」「非正規切り」は数十万人と見るのが妥当だ。ユニオンも数十万人と推定し、労働問題に詳しい社民党の福島みずほ党首は「3万人は氷山の一角」と見る。

 メーカーで働く派遣労働者や期間工のほとんどは寮に住んでいるため、解雇されると住居も失うことになる。多くは貯金もなく、次の仕事のあてもない。巷にホームレスが溢れることさえ考えられる。 

 派遣労働者のユニオンが先月29〜30日に行った「派遣切りホットライン」には全国から472件もの相談が寄せられた。代表的なケースを以下に紹介する――

 「3月までに契約が残っているのに『12月末で終了。1月5日に退寮しろ』と言われた。ハローワークに行っているが仕事は見つからない。不動産屋では『定職がないと保証人代行は難しい』と言われた」(30代・男性)

 「郷里に帰っても住む所がない。貯蓄も全然ない。市役所に電話したが『生活保護は無理』と言われた」(50代・男性)  

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            突然解雇を通告され「寮も出ていけ」と言われたAさん(上下とも筆者撮影)

 4日、ユニオンが交渉する厚労省に直訴するため参院議員会館を訪れたAさん(50代・男性)は、派遣労働者が現在置かれている状況を象徴しているようだった。Aさんは厚木の自動車部品工場で派遣労働者として働いている。

 「(6月まで契約が残っているのに)10月31日の夕方4時、『きょうで終わりだから』『12月16日までに寮を出ていってくれ』と言われた。金もなくて途方に暮れている」。Aさんは力なく訴えた。

 記者団には「所持金は3万円。ホームレスという言葉は聞きたくないけど、考えると(そうなるかもしれないので)怖い」と語った。派遣会社からマージンのうえに寮費を毎月4万円さっ引かれるのだ。冷蔵庫、テレビの使用料も引かれる。貯金などできようはずがない。

トヨタに指導できない厚労省

 「派遣切り」「非正規切り」の最大の特徴である契約期間満了前の解雇は、法律違反にあたらないのだろうか? ユニオンは厚労省を追及した。

 厚労省は「中途解約自体は労働者派遣法上違法ではない」との見解を示した。だが「派遣労働者の雇用の安定の観点から考えると好ましくない」ということだ。このため「都道府県の労働局に通知を出して、問題があれば指導してゆく」(雇用政策課課長補佐・平嶋壮州氏)のだそうだ。

 これに対してユニオン側は「トヨタに指導したことがあるのか?」と詰め寄った。厚労省は「具体的な事例は申しあげられない。問題を把握した場合は・・・」とお役所答弁で逃げた。

 厚労省がトヨタを指導できていれば「派遣問題」などこの世にないだろう。秋葉原の通り魔事件も起きていなかったかもしれない。

 メーカーの製造ラインへの労働者派遣を解禁したのは、2004年の法改正だった。規制緩和を錦の御旗に掲げる経済財政諮問会議で経団連代表の委員を務めていたのは、奥田碩トヨタ自動車会長(当時)だ。労働者派遣法は業界のためにあると言ってよい。

 さらに重大な問題提起がユニオンからあった。「寮費を毎月4万円も払っているのだから、いきなり『寮から出ていけ』というのは『借地借家法』違反にあたらないか?」ということだ。

 厚労省の答えは「検討します」。予想通りだった。麻生政権は混迷を深めており、官僚もこの調子だ。年末年始には炊き出しを求める失業者の長い列が街のあちこちにできるかもしれない。

 東京:田中龍作
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2008年10月30日

マルチ商法・ネットワークビジネスはなぜいけないか [消費者事件] [編集]

「民主・前田議員が離党・不出馬の意向…マルチ業者問題 」 のニュース
http://www.so-net.ne.jp/news/cgi-bin/article.cgi?gid=pol&aid=20081016-570-OYT1T00023

 ちょっと検索した中で分かりやすかったサイトを参考までに挙げておきます。
 
 福岡県消費生活センター
 http://www.shouhiseikatsu.pref.fukuoka.lg.jp/seikatsu_info/jirei/2007/j20070200_12.html
 国民生活センター
 http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20061108_2.html


 私も、随分前のことになりますが、ちょっと知り合い程度の若い人から、突然150万円貸してと言われ、お金は「あげても貸さない」主義の私からすれば問答無用に断るつもりでしたが、興味でなぜか聞いてみたら「ネットワークビジネスをしたい。年間何千万も儲けている人がいる。1年で利息も付けて返すから。」と言うことで、即刻「借金して、そんなことするもんじゃないよ。」と断ったことがありました。
 こういうの随分よくある話です。

 マルチ商法。ネットワークビジネス等の呼び名の場合もありますが大体同じです。
 多くは健康食品、化粧品。 

 顧客として、商品を買うだけなら問題ありません。もちろん。

 さて、問題は販売員になった場合。
 販売員は、誰か別の販売員(親みたいなもの)に勧誘されて販売員になります。そして、その場合、「親販売員」には会社から報酬(お金)が入ります。
 販売員になった場合に、大抵は、販売員である資格を得るためにお金を払う必要があります。問題は、その最初に払ったお金の元が取れるかどうか、です。
 販売員になって、商品を売るだけで、最初に払ったお金の元が取れる場合はさして問題ありません。

 でも、実際は、私が借金を申し込まれた例のごとく、150万とか、それほどでなくても20万とか30万というような金額を初期に払わなければならないケースが多いのです。
 その場合、販売員として商品そのものをコツコツ売ってそのマージンだけでは「ン十万」の元を取るのは難しいわけです。
 販売員といっても、もとはただの素人で、店舗もなければ、家族・友人・知人に商品を売ることしかできないのですから、範囲は知れています。
 ということで「ン十万」を回収しようとすれば、商品を売るだけではダメで、新たな「子販売員」を誘い込んで、それによって会社から報酬を得なければ、普通は無理です。

 そう言う仕組みだからこそ、

会社−「ご先祖」販売員−「祖父母」販売員−「親」販売員−販売員(あなた)−「子」販売員−「孫」 −「ひ孫」−

となっていかなければ元が取れないという仕組みなのです。

 ということで、こういうネットワークが築かれてゆく、自然と…
 
 しかし、ここでいう「自然と」は「やむにやまれず」なわけです。

 それから、このネットワークの中にいる人物が、新たな販売員を苦もなく開拓できる「押しの強い人物」ばかりだったら、どんどん本当にどこまでも続いていくわけです。
 そして、「押しの強い人物」は確かにその「押しの強さ」をフルに発揮したら、稼げちゃいます。
 でも!!
 誘われた人はどうなるの?「押しの強い人」に押し負ける人は、多くは「押しの弱い」「NOと言えない」人じゃないでしょうか?
 
 必然!このネットワークの中に、「押しの弱い」「NOと言えない」「気の弱い」けど誘われちゃった、それで、「ン十万」出す羽目になった可哀想な人が含まれてくるのです。
 そこで、その可哀想なおとなしい人は、「ン十万」の借金を抱えることになったりするわけです。

 つまり、上記のネットワーク「家系図」は、大抵は「おとなしい人」のところでとぎれちゃいます。そして、そこには借金が残ります。
 そして、借金の残る「おとなしい人」の「親販売員」は非常に罪作りなことをやってしまった、ということになるのです。

 この場合「親販売員」が誘ったのが悪い、といえばそうなのですが、私はそれを本質だとは思いません。
 「親販売員」だって、最初に誰かに誘われ、「ン十万」投資したわけですからそれを回収せざるを得ないから、そういう仕組みだから仕方なく、誘えそうな「子」を誘って販売員にしたのですから。

 ということで、何が悪いか。
 ネットワークビジネスやっている人、誘った人ではなくて、「システム」そのものが必ず破綻するシステムだから悪いのです。
 いずれネットワークのどっかで誰かが、嫌々勧誘され、大損する、借金を抱える等の結末を迎えます。


 前田議員等は、「マルチ商法・ネットワークビジネスの健全な在り方をめざす」等と釈明していました。
 私も全てが全てと断定できるほどの資料を持っていませんが、上で説明したとおり、システムそのものがいずれ無理をきたすものである以上、「健全な在り方のマルチ・ネットワークビジネス」というのは極めて難しいと思います。
 

 できるとしたら、

「販売員」になっても次の「販売員」を誘えなくても、自分で使う商品を買う、プラスアルファで誰かに販売するというだけで十分元が取れる

という負担の軽い仕組みの場合だけです。ですが、そういうふうに負担が少ないとなると、「次の勧誘員を誘う」モチベーションがなくなるので、その人のところで止まってしまうので「ネットワーク」が作られなくなりますから、逆に、「ネットワークビジネス」というモデルが成立しなくなってしまいます。


 ということで、読者の皆様は、ぜひともマルチ・ネットワークビジネスに手を出さないようにしてください。

1 あなたが「押しの強い人物」の場合
  あなたは儲かるかも知れませんが、きっと誰か「押しの弱い」人に迷惑をかけることになります。それが友人であったりするので、お金より大事なもの、人間関係・友人関係等を損ないます。

2 あなたが「押しの弱い人物」の場合
  間違いなく元が取れません。


 もし不本意にも手を出してしまった、どうしよう、と言う場合、出来るだけ早めに、

弁護士会  http://www.hyogoben.or.jp/(兵庫)など

県や市の消費生活センター  http://www.ddart.co.jp/shouhisha/hyougo.html

にご連絡されて、相談してみて下さい。

 マルチ・ネットワークビジネス等はほとんどが「特定商取引法」という法律の「連鎖販売取引」に該当し、クーリングオフ等の規定があります。そのほか「特定商取引法」の規定によって、嫌々誘われた人を救済出来る場合があります。

                                           神戸:村上英樹  弁護士村上英樹のブログ

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2008年10月26日

【ハケンという蟻地獄】Oグッドウィル廃業で新たな混乱?

 違法行為を繰り返した日雇い派遣のグッドウィルが廃業したが、もちろんこれで派遣から違法労働が一掃されたわけではない。筆者が早朝、JR西船橋駅周辺で観察していると、当日になって業務内容を初めて知らされるとか、呼び集められたものの必要人数が余って仕事にあぶれるなど、相変わらずの派遣労働者踏みつけの実態が横行していた。

 二重派遣など違法操業を繰り返していた日雇い派遣会社の最大手、グッドウィル(GW)が廃業したことは、新聞やテレビでも大きく報道された。「これで違法な働かされ方はなくなるだろう」と溜飲を下げた読者も少なくないのではないだろうか。

 ところが実情はその逆で、違法な派遣労働が陰で横行しているのではないかとの懸念が広がっている。理由はこうだ――。

 GWが操業していた頃は、派遣労働者のユニオンが厚労省に違法状態を詳らかに指摘し、改善を求めていた。そこでは「二重派遣」をはじめ「ピンハネ」「賃金不払い」「失業保険への未加入」など、あらゆる違法操業が明るみに出た。国会議員も立会いメディアも取り上げたため、GWを通して業界の違法行為が監視、指導されるような状態になっていた。ところが、GWが廃業したことで、監視対象がかすんでしまったのだ。派遣業界全体への指導が前にも増して手ぬるくなった。 
                

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バスに乗り込む派遣労働者(JR西船橋駅そばで筆者撮影)                 

業務内容知らされず倉庫で重労働

 毎朝7時〜8時。JR・東京メトロ西船橋駅そばでは、派遣労働者を乗せるバスが頻繁に発着する。社員と一緒に運ぶバスもあれば、派遣労働者だけの車両もある。大型もあれば小型もある。筆者は九州の地方都市出身だが、九州のバスターミナルよりもバスが多いのに驚いた。

 バスの行き先は倉庫だ。骨のきしむような重労働が待っている。時給800円。かつては派遣会社から「軽作業ですよ」と言われて来た労働者もいた。

 派遣労働者が集合してから実際に働き始めるまでは2時間前後かかるのだが、その間は無給だ。バスを待つ派遣労働者の長い列が何本もできた。ある男性(30代前半)に仕事の内容を聞くと、「どうして答えなきゃいけないの?」。この男性に限らず、まともに答えてくれる派遣労働者はいなかった。殺伐とした雰囲気がバス待ちの列全体に漂っていた。
                             

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                            派遣会社の社員が点呼を取る

 ある中堅派遣会社の集合時刻は8時だ。8時を少し過ぎると、スーツを着た派遣会社の社員が来て、点呼を取り始めた。

 合間を縫って「(どんな仕事をするのか)業務内容の開示はしているのか?」と社員に聞いた。「携帯メールなどで知らせてはいるが、連絡がつかない人(派遣労働者)もいる。その場合、どうしても当日になる」という答えだった。

 厚労省の指導では「業務内容は前日までに開示しなければならない」。派遣会社の社員は厚労省の指導に違反したことを認めたのだった。日雇い派遣というビジネスモデル自体が違法性の濃いことを示すものだ。

 派遣労働者に集合をかけてバスで現場に連れていく手法は「究極の需給調整」と言われる。例を示そう――。

 ある倉庫で明日は200人の人手を要するとする。派遣会社は登録している労働者に携帯メールなどで募るのだが、欠席者を見込んで220〜230人集める。

 ところが欠席者が予想以上に少なかったりすると、仕事にありつけない労働者が出る。あぶれるのだ。朝早くから集合場所に行ったにもかかわらずだ。GWで働いていた男性は、この目に遭った。集合場所までの交通費だけは出たそうだ。

 西船橋駅前でもあぶれた派遣労働者がいた。清涼飲料水の自販機に背中をつけてへたり込みながら、コンビニのサンドイッチを缶コーヒーで流し込んでいた。

 「●●社の派遣の方ですか?」と筆者はおそるおそる尋ねた。「そうじゃねえよ」と答えた目は殺気さえ帯びていた。

 金融不安で企業倒産が相次いでいる。今後、失業者が大量に発生する。社会状況は、派遣労働者と派遣会社が増える構図にある。厚労省は本腰を入れて監督・指導を強化する必要がある。

東京:田中龍作
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2008年09月28日

いま、連帯は可能か−鎌田慧さん、湯浅誠さんトークセッション−

  出版社20社が参加している、「平和の棚の会」設立記念連続トークセッションの2回目として開催された、「いま、連帯は可能か−現代の労働、貧困、アキバ事件−」を取材しました。  

鎌田.jpg
鎌田慧さん

 鎌田慧さんは、ルポライターとして私が以前から敬愛していた方ですが、直接話を聞くのは初めてでした。また、鎌田さんと湯浅さんも初めてのセッションだそうです。

 トークの前に、この企画を担当した大月書店編集部の西さんから紹介されたこの日のトークのテーマは、「現代の労働と貧困、アキバ事件などをめぐる現代の社会状況について、世代の異なる2人からまず経験を語っていただき、そこから論点を見出して今の社会をどう考えるか、どういう風に連帯が可能かを話していただきたい」でした。お2人のトークセッションは、以下のように行なわれました。

<労働問題に関して強く感じていること>

鎌田:いま問題になっている労働者派遣法には、1985年からずっと反対してきた。なぜかというと、労働者派遣法は、人夫出し、暴力飯場を復活させるものだから。それを、法律で認めるということ、(それは、かつてあった)人夫出しを合法化するということ。

 いまの日本の経営者たちは、自分が統制できないような労働者を安い給料で使っているけれど、そのうちひどい目に逢うぞというのが僕の予言。暴動的な大ストライキが、瞬間的でなかなか継続しないかもしれないが、起こる可能性を含んでいるぞ、それで良いのかということを僕は言っている。

湯浅:私は、95年から野宿の人たち(ホームレス)の活動に関わってきた。路上には昔から手配師と言われる人たちが回っていた。東京の山谷、大阪の釜ヶ崎などで、私的なブローカーたちが、禁止されていた職業斡旋を私的にやる。90年代にバブルがはじけて、寄せ場で食べられなくなった人たちが新宿や渋谷、池袋に出て野宿を始めたんですが、そこに手配師が追っかけて来た。派遣法をどんどん緩めていくというのは、手配師をずっと放任していくということだろうと思う。

 97〜8年ころから、30代くらいの野宿の人が現れ始めた。2001年から「もやい」という団体を立ち上げて、野宿の人だけでなく、生活に困った人はどうぞ来てくださいという間口を開けたら、ネットカフェに泊まっている人や若い人、アパートに住んでいるけれども暮せない、という人たちがたくさん相談に来るようになってしまった。

 いま、生きていけないという相談は月100件くらいだが、その半分くらいは20〜30代の若い人。1つには、私たちが若者の対応をしているという面が強調されてメディアに出たので、という面があると思うが、それを差し引いても、若い人が急速に食べられなくなって来ているということを感じている。

 最初は、野宿者問題をやっていると言っていたが、そのうち、ネットカフェにいる人たちが相談に来ると、これは広義のホームレス問題だと言い始めていた。ところが、アパートに住んでいる人も相談に来るようになり、これは広義のホームレス問題ともいえない。貧困問題として括るしかないだろう(と考えるようになった)。

<労働運動のあり方―変わってきたか、変わっていないか。変わっているとしたら、どう変わってきたのか。運動・連帯の可能性についてなど>

鎌田:戦後になって、ようやく労働者の団結権が認められて(労働者に関する)色々な法律や制度ができて、そこから日本の労働運動が始まっていると言って良いと思う。ただ、戦後すぐに労働者が解放された訳ではなくて、中小企業での労働者は悲惨な状況になっていた。官公庁などは、マッカーサーの命令だから(労働組合を)作ろうということでできていたが、中小企業や町工場労働者などは見捨てられていた。大企業と零細中小企業の二重構造の中で、働く者の身分も全く違っていた。

 しかし、50年代の半ばに中小企業でも争議が始まり、近江絹糸の女子労働者たちの人権争議が起き、その影響が全国に波及していろんなところで争議が始まった。(同じころ)全総連というところが個人別(個人参加)の組合を作った。そこで未組織労働者の組織化をやった。

 その後、大企業の労働者の間で生産向上運動が始まった。会社を大きくして分け前を増やせば、豊かになるという思想が労働者の中に(受け)入れられていった。大企業の労働組合は、合理化に協力して生産性を上げれば、生活は豊かになってゆく。労働者の権利とか労使関係ではなく、とにかく生産向上運動を一生懸命やろうとした。それに対して批判する連中は逮捕されるとか、労働組合はどんどん分割されて第2組合が中心になっていく。

 これは、イデオロギー闘争で変わっていったのではなく、ほとんどお金を使って労働組合をつぶしている。高度成長の中では、労働組合がなくても賃金は上がっていた。

 いま労働者は、飢餓宣言と言って労働者が子どもを育てて生きるということができない、というあり得ない状態に置かれている。労働者が、極く普通の生活をしてきた歴史が、労働組合の防衛がなくなって、いまは結婚して子どもを育てるということもできない。労働者の再生産が効かない社会になってくるから、次の社会は誰も考えていないことになる。僕はこれは、公害問題と同じだと言っている。

 貧困問題は若い人が取り組んでいる。時代が変わってきたんです。労働運動から市民運動に変化し、いろんな運動が繋がってきた。

湯浅:今年、自由と生存のメーデーというのが開催された。労働と生活がセットで考えられるようになっている。これをどうつないでいくか、が今後の課題。

 大きなところを揺さぶっていきたい。(雇用者に対して)NOと言えない労働者からどう脱皮するか。弱さを自覚し、人と繋がらないとやっていけない、できるところが一緒にやっていく、ということが大事だと思う。

湯浅誠.jpg
 湯浅誠さん

<会場からの質問>

Q1:若い人の雇用は、自分が体験した10年前よりもっとえげつないことになっていると思う。派遣労働法の規制、日雇い労働の禁止などが必要と思うと同時に、現場で声を上げること(ネットワークを作ること)も必要だと考える。今後どうあるべきかについてお聞きしたい。

鎌田:(さまざまな運動をしている人たちに対して)心を広く持つこと、寛容になること。矛盾を解決するためには、誰がやっていても足を引っ張ったり、裏切らないことだと思う。動きをつぶさないようにすること。

湯浅:旧来の運動をやっていた人は、違いを見つけることに長けている。それをやっていると仲間を増やせない。違いを見つけて批判してきたエネルギーを、一致点を見出すことに使っていたら相当変わっていただろう。これからは、意識的にやっていくことにエネルギーを割くことが必要だと思う。

Q2;秋葉原事件についてのコメントが出なかったが、聞きたかった。

鎌田:地方から都会に出てくると住宅問題は重大。失業したら生活していけない、焦りが強い。これは地方出身者特有のもの。こういう人たちが、安心して暮らせない社会になっている。社会の問題として、どう受け止めて解決していくのか。いろいろな問題を解決していけば、犯罪を少なくしていけるだろう。

湯浅:容疑者は、「もやい」に来る相談メールの人と同じ状況にあると思う。この人たちは、たまたま私たちのことを知って連絡してきているが、その背後にいる人たちは、連絡先を知らなかったり、役所に行っても追い返されたりしている。その人たちが、破れかぶれになっちゃわないという保証はどこにもない。

 逆に、あの容疑者がなんかの拍子に「もやい」を訪ねてきたら、あの事件は起こらなかったかもしれない。パーソナリティによるものもあるかもしれないが、ほとんど偶然に左右されている。第2、第3の被害者を生まないために、ということで誰でも合意できるなら何でもやるということになっているかというと、そうはなっていない。

 2度と悲劇を繰り返してはいけないと思ってない、ということを問題にしていかないといけないと思う。

                       ◇     ◇

 私がこのトークセッションの案内を見た時、流行り言葉のようにさえ響く「貧困」という言葉と「アキバ事件」、この2つの言葉(文字)がまず目に留まりました。そして、このトークセッションのお2人のお話を聞きたいという思いはあったものの、「連帯は可能か」の連帯とは何の連帯かということと、秋葉原事件がどう結び付くのかということが、当日トークを聞くまで分からなかったのです。

 でも、「貧困」と労働運動が私の中で結び付いた時、貧困問題について声を上げることが新たな労働運動であり、旧来の運動とは違って生活問題と直結しているのだということが理解できました。

 そして、現在さまざまな形で表れている貧困・労働をめぐる動きが繋がったとき、社会を変える大きな動きになり得るのではないか、と思います。

 さらに、秋葉原で起きた事件は、個人が起こす犯罪や罪を決して容認するものではないが、社会問題であるという認識も新たにしました。

 なお、「平和の棚ブックフェア」は10月31日まで、東京・ジュンク堂新宿店7階で開催されています。また、連続トークセッションはあと3回予定されています。

東京:宮沢さかえ
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2008年09月17日

新宿ホームレス生活保護裁判

東京地裁第522号法廷にて、新宿ホームレス生活保護裁判の第1回口頭弁論が行われました。
口頭弁論と言うこともあり時間は15分ほどの法廷でしたが、多数の傍聴人であふれ法廷内に入りきれないほどでした。
開廷前に東京地裁前でビラを撒く光景を見ましたが、ビラを受け取る方も立ち止まって読まれれたりと、興味をもたれたような印象でした。
万人が受けられる「生存権」その中の「生活保護」をめぐる裁判で関心が寄せられていると言う感じでした。

11時開廷の新宿ホームレス生活保護裁判。
まず原告Yさんが法廷に立ち、これまでのあらましと福祉事務所の対応を簡潔に述べ、裁判が始まりました。
Yさんのこれまでの経緯と最後の言葉「貧困は自己責任ではない」と言う言葉がとても印象的で、ホームレスだからと言うだけで努力をしなかったとみなされて、保護から排除されてしまう行政のダブルスタンダードに疑問を感じました。
その後弁護士の戸舘圭之氏がこの裁判の趣旨と争点を述べ閉廷となりました。
原告側の訴状の訂正などもあり、被告側の口頭弁論は次回に引き継がれましたが
争点や経緯などが良くわかり、まずこれが裁判の第一歩である、と言った法廷でした。

次回裁判は11月5日水曜10時45分より東京地方裁判所522号法廷で行われます。
実際の保護行政を問う裁判です。興味のある方、もっと知りたい方は是非傍聴人としてご参加下さい

以下参照リンク
新宿生活保護裁判を支える会のブログ
http://ameblo.jp/shinjukuseihosaiban/

ホームレス総合相談ネットワーク
http://www.homeless-sogosodan.net/

 

閑話休題
傍聴人の多さに、次回は大法廷でお願いしますと言う弁護団に裁判長は、法廷のスケジュールもあり次回も同法廷で行うが、第3回は考慮します。と言う言葉がありました。
閉廷後、弁護士の宇都宮氏から「あれだけ協調的な裁判官は珍しい」とコメントされていました。
本来なら一蹴されるようなことらしいです。
傍聴人の多さが社会の関心、昨今の格差・貧困問題に配慮した結果だったのでしょうか??
(admin)   

執筆者: Moyai
この記事の初出は特定非営利活動法人・自立生活サポートセンター・もやいです

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2008年09月14日

「ホームレス」だと生活保護を受けられないの?新宿ホームレス生活保護裁判 第1回口頭弁論傍聴報告

 9月10日(水)11時から東京地裁で「新宿区ホームレス裁判」(平成20年〈行ウ)第415号・第416号)の第1回口頭弁論がありました。

 この裁判は、生活に困窮し野宿生活を余儀なくされていた58歳の男性が、法律家や支援者らの援助で新宿区福祉事務所に生活保護の申請をしたところ、2度にわたり「稼働能力不活用」などを理由に却下されたことから、7月7日、却下処分の取消しと保護開始決定の義務づけを求め、新宿区を提訴したものです。  

新報告集会.jpg
                            報告集会  
 報告集会の様子
 この日の口頭弁論では、原告本人と原告代理人の意見陳述がありました。42の傍聴席に座りきれないほど多数の傍聴希望者が詰めかけ、この裁判に対する社会的関心の高さを感じました。若い人たちもたくさんいました。傍聴できなかった人たちは、廊下に出て裁判が終わるのを待っていました。

 午前11時05分に岩井伸晃裁判長ほか2名の裁判官が入廷し、裁判が始まりました。原告、被告双方に対し、準備書面の提出等の確認をしたあと、岩井裁判長は、「今日は11時15分から次の裁判が入っているので、原告らの意見陳述は3分ずつ」と述べ、原告の横山正美さんと原告代理人の戸舘圭之弁護士が意見陳述を行いました。

 原告の横山正美さんの意見陳述

 私は、6月2日から新宿福祉事務所へ3度生活保護の申請をし、3度却下されました。その理由は、稼働能力を活用しないこと、自立支援施策を利用しなかったこととされています。

 私は以前、自立支援施策の自立支援センター葛飾寮に入所していたことがあります。このとき、仕事を途中でやめてしまったことが問われているようです。

 過去に仕事を辞めたこと、これは事実です。私にも誰にも最早変えることができません。この事実は、私がかつて、そして、今も働く意思がないと解釈されるものなのでしょうか。そして、この事実は、如何に評価するにしても、いつまでも私を拘束し続けるのでしょうか。

 新宿では、都庁近くの駅への地下通路の入り口近くの路上が、私の居場所でした。私が新宿で路上生活をしていたのは5月ですが、晴れていても夜になると上着を着ても凍えるような寒さです。少しうとうとしても、寒さのあまり何度も目が覚めてしまいます。路上に身を横たえることができるのは、深夜1時過ぎです。それまでは、非常に多くの方が帰宅のために、この通路を行き交うので、横になることが出来ないのです。

 また、それ以前の上野での路上生活の経験で既に分かっていましたが、やはり、私たちのような者に対して暴言を吐いて絡んだりする人もいて、おそろしい思いをすることもあります。しかし、それでも、雨を防ぐことができる場所は限られています。ですから、せめて雨から身を守るためには、そこにいるしかありませんでした。

 このような状態から、頑張れば何とかできるはずと言われても、具体的に、どこで頑張ればいいのでしょうか。

 自立支援センターで頑張れば何とかなるといわれても、原則2ヶ月、最長でも4ヶ月の期間に生活保護を受けず、独力で仕事を見つけ、転宅する費用も捻出する、しかも、連日10時間を超える勤務へ10人を超える人間と同じ部屋で過ごしながら、通い続けることに、私の体は対応できませんでした。社会保険もない会社での勤務で、病気になっても病院にかかることもできませんでした。

 福祉事務所の職員からは、路上生活は自ら進んで招いた結果だ、と何度も言われました。この制度を利用し、運良く自立するという「結果」を出せない者には、生活保護を適用しないという制裁があるのでしょうか。

 私は、これまで職を転々としてきました。勤務先は、必要な時だけ私を使い、必要がなくなると、自由に取り替えられる存在とみなして、私が働き、生活の糧を得る機会を、躊躇なく奪ってきました。

 生活保護は、最低生活は国が国民に対して保障するという制度なのだと聞いています。ホームレスでない方は、職を失った場合、再度頑張って自分の力で生きていく、その「前提」(安定した住居、食事)を生活保護により維持することができます。

 一方、ホームレスは、最低生活以下の場所にいながら、頑張っていくその前提を、自立支援センターで、自分で作ることが求められることになっています。なぜ、ホームレスという住居すら失った立場に陥った者は、ホームレスであるというその一点だけで、このように異なる扱いをされなくてはならないのでしょう。たまたま、生活保護を申請した時点において住居を失っていたというその一面だけで、私自身のすべてが判断されなくてはならないのでしょうか。

 自分自身、先ほどホームレスという言葉を使いましたが、一言でホームレスといっても、いろいろな方がいます。それぞれに異なる事情や思いがあります。私も、そして、私以外のホームレスの方もおそらくすべて、以前はみなさんと同じように、仕事をして幸せに生活することを願っていました。そして、私自身その思いは、これまでも、今も全く変わりはないのです。

 生活保護だけで生活を営みたいとは思っていません。これは、6月2日の段階、それ以前の段階からずっと思っていることです。ただ、路上で生活をしながら、仕事を見つけることができないのです。

 現在、板橋区で生活保護の決定があり、ようやく安定して生活できる場所、再度自分の力で生活を立て直すための「前提」を得ました。

 なぜ、法が定めた制度を私が利用し、私に生活を立て直していく機会を与えようとはしなかったのか。そのことの是非を、名前のない単なる「ホームレス」という呼称ではない、「横山正美」という一人の人間として、私は問いたいのです。そして、この問いが、声をあげることもできず、路上で苦しんでいる、一人一人の「ホームレス」に共通する思いであることを知ってください。

 原告代理人の意見陳述要旨

 本件の審理に先立ち原告訴訟代理人弁護士戸舘から、裁判所に対し、意見を申し上げます。

 本件は、ホームレスであった原告横山さんに対して生活保護を行うこと認めなかった新宿区福祉事務所の違憲性、違法性を問う裁判です。

 日本国憲法25条1項は「すべての国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」と、すべての人々に対して、いわゆる生存権を保障しています。

 これを受けた生活保護法第1条は「この法律は、日本国憲法第25条に規定する理念に基き、国が生活に困窮するすべての国民に対し、その困窮の程度に応じ、必要な保護を行い、その最低限度の生活を保障するとともに、その自立を助長することを目的とする」と生活保護法の目的を高らかにうたっています。

 そして、生活保護法2条は、無差別平等の原則を規定しています。この無差別平等により、生活困窮状態にあるすべての人々が、差別されることなく、健康で文化的な最低限度の生活を営むことが可能となっているのです。

 原告の横山さんは、今年の5月ころから、新宿近辺で路上生活を余儀なくされていました。横山さんは、なんとか生活を立て直した上で、働く場所を見つけて自立したいと考えていました。しかし、住所もなく日々生きていくことに精一杯の路上生活者が就職先を見つけることは簡単なことではありません。

 新宿区福祉事務所は、原告の横山さんに対して、権利であるはずの生活保護の受給を認めませんでした。「稼働能力を活用していない」というのがその理由です。

 しかしながら、ホームレス状態を余儀なくされている人々は、稼働能力を活用する前提を欠いています。そもそも、野宿状態で生活している人を、きょうすぐに雇ってくれる会社がどこにあるのでしょうか? ホームレスが稼働能力を活用する場はそもそも存在しないのです。

 稼働能力活用要件を無制限に適用することで、多くのホームレスの方への生活保護の適用が拒まれているという実態があります。本件の審理にあたり原告代理人らは、稼働能力の活用についての正しい解釈を提示した上で、稼働能力活用要件がホームレスへの生活保護の適用を否定する理由にはなり得ないことを明らかにしていきます、

 結局のところ、横山さんは、緊急一時保護センターなどの施設への入所を拒否したことから生活保護の申請を却下されてしまったのです。しかし、生活保護法上、居宅での保護が大原則です(法30条1項)。ホームレスには、居宅保護の原則は適用されないのでしょうか? ましてや緊急一時保護センターは生活保護法上の施設ではありませんし、このような施設の利用が生活保護に優先することもあり得ません。

 「ホームレスであっても、人間らしい生活をする権利はある」のです。

 どんな人であっても、雨や嵐をしのぐことができ、プライバシーの守られた住居で人間らしい生活をする権利があります。働いて、きちんとした生活を送るためにも、安定した住居に住むということは不可欠の前提なのです。

 新宿区の考え方は、ホームレスに対して他の人より劣った取り扱いをしてもかまわないという「劣等処遇」を容認するものであり、到底許されるものではありません。

 新宿区の運用は、東京都内にある他の多くの福祉事務所の運用とも異なっています。現に、板橋区福祉事務所は、8月23日、緊急性が認められるということから、申請したその日に、原告の横山さんに対して生活保護開始決定を行いました。横山さんは現在板橋区内のアパートで自立に向けた生活を歩み始めています。

 板橋区にできたことが、どうして新宿区はできないのでしょうか。

 現在、板橋区に限らず多くの福祉事務所において、法の原則にしたがって、ホームレスの方への生活保護を実施しています。新宿区だけが特殊だといっても言い過ぎではありません。

 人間、誰もが、何かの拍子で職を失ったり、働けなくなって生活困窮状態に陥り、野宿生活を余儀なくされることはあります。われわれ弁護士は、裁判官も、例外ではありません。そのようなときに、最後のセーフティネットとして機能するのが生活保護なのです。

 貧困は自己責任ではありません。貧困状態にある人を救済するのは国家の責務です。原告代理人らは、今後、新宿区の運用の違法性を明らかにしていくための主長、立証を行っていく予定です。

 ホームレス状態を余儀なくされている全国の多くの人々及び支援の人々が、本件裁判を注目しています。裁判所におかれましては、ホームレスに対する偏見をもつことなく、憲法と法律にしたがった真摯な姿勢で審理に臨まれるよう代理人を代表してお願い申し上げます。

 報告集会

 裁判のあと、弁護士会館で報告集会がありました。支援者ら70名以上が参加し、法廷と同じように、若い人たちもたくさんいて、熱気に包まれていました。報告集会では、弁護団が裁判に至る経緯を説明したあと、横山さんが挨拶をしました。

 横山さんは傍聴のお礼を述べたあと、「みなさんの力がないと、この裁判は勝てません。私1人でなく、これから続くホームレスの人のためにも、ご協力をお願いいたします」と訴えました。

 質疑応答の中で、裁判を起こすに至った思いを問われ、横山さんは、次のように述べました。

 「新宿区役所に生活保護の申請をしました。1度目は却下され、2度目も却下された時点で、新宿でなんとか申請を通したいと思いました。もし、新宿で生活保護の申請が通れば…。(自分と同じように)自立を目指している仲間のホームレスがいます。路上で生活をしていると、後ろ指を指されている思いがあります。そこから脱却したい。新宿から…。弁護士さんにお願いして、提訴をしました」

 また、この裁判の争点を問われ、弁護団は、新宿区福祉事務所が申請却下の理由に「稼働能力不活用」を口実として使っている現状があることに言及したうえで、「稼働能力不活用」に対する解釈も含め、このことを理由にホームレスの人たちを排除することは許されないことであり、その違法性を裁判を通して明らかにしていきたい、と答えました。

 横山さんが現在、板橋区で生活保護を受けてアパートに入居していることについて、そのことが裁判に影響を与えると思うか、という質問に対し、弁護団は、今回は6月2日の時点における新宿区福祉事務所に対する訴えなので、問題はないのではないか、としながらも、裁判所の率直な感想としてはあるかもしれないが、新宿区の尻拭いを板橋区にやらせてよいのか、という問題もあることから、却下処分の違法性を争いたい、との考えを示しました。

 最後に、支援者や弁護団の方々から、傍聴人がたくさん詰めかけることが、この裁判の重要性を裁判官に伝える一番有効的な方法なので、次回もぜひ大勢の人たちが傍聴にきてほしい、との訴えがありました。

東京:ひらのゆきこ
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2008年09月13日

石井慧GJ!(グッジョブ!)〜保証人なるな! [時事ニュースから]

 北京五輪の柔道無差別級で金メダルを取った石井選手が、母校で、「受けねらい」と言われていますが、最高のアドバイスを後輩におくったというニュース。

(以下ニュースより)
石井またまた笑いで一本!!母校で珍助言
9月12日7時1分配信 スポーツニッポン



壇上に上がる前、斉藤監督(左)から言葉をかけられる石井

 北京五輪の柔道男子100キロ超級で金メダルを獲得した石井慧(21=国士舘大)が11日、母校・清風高校(大阪市)を訪問し、優勝報告を行った。全日本男子の監督で、国士舘大の師匠でもある斉藤仁監督(47)も帯同。厳しく監視される中、約3300人の後輩に珍アドバイスを送った。

 朝礼で壇上に上がった石井は「皆さんに、人生を生きていくにあたってのアドバイスをしたいです」と切り出すと、(1)保証人にならないこと(2)たばこを吸わないこと(3)ネクタイは上まで締めること――と唐突な発言。「自分から言えるのはそれだけです」と締めくくると爆笑に包まれた。

 実はこのアドバイス、清風学園の平岡校長が以前から生徒に話してきたもの。最も恐れる斉藤監督が「柔道、五輪、学校関係以外の質問は控えてください」と取材規制を敷く重い雰囲気の中、石井としては在校時に叩き込まれた教訓を伝えて笑いをとるのが精いっぱいだった。同席した母・美智子さんも「息子は大阪人なんで、笑わせなあかんって思うみたいで…」と弁解していた。

                                                       (引用終わり)


 借金の連帯保証人というのは、自分では借金していないのに、借金をした人と全く同じ支払い義務を負うことになります。
 お金を借りた本人は、必要なお金を必要なときに入手しているのだからメリットがあるが、保証人は損ばかり。
 名前貸して上げるだけだからいいや、は大間違い。
 本人がちゃんと払うだろうから大丈夫、も間違いである可能性が高い。というか、本人がもし払わなかったら、という前提で考えなければダメ。
 
 自己破産事件などを取り扱っていると、たとえば商売なんかで資金繰りが困って、一族みんなを次々に借金の保証人にしていたために、本来破産しなくてもよいような人まで破産しないといけないようになるケースをたくさん見ます。

 
 石井選手のこのアドバイスは価値がある。
 たとえば、
「信じれば夢はかなう(俺は叶ったから)」
みたいなありきたりの言葉とは比べものにならない。

 動機は受けねらい、でも何でもOK。
 
 保証人になるな、は最高のアドバイス。 
神戸:村上英樹  弁護士村上英樹のブログ
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2008年08月07日

夫の死の真相を明らかにしたい!「動燃虚偽発表強制死損害賠償請求控訴事件」傍聴報告

 7月29日(火)午前10時より東京高裁で「動燃虚偽発表強制死損害賠償請求控訴事件」第6回口頭弁論が開催されました。出席者は原田敏章裁判長ほか2名の裁判官、提起側(原告)6名、相手側(被告)5名、傍聴人27名。

もんじゅナトリウム漏れ事故情報隠し問題

 1995年12月8日、もんじゅのナトリウム漏れ事故における動燃(動力炉・核燃料開発事業団)の情報隠し問題で、内部調査を担当していた動燃職員の西村成生さんが、記者会見を行った夜、ホテルの駐車場で遺体となって発見されました。遺書が残っていたことなどから自殺とされ、1,000人を超える参列者による盛大な葬儀がとり行われました。西村さんの死を契機に動燃に対するマスコミの追及は鈍り、情報隠しの問題追及も沙汰やみとなりました。

 西村さんの遺族は、不祥事の記者会見で虚偽発表をさせられ、自殺に追い込まれたとして、動燃を安全配慮義務違反で提訴しました。一審は、記者会見での大石理事長の回答を無視し、「2時ビデオ」が本社にあることがわかったのは1月10日だと発表したのは、西村さんの個人プレーであり、動燃は責任を負わないとして訴えを退けました。遺族は判決を不服として控訴しました。

 「2時ビデオ」というのは、事故が起きた直後の午前2時、動燃が事故現場を撮影したビデオのことです。動燃はこのビデオを公表せず、それから14時間後に撮影したビデオ(4時ビデオ)を最初のビデオとして公表しました。この「4時ビデオ」には編集が加えられており、重大さを感じさせる部分がカットされていました。

 「4時ビデオ」編集問題、「2時ビデオ」の隠ぺい問題が次々に発覚し、情報隠ぺい問題に関する内部調査チームが発足しました。西村さんはその調査チームのメンバーでした。調査の結果、「2時ビデオ」は事故直後本社に届けられ、本社職員も見ていたことがわかり、12月25日、大石理事長にそのことが報告されました。

 理事長はただちに発表することを指示せず、年が明けた1月11日、動燃は科学技術庁(以下、科技庁)に相談しました。12日、科技庁が、動燃本社に「2時ビデオ」があったらしいと記者に漏らし、動燃は急きょ記者会見を行いました。広報担当理事らによる会見は要領を得ず、記者に「理事長を出せ」と迫られ、動燃は理事長会見をセット、その後に調査担当者による会見を行うことにしました。

 理事長が、「2時ビデオ」が本社にあることを最初に聞いたのは、12月25日でなく、昨日(1月11日)と答えたことから、西村さんは、「2時ビデオ」が本社にあることがわかったのは1月10日と発表せざるを得なくなりました。西村さんの遺体がホテルの駐車場で発見されたのは、その日の深夜未明でした。

第6回口頭弁論

 この日の口頭弁論では、証人尋問の採否についての検討が行われました。提訴側(原告側)弁護団が、西村さんはなぜ死ななければならなかったのか。関係者の動きを図で示しながら、その経緯を時系列で説明したうえで、真相究明のために重要な証言が得られる可能性の高い人物らに証人尋問をする必要があることを主張しました。

◇ ◇ ◇

原告代理人
 なぜ、西村さんは死ななければならなかったのか。真実を明らかにするためには、だれを尋問しなければならないか。そのことについて述べたい。西村さんは記者会見で、「2時ビデオ」が本社に持ち込まれていたことが発覚したのは1月10日だと発言しているが、実際は12月25日だった。記者会見が始まる18分前に、動燃からそのことを明記した回答書が科技庁にファックスで送られている。

 西村さんが虚偽を述べたことを知ったら、科技庁は間違いなく発表する。このとき、西村さんにどんな選択肢があったか。苦しい立場に追い込まれている西村さんを救うことができたのは、西村さんに記者会見をさせた動燃幹部だけである。

 では、西村さんは、いつ、どのようにして科技庁が真実を知ったことを知ったのか。そのカギを握るのは、回答書に関与した3名の人物であり、同時に尋問をする必要がある。5人の申請をしているが、とくにこの3人について認めていただきたい。

 一連のビデオ隠しは科技庁の強制立ち入りから始まっている。12月21日、副本部長が大石理事長に、午前2時に事故のあった部屋に入室していたことを報告している。午後4時過ぎ、現地で会見した所長らは、「2時ビデオ」の存在を隠し、「ほかにビデオはない」と虚偽の説明をした。22日、科技庁の強制立ち入り検査があり、動燃職員が「2時ビデオ」の存在を報告。科技庁は、動燃が入室時間を午前10時と虚偽発表したことを発表した。

 この時点でビデオは本社にあり、副所長がビデオ廃棄を指示するなど、証拠隠ぺいを図っている。23日、動燃は現地最高幹部の3名を更迭。同日、動燃職員は本社にビデオを送ったことを調査チームに報告。25日、調査チーム団長は、「2時ビデオ」の本社内存在を大石理事長に報告した。理事長の指示で、再度、職員から事情聴取したところ、副主幹が「2時ビデオ」を机から出して提出した。

 26日、調査チーム団長と室長らは、副理事長らに「2時ビデオ」が本社にあることを報告し、室長は早期会見を進言したが、年内会見は実現しなかった。だれが指示したか。大石理事長以外にあり得ない。

 27日、衆参科学技術委員会で大石理事長が参考人として出席し、ビデオ隠し問題で陳謝。情報は速やかに出します、と言いながら、本社への「2時ビデオ」持ち込みの報告を受けていたにもかかわらず、そのことにはまったく言及しなかった。このとき隠したことが、最後まで嘘を通したことの大きな原因。

 1月10日に読売新聞が本件事故に関する大きな記事を書くという情報が入り、徹夜で報告書を作成。12月25日に動燃職員が「2時ビデオ」提出の記載は、何者かによって報告書から削除された。これも理事長か、理事長の意を受けたものと考えざるを得ない。

 調査チームは、11日夕方、理事長にビデオ隠し問題についての調査結果を報告。科技庁原子力・原子力安全局原子炉規制課とそれぞれ中間とりまとめの公表等についての打合せを行い、「2時ビデオ」の本社関与についても報告した。同課の内話として「2時ビデオ」問題は早期に発表するべきではないかとの意見が付された。

 ビデオ隠し問題について動燃本社の管理職らが関わっていたとの報告を受け、中川秀直科技庁長官が、12日、閣議後の記者会見で、「極めて残念だ。こうしたことが二度と起こらないよう責任問題も含めて厳格な対応を考えたい」と爆弾発言。動燃は、急きょ、ビデオ隠しの経緯を発表することにし、同日午後4時20分から科技庁で会見を開いた。

 会見で、広報担当理事らは「2時ビデオ」が本社内に存在していたことが発覚した時期について答えることができず、記者に「理事長を出せ」と言われ、仕方なく理事長会見を行った。理事長が、「本件調査結果を知ったのは昨日」「本社上層部はこのビデオの存在を知らなかった」などと明言したため、西村さんは虚偽の発表をしなければならなくなり、その結果、自殺に追い込まれた。

 西村さんが亡くなったあと、中川長官が突然西村さんの自宅を訪れ、家族に弔意を表したうえで、西村さんの遺体の顔を覆っていた白い布を自ら取りのけ、遺体の顔を見ていた。なんのためにきたのか。その日はお通夜ではなかった。長官と同時に動燃の職員も全員引き揚げた。

 葬儀は、1,000人を超す参列者で盛大にとり行われた。大石理事長や石田寛人科技庁事務次官らが弔辞を読んだ。就任4日後の梶山静六新官房長官や田中真紀子元科技庁長官も出席した。葬儀に出席していないのは、科技庁前長官、中川秀直現長官。原子力安全局長は、出席も献花もしていない。動燃と対立していた科技庁の当事者は参列しなかった。盛大な葬儀は、ビデオ隠しに終止符を打たせるためのせるための一大イベントだと遺族は感じた。西村さんの死で、動燃と科技庁の関係は一変した。

 遺族が葬儀のお礼参りに動燃本社役員室に入ると、大石理事長や副理事らがいた。死亡の第1報を遺族に連絡し、記者会見で「西村は自殺した」と発言したA理事はいなかった。A理事は、西村さんの妻が動燃に勤務していたときの直属の上司である。

 理事長は青ざめた顔で目は落ち着きなく動き、ちょっとだけ頭を下げ、小さい声で「ご愁傷様です」とやっと言った。自分が嘘を言ったために西村さんが亡くなった。それが態度に出ていた。理事長室に秘書役が堂々と入ってきて、遺族に向かい、「困ったことがあったら僕になんでも言ってくれ」と言った。

 石田科技庁事務次官は青ざめた顔で強張り、目礼するのが精一杯で声も出ない様子だった。事務次官は葬儀で弔辞を読んでいたが、そのときとはまったく様子が異なっていた。

 中川長官は、遺族に、「ご主人は亡くなる前にどんなことを言っていましたか」と聞いた。遺族が、「NHKの記者会見のビデオの録画を頼まれました」と答えると、「それだけですか」と聞かれたので「そうです」と答えた。

 これが一連の経過。長官は、遺族がどこまで知っているか確かめた。12日の会見は中川長官の閣議後の発言から始まっており、中川長官こそ動燃を追い詰めた張本人。だからこそ、争議に出られず、西村さんの死後沈黙をせざるをえなかったのではないか。

 こうして、本社「2時ビデオ」の存在が12月25日に発覚していた事実は隠ぺいされた。

裁判長
 動燃広報室と科技庁の責任についての立証趣旨。科技庁は西村さんの会見が嘘だと知っていた。西村さんの立場は苦しくなる。だから、そういう気持ちになるということか。

原告代理人
 いつの段階でファックスが科技庁にいったのか。西村さんはのっぴきならない立場となった。嘘を言わなければならなくなった。その前の記者会見で理事長が嘘をついたから。自殺しかない。自殺によってすべてが終わった。西村さんが亡くなって、状況が一変した。

原告代理人
 ファックスの送り状は出てきていない。主旨は、科技庁に確認すること。3回目の記者会見が終わったあとなにがあったのか。これまでの証言は曖昧。何か隠している。科技庁側は知っていた。

裁判長
 呼ぶとすれば、MさんとKさんのどちらか。

原告代理人
 Mさん。

裁判長
 Mさんだけ。あとは留保。呼び出しですね。主尋問は40分。反対尋問は?

被告代理人
 同じ程度。

 こうして、原告側が申請していた証人尋問は1名だけの採用が決まり、2名については留保となりました。最後に、次回期日を決め、閉廷となりました。

報告会

 裁判のあとの報告会では、弁護団から、証人尋問が認められたMさんについての説明がありました。Mさんは動燃の職員で、西村さんにファックスを渡した人です。西村さんはこのファックスを受け取ったあとに亡くなっているので、決定的な瞬間にいた人であることを裁判長が理解し、証人尋問が認められたとのことでした。

 参加者からは、科技庁がこの事件にどのように関わっていたか、という質問や、西村さんの葬儀を盛大にやることで、動燃に対するマスコミの追求が弱まり、隠ぺい問題についても終止符が打たれる形になったが、関係者がいちばん恐れていたのは、原発反対の大衆運動が起こることだったのではないか、との指摘もありました。

筆者の感想

 13年前に起きたこの事件の裁判を筆者が傍聴したのは、今回が初めてでした。西村さんの自殺に対して疑問を投げかけている人たちもおり、真相究明のためにどのような審理が行われているのか、興味深く裁判を傍聴しました。

 裁判を傍聴してわかったのは、西村さんの死が自殺か否かを争っているのではなく、西村さんはなぜ死ななければならなかったのか、その理由を明らかにし、安全義務を怠った動燃の責任を厳しく問い質しているということでした。

 事件のカギを握るとみられている大石理事長が亡くなったことで、大石理事長自らから真相を聞くことはできなくなりましたが、西村さんの死の真相は依然、闇の中であり、真相究明のために、さらに審理を尽くす必要があると感じました。

東京:ひらのゆきこ
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2008年08月03日

【ハケンという蟻地獄】Nグッドウィル廃業の日―「派遣」産みの親が消費税増税を求める

 日雇い派遣最大手のグッドウィルが廃業した7月31日、「偽装請負」で批判を浴びたカメラメーカー・キャノンのトップで日本経団連の御手洗冨士夫会長が日本外国特派員協会で講演した。御手洗会長は、経営者が負担すべき年金や健康保険の財源を、庶民に転嫁する消費税増税を臆面もなく求めた。 

                                             御手洗冨士夫・日本経団連会長(日本外国特派員協会) 
御手洗経団連会長.jpg御手洗氏は1935年、大分県生まれ。キャノンUSA社長などを経て95年、従兄の死去を受けて社長に就任。06年には日本経団連会長に就く。

 御手洗会長は「日本経済は厳しい状況にある。個人消費、設備投資、住宅建設は横ばい。米国向け輸出の停滞。企業の業績は停滞気味」との基本認識を示した。理由は「資源・食料の価格高騰と米国経済不調の長期化」とした。

 「日本経済は短期的には楽観できても中長期的には存亡の危機にある」との見通しも示した。「少子化による世界にも例を見ない人口減」などを理由に挙げた。

 ここまでは普通に新聞を読み、テレビニュースを見ている国民であれば誰でも頷ける話だ。当たり前の経済常識だからだ。ところが、この先の話が常識を欠いた「我田引水」だった。

 「税制の抜本改革は、経団連の最重要課題。年金制度への不信、医師不足、育児環境の不備は日本の将来に暗い影を落としている」として「社会保障の財源は消費税で賄うべきだ」と力説した。「法人税減税」の口実でもある。

 年金は消費税で賄うとする政治家は少なくない。筆者もその考えには概ね賛成だ。だが、経団連は責任を転嫁していないだろうか。

 正規雇用を増やすと年金や健康保険の企業負担が増えるとして、正規雇用の拡充を拒んでいるのは経団連である。ばかりか、年金も国民健康保険も払えないワーキングプアを作り出してしまったのが、経団連だ。数百万人もの若者を、結婚もできないどん底に叩き落とした。少子高齢化に拍車をかけているのが経団連なのである。

 経緯を簡単に述べる。バブル経済の崩壊でリストラし過ぎた企業は、人手が足りなくなった。かといって社員として抱えるとコスト増となる。

 経済界は必要な時だけ雇える派遣労働の拡充を望んだ。経団連会長が定席を占める政府の経済財政諮問会議の強い要請で99年、「労働者派遣法」が改正された。5業種(港湾、建設現場、工場のラインなど)を除き原則自由となったのだ。

 さらに04年には「工場のライン」も派遣労働が解禁された。大量の派遣労働者が生み出された。規制緩和の美名が、問題点の指摘や批判をかき消した。

 それまでは企業と直接契約していたが、派遣会社が間に入るようになったため、給料の3割〜5割がピンハネされるようになった。企業も派遣会社に依頼すれば容易に労働者を確保できるため、長期契約する必要がなくなった。「日雇い派遣」「ワンコール・ワーカー」の大量発生となり、「ワーキングプア」などという言葉が定着した。

 手配師でも日当1万2,000円はくれたが、派遣会社は7,000円だ(日雇い派遣の平均日収)。

 「我々の苦しみの根っこは規制緩和にある。怒りの矛先を経団連に向けるべきだ」(「ガテン系連帯」小谷野毅事務局長)というのは、こうした理由からだ。

 御手洗会長がトップを務めるカメラメーカーのキャノンは、規制緩和を通り越して違法行為に手を染めていた。「偽装請負」である。新聞の調査報道で明らかになり世論の批判を浴びているにもかかわらず、御手洗会長は厚労省による「偽装請負」の取締まりに異議を唱えたのである。

 「企業のコンプライアンス(法令順守)」が厳しく求められている現代社会にあって、財界のトップが違法行為を恬として恥じないのである。欧米の財界人が、これを知ったらどう思うだろうか。 

                     派遣ユニオン旗.jpg
               経団連本部前に「派遣ユニオン」の旗がひるがえった(7月14日・筆者撮影)

 内閣改造の前日、政府にプレッシャーをかける狙いがあったのだろう。御手洗会長は「解散、総選挙を控えて怯むのもむべなるかなだが、このままでは日本が滅びる」などとして、消費税増税を繰り返し求めた。

 財界の指導者がコンプライアンスの精神に欠け、庶民に負担増を求める国こそ滅びる―御手洗会長の講演を聞いていて、そう思ったのは筆者だけだろうか。

 御手洗会長がクーラーの効いた日本外国特派員協会で外国人記者を相手に太平楽をぶっていた、ちょうどその時間、東京・六本木のグッドウィル本社の前では、猛暑のなか廃業で職を失う派遣労働者たちが抗議の声をあげていた。

東京:田中龍作
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2008年07月26日

ご用心!「敷金・礼金ゼロ住宅」の危険なワナ

「ゼロゼロ物件」と呼ばれる貧困者を食い物にした新手の悪徳商法が横行している。これは「敷金、礼金、仲介料ゼロ円」を売り物にした「ゼロゼロ物件」と呼ばれる賃貸物件が材料。家賃の支払いが1日でも遅れると法外な違約金を取られるというもの。被害対策弁護団が15日に結成された。

                  被害対策弁護団.jpg
                   被害対策弁護団(日本弁護士会館)

 「敷金0円、礼金0円、仲介料0円」でワーキングプアなどを賃貸住宅に誘い込み、1日でも家賃の支払いが遅れると多額の違約金を請求する。「ゼロゼロ物件」と呼ばれる貧困を食い物にした新手の悪徳商法が横行している。

 初期費用が安いことから、「ゼロゼロ物件」は住宅情報誌や街の不動産屋の店頭でも頻繁に見かけるまでに増殖している。

 被害対策弁護団が15日結成され、記者会見が日本弁護士会館で持たれた。会見では被害者が実名で実態を明らかにした。 

    「ゼロゼロ物件」被害者の細坂さん 
ゼロゼロ物件被害者.jpg細坂達矢さん(フリーター・20歳)は2006年11月に東京都区内の「ゼロゼロ物件」に入居した。家賃は5万8,000円。この物件に決めたのは「敷金・礼金・仲介料がゼロ円」だったからだ。

 住み始めて1年もしないある月、細坂さんは家賃の支払いがわずか1日だけ遅れた。それから4〜5日後だった。部屋に帰るとドアの鍵が使えない。そのドアに仲介した不動産業者のメモが挟まれていた。「違約金を支払えば新しい鍵をお渡しします」。

 細坂さんは違約金2万1,550円を銀行に振り込み、新宿にある不動者業者のオフィスに出向くと新しい鍵が渡された。不動産業者は違約金を半ば強制的に取り立てる物理的手段として鍵を変えたのだ。

 細坂さんはこれまでに3回違約金を支払わされた。いずれも家賃の支払いが1日遅れただけだ。2万1,550円×3=6万4,650円になる。

 細坂さんが「どうして鍵を変えるのか?」と不動産業者に聞くと「鍵の会社が勝手に動いてやってしまうので私たちではどうしようもない」。まるで子供だましのトボケようだ。

 Aさん(フリーター・30代)の場合、被害はさらに深刻だ。引越し資金がなかったので東京・多摩地区の「ゼロゼロ物件」に06年9月、入居した。細坂さんと同じ不動産業者(新宿区)の仲介物件だ。

 ある月、家賃の支払いが遅れると不動産業者の社員がやって来て「鍵を交換するから出ていってくれ」。2回目はAさんが寝ている時に何も断りなく部屋に入ってきて「出ていってくれ」と言って鍵を変えられた。

 Aさんはその都度違約金を払い、新しい鍵をもらった。違約金は細坂さんと同じ2万1,150円(ただし2007年9月から2,000円増額されている)で13回も払った。総額で25万円〜30万円になる。家賃支払いの遅れは1日〜5日だった。

 「鍵を変えられると仕事の道具も取れなくなるので困った。生活がムチャクチャになった」とAさんは憤る。

取締りを政府、東京都に要求

 5万8,000円の家賃に対して2万1,150円もの違約金を取ることは、違約金の上限を定めた消費者契約法9条2項に違反する。法律で定められた上限は14.6%だ。細坂さんとAさんが支払った金は37%にものぼる。明らかに消費者契約法違反である。

 法律違反の指摘を免れるために不動産業者は「施設再利用料」とか「生存確認出張料」と言った名目をつけているが、弁護団は「違約金」と見ている(本稿の表記もそれに沿った)。

 借地借家法では借り主の権利が守られており、家賃の支払いがわずか1日遅れただけで「出ていってくれ」とは言えない。借地借家法の適用を免れるため不動産業者は物件のことを「鍵付き施設」と主張している。だが被害弁護団は「実態は借家で、借地借家法の脱法行為」と見ている。

 弁護団長の宇都宮健児弁護士は「『1カ月滞納で借主は退去』の契約でさえ無効。判例では半年滞納で貸主が借主に退去を要求できる」と話す。わずか1日の支払い遅れで追い出すことは、明らかに違法なのである。

 細坂さんとAさん以外にも「所持品を勝手に捨てられたりした」ケースも報告されている。

 宇都宮弁護士は「貧困層をターゲットに困窮・無知につけ込んだ(悪徳)ビジネスだ。取り締まりを政府や東京都に要求する」と険しい表情で語った。

  問合せ先:03−3352−7177 

東京:田中龍作
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2008年07月18日

新しい法律〜「振り込め詐欺救済法」〜について[消費者事件] [編集]  

 「振り込め詐欺」たとえば、オレオレ詐欺や「税金が返ってくる」という還付金詐欺とか、そういう詐欺被害の救済に有効な法律が平成20年6月21日に施行になりました。「詐欺その他の人の財産を害する罪の犯罪行為」に使えると法律に書いてあります。

 http://www.furikomesagi.dic.go.jp/

 http://www.dic.go.jp/new/2008/2008.6.6.html

 これは画期的ですごいものです。

 どういう法律かというと、預金保険機構の説明は次の通り、
 
 振り込め詐欺等により資金が振り込まれた預金口座等(振込口座)について、金融機関は取引停止等の措置をとり、口座名義人の預金等に係る債権を消滅させる手続きを行います。
 その後、被害者の方から被害回復分配金の支払の申請を受け付け、口座の残高に対する被害額の割合等に応じて被害回復分配金を支払うことになります。

とのことです。

 なんのこっちゃよくわからん、かもしれませんが、例を挙げると次の通りです。

 たとえばオレオレ詐欺にあって、10万円を「どらえもん銀行タイムマシン支店」の「ノビノビタ」名義の口座に振り込んだ人がいたとしましょう。
 そうすると、まず、次のHP http://www.furikomesagi.dic.go.jp/higaisya.html の手順に従って、警察に被害届し、金融機関に届け出(連絡)をします。
 そして、預金保険機構HP http://www.furikomesagi.dic.go.jp/ 中の「便利な検索機能」をクリックして、「ノビノビタ」で検索します。そうすると、もしかしたら既にその口座は(誰かが通報したことにより)凍結されていて、そのことが公告されているかもしれません。
 もし凍結された口座が公告されていたら(「ノビノビタ」の口座がそうであったら)http://www.furikomesagi.dic.go.jp/pat01doc.html の書式に必要事項を記入して「どらえもん銀行」に提出します。
 そうすると、凍結された口座の残高と被害者の数・被害総額に応じて、いくぶんかお金が返ってくる(配当)可能性があります。

 思い当たる節のある人は、上の預金保険機構のHPで、自分が振り込んだ名義(たとえば「ノビノビタ」)を検索するだけしてみてはどうでしょうか?
 これは本当にお金が返ってくる可能性があります。

 上の説明はよくわからんが自分は確かに「振り込め詐欺」にあったという人は、消費生活センターhttp://www.kokusen.go.jp/map/ncac_map28.htmlや弁護士に相談していただければよいでしょう。
 が、預金保険機構のHPも、かなり親切に説明してくれているし、書式も殆ど完備されていますので、パソコンがある程度使える方なら、HPをみれば素人の方でも大体は必要な手続きが自力で問題なくできそうです。

 あと、私が注目したいのは、この制度が、どの範囲の「詐欺」にまで使えるか?です。悪質な投資詐欺等も含めて、幅広く実用的に使えればよいのだけれど、と思います。
 いずれにせよ、消費者立法・消費者行政の進歩は、まだ不十分ながら、それでも進んでいます。よいことです。
 一人でも多くのかたが法を知って活かしていただきたい、と思います。

神戸:村上英樹  弁護士村上英樹のブログ

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2008年07月17日

【ハケンという蟻地獄】M「経団連は雇用と生活守れ」派遣労働者が要請

 違法派遣を繰り返していた日雇い派遣最大手の「グッドウィル」が7月末で廃業することで大量の失職者が出る。派遣労働者のユニオンが14日、財界の総本山である東京・大手町の日本経団連を訪れ「失職する派遣労働者の直接雇用」などを求める要請書を出した。受け取ったのは経団連ビルの守衛だった。

 なぜユニオンが経団連ビルを訪れたのか。経団連と派遣をめぐる経緯は――。

         派遣ユニオン.jpg
         財界の総本山にユニオンの旗が翻った(経団連ビル前で筆者撮影)

 通訳などの専門職に限られていた労働者派遣を5業種を除いて原則全面解禁にしたのが1999年の「労働者派遣事業法」改正だった。5業種とは港湾、建設、医療、警備、製造だ。

 だが、2004年には製造業への労働者派遣も解禁となる。工場の生産ラインで派遣労働者を働かせることが可能になったのだ。「規制緩和」の美名でカモフラージュした改悪だった。

 モデルチェンジを激しく繰り返す家電業界や海外の景気などに左右される自動車メーカーは、生産調整にひと苦労する。必要な時だけ雇える派遣労働者は、この苦労を解消するのに実に好都合だったのだ。中国はじめ海外との厳しい競争にさらされる日本の製造業にとって、04年は“輝かしい年”となった。

          ビルの守衛.jpg
               要請書を受け取ったのは、ビルの守衛だった。

 法改正は、経済財政諮問会議の議員だった経団連会長の奥田碩氏(トヨタ会長=当時)が影響力を発揮した賜物だった。

 新参者に過ぎないグッドウィル経営者の折口雅博氏が日本経団連の理事に就いたのも、この04年のことである。財界総理からの「ご褒美」といったら穿ち過ぎだろうか。

派遣先企業もグッドウィルと同罪

 派遣労働者のユニオンが日本経団連に出した要請書は、
▼派遣先企業による派遣労働者の直接雇用
▼同一労働・同一賃金
▼期間に定めのない雇用契約を締結する(雇用調整目的に短期契約しない)こと
などからなる。これらの要請は労働基準法の精神ではごく当たり前の主張だ。 

 要請書は御手洗冨士夫・経団連会長宛である。御手洗会長がトップを務める某有名カメラ・事務機器メーカーは、「偽装請負」で世間の指弾を浴びた企業だ。違法行為であるにもかかわらず、御手洗会長は「偽装請負」への指導・摘発に異議を唱えた。「盗っ人猛々しい」のだが、厚労省は及び腰になった。

 「全国ユニオン」の鴨桃代会長らは、要請書を経団連・労政第1本部の責任者に手渡そうとした。だが相手は出てこなかった。代わりに玄関先でビルの守衛が受け取った。派遣労働者に対する経団連の処遇を物語っているようだった。

 「派遣ユニオン」の関根秀一郎書記長によれば「経団連・労政部は『我々のカウンターパート(同格の相手)はナショナル・センターだ』と言って要請書の受け取りを拒否した」のだそうだ。

 ユニオンは経団連ビル前でアピールした。

 「派遣ユニオン」の関根書記長は「グッドウィルの違法行為を許してきた派遣先企業も同罪です。経団連は全力を挙げて派遣労働者の生活が破綻しないよう雇用を守る義務があります」と訴えた。

 「全国ユニオン」の鴨会長は「グッドウィルで働いていた労働者が『明日から生活どうするんだ』と悲鳴をあげています。企業が存続するということは、そこで働いている労働者がいるということです。労働者の生活と未来を守る責任が企業にはあるはずです」。

 先月18日、「秋葉原通り魔事件」を受けてメディアと派遣労働者の懇談会が開かれた。「経団連に怒りの矛先を向けるべきだ」。工場で働く派遣労働者で組織する「ガテン系連帯」の小谷野毅事務局長の言葉がまざまざと蘇るのだった。

東京:田中龍作
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2008年07月09日

社会の底に埋もれる希望を

 あいも変わらず、生活相談が増えている。毎号同じことを書いている気がするが、何度書いても書き足りないほど、本当に相談が増えている。これも何度も書いているが、単純に数だけでなく、相談しに来る人たちの抱える問題も、どんどん複雑になって来ていると感じる。

 

例えば、僕はとくに若い当事者と向き合うことが多いが、彼らの多くは、虐待経験など、耐え難い壮絶な過去を、程度の差こそあれ持っている(もちろんこれは若い当事者に限ったことではない。〈もやい〉には信じられないような体験談がごろごろしている)。そこから生じる人間不信や、絶望感、根深い怒りの衝動は、彼らの人生を難しくする。耐えてきた時間が長ければ長いほど、その傷は深く、心を病んでしまう人もいる。そしてこういう問題は、生活保護や、医療につなぎさえすれば即解消されるという類のものではない。どうしても生活保護などにつないだ後の、『その後』のサポートが必要になる。このように、今まで〈もやい〉ではあまり踏み込むことのなかった領域に、直面せざるを得ない事態が増えている。

 

これは一つには、こうした問題に対する社会的関心がある程度高まり、報道などで〈もやい〉が取り上げられることが増えたことによるものだ。今まで相談できなかった人たちが、相談してくるようになる。基本的にはそれは良いことだと思う。しかし、このことは、それだけ大量の困った人たちが、どこにも相談できずに埋もれていることの表れでもあり、それを思うと、前号の巻頭言ではないけど、僕らが手を付け始めている多くの問題は、社会の奥底に隠された禁忌のようなもの―まさしく『パンドラの箱』に思えてくる。

 

 この『パンドラの箱』の中身から見えてくることは、ホームレス問題、貧困の問題というのは、経済的な問題や、社会構造の問題であると同時に、もっと目に見えない、人間的な関わりの不足が深く関係しているということだ。例えば、現在貧困にあえぐ人たちすべてに、住むところと食べていける仕事を提供すれば問題は解決するのだろうか? 突飛な意見に聞こえるかもしれないが、今現場にいて僕が感じる限り、その答えはNOだと思う。

 

 当然、物理的・経済的な支援は不可欠だし、それがみんなに行き渡れば、それはもちろん素晴らしいことだ。けれども、それだけで人間は生きられるわけではない。生まれてこの方、一度もまともに誕生日を祝ってもらったことのないと言っていた青年が、本当にささやかな誕生会をひどく喜んでくれたり。人一倍勉強したいという気持ちはあるのに、何度も受験に落ちた奴がようやく合格したときの笑顔だったり。居場所がない、楽しくない、と怒りを撒き散らしていた少年が、ようやく自分のやりたいことを見つけて、前向きに試行錯誤を始めた背中だったり。現場で出会う彼らが、自分の力をだんだん取り戻していく過程に立ち会っていると、人に再び立ち上がる力を与えるものは、ギリギリの切り詰めた生活を機械的に保障するようなことではなくて、もっと濃やかで、時間をかけて行われる、温かみのある日常的なやりとりなんだとわかる。

 

別にそれが贅沢なことだとは僕は思わない。なぜなら僕だってそういうもの無しでは、とうてい生きていけないと思うからだ。人間なら、誰だってそうなのではないか? たとえば経済的に貧しくなかったとしても、そういう温かみがない暮らしというのは、時には死にたくなるほど辛いものだと思う。

 

 どーもなかなかこうしたことはわからない人にはわからないようで、政治や社会の動き、まだまだ逆を行っている気がする。通院移送費の問題しかり。「人間らしい」余裕や、温かみなんてものは、まだそぎ落とせる余分だと言わんばかりだ。黙っていては、なおのことわかってもらえない。埋もれている問題を掘り起こして、必要なことは必要だと、きちんと言い続けて行きたい。

 

来る6月29日には、僕も関わっている「反貧困たすけあいネットワーク」の総会があり、発足当初からの会員には給付を受ける資格が発生する人も出る。こうした取り組みからも、また新しい『パンドラの箱』の中身が見えてくるはずだ。小手先のごまかしではなく、誰もが本当に人間らしく生きられる社会― そういう希望が見えてくるまで、僕たちはこの箱の底を覗き込んでいかなくてはならない。そんな風に思っている。(2008年6月、冨樫匡孝)

 

※「反貧困たすけあいネットワーク」とは、月々300円からの会費を支払うことで、病気や怪我で仕事を休んだ時や、生活に困った時に貸付や給付を受けられる互助制度のことです。

 

詳しくはHP(http://d.hatena.ne.jp/tasukeai-net/)をごらんいただくか、下記までお問い合わせください。

反貧困たすけあいネットワーク E-Mail tasukeai-net@seinen-u.org
電話 03-5395-3807  

 この記事の初出は特定非営利活動法人・自立生活サポートセンター・もやいです。

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2008年07月02日

【ハケンという蟻地獄】L「派遣」の正しい理解の仕方(下)

 労働者の派遣が5業種(港湾、建設、医療、警備、製造)を除いて原則全面解禁になったのは1999年だ。派遣が可能だった業種は、それまでは26業種に限られていた。180度の転換である

                 派遣会社のトップは労働者から高額のマージンを取り自らはヒルズに住む(東京・六本木)
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バブル崩壊後、リストラし過ぎた企業は人手が足りなくなった。さりとて社員を採用すると人件費がかさみ経営を圧迫する。人手が必要な時だけ雇い、必要がない時は抱え込みたくない。企業にとって派遣労働者ほど重宝なものはないのである。こうした企業事情にぴったりとマッチしたのが労働者供給事業である派遣だ。

 規制緩和という美名のもと、経済界の要望で労働者派遣事業法は99年、改正(改悪)されたのだった。さらに2004年の法改正で製造業(メーカー)のラインにも労働者の派遣が可能になった。

 派遣労働が苛酷となる大きな理由のひとつに、派遣会社がピンハネするマージンがある。法律によるマージン率の規制がないのだ。極端にいえば、80%をピンハネしても違法ではない。

 一般的に派遣会社のマージン率は3〜4割と言われる。もっと取っているという見方もある。筆者はこちらを支持する。日雇い派遣労働者の日収(1業務=1仕事の場合)が平均で約7,000円と低いのはこのためだ。

 日収が低いのはもう一つ理由がある。始業1時間も前から集合がかかるが、時給には加算されない。にもかかわらず、遅れるとペナルティーが科せられ、給料から天引きされる。毎日仕事が入るわけではないから月収は10数万円だ。

 寝る時間を惜しんで1日に2業務(=2仕事)こなせば、月収が30万円近くになることもある。ただし相当に体力があって、要領良く仕事を入れることができる派遣労働者は、100人に1人もいない。      

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                       派遣会社の意見広告。秋葉原の事件を受けて出した

 ある30代の男性は今年1月、グッドウィルが業務停止になり直接雇用されるようになったため、月収が17万円も増えた。この男性は1日に2業務(=2仕事)をこなしていた。

 派遣会社の高率なマージンがある限り、派遣労働者は余程の体力と要領の良さがなければ、ワーキングプアから脱出できないのである。

 「マージン率に手をつけなければ、この問題(派遣問題)はどうにもならない」。労働問題を専門に手がける弁護士や労働法規に詳しい政治家は口を揃える。

 言え方を変えれば、派遣会社は高率のマージンで巨額の収入を得ている。これほど濡れ手で粟の商売もない。

「規制緩和が我々の苦しみの根っこ」

 冒頭に述べたように、企業は需要がある時だけ人手が欲しい。日毎の需要変動が激しい倉庫業や運送業にとって、1日で「使い捨て」にできる日雇い派遣労働者はノドから手が出るほど欲しい。グッドウィルの強みは、1日3万人を集め稼動させることにあった。 グッドウィルが暴利を貪り放題だったのは、業界の需要を満たしていたからであった。

 「鵜匠(企業)は鵜(派遣会社)を使って鮎(派遣労働者)を獲らせて儲ける」。製造業で働く派遣労働者のユニオンである「ガテン系連帯」の小谷野毅事務局長が派遣を鵜飼いに喩えているが、見事である。

 メーカーにとって花形商品である携帯電話、ビデオカメラなどはモデルチェンジが激しく、多品種少量生産となる。ラインの稼動、休止が頻繁に繰り返される。労働者は必要な時だけ欲しい。後は要らない。

 経団連会長がトップを務める某カメラメーカーが、「偽装請負」という違法行為にまで手を染めても派遣を手放したくない理由がここにある。この会長は偽装請負の取り締まりに異論を唱えた人物でもある。

 関東自動車は5月26日、派遣労働者150人のリストラを一斉に通告した。来月一杯で契約解除というのだ。150人のうちの1人に秋葉原無差別殺傷事件の加藤智大容疑者はいた。車の生産では世界のトップメーカーと言われる親会社の生産調整だった。この自動車会社会長もまた経団連の前会長だった。

 「経団連に怒りの矛先を向けるべきだ。規制緩和が我々の苦しみの根っこだ」。小谷野毅「ガテン系連帯」事務局長は声を絞り出すようにして話した。   《おわり》

東京:田中龍作
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2008年06月30日

【ハケンという蟻地獄】K「派遣」の正しい理解の仕方(上)

 派遣労働は原則全面解禁になった1999年から社会問題となる要素を十分に孕んでいた。人間をモノとしてしか扱わないからだ。だがマスコミが派遣労働を大きく取り上げ始めたのは、ネットカフェ難民が注目されるようになった去年の初め頃からではないだろうか。

 派遣をめぐる報道は一時下火になっていたのだが、このところ火がついたように賑やかだ。秋葉原で起きた無差別殺傷事件の加藤智大容疑者(25)が、自動車工場で働く派遣社員だったからだ。

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             派遣労働者とメディアの懇談会(18日、衆院会館)

 しかしマスコミとりわけ民放のテレビ報道は、刺激的な映像に偏りがちで、実情とかけ離れたものになっているケースが多い。背景などお構いなしといったところだ。これでは誤解を生むばかりである。

 100パーセント真実に迫っているとは言えないが、筆者のこれまでの取材を通して背景を紹介する――

 彼らの多くは、「就職氷河期」と言われた1990年代後半に高校あるいは大学を卒業している。その頃、優良企業に就職するのは宝くじに当たるようなものだった。宝くじに当たらなければ労働条件の悪い会社に就職するしかない。労働条件が悪ければ長続きしない。会社を変わる。ところが、そこはもっと労働条件が悪かったり、経営状態が悪かったりする。倒産することも珍しくない。

 昨年末、隅田公園の炊き出しに一杯の雑煮を求めて並ぶ、ホームレスの列に30代の男性がいた。彼の職歴は上述のコースを辿るものだった。最初に就職した会社の待遇が良くなかったので、転社したらそこが倒産した。焦って次を探したが、ロクな会社は見つからなかった。会社を変わる度に労働条件は悪くなった。

 転がりついたのが日雇い派遣会社だった。仕事があり収入があればネットカフェに寝泊りするが、仕事がなくなると公園での野宿を余儀なくされる。仕事がない年末、炊き出しの列に並んでいたのはこのためだ。

 どんなに働き者であろうが教養があろうが、「氷河期」に学校を卒業した人の多くは、この男性と似たような境遇にある。

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         派遣最大手グッドウィル前で違法ピンハネへの抗議(昨年7月、六本木)

 大手派遣会社の登録型派遣としてコンビニで働く30代後半の男性を3ヶ月余りにわたって取材した。男性は1日12時間は働く。12時間で終ればまだマシな方だ。夕方早い時刻に勤務について翌朝8時まで働くことも珍しくない。こうした夜勤と昼間の勤務が2〜3日おきで交互にある。体はボロボロだ。

 残業は月100時間をゆうに超えているのだが、それでも手取りは20万円ちょっと。「結婚はしないのか?」と聞くと「オレ結婚できないっすよ、経済力ないから」と自嘲気味に答えた。

 ジャーナリストの筆者にパレスチナ紛争の構図を語りかけてくるなど大学卒の学歴に恥じない教養も身につけていた。彼と会って秋葉原の事件について聞いてみたい。そう思って彼の勤務するコンビニをのぞいた。だが数ヶ月前に辞めたとのことだった。登録する派遣会社が業務停止を受けたため、契約更新ができなくなったというのだ。

 自分の将来に展望が持てない不安定な雇用にさらされている、派遣労働者の数は321万人。膨大な数の派遣労働者を生み出したのは経済界の要請だった。《つづく》

東京:田中龍作
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2008年06月22日

【ハケンという蟻地獄】J秋葉原通り魔事件:派遣労働者とメディアが懇談会

        
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                 凶行の現場にしつらえられた献花台(秋葉原で筆者撮影)

 秋葉原で起きた無差別殺傷事件の加藤智大容疑者が自動車工場の派遣労働者だったことから派遣社員を危険人物視したり、派遣会社をヒール役にする論調が一部の報道機関で散見される。

 派遣労働者のユニオンが18日、報道関係者に派遣の仕組みや置かれた実態を正しく理解してもらおうという懇談会を衆院第2会館で開いた。主催は製造業で働く非正規社員たちのユニオン「ガテン系連帯」。
     
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          懇談会には多数の報道関係者や派遣労働者が出席した(衆院第2会館)

 秋葉原通り魔事件をめぐる報道で、「派遣」の実態を知らない表現を例に挙げると――

 「犯罪人予備集団の巣窟と化した人材派遣会社」「リーディングカンパニーが“殺人鬼”を雇い、住まいまで与えていたのだから驚きだ」「今回の事件で“素性の知れない殺人鬼”の派遣受け入れを余儀なくされた自動車部品会社」・・・

 今回の事件で「ガテン系連帯」には多くのメディアから問い合わせの電話があった。だが、「事件畑の記者さんは派遣の仕組みや置かれた現実を知らない。一から説明しなければならなかった」と小谷野毅事務局長は肩を落としながら話す。

 小谷野事務局長は派遣のしくみを鵜飼いに喩えた。「鵜匠が企業で、鵜が派遣会社、鮎が派遣労働者です」。

 現在のマスコミ報道は「鵜(派遣会社)」への批判に集中しがちだ。だが小谷野事務局長は「本当に儲けて鮎(派遣労働者)を苦しめているのは鵜匠(企業)だ」と力を込めた。

 質疑応答に入り、ある通信社の記者が「雇用主に派遣労働者の健康管理義務があるんじゃないんですか?」と間抜けな質問をした。

 雇用主にそういったモラルがあれば、派遣労働者が労災にあったりはしないし、第一派遣労働が社会問題になったりはしていない。「お前、それでもジャーナリストか!」。筆者はこの記者を怒鳴りつけたくなった。「(上述の)派遣労働者を誤解した表現が飛び出すのは、お前のような記者がいるからだ」と言って。

 でも冷静に考えれば、このような記者に「派遣」を理解してもらうのが、この懇談会なのだ。筆者は怒鳴りつけるのを自制した。

 昨年8月まで自動車工場で派遣社員として働いていた小谷誠さんが、この記者の愚問に答えた。

 「会社(工場)は我々のことを『物を作る部品の一部』としてしか見ていない。労働時間中は我々をどうして休ませないようにするかしか考えていない」。


 「派遣法の改正」は臨時国会の焦点となりそうだ。社民党の福島党首ら国会議員の姿も目についた。
 小谷さんは具体例として次の出来事を挙げた―

 「工場内の気温は今の時期、30度C以上になる。職場の同僚(派遣労働者)が熱中症で倒れたが、現場責任者(会社側の管理職)は『そんなことは現認していない』と答えた。
 (脱水症状対策として)ポカリスウェットが粉末で渡される。ポカリスウェットのポットが置かれる工場もあるが、ラインが動いているので飲みに行けない。」

 「ガテン系連帯」の小谷野事務局長によれば、日野自動車の工場で15人が熱中症で倒れたことがあった。労働者が4日以上休業すると労基署の調査が入る。このため会社(工場)側は3日を超えて休ませない。人事・労務担当者が「休憩室で寝ていてもいいから出社して下さい」と言ってくるという。

 こんな酷い使われ方をしながら、「ハイ、あなたは1ヵ月後から来なくていいです」と突然通告されたらどうだろう。絶望に駆られ、気の短い人間だったら逆上してもおかしくない。それが“加藤容疑者”だったのかもしれない。

 「秋葉原で合掌している若者にも『派遣』を理解してもらう機会を設けたい」。小谷野事務局長はこう締めくくった。


  東京:田中龍作
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2008年06月18日

【ハケンという蟻地獄】I日雇い派遣が禁止されても・・・

 舛添厚労相が13日、ワーキングプアの温床ともなっている「日雇い派遣」を禁止する方針を示したが、肝腎の派遣労働者の間からは、「仮に日雇い派遣が禁止されても、派遣会社は抜け穴を見つけるだろうし、派遣労働者の苛酷な生活は変わらない」と疑念の声があがっている。

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                    派遣労働者から追及される厚労省の担当官(昨年6月、参院会館)

 派遣労働について厚労省の対応は、これまで後手後手に回っていた。派遣労働者たちで作るユニオンは、グッドウィルによる「データー装備費」のピンハネや二重派遣などの違法行為を、法律に則ってきちんと指導するよう、繰り返し厚労省に求めてきた。

 にもかかわらず厚労省はまともな対応を怠たり、違法行為を野放し状態にしてきた。このためデーター装備費は返還を求める訴訟となり、二重派遣は警視庁がグッドウィルの幹部3人を職業安定法違反幇助の疑いで今月3日、逮捕するに至った。厚労省が厳正に指導していれば、事態はここまで悪化しなかったはずだ。

 労働者よりも企業を守るために存在するような厚労省だったが、舛添大臣が今回重い腰をあげたのは、秋葉原の無差別殺傷事件で逮捕された加藤智大容疑者(25)が派遣労働者だったからだ。

 派遣労働はワーキングプアを生み出す社会問題だとして昨年あたりから世論の激しい批判を浴びていた。放置しのままだと、低支持率に喘ぐ福田内閣のマイナス材料がまたひとつ増える。

 加藤容疑者は日雇いではなく、トヨタの下請けの自動車工場で働く「登録型派遣労働者」だった。メーカーは労働需要の季節変動が激しい。コスト維持のためには登録型派遣労働者は手放せない。

 トヨタやパナソニック(松下電器)を敵に回す法改正は、至難の業だ。であれば、日本を代表する企業からの轟々たる反対に遭うことのない「日雇い」からまず手をつけよう――政府・与党や舛添大臣がこう考えたと見るのは、うがち過ぎだろうか。

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                       違法ピンハネの返還を求めて提訴(昨年8月、東京地裁)

手元に月1〜2万円の登録型派遣

 派遣社員歴10年、自らも派遣会社と賃金未払い問題などで争っている40代男性のTさんは、舛添大臣が示した「日雇い派遣禁止」の方針に3つの疑念を呈する。

1、「日雇い派遣」を禁止することができるのか?
 引っ越しを主力とする運送会社などにとって、日雇い派遣の禁止は死活問題となる。引っ越しは主に日曜・祭日に集中し、業務は苛酷だ。使い捨て可能な日雇い労働者の確保は欠かせない。運送会社の猛反対に遭って、骨抜きになりはしないだろうか?

2、法律で禁止しても派遣会社は「抜け穴」を作る。
 「『日雇い』は禁止、『○カ月以上』であれば派遣は可能」と法律で謳っていても、派遣会社がペーパーカンパニーを作って、派遣労働者と契約させる。すでに大手派遣会社○○(実名)はペーパーカンパニーを作っている。厚労省はわからないだろうし、気づいても面倒くさいから指導しない。

3、「日雇い派遣」がなくなっても「登録型派遣」はなくならない。
 「登録型派遣」として自動車工場の住み込みで働くと次のようになる―。
自動車会社から払われる給料から派遣会社のマージンを引かれ、部屋代、冷蔵庫代を引かれる。

 そもそも工場の住み込みで働こうという派遣労働者は金に困っている若者が多い。派遣会社は生活費と称して幾ばくかの金を貸す。前借金となり、これも給料から引かれる。1ヶ月しゃにむに働いても手元には1〜2万円しか残らない。

 これでリストラされれば、住家さえ失う。秋葉原無差別殺傷事件の加藤容疑者を弁護するわけでは決してないが、自暴自棄になっても不思議はない。

 「日雇い派遣禁止」について、労働問題を専門に手がけるある弁護士は「1日雇いは禁止して、日数を延ばせば済むという問題ではない。『登録型派遣』も禁止にしなければならない。常用雇用が原則だ」と語る。

 たとえ「日雇い派遣」が法律で禁止されても『蟻地獄』はなかなか抜け出させてくれないようだ。

東京:田中龍作
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2008年06月13日

ヤミ金は元本も返さなくて良い〜最高裁判決 [消費者事件] [編集]

 これぞ法の番人らしい判決!拍手!

 実は、「ヤミ金に対しては元本を返さなくて良い」だけではなくて、「もしお金をヤミ金に支払った場合には、支払った金全額について、ヤミ金に損害賠償を求められる(元本を差し引いた差額ではなく、ヤミ金に渡した金額全額がもどってくる)」というところに最高裁の新しい判断があります。

 ヤミ金からは元本(貸し付けられた金)ももらってしまってよい、ということなのです。

 客が得しているように思えるけど、これでいいんですか?

 いいんです!! 

 まずは、ニュースをどうぞ。そのあと簡単に解説します。↓

(朝日ニュースより抜粋)

「元金も返済不要 五菱会のヤミ金被害で最高裁初判断」 2008年6月11日3時6分

 山口組系・旧五菱会のヤミ金融事件の統括者に対して愛媛県内の借り手11人が損害賠償を求めた訴訟の判決で、最高裁第三小法廷(那須弘平裁判長)は10日、「著しく高い金利で違法な貸し付けをした業者からは、利息だけでなく元金も含めて借り手が支払った全額を損害として取り戻せる」との初めての判断を示した。

 そのうえで、「借り手がヤミ金に支払った総額から、元金分を差し引いた金額」しか損害として認めなかった二審・高松高裁の判決を破棄。損害額を確定させるため、審理を高裁に差し戻した。

 判決に従えば、今後はヤミ金から法外に高い金利で借金した債務者は返済する必要がなく、返済したとしても取り戻せることになる。ヤミ金の厳しい取り立てに苦しむ債務者の保護につながる画期的な判断といえそうだ。

 また投資詐欺などでも、被害者が配当金を受け取った場合に「一部の返済を受けた」とはみなされず、出資した全額を損害として投資先に要求できる可能性が出てきた。

 訴えられていたのは、「ヤミ金の帝王」とも呼ばれた梶山進受刑者(58)=組織的犯罪処罰法違反で有罪確定。原告の借り手11人は、年利数百〜数万%の高利で借金と返済を繰り返した。返済した元金と利息に加え、脅迫的な取り立てを受けた慰謝料などを合わせ計約3500万円の損害賠償を求めた。

 第三小法廷は「元金は違法な利益を得るという反倫理的行為の手段であり、貸した時点で不法な給付に当たるので、返済する必要がない。返済した場合も、損害額から除くことは許されない」との判断を示した。

 二審判決は、「元本分を差し引いた金額」を損害額と認定したものの、別の訴訟で札幌高裁判決などが、「元金も含めた全額」を損害と認めており、最高裁の判断が注目されていた。(岩田清隆)
                                                  (以上抜粋終わり)

 なぜ、客が、ヤミ金から借りた金を返さず、もらっちゃっていいのか?

 条文はこれです。


 (不法原因給付) 民法第708条1項   不法な原因のために給付をした者は、その給付したものの返還を請求することができない。ただし、不法な原因が受益者についてのみ存したときは、この限りでない。


 ヤミ金融は、登録せずに金貸しをすることなので、違法なことです。そして犯罪です。

 ですから、「不法な原因」にあたります。そのための「給付」つまり、客に金を貸したら、「返還を請求することができない」のです。

 だから、借りた金はもらっちゃってよい、のです。

 なぜなら、この民法708条のこころは、
「手の汚れた者を司法は助けない」(クリーンハンズの原則)であるから、なのです。
 ヤミ金業者のような「手の汚れた」者は、返還請求訴訟を起こしても、司法は助けませんよ、と言っているわけです。
 「お前が支払えと言える立場か!」ということです。

 さらに、この最高裁の判断によれば、ヤミ金の過酷な取り立てに怯えてこわごわ言われる金額を支払ってしまったとしても、支払ってしまった金額全額を取り戻せることになります。

 この点については、今までの裁判では、ヤミ金側が「そんなこと言っても、俺が貸した金は懐に入っているから、その分得してるやん。貸した金=元本の部分は差し引いて、それ以外を返すことでいいだろ!」と言っていてそれが認められることもあったのですが、「民法708条によれば、元本は元々返さなくて良いのだから、その『差し引き』も必要ない。つまりやっぱりもらっちゃっていい。」としたものです。
 そして、犯罪行為をする者(ヤミ金業者)に「お前が『元本を渡した分、自分が支払う金額から差し引いてくれ』なんて主張できる立場か!元本を渡す行為も、違法な犯罪の一環じゃないか!」ときっぱり言い放ったものです。

 これぞ法の番人!だとおもいましたし、また、改めて、民法は使える、そのこころ(趣旨、といいます)をちゃんと理解して使えば、力を振りかざす悪人から弱き人を助けられる、そんな風に感じました。

神戸:村上英樹  弁護士村上英樹のブログ

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2008年06月04日

【ハケンという蟻地獄】H「雇い止めは違法」正規雇用求めて訴訟

 派遣から1年毎に契約更新する私立学校の嘱託職員になった女性が3回目の更新を最後に「雇い止め」になったのは労基法違反にあたり、正職員以上の働きをしていたのに賃金が低かったとして、学校を相手取り、地位確認と賃金の格差分の支払いなどを求める訴訟を東京地裁に起こしている。 

 提訴は昨年10月。これまで弁論の争点を整理する準備手続きのため非公開だったが、2日、原告である女性の意見陳述が公開で行われた。女性は「自分にこういうことが起きて初めて、全ての世代にわたって不安定な雇用が広がっていることがわかった」と述べた。 

 原告は東京都杉並区の清野三恵子さん(39歳)。被告は学校法人「立教女学院」(東京都杉並区)。  
                                                            原告の清野三恵子さん(日本弁護士会館)清野三重子さん.jpg
訴状などによると―― 
 清野さんは2001年6月から立教女学院に派遣労働者として3年間務めた。2004年6月からは1年毎に契約更新する嘱託職員となった。経営(学校)側に「労働者派遣法(40条の二の3)による直接雇用申し込み義務」が生じたからだった。 

 清野さんは、正規職員と比べると賃金は著しく低いが、ずっと勤務できると思い嘱託の身に甘んじてきた。 

 だが、4回目の更新期を迎えた2007年5月末、大学側は4回目の更新を拒否してきた。表向きの理由は「人手が足りているから」ということだったが、学校側の真意はそうではなかった。 

 学校の人事委員会の議事録には「3年を超えて雇用している者の契約を打ち切った場合、労基法で不当な解雇と解釈され、労働争議では本学院が不利になる。この危険性を回避するため、3年で雇い止めを実施(すべし)」との記載があるのだ。 

 原告・弁護側は「派遣の時期も含めると同じ職場で同じ業務を6年間続けてきた労働者の解雇(雇い止め)であり、雇い止めは労働基本法18条の2に違反する」としている。

 労基法18条の2は「社会通念上正当な理由を欠く解雇は無効とする」ものだ。原告が雇用契約上の権利を今なお持つとする法的根拠である。 

 派遣から1年毎に更新の嘱託職員となったことについても、「労働者派遣法の直接申し込み義務に基づく直接雇用は『必ず長期雇用を申し込まなければならない』」(2006年11月30日経済財政諮問会議で柳沢厚労相発言)として違法である、と主張している。 
                            東京地裁
東京地裁看板.jpg また今回の裁判では正規職員との賃金格差も争われている。清野さんは総務課内外の教職員から「清野さんに聞けば何でも分かる」などと言われるほど職務に知悉していた。 

 勤務日数も正規職員より多かった。正規職員は春・夏・冬期休校中は有給休暇が認められている。正規職員が休んでいる間は、清野さんら非正規職員が穴埋めをしていた。 

 にもかかわらず、清野さんの年収は同じ年の正規職員と比べると約200万円も低かった。裁判ではこうした格差分の支払いなどを求めている。 

 2日、今回の裁判で初めて行った意見陳述で清野さんは次のように訴えた― 

 「立教女学院で派遣として働き始め、直接雇用もされ合計6年も勤務した後で『契約だから』『非正規だから』と言って辞めさせられるのであれば、現在の日本社会には明日も未来もないような働き方しかないような気がします」。 

 清野さんの背中には同じような立場の人が何10万人〜何100万人もいる。夥しい数の人々の生活がかかった裁判だ。

東京:田中龍作
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2008年05月03日

NO 貧困・格差社会 野宿労働者怒りのメーデー

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           アピールをする参加者のみなさん(新宿柏木公園)

 4月30日(水)11時30分より新宿柏木公園(東京都新宿区)で、「4・30全都野宿労働者メーデー」がありました。参加者からのアピールがあったあと、12時30分、都庁に向かい、デモ行進を行いました。

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               都庁に向かってデモ行進する(新宿西口)
メーデー宣言
 最初に、「4・30全都野宿労働者メーデー」実行委員会による「格差社会という名の搾取と貧困によって夢も希望も奪われ、もうたくさんだ! このままでは生きられない!そんな声が巷にあふれるなか、私たちは生存権と居住権を掲げてメーデーに立ち上がりました」「私たちの最初の合言葉は、オレたちはゴミじゃない!黙って野垂れ死ぬな!屋根と仕事を!でした」などとするメーデー宣言が読み上げられたあと、各地から参加した仲間たちからのアピールがありました。

杉並の仲間
 杉並は野宿の人は何十人。家賃3000円の「地域生活移行支援事業」(東京都が実施してきた家賃3000円アパートを2年限定で提供)で姿が見えなくなったが、収入がなくて生活ができなくなったり、2年でアパートを出なければならなくなったりして、(野宿に)戻る人もいる。問題は解決していない。杉並は(野宿の人が)少ないが、野宿をしていない人たちに働きかけなければ、根本的な問題解決にはならない。この問題の当事者はすべての住民。自分は野宿をしていないが、同じ日本人として、同じ地域の住民として、野宿問題を解決できないという点では当事者。

中野夜回りの会
 アパート計画で(野宿の人は)激減したが、アパートに入ってもフォローがないので、日雇いや不安定雇用、コミュニケーションがなくなるなど、難しい問題があり、アパートを放棄し、再野宿の人もいる。食べることができず、生活保護を申請した人が6名。最低のギリギリの生活をしているのに、それをカットする。生きづらい時代。

渋谷の仲間
 今日は労働者の祭り。「オレたちはここにいるぞ!」と言っていきたい。

上野の仲間
 アパートに住んでいる。賃金が少ない。働いた分がカットされる。生活保護を切られる寸前。ようやく立ち直った。メーデーなのでみんなでがんばりましょう。

上野の仲間(忍ばず池)
 2、3日前、段ボールで寝床をつくっていたら、警備の人がきた。登録されている人以外、だめだといわれた。登録されている人と登録されていない人の差別ではないか。

立川の河川敷からきた仲間
 立川河川敷の追い出しに対し、全国の仲間が応援してくれ、期限が延びた。感謝したい。真心は命のある限り忘れることなく、残りの人生を歩んでいきたい。

隅田川の仲間
 30人ぐらいの仲間たちときた。安心して寝られる場所を取り戻す取り組みをやっていきたい。生活保護を集団申請して、寝場所を取り返す。ボチボチやっていきたい。野宿者を食い物にし、タダ働きをさせるやつらがいる。やつらの手に渡れば、いくらでも値がつけられる。(メーデーで声をあげることは)わしらにとって何ものにも変えられない価値がある。

三多摩野宿者人権ネットワーク
 生活保護を食い物にする輩がいる。市、行政に対して要請していきたい。

 そのほか、福祉関係の仕事している人や活動をサポートしている人たちからの発言がありました。立川では、仲間が仲間のために炊き出しや夜回りをしたりしている、という報告がありました。

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            仲間たちのデモを見物する路上生活者の女性(新宿西口)

 最後に、全体のアピールとして、外国人労働者40名と参加した男性は、ビルマ、バングラデッシュなどから出稼ぎに来ている外国人労働者が、不当解雇や賃金不払いなど、最底辺の立場におかれている現状を訴えながら、生活のため、生きるために闘わなければならない人々は、連帯し、ともに闘っていきましょう、と呼びかけました。

 参加者のアピールのあと、都庁に向かってデモ行進をしました。「我々は生き抜くぞ」「持たざるものは闘うぞ」「団結して闘うぞ」「連帯して闘うぞ」「仕事よこせ」「排除やめろ」といった訴えを連呼しながら、街宣車と警察のあとから、大勢の参加者が道行く人々に訴えました。

 段ボールのプラカードには、「オレたちは機械じゃない!」「仲間たち! 黙ってのたれ死ぬな!!」「追い出しヤメロ」といった切実な訴えが書かれていました。

 都庁の前で、石原都知事はオリンピックよりも人々の暮らしを守れ、などと訴えるシュプレヒコールを行いました。都庁の前にはたくさんの警官がいて、都庁の建物の前、歩道、デモ隊の前と、三重に警備していました。

 都庁でのアピールのあと、デモ隊は新宿中央公園に向かいました。ナイアガラの滝の前で麦茶を飲みながら、デモを貫徹したことを喜びあいました。

   5シュプレヒコール.jpg 
             都庁の前でシュプレヒコールをするデモ隊(都庁前)

東京:ひらのゆきこ
この記事の初出は日本インターネット新聞(JANJAN)です。

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2008年03月27日

最近の世界的な物価高と投資過熱と貧困問題の関係について・・・。

先日のアメリカ国内の景気後退の状況を伝える海外ニュース(CNN)で、カードローンの利率を、8%→24%に変更されるという銀行からの一方的な通達を受け取って驚ろいていたサラリーマンが出て来ました。(貸し手側の都合で一方的に変更出来るらしく、細かい規約の中に明示してあるそうです。サラ金以上の利率への一気の変更に驚きました。アメリカの金融会社は、自己防衛に走っているのでしょうか?これも弱者切り捨てでしょう…。)
アメリカでは、サブプライム問題の影響でクリスマスシーズンの12月の国内小売販売総額が、11月より下回っていたそうです。
先程の信用の低いサラリーマン層の様な中流以下の人達が銀行等に切りすてられ、中流層庶民の貧困化が進んでいるようです。

アメリカは石油、鉱物、穀物メジャーを抱えた商社立国であり、また、世界最大の企業『ウォルマート』を擁した小売立国でもあります。そして、世界を支配し操っているに等しいのは投資、金融(『モルガン・スタンレー』『ゴールドマン・サックス』等々)のアメリカ大企業であり、多量のヘッジファンド等々の投機マネーを抱えています。そして、ここ最近の世界同時の物価高…。彼らは、投機的に作り出した物価高により、世界中の人々から搾取しつつ、世界の中流以下の庶民や競争力の弱い中小零細企業を物価高により追い落とし、貧困の奴隷的な立場な貶めています。
二極化がサブプライム問題や、物価高でますます進んでいる感じがします。
最近の異常な世界的な物価高による投資、金融、富裕層の不沈ぶりと、逆に沈んでゆく先進国の中流層の貧困の拡大は、世界的な投資支配者層の陰謀ではないかと、テレビを見ながら疑っています。

※弱者労働者層=切り捨て。
※投資、金融=保護、温存。
の様です。
金融、投資家による世界各国の庶民、弱者イジメの状態です。
そんな金融、投資家は国に立場や権利や利益を保障、保証、補償され何も傷付いていない様で、相変わらずサブプライム問題など何処吹く風の様子で、為替相場や先物投資やヘッジファンドに勤しんでいる様です。国の公認のもとに。国の推進のもとに…。です

(※注意:もしかして、国と支配者層は我々日本国民を裏切って、国民の弱者を切り捨てつつお金集めと投資を繰り返し、国の枠を壊したグローバリゼーションの中で投資によって資産家となり、資本(金融、投資)による世界支配を狙っている疑いがあります。我々日本国民は、日本の影の支配者層に騙されているのか…?)

現在、日本の経済は、支配層である投資家セレブと地方や弱者とのお金の奪い合い、潰し合いの経済成長がゼロ、あるいはマイナスになるべく進んでいます。
それは地方、弱者を含めた個人消費の伸びが停滞していることでも明らかです。
どうしたら日本は地方、弱者も含め経済成長を成し遂げれらる考えを持てる様になれるでしょうか?
ゼロ金利政策によって日本のお金の総量は増えていません。
そうするとGDPが増える原理は、証券、債券等を多く発行して見せかけのお金の量を増やす事で、動かせるお金の量を増やし日本国内の好景気を作っているということになります。いわゆるバブルです。
日本はバブルでしか経済成長出来ないのでしょうか。

お金なんて人間が決めたルールなだけで、お金そのものに価格なんてありません。せいぜい寒い日に燃やして暖をとれるだけです。株も又、然りです。
お金の価値は日々変動します。日本が停滞していると中国をはじめとする他のアジア通貨に対する円の価値が下がる一方です。通貨の切り上げ、切り下げ等もあります。
どうしたら日本の円の価値を上げたり保つ事が出来るでしょうか?
例えば、絵描きのゴッホ似の人がいたとします。彼は貧乏な文無しのホームレスだとします。彼の絵は理解されず、又稚拙なので値が付きませんでしたが努力、学習、成長、変容、追求、進化、発展することによって彼が絵を描けば何億円の値が付く様になりました。彼は自らの努力によって自分の内面を育てあげることにより価値ある作品を描ける様になったのです。めでたし、めでたし。(ニート、フリーターの人達の生き方)
また、ある所に貧しい国がありました。しかし石油や石炭や鉄鉱石など地下資源に恵まれていたので、みんなで石油や石炭や鉄鉱石を掘り蒸留や精錬をしてガソリンや鉄鋼を作り独自に車や飛行機やロケットを開発し利用していました。又、広い農地になりそうな空地がありましたのでみんなで耕してみんなで作物を作って分けあいました。( 旧ソ連、中国等の共産主義国 )ただ、科学、文化があまり発展せず、海外に売れそうなものがあまり無く単調な日々を送っていたので国は貧しいまま( の気分 )でした。が、誰一人飢える人はおらずみんなけっこう幸せに暮らしていましたとさ。ちゃん、ちゃん。(共産主義者:公務員、公共事業従事者、補助金をもらっている商工農業団体、より高収入の人に高課税を課して集めた税金を地方交付税や補助金や生活保護によって富の再分配をする税政に納得している納税者の生き方)
つまるところ、お金や証券の価値は、国政、バブルや諸外国との兼ね合いで幾らでも紙クズになりますが人間の努力による知識、それによる文化、科学、社会、作品には永遠の価値が残りますし、投資はなくとも国民の手弁当の努力によって共産主義国などは成り立ちます。むしろ投資は国が監視、管理しないと国内の不協和音を招くという事です。又、またお金が紙クズになったとしても国民の実力さえあれば幾らでも国は立ち直れます。
お金基準の考え方から離れましょう。お金の価値は一定ではありませんし、はかないです。
人の作った文化や科学とその知識や作品、社会や文明にこそお金に代わる価値があるのです。又、自分だけでなく他人の心や人格、知識や人生も大切だと理解できる余裕のある社会になって欲しいものです。
日本は資源はなし、農地に出来る土地も限られています。
売れるものといったら科学技術や文化と愛想だけです。
日本は知で食べていかなければならない宿命なのです。
でないと、このまま他国に先んじた独自性のある科学技術や独自の文化の進化、発展がなかったら現在の中国の様な他国の製品を作り続ける奴隷的加工貿易国家に逆もどりして足りない資源や農地分の外貨を稼ぎ続けるしかないでしょう。
国民は国家の礎です。
政府は、庶民を含めた国民全員のバラエティ豊かで、層の厚い人材の育成を考えるべきです。
奴隷的ワーキングプアを大量に作って無為に彼らを疲弊させ、彼らの未来を台無しにするとともに、日本の未来の国力低下を招く様な政治、経済、社会の混乱を作り続けている構造改革の基本方針を見直し改めるべきです。
ワーキングプアを作るのは人道的に問題があるのは当然として、ワーキングプアも将来少子化によって人材不足に陥る日本にとって大事な人材になりうることを考慮にいれ、彼らを未来を担う人材として捉えて救済策と教育に力を注いで欲しいです。
現在、日本は投資、金融によるアジア支配を目指している様にも見えますが早めに諦めて辞めましょう。
アジア各国の方が将来的に成長するバイタリティーもエネルギーも資源も意志あり又、人材育成に熱心で教育に力を注ぎ着実に力を付けています。
何より欧米各国や日本に騙されたり潰されたり押さえつけられ続けた長い歴史経験があるので過激、攻撃的でしたたかです。又、アメリカや北朝鮮的な反則技や強引な要求を平気でだす押しの強さも身につけています。
能天気な株式や金融による他国支配の夢を見ていると欧米人とアジア人の両方に嫌われ足元をすくわれます。
少子高齢化で国力が落ちている今、無理な成長戦略は弱者に野垂れ死にを強要するだけです。日本は将来的に巨大な中国に飲み込まれなければいいぐらいの考え方で、アジアの中の一国としての尊重された立場を守れれば良しとするにとどめるべきと考えます。

(※注意:国や支配者層が、まだ我々日本国民を裏切っていないとしたら…。)

信州:usahara

 

 

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2008年03月21日

違法か否か、曖昧にできない一線。 [弁護士業について]

違法か否か、曖昧にできない一線。 [弁護士業について]
 というタイトルを出したというからには、これが曖昧になって、違法・不法に苦しむ人を逆に非難したりする例が増えていて、私は法律家としてむかついている、ということに他なりません。

 代表例は、二つの社会的ニュースと、もう一つは、私がいつもやっている先物取引悪質被害訴訟の問題です。
1 大阪府で、橋下知事に対して女性職員が立ち上がり「どれだけサービス残業していると思っているのか?」と言った件。知事は、「始業時間前の朝礼に文句を言うのはおかしい」「サービス残業に感謝している」などと発言。
2 沖縄の米兵による少女暴行事件。週刊誌やネット言論、ある新聞の論説でも、まるで少女に落ち度があるかのような記述が見られること。 
3 先物取引を舞台にする悪質な詐欺的勧誘事件について、だまされた被害者の落ち度が、過失と捉えられ、損害賠償が一部または全部認められないケースが(裁判でも!)未だにあること。

1 大阪府の例
 橋下知事は、弁護士ですから、雇い主が「サービス残業をさせる」ことがあればそれは違法であることは知っているはずです。
 ですから、女性職員からそういう話を聞いたら、「サービス残業はやめてください。残業の必要があれば、残業の命令を受けてやってください。そうでなければ定時に帰ってください。正式の残業命令をせずサービス残業を強要するような上司がもしいれば、私のところに直接言ってきてください。自主申告制であれば、かならず残業時間をきちんとつけてください。」と即座にいわなければなりません。
 また、始業時間前に朝礼をするなら、その命令を出し、手当を払ったうえでするのが当たり前です。本来契約外のことですから。
 
 この点で、特にネット世論では、橋下知事よりも、この女性職員の評判の方が悪く、「民間ではありえねーーー」「サービス残業なんてあたりまえ。始業前の朝礼に文句言えるわけないじゃん。」という非難が多いようですが、これは本末転倒。
 民間企業のコンプライアンス(法令遵守)がなっていないだけなのです。
 違法状態を「民間の常識」として捉えて、大阪府の職員にもそれに黙って従え、という人が多いのにびっくりです。
 違法に苦しむ人が同様に違法に苦しむ人の足を引っ張る、という、私のリーガルマインド(法的なものの見方)からすれば目も当てられない光景です。

 大阪府は、行政府ですから、労使関係についても民間企業の模範たるあり方を示すべきです。
 「実行力がありそう」と思われて選ばれたのが橋下知事ならば、大阪府がサービス残業を公務員にさせているなどというのは恥、期待される「実行力」で、そんな恥ずかしい状態を解消すべく尽力されたらよい、と思います。
 
 「公務の無駄を省き、効率化を図り、全員が定時に帰宅する。」 そしたら、公務員のお父さんお母さんも家に帰って子どもと一緒に夕ご飯が食べられるから「子どもが笑う」んじゃないかとおもいます。それを大阪府が率先し、大阪の民間企業もそれにならえば・・・つまり、大阪府労働局の機能強化をして「サービス残業撲滅」を実現する。そしたら、もっとたくさんの「子どもが笑う」大阪になるんじゃないでしょうか。 サービス残業のない大阪には、地方からいっぱい人が働きにくるのじゃないでしょうか? 
 私のこの日記は、橋下知事批判では決してなくて、知事の「子どもが笑う」公約実現を応援する私の提言です。
 知事には、こういうやり方で、持ち前の「実行力」「ズバズバ発言力」を使ってがんばっていただきたいものです。(その際、知事は、せっかく弁護士でいらっしゃるのだから、「違法」と「違法でない」ものの厳密な区別を今一度確認されながら物事を進めていっていただければ、と思います。)


2 沖縄での少女暴行事件

 この事件で「被害者にも落ち度がある」とか、「親のしつけが悪い」とかいうことを言うのは、この問題を社会問題として捉えて発言するならばナンセンスです。

 犯罪そのものを社会全体という視野からどう見るかを離れて、たとえば、「理想の子育て」論とか、「犯罪にあわない自己防衛方法」論とかとして語るならば、「駐留米兵にはいかに危険な人物がいるかをよく理解し、それを分かった上で行動しなければならない」「少女はもっと気をつけなければならなかった」「親がもっと、少女に、日頃から警戒するように言っておくべきであった」などといった話しはあり得るでしょう。

 社会問題としてみたときは、まず、法を犯しているかいなか?ということが曖昧にできない一線です。
 ここで米兵のしたことは明らかに犯罪であって、重大な法律違反であることは疑いありません。
 では、被害者の行動はどうですか?何か違法なことをしたでしょうか?「知らない人について行ったらダメ」という親父が娘を叱るようなことでいうことですら、この言いつけを破っても違法ではありません。
 ですから、米兵対被害者少女との関係においては、「不正 対 正」の境界がはっきりした問題ですから、「被害者に落ち度がある」などということは論外なのです。少女に行動に慎重さを欠く点が仮にあったとしても、それを利用して暴行した米兵が悪いわけで、犯罪の悪質さはちっとも変わらないのです。
 
 この犯罪と、日米安保・基地問題など我が国の安全保障のあり方の問題は、次元が違うから分けて考えるべき、という主張があります。私も、この犯罪があるからといって安全保障政策の問題に単純に一定の答えが出る問題ではない、という意味で、なるほどそうだとおもいます。
 そうだとおもいますが、この主張をする立場の人から、「少女に落ち度がある」ということを強調される人が多いのが気になります。それこそ、かえって、一犯罪と安全保障政策のあり方という「次元の違う」問題をごっちゃにしているのではないでしょうか?
 それが興じて、自分の支持する安全保障政策を是とする結論を得るためという文脈で、犯罪に苦しむ何ら法的に責められる点のない少女に無用な非難をする、違法という次元からは全く違う「至らなさ」を強調し苦しめる、という人がいるのは、私の法的センスからは耐えられないことです。


3 先物取引を舞台とする詐欺的被害において

 この場合も、まだ割と多くの裁判において、被害者に落ち度があり、それゆえ損害賠償を一部又は全部認めない、とする例がみられます。
 「過失相殺」と呼ばれるものです。

 おばあちゃんが、勧誘員にうまく言われてだまされ、断り切れずに、先物取引業者と契約してしまってお金を渡した。次々にお金を出させられたが、ふたを開けたら、「損が出た」「手数料がかかった」ということでお金は返ってこない。おばあちゃんは何が何だかさっぱりわからない。

 おばあちゃんでなくても、「○○の理由で必ず儲かる」とか言われ、しかも、色々資料も見せられ信じ込まされて、お金を出させられたが、ふたを開けてみると全然話は違って、だまされて、全部お金を取られた。

 こんな話し。

 なるほど、これを聞いたら、おばあちゃんならともかく認知症でもない普通の人なら、だまされる人もうっかりしているな、と言う感想をお持ちの方、結構多いとはおもいます。

 しかし!!「違法か否か、曖昧にできない一線」を軽視してはいけません。

 だました人 対 だまされた人   の関係を考えたら、だまされた人には何も違法はないのです。法律的に責められるようなことは何もしていないのです。

 「過失相殺」というのは代表例としては、交通事故での「この事故は6対4や」「これは10対ゼロや」というものがあります。交通事故の場合、Aさんには前方不注意があり、Bさんには左右の確認義務を怠ったという不注意があり、というような話です。どちらも、道路交通法違反の「過失」があります。
 これは本当に法的に「被害者にも落ち度」と言っていい例です。
 でも、これと、米兵の少女暴行や、先物取引の詐欺的被害は全然ちがうでしょう?

 つまり、「だまされた方に落ち度」というのは、「知らない人を簡単に信用しちゃいけません」という親父が娘を叱るようなレベルの話しであって、法的に責められるべきものじゃないのです。
 家に鍵をかけ忘れたらドロボーにはいられた。としたら、確かに、「鍵をかけ忘れ」という「落ち度」はありますが、でも、ドロボーに取ったものを返せと言えなくなる、という結論は変でしょう?それと同じことです。

 とはいえ、先物取引被害訴訟では、「取引は自己責任」という題目から、顧客が騙されているのにもかかわらず、裁判所ですら、上の「違法か否か、曖昧にできない一線」を曖昧にして、「親父が娘を叱るような」感じで「安易に人を信用した」みたいな理由で、顧客の悪質業者への損害賠償請求を制限してきたところがあります。
 
 しかし、最近は、裁判所も、割と多くの裁判所が、だんだんその考えを変えて来てくれました。
 
 大阪高裁平成18年9月15日判決は、私の言いたいことズバリで、次のように述べています。

(以下、同判決から引用  ややこしかったら読まなくてよいです。下に私が要約しますから。)
 過失相殺は,本来文字どおり過失のある当事者同士の損害の公平な分担整のための法制度であり,元来故意の不法行為の場合にはなじまないものいうべきである。
なぜなら,故意の不法行為は,加害者が悪意をもって一方的に被害者にして仕掛けるものであり,根本的に被害者に生じた痛みをともに分け合うめの基盤を欠く上,取引的不法行為における加害者の故意は,通常,被害の落ち度或いは弱み,不意,不用意,不注意,未熟,無能,無知,愚昧等対して向けられ,それらにつけ込むものであるから,被害者が加害者の思どおりに落ち度等を示したからといって,これをもって被害者の過失と評し,被害者の加害者に対する損害賠償から被害者の落ち度等相当分を減額ることになれば,加害者としては当初より織り込み済みの被害者の落ち度を指摘しさえすれば必ず不法行為の成果をその分確保することができるこになるが,そのような事態を容認することは,結果として,不法行為のやり得を保証するに等しく,故意の不法行為を助長,支援,奨励するにも似て明らかに正義と法の精神に反するからである。したがって,故意の不法行の場合,特段の事情のない限り,被害者の落ち度等を過失と評価して損害の減額事由とすることは許されない。 (引用終わり)

 
 私が簡単に言うと、
 
 先物取引業者が行った詐欺的な勧誘は、「故意」(わざと)でやっていることであって、そういう場合には、被害者に「不注意」みたいな「落ち度」があったとしても、それを悪質業者が利用して悪いとしているのだから、被害者に落ち度があるといって「過失相殺」をすることはできません。 悪質業者は全額取った金を返しなさい。

という判決なのです。
 「違法か否か、曖昧にできない一線。」を大切にしたまさに法の番人らしい良い判決だとおもいます。結論も、違法なことをして取った金は全て返せ、という、至極もっともなもの。

 
 
 さて、こうして1,2,3の三つの社会的な事象を見てきましたが、どれも共通しています。
 法的にはいいこと・悪いことが明らかなのに、それを曖昧にして、弱い側(サービス残業させられている人全般、性的暴行を受けた被害者少女、詐欺的勧誘で資産をだまし取られた被害者)に非難を向けるような風潮が未だに残っているということです。
 しかし、現在の日本社会が悪いということを言いたいのではありません。例えば、3の先物事件の判決例が進化しているように、昔よりはずっと良くなっています。
 私が言いたいのは、これが法の支配の流れであって、それによって、憲法を頂点とした法秩序のもとで、一人一人が丁寧に扱われる社会が真に実現してゆくのであり、そういうことを少しでも多くの人に意識して欲しい、ということです。
 「違法か否か、曖昧にできない一線。」を曖昧にし弱い立場の者に法的に根拠のない非難を向けることは、これに真っ向から反する、時代遅れな態度です。そういうことをしていては、自分も何かあったときに守られない、住みにくい社会へと逆行してゆくことでしょう。

 違法か否か、曖昧にできない一線。
 これを大切にし法の支配を実現することは、私たち一人一人が暮らしやすい世の中を作るためなくてはならぬということ、そういう考えを多くの人と共有したい。
 これが、私の法律家としての、3つの社会的事象に共通して思う気持ちです。

 

神戸:村上英樹  弁護士村上英樹のブログ
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2008年03月20日

『ネットカフェ難民』に対する啓蒙活動が必要と考えます。A

 『ネットカフェ難民』が迷走しているのは、競争社会の中で取り残され、現代社会に対する正しい認識が欠落している事が原因と考えます。

 抑圧的な完全共産、社会主義に反対です。が、そこで有効なのは共産主義&資本主義の折衷の、投資家、資産家、企業に対する高課税による弱者保護の為の共産性の確保や経済、社会のコントロールの手法です。これが、構造改革前の護送船団方式や所得倍増計画や日本列島改造論の頃の日本や、ニューディール政策の頃のアメリカにはありました。

 共産、社民主義の考え方は、自由競争、市場原理主義重視の現在のアメリカ型資本主義(新自由主義)のアンチテーゼとして必要です。

 過激な国際的自由競争の現代社会なので、国家によって積極的に、かつ計画的に経済や国民生活の保護をして悪いのか?の問題です。

 新自由主義(ネオリベラリズム)の自由競争、自由貿易、市場原理主義は、今のグローバル競争社会において、社会的弱者に世界競争の弱肉強食を強要します。

 それが物事を分かっている筈の良識ある現代人、文明人のすることか?の、疑問があるのです。

 情報、産業、経済、文化のグローバリゼーションの時代、世相だから、国家は反グローバリゼーションの必要性を認め、社会的、経済的弱者を保護する必要があると考えます。

 地球温暖化で生物の希少種の絶滅が進んでいます。それと同じ様に、グローバル化によって弱者の人達の希少種の絶滅が進んでいると考えます。

 レッドデータブックに載りそうな真面目人間の『ネットカフェ難民』程、現在の投資主体の世界経済、社会を理解出来ずに野垂れ死んで逝くと思います。

 彼らを助け、厳しいグローバル競争社会の中で生き残る術や社会性を身に付けさせたり、現代社会に対する認識を開眼させる必要性を感じます。

※『LTCM』
※『サブプライム問題』
※『小泉構造改革』
※『年次改革要望書』
※『貧困世帯』
※『ワーキングプア』
※『勝ち組 負け組 株』
※『グローバル化競争』『グローバル競争社会』
※『反グローバル化』『反グローバリゼーション』
※『反貧困』
※『日雇い労働派遣 労働組合』
※『ホームレス 支援』『ネットカフェ難民 支援』 をネットで検索してください。

 世界は投資、金融支配のグローバル化による第3次世界大戦状態です。
『ネットカフェ難民』に現在の日本や世界の現状を理解してもらう為に、上記の事を『ネットカフェ難民』に対してチェーンメールの必要性を感じます。

 日本に影の支配者リーダーがいるとしたら、きっと北朝鮮の金正日と同じ支配意識ではないでしょうか?

 「庶民は庶民、我々は支配者階級で絶対的存在だ。で、お前ら庶民は能無しで我々を頼っているくせに高賃金や生活補償を求めるなんて、なんて図々しい奴らめ!我々、支配者階級が有り難くも、お前らを雇ってやっているのに満足せず文句を言うのか!その給与で我慢してもっと一生懸命働かないと国がもたないぞ!我慢しないと海外の外国人に仕事を回すぞ!もっと利益をだすのだ!!(私達、株主の高配当の為に。)」と、主張するのでは…?

 1998年から、ここ10年位の自殺者、失業者、有効求人倍率、犯罪発生、殺人件数と経常収支、株式配当、投資ファンド等々の政治発表の統計グラフの激しい動きと、逆に動く相関関係を見ていると、日本があらぬ方向に来ているのがまる見えです。

 日本の弱者の窮状を無視して構造改革を無理むり押しすすめているのは、享楽的でありながら守銭奴で、他人に厳しい、冷血漢の金正日似のネオリベラリストが日本の影の支配者のせいではないでしょうか。

 アメリカは、健康保険制度が無く医療費が高い点が弱者に厳しい社会です。ただ、ハリケーンカトリーナの被害あった生活保護受給者はみんな持ち家があったようで羨ましかったです。

 日本も労働者余りの失業大国なので、生活保護の受給者資格をもっと甘くすべきと考えます。又、アメリカは資本主義、自由競争で負け組の失業者、貧困層が必然で発生するのを国民全員が認識しており、弱者に優しい国です。又、日本より公、民間で弱者を救済する団体やシステムが充実していると思います。

 逆に日本の政治家も官僚も投資家も資産家も、又、庶民も、失業者やダメ人間に厳し過ぎる社会だから自殺、野垂れ死、異常な殺人、犯罪、野良人間が北朝鮮並に大量発生しているのではないでしょうか。

 もっと生活保護支給基準を下げ国民の弱者に安心感を与えてもよいのではないでしょうか。

グローバル化と労働問題についてですが、昔のSF映画に労働者がロボットに仕事を奪われて失業し、ロボットを迫害、破壊するという話しがあります。

 さすがにアシモ(ホンダの万能ロボット)は、未だ実用化はされてはいませんが、今の時代、工場では自動ラインがフル活動であり、それでなくとも外貨欲しさの途上国からの格安の輸入品による国内企業の倒産(中小零細個人)やリストラによる労働者の失業が続いており、グローバル化による世界的な近代化、工業化と企業の集約、大量生産、海外輸出入は高効率過ぎる為に大量の失業者を世界に作り続けます。

 21世紀は労働問題(失業、低賃金雇用)で世界各国が悩まされ続けるでしょう。資本主義の限界に到達する時代です。政府は気がついているのでしょうか?

 経済学者、社会学者はこの工業化、システム化された、高効率でいながら失業者を大量生産するジレンマを抱えた資本主義における21世紀社会をどう見ているのでしょうか?

 21世紀のまともな資本主義社会とはどういったものになるのでしょうか?

※@とにかく高課税を富裕層、投資家、企業に課して、税金を公共事業、補助金、社会保障費でばらまく。(※旧日本社会)

※A国力低下は気にしない。又、モラル低下も気にしない。(貧富の差、貧困の拡大、高失業率による庶民のモラル低下はやもえない社会問題として割り切る。)失業者には、最低限の生活保護を与えて後は本人達の努力、頑張りに任す。(セーフティネット&アメリカンドリームの考え方)ただし、犯罪を犯したら確実に捕らて、片っ端から檻の中に入れる。(檻のサイズを大きくしてどんどん収容する。社会復帰プログラムを受けさせる。又、服役中に学校教育や職業訓練の受講を可能とする。)(※アメリカ社会)

 もし@なら、なるべく景気がいいうちに増税して財政の健全化と課税による国の共産性の強化を図るべきではないでしょうか?

 投資、金融経済に対する高課税[※配当課税、株譲渡税、株売買益税、手数料をちゃんと取る。低額の源泉徴収(現在わずか10%)だったり、脱税の温床になっているのを辞めさせる。]や、改正消費税率17%なんてセコいことを言わずにいっそのこと40%にしてお金を集め、中小零細個人の商工農家に補助金を配ったり、弱者、自治体の社会福祉を充実させても良いと考えます。(北欧の社会システム)何故、そういう社会にしてはいけないのでしょうか?世界にはそれで上手に国政をやり繰りして自国民を守っている国があるのに…。

 グローバル化競争で企業は国際競争力を付ける為、高効率を追求してコストダウンを図るので、特殊な物を扱っているニッチの中小零細企業以外の中小零細企業は、大規模工場、大規模量販店、チェーン店、大規模農場に負けて生き残れません。補助金が無いと消滅します。

 又、21世紀の未来社会では、工場の自動ロボットや、途上国労働者に仕事を奪われて先進国の庶民は仕事をする必要性を失います。

 21世紀の未来の先進国では、中小零細企業の仕事や商売は、大企業との過当競争となり利益が出ない体質となるので生活の糧として成り立たず、仕事、労働という考えは生活収入の為では無く、年金生活者が趣味やボランティアでやる程度のものになるはずです。(あるいは金持ちに、メイドや下男、奴隷や家畜としての低賃金労働を残酷に求められて、奴隷階級や貧困階級に至るか…。)

 我々は、21世紀の未来社会に生きているのです。未来社会の経済や政治や社会、生活をどう予測しますか?科学の発達と経済、産業、社会のグローバル化によって労働力が将来、世界中で余りまくります。

 グローバル化によってつながった世界の中で、お金と仕事が世界中に均等にバラまかれて、世界中の人達みんなが ちゃんと仕事にありつけて、現代人社会人としてオマンマを食べられるのかが問題なんです。


 あぶれた人達がホームレス、貧民街行きになるんです。
これまでどうりのアメリカ型の自由競争、自由貿易、規制緩和、市場原理主義、投資優遇減税、小さな行政機関等の改革によるお金価値基準社会、お金価値基準生活で考えていても投資家、企業にお金が溜め込まれるだけであり、彼らが資産家となりお金で社会を支配するだけで、大多数の庶民の未来社会、生活は、地獄みたいな退廃的なサイバーパンク社会となり、皆が幸福で文明、文化的な生活が送れるユートピア社会は成立しないのではないのでしょうか…。

 このままいくと、2,30年後に富裕層の自己チューによって発生した大量の貧困層による、都市部ではロボコップ、地方ではマッドマックス似の退廃的SFのサイバーパンク未来社会が出現するでしょう。

 1998年の金融改革から拝金主義の利己的、個人主義の享楽的な投資家の富裕層の新人類が社会の支配者、トレンドとなり新世界を作り、マナーがよろしい旧世界の羊的良民の中小零細の商店、工場勤め、農家の労働者の人達が認識不足、ノーアイディアで行き詰まり、自己責任として見放されて大量失業に至り、未来も分からずに迷走したまま行き詰まっています。

 享楽的投資家、富裕層、若者からすると邪魔でうっとうしい野良人間扱いで、いらない存在に貶められています。

 政府が助けないと、彼らノーアイディアの羊的良民は借金を抱えたまま途上国並の生活水準となり、いずれ貧困により野垂れ死ぬでしょう。

 グローバル化、構造改革によって出現する21世紀の未来社会は、国民みんなが幸せに生活出来る保障がされたユートピア社会なのでしょうか?それとも過激な野放しの資本主義競争が優先された、国民が自己責任で生き延びなければならない完全放任国家なのでしょうか?

 小泉元総理を始めとする構造改革をおし進めている人達の21世紀の理想の未来社会像と、このままいくと2,30年後に日本はどうなるのかの未来社会の予測、推理を聞いてみたいです。

 過激な競争社会における『人間の安全保障』を考えて責任ある行政、社会改革をして欲しいです。利己的、ノーアイディア、無責任では人々が死んで逝くだけです。

 日本がこれからもAの労働者層の自己責任によるアメリカ型の自由競争社会への構造改革をおし進めるにしても、過激な世界競争の『グローバル競争社会』の中での生き方(生き延び方)や、競争社会での失業はやもえないという社会認識を与える啓蒙活動をサボっていると、これからもサブプライム問題等の世界的な投資、金融経済の混乱に、認識の欠落した社会的、経済的弱者が巻き込まれ、理由の解らないまま様々な社会問題や不景気を押し付けられて野垂れ死にし続けるいう、とても知のある現代人の住む21世紀の先進国とは言えない未来社会になるでしょう。

 社会の現状の認識が欠落したまま迷走して野垂れ死にしていく羊的弱者が、国政に文句も言わず行き詰まっている現状は、彼らが政府や企業が操るメディアに騙されて羊的立場に甘んじて野垂れ死にしている様で可哀想です。(あるいは情報を受け取れない程、生活貧窮している。情報格差も問題です。)

 ネットカフェ難民やワーキングプアや年金生活者等の社会的、経済的弱者に、現在の貧困問題がアメリカ型の経済、産業の世界競争によることや、『グローバル化』や『グローバリゼーション』の闇や負の部分を注意喚起し、生き方(生き延び方)を啓蒙活動する必要性と義務を感じます。(又、社会的、経済的弱者にも政治や経済に興味を持ってもらい、これからの日本をどうするかに対しての考え方を持ってもらい、選挙に参加してもらいたいです。政治や経済に興味を持たないと自分達の人権すら主張出来ません。現在の不景気、貧困問題は社会問題であり、救済を求める事は恥ではなく弱者の権利です。)

 信州:usahara

 

 

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2008年03月13日

『ネットカフェ難民』に対する啓蒙活動が必要と考えます。

 日本は資源はなし、農地に出来る土地も限られています。
売れるものといったら科学技術や文化と愛想だけです。
日本は「知」で食べていかなければならない宿命なのです。
でないと、このまま他国に先んじた独自性のある科学技術や独自の文化の進化、発展がなかったら現在の中国の様な他国の製品を作り続ける奴隷的加工貿易国家に逆もどりして足りない資源や農地分の外貨を稼ぎ続けるしかないでしょう。
国民は国家の礎です。
政府は、庶民を含めた国民全員のバラエティ豊かで、層の厚い人材の育成を考えるべきです。
奴隷的ワーキングプアを大量に作って無為に彼らを疲弊させ、彼らの未来を台無しにするとともに、日本の未来の国力低下を招く様な政治、経済、社会の混乱を作り続けている構造改革の基本方針を見直し改めるべきです。
ワーキングプアを作るのは人道的に問題があるのは当然として、ワーキングプアも将来少子化によって人材不足に陥る日本にとって大事な人材になりうることを考慮にいれ、彼らを未来を担う人材として捉えて救済策と教育に力を注いで欲しいです。
現在、日本は投資、金融によるアジア支配を目指している様にも見えますが早めに諦めて辞めましょう。
アジア各国の方が将来的に成長するバイタリティーもエネルギーも資源も意志あり又、人材育成に熱心で教育に力を注ぎ着実に力を付けています。
何より欧米各国や日本に騙されたり潰されたり押さえつけられ続けた長い歴史経験があるので過激、攻撃的でしたたかです。又、アメリカや北朝鮮的な反則技や強引な要求を平気でだす押しの強さも身につけています。
能天気な株式や金融による他国支配の夢を見ていると欧米人とアジア人の両方に嫌われ足元をすくわれます。
少子高齢化で国力が落ちている今、無理な成長戦略は弱者に野垂れ死にを強要するだけです。日本は将来的に巨大な中国に飲み込まれなければいいぐらいの考え方で、アジアの中の一国としての尊重された立場を守れれば良しとするにとどめるべきと考えます。(※注意:国や支配者層が、まだ我々日本国民を裏切っていないとしたら…。)

『ネットカフェ難民』が迷走しているのは、競争社会の中で取り残され、現代社会に対する正しい認識が欠落している事が原因と考えます。
抑圧的な完全共産、社会主義に反対です。が、そこで有効なのは共産主義&資本主義の折衷の、投資家、資産家、企業に対する高課税による弱者保護の為の共産性の確保や経済、社会のコントロールの手法です。これが、構造改革前の護送船団方式や所得倍増計画や日本列島改造論の頃の日本や、ニューディール政策(修正資本主義)の頃のアメリカにはありました。
共産、社民主義の考え方は、自由競争、市場原理主義重視の現在のアメリカ型資本主義(新自由主義)のアンチテーゼとして必要です。
過激な国際的自由競争の現代社会なので、国家によって積極的に、かつ計画的に経済や国民生活の保護をして悪いのか?の問題です。
新自由主義(ネオリベラリズム)の自由競争、自由貿易、市場原理主義は、今のグローバル競争社会において、社会的弱者に世界競争の弱肉強食を強要します。
それが物事を分かっている筈の良識ある現代人、文明人のすることか?の、疑問があるのです。
情報、産業、経済、文化のグローバリゼーションの時代、世相だから、国家は反グローバリゼーションの必要性を認め、社会的、経済的弱者を保護する必要があると考えます。
地球温暖化で生物の希少種の絶滅が進んでいます。それと同じ様に、グローバル化によって弱者の人達の希少種の絶滅が進んでいると考えます。
レッドデータブックに載りそうな真面目人間の『ネットカフェ難民』程、現在の投資主体の世界経済、社会を理解出来ずに野垂れ死んで逝くと思います。
彼らを助け、厳しいグローバル競争社会の中で生き残る術や社会性を身に付けさせたり、現代社会に対する認識を開眼させる必要性を感じます。
日本がこれからも労働者層の自己責任によるアメリカ型の自由競争社会への構造改革をおし進めるにしても、過激な世界競争の『グローバル競争社会』の中での生き方(生き延び方)や、競争社会での失業はやもえないという社会認識を与える啓蒙活動をサボっていると、これからもサブプライム問題等の世界的な投資、金融経済の混乱に、認識の欠落した社会的、経済的弱者が巻き込まれ、理由の解らないまま様々な社会問題や不景気を押し付けられて野垂れ死にし続けるいう、とても知のある現代人の住む21世紀の先進国とは言えない未来社会になるでしょう。
社会の現状の認識が欠落したまま迷走して野垂れ死にしていく羊的弱者が、国政に文句も言わず行き詰まっている現状は、彼らが政府や企業が操るメディアに騙されて羊的立場に甘んじて野垂れ死にしている様で可哀想です。(あるいは情報を受け取れない程、生活貧窮している。情報格差も問題です。)
ネットカフェ難民やワーキングプアや年金生活者等の社会的、経済的弱者に、現在の貧困問題がアメリカ型の経済、産業の世界競争によることや、『グローバル化』や『グローバリゼーション』の闇や負の部分を注意喚起し、生き方(生き延び方)を啓蒙活動する必要性と義務を感じます。(又、社会的、経済的弱者にも政治や経済に興味を持ってもらい、これからの日本をどうするかに対しての考え方を持ってもらい、選挙に参加してもらいたいです。政治や経済に興味を持たないと自分達の人権すら主張出来ません。現在の不景気、貧困問題は社会問題であり、救済を求める事は恥ではなく弱者の権利です。)
日本に影の支配者リーダーがいるとしたら、きっと北朝鮮の金正日と同じ支配意識ではないでしょうか?
「庶民は庶民、我々は支配者階級で絶対的存在だ。で、お前ら庶民は能無しで我々を頼っているくせに高賃金や生活補償を求めるなんて、なんて図々しい奴らめ!我々、支配者階級が有り難くも、お前らを雇ってやっているのに満足せず文句を言うのか!その給与で我慢してもっと一生懸命働かないと国がもたないぞ!我慢しないと海外の外国人に仕事を回すぞ!もっと利益をだすのだ!!(私達、投資家富裕層の高配当の為に…。)と主張するのでは…?
低賃金非正規雇用労働者層は、彼らの豪邸や外車を見て彼らの嘘に気づくべきです。

信州:usahara

 

 

 

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2008年02月24日

「密約」また逃げた「西山国賠訴訟」東京高裁判決

2月20日、東京高裁で沖縄返還密約をめぐる「西山太吉国家賠償訴訟」(平成19年〈ネ〉2494号)控訴審の判決言い渡しがありました。肝心の「密約」の有無について判断を示さないまま控訴は棄却され、西山さんは上告の意向です。大坪丘裁判長と陪席裁判官2名、控訴人側の西山さんと藤森克美弁護士、被控訴人側代理人の3名が出廷しました。傍聴人は42名でした。判決言い渡しと記者会見の模様を報告します。
               西山太吉さん.jpg
               記者会見で発言する西山太吉さん(右は藤森弁護士)
わずか3秒足らずの判決言い渡し

 傍聴席28に対し、50名以上の傍聴希望者がいたため、抽選となりました。筆者は運良く抽選に当たり、裁判を傍聴することができました。法廷に入ると、テレビカメラが入っていました。傍聴席42に対し、報道席が13、一般の傍聴席は28でした。

 大坪丘裁判長と2名の裁判官が入廷し、2分間の撮影のあと、裁判が始まりました。大坪裁判長は「本件控訴を棄却する」と主文のみ言い渡し、2名の裁判官とともに退廷しました。その間、わずか3秒ぐらい。一審の東京地裁判決言い渡しのとき以上の短さでした。

 傍聴席からはため息ともつかない声がもれました。西山さんの表情には、さすがに失望の色が浮かんでいました。裁判官が退廷した後も控訴人の席に座っている西山さんに、傍聴人の1人が声をかけると、西山さんはなんとも名状し難い表情をしながら「ああ」というように答え、席を立ちました。

控訴審でも密約についての判断を示さなかった

 判決言い渡しのあと、午後4時30分から司法記者クラブで記者会見がありました。藤森弁護士と西山さんが判決について次のように語りました。

 藤森弁護士は判決要旨を手にしながら、「一審で判断を示さなかった密約の存否について、控訴審も判断を示さなかった」と述べ、消滅条項をもってきて除斥期間だけを主張して判決が出たことは「一審判決と同じ」だとしました。一審と違う点は、なぜもっと早く訴えを起こさなかったのか、とか、民事ではなく刑事裁判での再審請求(刑事裁判は除斥期間がない)を勧めているような論調になっていることだそうです。

 また、検察が再審請求をしなかったことに対しては、それだけでは権利侵害にあたらないこと、河野洋平氏(当時の外相)が吉野文六氏(当時の外務省アメリカ局長)に口止めをした点については、外務省OBに対し、政府の公式見解に沿った発言を報道関係者に対してするよう要請したもので、西山さんの名誉を侵害したものではないとして、いずれも訴えが斥けられたことを伝えました。

不当で乱暴な結論

 裁判所が吉野氏と河野氏の証人尋問をせず、証拠調べもしなかったのにこのような結論を導き出したことについて、藤森弁護士は「不当で乱暴だ」と批判しました。控訴理由の第1に、一審判決が密約についての判断をしなかったことを挙げており、高裁でもその判断をしなかったことは上告理由になると述べ、「私自身は最高裁でやってみたい」との考えを示しました。

国家犯罪は除斥期間を適用すべきではない

 次に、西山さんが発言しました。西山さんは、まず重要なことは(被告らの行為は)国家公務員法第1条に違反していることを押さえておく必要がある、と強調しました。刑事裁判では吉野氏らによる10回以上の偽証があったことを指摘し、「この事件は国家による組織犯罪であることを理解してほしい」と訴えました。

 一審に続き、控訴審でも「除斥期間」を持ってきて訴えを棄却したことに対し、「国家は組織をあげてガードしている」との認識を示した上で、この除斥期間は国が設定しているものであり、その国が犯した犯罪については除斥期間の適用は除外されるべきだと主張しました。

政府の嘘を許すメディアと世論が1番の問題

 その上で、沖縄密約は単なる密約や裏取引といったようなものではなく、国会の最重要審議案件である条約に嘘の記載があったという政治犯罪であり、国家による組織犯罪に除斥期間は適用外であるのに、これを徹底的に無視し、「メチャクチャなことをやっている」と述べ、裁判所の姿勢を厳しく批判しました。

 国会の質問主意書に対する答弁書で政府が「沖縄密約はなかった」とする閣議決定をしていることに言及した上で、西山さんは「沖縄密約は過去のことではなく、いま現在の問題。河野元外相は吉野氏が『(密約は)ない』と言ったことを根拠に『密約はない』と答えた。それが唯一の否定の根拠で、それがすべて。薄っぺらな根拠」と断じました。

 しかも、その吉野氏は密約の存在を認める発言をした上に、河野氏に口止めをされたことを明らかにしています。西山さんは「先進国でこんな(ひどい)国はない」と述べ、1番の問題は、「事実が明らかになっても嘘をつき続けている政府を、メディアを含めた世論が許容していること」であるとして、メディアの追及の弱さと世論の無関心を厳しく問い質しました。

勝ち負けではなくプロセスが大事

 西山さんはまた、除斥期間を持ち出されたら何度やっても同じだ、としながらも、「勝ち負けではなく、プロセスが大事」と述べ、裁判を通して国民に訴えていくことが重要だとの認識を示しました。

記者団との質疑応答

 藤森弁護士と西山さんのお話の後、記者団との質疑応答がありました。

質問 再審請求はするのか?

西山 私はもうすぐ80歳(現在76歳)。この裁判は政治的なものであり、国家による組織犯罪。並大抵のものではない。(もっと早く訴えを起こすべきだったとか、再審請求をすべきだとか、判決にはいろいろ書いてあるが)、自分の判断を回避するための言い逃れだ。(再審については)慎重に検討する。

質問 上告するのか?

西山 やめるわけにいかんでしょ。国の組織犯罪に除斥期間の適用があるはずはない。(一審判決を支持して控訴棄却した高裁は)問題の本質を理解していない。

−これまでの経過−
沖縄密約と密約に触れなかった一審判決

 1971年6月17日締結の沖縄返還協定(条約)の内容に虚偽があり、日米政府間に密約があったことを報道した元毎日新聞記者の西山太吉さんは、国家機密を漏洩したとして罪に問われ、外務省職員とともに逮捕・起訴され、有罪判決を受けました。00年と02年に密約の存在を裏付ける米公文書が発掘されたのを機に、西山さんは05年4月、謝罪と損害賠償を求め、国を提訴しました。

 07年3月27日の一審判決は、この裁判の争点だった密約には一切触れず、除斥期間の20年が過ぎたことを理由に、西山さんの訴えを斥けるというものでした。

 この判決に対し、新聞各紙は社説などで、米公文書や元外務省アメリカ局長の吉野文六氏などの発言によって密約の存在は明らかであり、反論の余地のない証拠を突きつけられてもまだ「密約はなかった」と言い続けている日本政府に対する厳しい批判とともに、形式論に逃げ込んで「密約」判断を避けた東京地裁の姿勢もまた厳しく批判しました。

吉野氏と河野氏の証人申請を却下した控訴審

 控訴人の西山さん側は「すべての判断の基点となる、密約の存在及び内容に関する一審判決の判断の遺漏」を控訴理由の第1に挙げました。控訴審では、一審で触れることのなかった「密約」にどこまで踏み込んだ判断が示されるか期待されましたが、吉野氏と吉野氏に口止めをした河野洋平氏に対する証人申請はいずれも棄却されました。


筆者の感想

 記者会見の後、別の場所で西山さんのお話を聞きました。西山さんは現役の記者だったときは「100戦100勝で負けたことがなかった」そうです。しかし、記者を辞めてからは負けっぱなしで「負け癖がついている」と気弱な発言をすると、毎回熱心に裁判を傍聴している男性が、「いや、西山さんは勝っている。裁判に負けても実質は勝っている」と反論しました。その場にいた人たちも全員が「そうだ。西山さんは勝っている」と賛同しました。

 国家が国民に真実を隠して偽りの条約を結び、そのことを告発した新聞記者が国家権力によって罪に陥れられ、言論活動を封じ込まれたことが、裁判を通して多くの人々に知れ渡ることになりました。米公文書や吉野発言によって密約の存在が明らかになった後も嘘をつき続けている政府に対し、国民は不信の念を抱いています。行政の手先となって国家の違法行為にお墨付きを与えるような司法の判断に対しても、人々は厳しい視線を注いでいます。

 「裁判所でなく、国民の判断を仰ぐために裁判をやっている」と語る西山さんですが、その思いは多くの人々がこの裁判に関心を寄せていることからも、確実に伝わっています。その意味でも、たしかに「西山さんは勝っている」と思います。西山さんは上告の意向を示していることから、次は最高裁での闘いとなりますが、引き続き、この裁判を見守っていきたいと思います
東京:ひらのゆきこ
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2008年02月20日

【ハケンという蟻地獄】G 厚労省にお墨付き与えるだけの研究会

ハケンという蟻地獄】 厚労省にお墨付き与えるだけの研究会 2008/02/15
 ワーキングプアを生み出す原因ともされる労働者派遣制度について考える、厚生労働省主催の研究会の第1回目会合が14日、開かれた。労働法などを専攻する大学教授ら学者5人と厚労省職業安定局の官僚6人から成る研究会だが、2時間にわたる論議も現実認識を欠いた空虚なやりとりに終始した。

         
 太田職業安定局長。挨拶をすませると間もなく退席した(いずれも厚労省で、筆者撮影) 
太田職安局長.jpg研究会は中味の貧弱さにも関わらず驚きの連続だった。まず、会合が始まってわずか10分後に太田俊明職業安定局長と鈴木英二郎需給調整課長が退席してしまった。

 次に需給調整係が「派遣制度の基礎知識」を教授たちにレクチャーした。イロハのイから説いたのだ。

 まず、「労働者派遣とは、自己の雇用する労働者を、当該関係雇用関係の下に、かつ他人の指揮命令を受けて、当該他人のために労働に従事させること。これは労働者派遣法第2条第1項です」と法律を読み上げた。

 つづいて「労働者を派遣してはならない業務を適用除外業務といいます。港湾、建設、警備、一部の医療業務がこれにあたります」と説明した。

 1999年、「規制緩和」の名のもとに労働者派遣法が改正され、この4種類の業務を除いて労働者の派遣が原則自由化された。肉体労働にまで派遣ができるように広げたため、不安定な日雇い派遣を生み出したとして、派遣労働者や野党などの間で悪名が高い。この改正がもしなければ、「ワーキングプア」などという階層は誕生しなかったかもしれない。

 ところが、この99年改正について職員は「労働力の多様なニーズに対応した需給の迅速かつ的確な結合を促進し、適正な就業の機会の拡大を図るため」だったなどと正当化し問題が起きている現状にはまったく触れずに通した。

 「レクチャー」は20分間余りあった。大学で労働問題を教える学者だったら、これくらいのことは知っているだろう、という事柄ばかりだった。だがこの後、唖然とするほど学者たちが労働問題の現実を知らないことが判明する。彼らは次のように職員に質問した。


                          「派遣法の抜本改正を」と訴える日雇い派遣労働者 
日雇い派遣労働者.jpg「年収など派遣労働者の現状を知りたい」。これはまだまともな方だった。それでも新聞、雑誌などを読んでいれば知り得るはずだ。

 「是正、監督、指導の事例を知りたい」「日雇い派遣に関する裁判例があるのか、データで知りたい」「雇用政策における派遣の位置づけの議論からしなくてはならない」……。

 研究会は学者たちの「お勉強会」と化した。論文を書くためのデータを得、厚労省で派遣を定義した、という実績を作りたいのだろう。魂胆が透けて見えた。

 学者たちはこの程度の見識しか持たず、現実に大きな社会問題となっている派遣制度について提言しようというのである。「誰がこんな稚拙な発言をしてるんだ?」。その都度、腰を上げて教授、准教授の名前を確認するジャーナリストは筆者ばかりではなかった。

 厚労省は今国会での派遣法改正は見送る方針と言われている。行政の不備を指摘する立場の学者がこのありさまでは、厚労省に丸めこまれるのは火を見るより明らかだ。しかも研究会は座長(鎌田耕一東洋大教授)が判断すれば、いつでも非公開にできる。ジャーナリストをシャットアウトできる仕組みになっているのだ。

 研究会は今後ほぼ月に1回のペースで開かれ、夏までに結論を出すとしている。半年後には厚労省の意向に沿った「提言」が求められるだろうことは今から目に見えている。

 厚労省の方針にお墨付きを与えるだけのような研究会が開かれている間、庁舎前では日雇い派遣の労働者たちが「派遣法の抜本改正を」と訴え続けていた。

東京:田中龍作
この記事の初出は日本インターネット新聞(JANJAN)です


 

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2008年02月17日

【ハケンという蟻地獄】F 被保険者手帳ようやく交付第1号

【ハケンという蟻地獄】 被保険者手帳ようやく交付第1号 2008/02/02
 仕事にあぶれた日雇い派遣労働者のわずかなセーフティネットとなる「日雇雇用保険(あぶれ手当)」は、厚生労働省の派遣業者に対する指導不備や厳格すぎる適用条件などで、「被保険者手帳」さえだれにも交付されないままだったが、2月1日、都内の派遣労働者1人に新宿ハローワークからようやく全国第1号の「被保険者手帳」が渡された。手当を受けるための前提だが、実際に派遣労働者が受給するまでには実質的に不可能なほどの「難関」が控えている。

             
新宿ハローワーク.jpgこの日、派遣大手「フルキャスト」渋谷支店に登録し、仕事にあぶれた東京・中野区の40代の男性が新宿ハローワークに出向いて被保険者手帳(いわゆる白手帳)の交付を申請した。

 男性がこの窓口を訪れるのは2回目。2週間前の前回は「常用就職の意志がなければ交付できない」と「門前払い」扱いされていた。いったんはあきらめていたが、「派遣ユニオン」などに励まされ、今回は同ユニオンの関根秀一郎書記長が付き添っての申請となった。取材のメディアもJANJANを含め4社が同行した。

 フルキャスト渋谷支店は、現状では全国で唯一、日雇雇用保険が適用される派遣事業者で、また新宿ハローワークはその日仕事にあぶれたことを認定する、都内唯一の指定機関だ。    

    被保険者手帳の交付申請に新宿ハローワークを訪れた男性(後ろ姿。いずれも筆者撮影)

 男性は窓口で自動車運転免許証と顔写真4枚を添え、フルキャストが発行した「日雇派遣労働者登録証明書」を提出した。書類に不備がないことが確認され、手帳の表紙に男性の顔写真が貼られた。手帳の交付手続きは順調に進んでいるかに見えた。                              

 ところが、昨年11、12月のフルキャストでの就労日数がゼロだったことが問題とされ、手続きはストップした。男性はその2ヶ月間、主に別の派遣大手「グッドウィル」で働いていたのだ。グッドウィルが業務停止となった現在、男性は全く仕事がない。生活保護を受けている状態だ。

 男性がもし今回も被保険者手帳をもらえないまま帰った場合、アパートの家賃もネットカフェの宿泊費も払えず路上にはじき出される流れは目に見えていた。今後、会社から派遣先を指定されて何日か就労すると、生活保護は打ち切られるか大幅に減額される。その時に再び就労先がなくなったら、生活保護はない、あぶれ手当も申請できず、収入の道が途絶えるからだ。就労先があったりなかったり常に不安定なのが日雇い派遣労働だ。

 付き添っていた派遣ユニオンの関根書記長は「(厚労省は)自立支援などと言いながら、自立を阻むようなことをするんですか?」と詰め寄った。メディアの「同席」も、ハローワーク側には無言の圧力と映ったようだ。担当者は眉間にしわを寄せ、厚労省の職業安定局雇用保険課に電話をして判断を求めた。

 電話は延々と1時間にも及び、ようやく厚労省の直接の指示で被保険者手帳が出た。

             派遣契約不成立証明書.jpg          
        派遣契約不成立証明書。手当の受給申請前夜にこれを入手しなければならない。


 手帳はもらったものの、男性はハローワークの職員から「あぶれ手当」を受けるまでには、とんでもなく高いハードルがあることを知らされた。

 この手当の支給申請をするには、仕事に就けなかった当日にハローワークに出向いて「あぶれ認定」を受けなければならない。その際には前日、派遣会社で発行してもらった「派遣契約不成立証明書」を提出しなければならない仕組みだ。

 ところが、派遣会社はたいてい午後7時で閉まる。仮に派遣会社のすぐ隣のビルに派遣され働いていたとしても、7時以前に仕事が終わらなければ「契約不成立証明書」はもらえない。関根書記長は「前日に受け取ることができる派遣労働者など、ほとんどいるはずがない」と憤る。

 さらにもう1つの難関がある。「あぶれ認定」の受付時間は午前8時半から9時までの30分間だけとされている。しかも新宿ハローワークが都内で唯1つの受付機関だから、同じ都内でも青梅や八王子の労働者は早朝、新宿まで足を運ばなければならない。厚労省は1ヶ所だけに絞った理由を、表向き「混乱を避けるため」としている。

 厚労省は派遣法の改正を見送る方針と伝えられ、続発している矛盾は運用でかわす方向だ。日雇雇用保険の適用問題も、「申請にさえ来れば受け付ける体制にある」というアリバイ作りをしているに過ぎないように映る。

東京:田中龍作
この記事の初出は日本インターネット新聞(JANJAN)です



  
 

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2008年02月14日

【ハケンという蟻地獄】E 「あぶれ手当」支給しない仕組み?

 二重派遣や港湾・倉庫への派遣など違法行為を繰り返して業務停止処分を受けている日雇い派遣最大手の「グッドウィル」が警視庁の家宅捜索を受けた1月31日、派遣労働者で作る各種ユニオンと厚生労働省との交渉が参議院議員会館で開かれた。派遣ユニオン側は有名無実の日雇雇用保険を中心に厚労省の「怠慢行政」を厳しく追及した。

       参院会館での交渉.jpg
   参院議員会館での交渉。手前がユニオン、右側が厚労省(いずれも筆者撮影)


 厚労省は昨年9月、日雇い労働者が仕事にあぶれたさいに支給される日雇雇用保険を日雇い派遣労働者にも適用することを決めた。派遣ユニオン側がねばり強く厚労省に要望した成果だった。もともとは山谷や釜ケ崎などの建設労働者に適用されていた「あぶれ手当」とも呼ばれるもので、昨秋まで派遣労働者は対象外とされていた。

 ところが、厚労省のこの適用決定は絵に描いた餅だった。1日の稼動人数が3万人ともいわれ、日雇い派遣では業界最大手のグッドウィルを日雇雇用保険に加入させる指導をしなかったのだ。昨秋までの交渉でユニオン側が「グッドウィルが保険の適用申請をするよう指導を」と特に強く要望していたのに、まったく無視していた形だ。

 グッドウィルは1月18日から2〜4ヶ月間の業務停止期間に入っているが、これまで日雇雇用保険の適用申請さえしていない。同社の登録労働者は、業務停止で派遣先がなくなって仕事にあぶれても、失業給付を1円ももらえない境遇に置かれたままだ。

 この日の交渉でユニオンは「どうして事業停止処分の前に、グッドウィルを加入させなかったのか」と追及した。

 厚労省職業安定局雇用保険課は「申請があったかどうか、個別の事業所について私から申し上げることはできない」とした上で次のように答えた。

 「日雇雇用保険はすべて(の事業所、労働者)に適用になるわけではない。日雇い被保険者としての要件が(備わっている必要が)ある。ハローワークとしてはきちんと対応できている」

 これは実態とは異なる。日雇い雇用保険の適用事業所となっている派遣大手「フルキャスト」渋谷支店の派遣で働いている男性が昨年11月中旬にハローワークに給付申請したところ、「常用就職を希望しなければ給付できない」と言われ、給付の前提となる被保険者手帳さえもらえなかった事実が明らかになっている。

 厚労省はユニオンとの交渉で「日雇い派遣をずっとやっていこうという人についても(すぐ常用を希望しているわけではなくても)、『あぶれ手当』は支払う」と昨年11月に約束している。少なくともこの時点で「常用か、非・常用か」は適用上の問題とならなくなったはずだった。

       追及する関根局長.jpg
      「派遣ユニオン」の関根秀一郎書記長(左端)が厚労省側を追及した。


 もっと矛盾している事実がある。日雇い派遣会社「マイワーク」渋谷支店が「日雇い雇用保険」の適用事業所となるための申請にハローワークに行ったところ、窓口で「(手帳が交付されるには)2、3ヶ月かかる」と言われた、という。昨年の交渉で厚労省が「申請があれば1週間で交付する」とした約束が全く守られていなかった。

 31日の交渉で、ユニオンがこれについて質すと、「交付できる態勢を整えているという意味です」と厚労省側は答えた。これでは「お役所答弁」も通り越して、詭弁以外の何ものでもない。ユニオンのメンバーは「要は日雇雇用保険を給付したくないということか」「約束は口先だけではないか」と口々に唱えていた。

 そこで出された厚労省側の新たな説明は、「日雇雇用保険の給付を受けるには、翌日の派遣契約が不成立だったことを証明する派遣会社の書類を持ってハローワークに行かねばならない」というものだった。

 ところが、派遣会社の窓口は午後7時には閉まる。7時過ぎまで働いた派遣労働者が証明書をもらうのは物理的に不可能だ。昨年11月の交渉では、厚労省は「ハローワークが派遣会社に電話して契約不成立を確認する」としていた。派遣労働者側にとっては大きな後退だ。

 「わざと高いハードルを設けて、日雇雇用保険がもらえないようにしているんでしょ?」とユニオンは問いつめた。2時間余りにわたる交渉の中で、「そうではない」という説明は、ついに厚労省側から出なかった。

       東京:田中龍作
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2008年02月07日

【ハケンという蟻地獄】D グッドウィルが巧妙に処分逃れ

 日雇い派遣会社最大手の「グッドウィル」は、違法な派遣を繰り返していたとして先月18日から業務停止処分を受けている最中だが、登録労働者をグッドウィル・グループ内の別の派遣会社に紹介し続けていることが分かった。処分した当の厚生労働省はこの「処分逃れ」を知りながら、「派遣労働者の就労先が確保されるのは望ましい」とむしろ奨励する態度だ。「行政処分はペナルティーではなかったのか」と批判の声が出ている。 
 
グッドウィルから派遣労働者へのメール。
「グループ会社を紹介します」
携帯.jpg グッドウィルに派遣登録している労働者の携帯電話にメールが入る。グッドウィルからで、「お仕事のない場合は当社グループ会社や他社をご紹介させて頂きます」。このメールを見るには登録したIDとパスワードを入力しなければアクセスできない。厚労省やマスコミの目には絶対触れない仕組みだ。

 今回の業務停止処分に対するグッドウィル・グループの対策は周到だった。処分通告より半月も前の昨年末、グッドウィルの派遣労働者で都内在住の30代の男性は、登録しているグッドウィル店の支店長に呼ばれた。「業務停止処分を受けることになりそうだ。そうなったら(派遣会社を)紹介するよ」

 
男性が「『プレミア』ですか?」と尋ねたところ、支店長は「そういうことになるでしょうね」と答えたという。

 「グッドウィル・プレミア」は、持ち株会社「グッドウィル・グループ」の連結子会社の1つで、やはり人材派遣会社。グッドウィル本社と同じ東京・赤坂の「東京ミッドタウン」ビルの中にある。グッドウィル本社は30階、プレミアは28階だ。グッドウィルの受付を通らなければ、プレミアを訪問できない。

 プレミアはグッドウィル・グループが全株式の67%を保有し、代表取締役社長をグッドウィル・グループの常務執行役員が兼務している。グッドウィルの業務を肩代わりして「プレミア」が収益を上げれば、グッドウィル・グループ全体としては損害も痛手もない、という構図になっている。 
 
                            グッドウィルとプレミアが入る東京ミッドタウンビル
                                                      (東京・赤坂で)
ミッドタウンビル.jpg 
派遣労働者の間では、このグッドウィルのやりかたは既に知られており、26日に東京・西新宿の「派遣ユニオン」で開かれた合同ミーティングでは「処分の意味がない」「悪質な処分逃れ」との批判が出ていた。

 筆者は先月30日、厚労省職業安定局需給調整課に「このようなケースは処分逃れに当たらないのか」と質した。担当者は「処分逃れではない。派遣労働者にとってはむしろ就労機会の確保の面で望ましい」などという答えが返ってきた。

 同課は、「処分はグッドウィルという法人1社に対するもので、企業グループ全体に出した処分ではない。まして、労働者は処分とは無関係で、処分によって失職するのは本意ではない。グループ会社内で紹介するのなら(望ましいので)そう指導している。グッドウィルがプレミアからマージンを受け取るようなことがあれば別だが、そうでもない限り違法性はない」という見解を示した。

 子会社が派遣事業を肩代わりすれば、ペナルティーもペナルティーとはならない。厚労省の「指導」「処分」は実質無意味ではないか。厚労省の「見て見ぬ振り」が続けば、日本の労働の質は更に劣化することになるだろう。

 派遣労働者で組織する派遣ユニオン書記長・関根秀一郎さんの話 厚労省の言い分はグッドウィルの実態に目をつぶった形式論で、明らかな処分逃れだ。
東京:田中龍作
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2008年02月03日

【ハケンという蟻地獄】C 厚労省新指針も効力ゼロ?

違法派遣が繰り返される日雇い人材派遣を規制するため、厚生労働省は先月25日、指針(ガイドライン)案をまとめ、発表した。4月実施の予定。しかし、このガイドラインに対して、「日雇い派遣の問題を是正し、廃止していく方向とは全く無縁だ」と早くも派遣労働者側から不信の声が上がっている。


派遣労働者の会見.jpg        
派遣労働者の記者会見(厚労省で、いずれも筆者撮影)


 発表されたガイドラインは、次の3項目が骨子となっている。

 1)派遣会社が就業先を巡回して違法な派遣が行われていないかチェックする
 2)派遣先企業との契約額や派遣労働者の賃金の額の公開
 3)賃金からの不明朗な天引きの禁止

 ガイドライン発表を受け、派遣労働者で組織する各種の労組・ユニオンは同日、厚生労働省で記者会見し、「派遣ユニオン」の関根秀一郎書記長らが「これでは全く派遣労働の規制にならない」と口々に厳しく批判した。

 「実際の日雇い派遣の業務では、定期的に巡回するなんてあり得ない。スポット(日雇い)の場合、前の日に募集があり、翌朝には現場に大量の労働者を送り込まなければならない。派遣会社が発注先の仕事の内容を精査するなどは不可能だ」

 書記長の関根さん自身もグッドウィルの派遣で働き、法律で禁じられている建設現場に派遣されたことがある。作業は建設廃材の運び出しだった。前日、派遣会社から「何かを運び出す作業です」とだけ言われた。日給は幾らか聞いたら、「8,000円ぐらいです」という答えだったという。

 「前日に労働契約を結んだ段階では、作業内容も日給の額もはっきりしないままだった」と関根さんは言う。「こういった『日雇い派遣』を許している限り、二重派遣や港湾・建設現場への派遣(いずれも法令上は派遣会社の違反行為)はなくならない」と力を込めた。

 それを象徴するような出来事に、関根さんは実際に居合わせたことがある。

 建設現場でパレット(荷役に使う、荷物を載せる台になる簀の子)が倒れ、仲間の派遣労働者の頭がザックリ割れるという悲惨な事故があった。派遣会社の役員に「建設現場への派遣は法律で禁じられているのを知らないのか」と詰め寄った。役員は「関根さん、冗談は止めてください。現場に行ってないのに、どういう仕事か分かるわけないでしょうが」と平然と答えたという。

 「これが日雇い派遣の実態です」。関根さんは溜息まじりに語った。


グッドウイル提訴.jpg 
グッドウィルの派遣労働者が違法天引きで会社を提訴(07年8月、東京地裁前で)


 筆者は、今回のガイドラインの中でも特に、3)でいう「賃金からの天引き禁止」については、「何を今さら役人たちがヌケヌケと」との憤りを禁じ得ない。こういう事実があった。

 派遣大手のグッドウィルは「データ装備費」と称して派遣労働者の給与から違法な天引きを続けていた。昨年8月にこの返還を求める民事訴訟が労働者から東京地裁に起こされている。

 訴訟を起こす3ヶ月前、派遣ユニオンと厚労省との交渉に、筆者は取材で立ち会った。ユニオン側は「裁判に持ち込みたくない。きちっとグッドウィルに指導して下さい」と切々と訴えていた。しかし、厚労省はあいまいな態度で応えず、見て見ぬふりで放置した。それから8ヶ月も経ち、問題が急速に拡大してからの今回のガイドラインである。厚労省の無能、怠慢の罪は重い。

 ガイドライン1)と2)の規制も、派遣先が毎日変わる日雇い派遣(スポット派遣)そのものを法律で禁止しない限り、守られる可能性は低い。ほかに転職できる道のない派遣労働者の立場では、低賃金で危険と知りながらも仕事を続けざるを得ないからだ。まして、ガイドラインはあくまでも「指針」でしかなく、罰則はない。これまで違法・脱法行為をし放題だった派遣会社が突然態度を改めるとは、信じよと言う方が無理だ。

 派遣ユニオンは今国会で派遣法の抜本的改正を目指している。だが当の厚労省は日雇い派遣禁止は見送りの方針と伝えられ、経済界や政界の反応も鈍い。法令の保護のない派遣労働者が救済されるメドは、相変わらず立たないままだ。

東京:田中龍作
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2008年01月30日

元特捜検事の田中森一さんが語る〜「調書はいかにして作成されるか」

         講師の田中森一さん 田中森一.jpg        
 1月27日(日)午後3時よりカトリック清瀬教会(東京都清瀬市)で、弁護士・元東京地検特捜部検事の田中森一さんによる「調書はいかにして作成されるか」と題する公開学習会がありました。以下にその内容の要旨を報告します。主催は、無実の死刑囚・元プロボクサー袴田巌さんを救う会。共催は、カトリック東京教区正義と平和委員会。
                  ◇ ◇ ◇
袴田巌さんの苦しみは想像を絶するものがある

 弁護士となってから2000年に石橋産業事件をめぐる詐欺容疑で東京地検に逮捕され、自らも刑事被告人として小菅の東京拘置所に350日入っていたことがある田中さん(事件は現在、最高裁に上告中)。1年だけでも大変だったのに、同じ東京拘置所に30年も40年も入れられている袴田さんの苦しみは想像を絶するものがある、と語りました。

 田中さんが袴田事件にはじめて接したのは、まだ検事をやっていたときだったそうですが、「チャンは人を殺していない」と袴田さんが息子さんに書いた手紙や、袴田さんが自白したとされる調書の問題点などを指摘した上で、自分も同じ立場になってみて、袴田さんを出してあげたいという支援者のみなさんの気持ちがひしひしと伝わってきたと述べ、喜んでこの場にきました、と語りました。

 また、袴田さんを裁いた元裁判官の熊本典道さんが、無罪の心証をもっていたことを明らかにしたことに対し、「胸を打たれた」と述べ、妻や子の顔を思い出さないことはあっても、袴田さんが死刑判決を受けたときの顔は1日も忘れたことはないと熊本さんが語ったことに触れ、田中さんは自分の場合は手錠をかけられ、公のもとにさらされて恥辱を受けただけであるが、袴田さんの場合は命がかかっていることを考えると、死刑判決を受けたときの表情は裁判官が1日も忘れないような、どんな役者の演技も及ばない、袴田さんしかできない顔があったはずだと語り、私で役にたつことがあれば少しでも役に立ちたい、との思いを吐露しました。

人を死刑台に送ることもできる調書とはなにか

 人を死刑台に送ることもできる調書について、田中さんは次のように述べました。「調書をつくるのは警察や検事。被疑者の話を聞いた人が調書を書く。国策捜査と言われている佐藤優さん、鈴木宗男さん、参院のドンと言われた村上正邦さん、日歯連1億円ヤミ献金の村岡兼造さん、福島県知事の佐藤栄佐久さん、ホリエモン、村上ファンドの村上世彰氏などが異口同音に裁判で調書と違うことを言っている。警察や検察がつくった調書が証拠とされているのは、調書に関する法律の考え方に問題があるからだ」

 田中さんによれば、日本の法律は、日本人は人前で本当のことを言わない、密室で本当のことを言うという考え方が根底にあり、裁判官の前で言ったことと警察の前で言ったことが違う場合、調べの段階で言ったことが本当のことになる、と語りました。ここがほかの国と違うところであり、ほかの国の場合は宣誓したら本当のことをしゃべったとされるが、日本の場合は違うのだそうです。

なにをもって任意とするかは裁判官によって違う

 取調べでしゃべったことが任意であれば証拠となるが、なにをもって任意とするかは裁判官によって違うと述べ、袴田さんの場合、20日間の取調べのあと「お手数をかけました。私がやりました」と言ったとされているが、拷問のような取調べが20日間も続いたらふつうは半狂乱になって冷静な言葉は出てこない、と調書の任意性について強い疑念があることを明らかにしながら、捜査官に対し任意でしゃべったかどうかがポイントである、と語りました。

 参考人の場合も、裁判所で言ったことより警察や検察で言ったことに信用性があることを証明すれば証拠となるので、検事によってつくられた調書を裁判で覆すのは大変であると語りました。調書をつくるとき、検事はテクニックを用いてあとで覆すことのできない調書をつくるそうです。大半はちゃんとした調書を書いているが中には違うことを書いていることがあり、それが冤罪事件になっていると述べ、「人を裁く以上、1つでも間違いがあってはいけないが、志布志事件でも明らかなように、それが今日でもまかり通っている」と状況が変わっていないことを厳しく批判しました。

 調書をつくったら被疑者に読んできかせ、署名をさせるそうですが、裁判所で違うことを言う場合があるので、裁判所で言っていることは嘘でこっちが信用できるようにつくっていくためにわざと訂正の申立をさせる場合があるそうです。

相手はプロ、普通の人は太刀打ちできない

 たとえば、名前の漢字をわざと間違えて書き、そこを訂正させてそれ以外のことは間違いがないと署名させれば、肝心のところが違うと裁判で言っても、検事が「でもあなた、読んで聞かせてもらったでしょ。名前の違いを訂正したでしょ。そんな重要なことなんで申立しないのか、あなた、嘘ついたらいかんよ」と理詰めでくると反論できず、裁判官は検事の言うことを信用するのだそうです。

 よく外の人たちがやってもいないことをなぜやっているというのかと言うが、実際に中で取調べを受けると不思議な心理状態になることを、田中さんは自らの体験でわかったそうです。相手はプロなので普通の人では太刀打ちできない、と述べ、朝から晩まで責められると、気の弱い人などは信念を貫くことがいかに難しいか、実際に体験した者でないとわからないと語りました。

 警察が痛めつけてしゃべらせ、調書はわざととらず、検事のところに連れて行って調書をとるということもあるそうです。形が全部できあがっているので、それを裁判所で覆すのは難しいと述べました。
  
 大きな事件では調べ官が証人として呼ばれることがあるので、捜査日誌を出してくださいと裁判所に言われたときのために、最初から捜査日誌を2冊つくる場合があるそうです。田中さんは、そこまで捜査官にやられたら裁判官はなにも言えない、と述べ、そのようにしてつくられた調書が証拠となって判決が下されている現状があることを明らかにしました。

白紙に署名をするのは「とんでもない」こと

 警察は真っ白な紙に署名だけさせることもあるそうです。簡単に白紙の紙に署名をする人は結構いるそうですが、白紙に署名するのは「とんでもない」と田中さんはその危険性に警鐘を鳴らしました。

 また、調書を読むことになっているが、実際にそこに書かれていることを読んでいるのかどうか、とばして読んだり、内容を変えて読んだりする場合があり、共産党の人などは1枚1枚見せてくださいと言って1枚1枚署名をする人もいるそうですが、普通の人はそこまでできないので、とばしたり、あとでわざと訂正させて信用性のある調書をつくられると、どんなに優秀な弁護士でもそれを覆すことはできない、と語りました。

 たとえば、10枚の調書のうち肝心の1枚を差し替えてあっても署名をしているので同じ枚数でサインをしてあると、絶対そんなことを書いていないと言い張ってもあとの祭りで、裁判官も弁護士も見抜くことはできない、と述べ、アリバイがある場合や、客観的なものがあとに残らない事件は調書だけが効いてくるので、志布志事件や袴田事件のような冤罪事件が起きてくるが、調書をつくった人が本当のことをしゃべるはずはないので、真実は出てこないようになっている、と語りました。

一人ひとりの捜査官と裁判官の良心に訴える

 田中さんは調書について、法律の制度に問題があると述べ、調書をつくる一人ひとりの捜査官や裁判官が良心をもってやれば防げるが、そうでなければ冤罪を防ぐことはできない、と警鐘を鳴らしました。

 袴田事件については「すいませんでした、ですむ話ではない」と断じ、法律の制度を変え、裁判所で言ったことが正しいという法律の制度に変えない限り、冤罪事件はあとを絶たない、と厳しく批判しました。

 しかし、現実には難しい問題であると述べ、捜査会議で被疑者に有利な発言をすると、「お前、バカか」と言われ、出世に響くので、無実だと思ってもそのような意見を言えない雰囲気があるそうです。「犯罪があったら見逃すな」という考えが基本にあり、その考えがある限り冤罪はなくならない、と指摘しながら、1人の無実の者をつくるな、という考えが捜査官の側になければ冤罪はなくならない、との考えを示しました。

信念だけで正義を貫くことはできない
 
 志布志事件の場合も無罪だと思っていた調べ官がたくさんいたそうですが、それを言ったら「おまんまが食べられなくなる」と述べ、検事の場合は弁護士への道があるが警察の場合はそうではないので、それぞれ家庭があり、信念だけで正義を貫くことはできないことにも言及しました。

 田中さんは、犯人を1人も逃がすな、ではなく、犯人でない人を1人も犯人にするな、という考え方に変えない限り、また、イケイケドンドンの人が出世をするような風潮を改めない限り、冤罪はなくならない、と指摘しました。

 法律の制度を変えると同時に、捜査官が良心をもって取り組むことが必要であるが、現実にはそのような行動をとると左遷させられたり、捜査から外されたりする現状があることにも触れながら、一人ひとりの捜査官の良心に訴え、犯人を逃がしてもかまわない、しかし、犯人でない人を犯人にするな、との考えのもと、地道な努力を続けていくしかない、と語りました。

死刑を多数決で決めるのはおかしい

 田中さんはまた、死刑が多数決で決まることについて、「おかしい」と疑問を呈しました。袴田さんの場合、熊本さんは無罪だと思ったが、ほかの2人の裁判官が死刑だったため、2対1で死刑の判決が下されました。田中さんはそのことに対し、「死刑は裁判官全員一致に限ってできるようにすべき」との考えを示しました。

 このことに対し、だれも疑問の声を挙げないことについて、「バナナの叩き売りではない。多数決で死刑にできるのか」と疑問を投げかけながら、熊本さんが勇気をもって発言してくれたために裁判が合議制で、多数決で死刑が決まることが明らかになり、多くの人々の知るところになったと述べ、その勇気ある行動に敬意を表しました。

頑張ってよく生きてきた

 田中さんは自らの1年間の拘置所生活を振り返りながら、「自分は1年奈落の底を見てきた。袴田さんは30年も40年もその奈落の底にいる。ふつうならどうにかなってしまうのに、頑張ってよく生きてきた。わずか3畳の独房に30年も40年も閉じ込められたら、仏様だって耐えることはできない。よく生きてきた。みなさんの力で1日も早く出してあげてほしい」と訴えました。

 袴田事件について、田中さんは「真相はわからない」としながらも、「あの調書は信用できない」と明言しました。「20日間も取調べを受けた人が最初にしゃべった内容が、お手数をかけました。私がやりました、というのはおかしい。人を3人も殺した人がしゃべる言葉ではない」と調書の任意性について強い疑念があることを強調しました。

質疑応答
 
 取調べの可視化の問題について、田中さんは、1から10まで全部やるならよいが、部分的可視化は恣意的に運用される可能性があるので「反対」との考えを示しました。

 自分が調書を取られる立場になったとき注意をしなければならないことはなにか、という質問に対し、田中さんは、「嘘の調書に署名しないこと」と答え、実際はそう思っていてもプロを相手に信念を貫くのは難しいので、ふだんから胆力を鍛えておくと同時に、そういう事態にならないように注意をすることが大事であると答えました。

 裁判官と検事の関係について、田中さんは、裁判官は弁護士から控訴されても出世に響かないが検事に控訴されると出世に響くことや、たとえば量刑で3年を求刑された場合、半分の1年半とせず、1年8ヶ月とするなど、求刑の半分以上の量刑をするといった配慮をする場合がある、と答えました。

 裁判員制度になったら冤罪は増えるかという質問に対し、田中さんは、「増える」と答え、素人の裁判員によって裁判がワイドショー化し、被害者のことだけが報道されると、情の世界になり、被害者優先になって冷静な判断ができなくなる可能性があることを指摘しました。

筆者の感想                  サインする田中.jpg著作「反転」にサインをする田中森一さん

 さすがに元東京地検特捜部の検事だけあって、検事が調書をつくるときあとで覆されないようにわざと重要でないところを間違えて被疑者に訂正の申立をさせ、調書に信憑性を持たせるといったテクニックを駆使することなど、関係者でなければわからないことなどを話していただき、大変参考になりました。

 ベストセラーとなった田中さんの著作「反転」の広告などによれば、検事時代の田中さんは「特捜のエース」「特捜の鬼」「辣腕検事」との異名をもち、弁護士に転身してからは、「闇社会の守護神」などと称されているとのことですが、「チャンは人を殺していない」と袴田さんが息子さんに書いた手紙を口にしたとき、田中さんが目を赤くし、しばし絶句する場面があったのを見て、大変人間味のある温かい人柄であるとの印象を持ちました。

 なお、田中さんは長年の夢であった、若者を育成するための「奨学財団」の設立を目指し、その準備として「田中森一塾」を設立しました。詳細については下記HPを閲覧してください。

参考:「田中森一塾」公式サイト

東京:ひらのゆきこ
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2008年01月27日

【ハケンという蟻地獄】B 「あふれ保険」4ヶ月も適用ゼロ人

派遣先が毎日変わる「日雇い派遣」(「スポット派遣」とも)の労働者が仕事にあぶれたときに支給されるはずだった「日雇雇用保険(通称・あぶれ手当)」が、適用開始から4ヵ月経った現在でも、全国でまだ1人にも支給されていないことが分かった。窓口のハローワークが「常用就職でない」と労働者の申請を片端からつき返していたのだ。安倍政権時代の「再チャレンジ支援」から続く有名無実の政策が口実となっていた。
      厚労省通達.jpg        
「常用雇用化への支援」を名目に、日雇派遣保険給付申請を拒否するよう指示した厚労省通達

 派遣大手の「フルキャスト」渋谷支店は昨年11月中旬、厚生労働省に日雇雇用保険の適用事業所として申請し、認められている。今月に入り、フルキャストからの派遣で働く東京・中野の40代の男性が日雇い派遣の閑散期となってあぶれたので、地元のハローワークに日雇雇用保険の申請に行ったところ、窓口で拒否された。

 男性が理由を尋ねると、「本省から『常用就職の意志がない者には給付してはならない』との通達が来ている」と言われた。「常用就職」とは、正社員と非正規社員とを問わず、同じ会社で働き続ける就業形態を指すようだ。男性は「常用」の意味がよく理解できなかったが、手当の申請はあきらめざるを得なかった。

 制度がありながら給付しないとは奇怪な話だ。日雇い派遣は基本的に「非・常用」のはずではないか。「常用就職の意志」とは、いったい何をいうのだろう。

 筆者が21日、厚労省に問い合わせると、職業安定局雇用保険課給付係の担当者が次のように答えた。「そもそも(安倍内閣時代に再チャレンジ支援との関連で問題となった)ネットカフェ難民対策などに由来している。彼らの常用就職を支援しなければならない。(派遣のような)『非・常用』にこだわると、支給は難しい」

 よく分からない「常用」「非・常用」について、「期間的に、例えば1年未満・1年以上といった線引きをしているのか」と尋ねると、担当者は「具体的に決めているわけではありません」。世間的な常識で理解して、ともいう。「常用」の定義はあいまいなままだ。

 「日雇い派遣労働者で『日雇雇用保険』の給付を受けた人は、実績として何人いるのか」と更に尋ねたところ、「現状で支給に至っている人はいない(つまりゼロ人)」と、給付係の担当者はあっさり認めた。

 これには耳を疑った。申請に来る派遣労働者が常用か非・常用か、判断する基準を決めてない。それなのに、「常用でなければ日雇雇用保険は適用しない」ことだけはしっかり指示している。役所側の恣意で「常用就職でない」と判断できる仕組みだ。派遣労働者たちは常用就職など簡単にできないからこそ、皆苦労しているのではないか。日雇い派遣労働者にとっての「日雇雇用保険」は、絵に描いた餅だ。

 実は、厚労省はこの交渉の直前、昨年11月6日付で「日雇派遣労働者に対する雇用保険に係る取扱いについて」という通達を各都道府県に出していた。それには「(日雇い派遣労働者は)日雇派遣労働に固定化することがないよう常用雇用化に向けた支援を講じていくことが必要」とあり、実質的に「申請があっても日雇い派遣を続けるなら拒否せよ、常用雇用になるなら受け付けよ」との指示になっていた。
         交渉.jpg   
          厚生労働省(左側)と派遣ユニオンとの交渉(参院議員会館で、筆者撮影)

 昨年11月13日に参院議員会館で行われた「派遣ユニオン」との交渉で、厚労省は次のように約束した。
 「日雇い派遣をずっとやっていこうという人については、その人の人生観を否定するわけではない。常用化に向けての相談を行わなくても『あぶれ手当て』は支払う」
 厚労省はユニオンや立ち会った関係者たちに「面従腹背」していたことになる。


 「再チャレンジ政策」で、決まった働き口のない「ネットカフェ難民」のような人たちに、安定した職を世話する政策を政府が打ち出したことはある。それも雇用情勢の一段の悪化と安倍内閣の早期退陣で雲散霧消してしまったことはよく知られている。厚労省はこの「非・常用を常用に」という政策実体のないスローガンだけを墨守していたわけだ。むしろ、日雇い派遣の保険適用を表面受け入れるふりをしながら実質拒否する口実としてこれを使った、というのが実態に近いのではないか。


 派遣会社から携帯のメールに「明日○○に行って下さい」と連絡がくれば、仕事にありつける。連絡がなければ仕事にあぶれる――。日雇い派遣労働者は山谷や釜ケ崎の建設労働者に勝るとも劣らぬほど不安定な状態に置かれている。

 日雇雇用保険は、そんな彼らにとって文字通りの命綱となるはずだった。「再チャレンジ」「セーフティーネット」などと言えば聞こえは良いが、そんなキレイごとではない。給付申請を拒否された男性は「厚労省は俺たちに死ねというのか」と憤っている。
東京:田中龍作
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2008年01月26日

【ハケンという蟻地獄】A 存在も知られない「あぶれ保険」

違法派遣で厚生労働省から処分を受けた人材派遣大手の「グッドウィル」(本社=東京・赤坂)が18日から事業停止期間に入り、全国で多くの派遣労働者が仕事を失った。派遣労働者の労働組合「派遣ユニオン」は19日、そうした労働者にとってのセーフティーネット、「日雇雇用保険」の説明会を東京・西新宿の同ユニオン本部で開いた。

        「日雇雇用保険」の説明会.jpg
   派遣ユニオンが開いた「日雇雇用保険」の説明会(撮影:いずれも筆者)

 「あぶれ手当」の名で知られる日雇雇用保険は、もともと東京・山谷や大阪・釜ケ崎などの寄せ場で働く建設労働者などに適用される雇用保険だった。派遣ユニオンは派遣労働者にもこの保険を適用するよう厚労省と交渉を続け、昨年9月になって、ようやく厚労省が適用を決定した。

 派遣先が毎日変わる「スポット派遣」と呼ばれる不安定な日雇い派遣で働く労働者が急増し、アパートの家賃が払えずに「ネットカフエ難民」となって夜を明かしたりする派遣労働者が多い。こうした実態が社会問題化したことも、厚労省が派遣労働者に日雇雇用保険の適用拡大を認めた背景にある。

 ところが、肝心の「グッドウィル」はこの雇用保険に加入申請さえせず、厚労省もそれを見て見ぬふりで放置してきた。厚労省当局自体が派遣労働者や派遣会社に積極的に加入を呼びかけた形跡もない。結果的に、「日雇雇用保険」制度があることさえ知らない派遣労働者がいまだに非常に多い。

        グッドウィル支店前のビラ配り.jpg        
     グッドウィル支店前で「日雇雇用保険」を知らせるビラ配り(渋谷で)

 この夜7時から開かれた説明会で、派遣ユニオンの関根秀一郎書記長(グッドウィル・ユニオン書記長と兼務)が、集まった労働者に日雇雇用保険の受給方法を次のようにレクチャーした。

 まず直近の2ヶ月間で合計26日以上働いた実績のあることが大前提となる。計算の基礎となる「あぶれた(失業した)ことになる日数」は、労働者の仕事の入れ方によりマチマチだが、グッドウィルの仕事がなくなったことにより、翌月11日間働けなくなった場合、「あぶれ日数」は8日前後になる(13日間働けなくなった場合は10日前後の「あぶれ」)。

 給料の水準により保険給付額は4,100円〜7,500円と幅があるが、この金額に「あぶれ日数」をかけたものが、支給される「あぶれ手当」となる。

 ・多い人は7,500円×8=6万円

 ・少ない人でも4,100円×8=3万2,800円

 働いた日は派遣会社が被保険者手帳に保険印紙を貼り、労働者はそれを持ってハローワーク(公共職業安定所)に行く。ハローワークは上記の計算式で「あぶれ手当」を支給する。

 厚労省が派遣労働者にも適用を認めたこの日雇雇用保険だが、ハローワークで適用が認められないケースもある。説明会に参加していた40代の男性は最寄りのハローワークに行ったが、「前例がない」として被保険者手帳をもらえなかったという。

      日雇雇用保険適用交渉.jpg      
 厚労省(左側)と派遣ユニオンの日雇雇用保険適用交渉(07年6月、参院議員会館で)

 説明会前日の18日はグッドウィルが事業停止に入った日なので、ユニオンは東京・渋谷のグッドウィル支店前で日雇雇用保険の存在を知らせるビラを派遣労働者に配った。

 給料を受け取りに支店に来た30代の男性は、やはり日雇雇用保険があることさえ知らなかった。この日に受け取った給料が、この男性にとってグッドウィルから支給される最後の給料となる。

 多くの派遣労働者は日雇雇用保険の存在を知らない。厚労省は大手のグッドウィルの未加入を放置したままだった。受給の要件である被保険者手帳を無知による怠慢で発給しないハローワークもある。派遣労働をめぐる劣悪な環境を意に介さず、セーフティネットも機能させられない、お役所仕事の「寒さ」ぶりを象徴しているようだ。

東京:田中龍作
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2008年01月24日

「090はやってこない」〜ヤミ金融に怯えている方に [消費者事件]

今年は、少しでも、読者の方の法律的な利益(?)になる記事も書いていこうとおもいます。

 まずは、この090金融・ヤミ金融についてである。

 登録業者であるサラ金等とちがって、貸金業をするのに必要な登録をしていない「ヤミ」金融のことである。

 サラ金からもうこれ以上借りられなくなった人が、ヤミ金融につい手を出してしまい、ヤミ金融からの脅迫的な取り立てに怯え、法外な利息を支払わされる被害が急増している。

 電話番号、それも携帯電話番号しか、その金融業者の連絡先が不明なので「090金融」とも呼ばれている。

 ヤミ金融、090金融に対する対策方法がこの記事の主題だが、その前にニュースを引用しておきます。

(以下、ニュースより引用)

090金融:被害急増 告発数5年で8倍

ヤミ金融の一斉告発件数のグラフ
ヤミ金融の一斉告発件数のグラフ

 事務所を構えず携帯電話だけを使って高金利で違法な貸金業を営むヤミ金融「090金融」の被害が急増している。弁護士や被害者の会で作る全国ヤミ金融対策会議による告発件数は5年間で8倍以上に増えた。警視庁など捜査当局は090金融の取り締まりを強化、出資法改正による厳罰化も進んでいるが、業者が摘発逃れの手法を次々と生み出す「いたちごっこ」が続いている。【曽田拓】

 対策会議は02年から、ヤミ金業者の全国一斉告発をしている。02年に業者の電話番号が特定できた告発は2318件。このうち携帯電話が連絡先となっている業者は4%弱の90件にとどまった。

 その後、03年をピークに固定電話を使う業者の減少傾向が続くなか、携帯業者の告発は増加傾向。05年から2年連続で300件を超え、07年は742件と全体の60%近くを占めるまでになった。

 顧客とも会わずに融資する090金融は、他の違法業者に比べて摘発が難しい。最近はレンタルの携帯電話を使ったり、利息の振り込み用に返済の滞った顧客から買い取った口座を利用するなど、違法融資が発覚しないよう工作をするケースが多いという。

 警視庁生活経済課が07年摘発した事件でも、巧妙な摘発逃れの手法が浮かび上がった。9月に逮捕されたグループは、東京都内のカラオケボックスを転々としながら営業を継続。11月末に摘発された2グループは、最もリスクの高い現金の引き出しをアルバイトに担当させていた。

 都貸金業対策課によると、全国の貸金業の登録業者数は02年度末の2万6281業者から昨年度末の1万1832業者に減っている。対策会議事務局長の木村裕二弁護士は「違法業者全体は減少しているが、携帯と口座だけで始められ、摘発も逃れやすい090金融を始める業者は増えている。ヤミ金融が使う他人名義の口座や携帯電話を迅速に凍結できる被害防止策が望まれる」と話している。

毎日新聞 2008年1月15日 15時00分 (最終更新時間 1月15日 16時04分)

                                                  (引用終わり)

 さて、ヤミ金融には、警察も手を焼いている、とのことです。

 本当は、ヤミ金融は営むこと自体が犯罪なので警察に一網打尽にしてほしいと思いますが、確かに、ケータイ番号しかなければそれをすべて検挙するためにはものすごい人員と労力が必要で、本気でやれば、日本の警察機能がそれだけにかかりっきりになってしまうくらいかも知れません。(でも、やってほしいものではありますが・・・)

 そんな現状の中、とりあえず、090金融からの過酷な取り立てに怯えている人には知っておいてほしい重要なことがあります。

090はやってこない

ということ。つまり、電話口でいくら脅しをかけてきても、実際に「やってこない」のです。

 「やってこない」理由は至ってシンプルで、1つは、もともと犯罪をしているのでのこのこ出ていたら捕まる恐れがあるということ、もう1つは、ヤミ金融は一般に小口なのでいちいち取り立てに行っても費用対効果の面で採算が合わないということです。

 つまり、

090がつかまらない

のも

090はやってこない

からなのであって、人の家にのこのこ「やってくる」ようではすぐ捕まる、というわけなのです。

 

 なので、「ヤミ金融」被害にあっている人が抱えている問題が、ヤミ金融の取り立てに怯えているということだけならば、

電話を無視する

ことさえできれば解決します。または、「電話番号を変える」などでもOKなわけです。

 または、取り立てを受けても、

「いくら言われてもお金がありません。警察に相談したら、電話のテープに録音するように言われたのでテープ録音していますが、もしこれ以上言いたいことがあるならいくらでもどうぞ。」

といって電話を「オンフック」「スピーカー」にして受話器を置いてしまうといいでしょう。

 受話器を手に握っていると恐怖感から逃れられませんが、いったん受話器を手放してしまうと、不思議と怖さがなくなるものです。

 業者は電話を切ってまたかけてくるということが何回かあるかもしれませんが、ひたすらこういう対応を繰り返し、それをつらぬけば、これ以上やっても無駄と判断していつかは必ず取り立てはやみます。

 

 一方、「絶対やってはいけないこと」は、

職場の連絡先や(親、兄弟などの)他人の連絡先を教えることです。これは最悪です。迷惑を拡大することになります。その気持ちにさらにつけ込まれることになります。

 しかし、すでに、他人の連絡先を教えてしまった場合でも、その他人にも事情を話し、その他人も一緒に上の「無視」または「言いたければどうぞ」対応を貫いてもらえば、なんとかなります。

 ということなのですが、090金融、ヤミ金融以外にそもそもサラ金の借金などがあるという場合は、その借金のことそのものを解決する必要があります。

 自己破産をするべき場合もあるし、またサラ金の「利息とりすぎ」が大きければそれを再計算することによって問題が解決する場合もある(以前の記事参照http://blog.so-net.ne.jp/h-m-d/2007-08-17)ので、弁護士に相談していただくことをおすすめします。

神戸:村上英樹  弁護士村上英樹のブログ

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2008年01月23日

【ハケンという蟻地獄】@ グッドウィル失業にホットライン

 「はたらけど はたらけど猶わがくらし楽にならざり ぢつと手を見る(啄木)」を地でゆくような「ハケン」。バブル立ち直り期の日本産業界を底辺から蝕み、今日の格差社会を作り出している1つの極が派遣労働だ。そこに入り込んだら抜け出すのは容易でなく、さらに悪条件の労働に転落するばかり……。ワーキングプア、そして派遣労働の実態をシリーズで追う。
「グッドウィル・ユニオン」(東京・西新宿で) 

グッドウイル・ユニオン.jpg法律で禁じられた二重派遣や港湾労働への派遣を繰り返したとして厚生労働省から事業停止処分を受けた大手派遣会社「グッドウィル」(東京・赤坂)は18日、全国708カ所の全事業所で2−4ヶ月間の新規派遣事業停止期間に入った。

 グッドウィルの最盛期には1日3万4千人が稼動していた。現在は1万人未満にまで減っている。グッドウィルの派遣労働者でも、契約期間が続いていれば18日以降も就労できる。だが「スポット派遣」と呼ばれる派遣先が毎日変わる日雇い派遣の労働者は、この処分で仕事を失うことになる。そして、グッドウィルに登録する大多数がこの日雇い派遣の労働者だ。グッドウィルの実態は「日雇い派遣大手」なのだ。

 事業停止という事態を受けて、グッドウィルの派遣で働く人たちの労働組合の「グッドウィル・ユニオン」(東京・西新宿)は18日当日から電話相談(03−5371−8808)の受け付けを始めた。

 関根書記長.jpg失業者の相談に対応する「ユニオン」の関根書記長
初日にあった相談の代表的な例は、次のようなものだった。
 ▽グッドウィルが事業停止になったので他の派遣会社で働くことになった。だが給料をもらえるのが1ヶ月先なので生活してゆけない(千葉県・男性)
 ▽グッドウィルが派遣先の会社とケンカしたので仕事がなくなった(秋田県・男性)
 ▽59歳。グッドウィルから他の派遣会社に移りたいが年齢でハネられる。1月に入ってから仕事がなくなった。

 電話相談の対応にはユニオンの関根秀一郎書記長らが当たった。書記長自らもグッドウィルの派遣で働いた経験がある。グッドウィルの手の内は知り尽くしている。

 グッドウィルが事業停止を受ける理由となった二重派遣や港湾労働は、ユニオンが昨年3月から厚生労働省に実態を伝え改善指導を求めていたものだ。指導が実施に移されるまでほぼ1年かかったことになる。

 関根書記長らは相談に対し「日雇い雇用保険を適用するようグッドウィルに言って下さい。まず断ってきます。何と言って断ったのか、それをユニオンに知らせて下さい」と答えていた。

 勤続期間の長い派遣労働者には「有給休暇を取って下さい。あなたの場合だったら○○日ありますから」と必ず勧めていた。有給の日数分だけでも食いつないでいこうという戦術だ。
 
グッドウィルの業務停止を知らせるビラ
ビラ.jpg「日雇い雇用保険」は昨年9月、ユニオンが厚労省と交渉して、派遣会社に適用させるようにした制度だ。だがグッドウィルは加入していない。加入するよう厚労省がグッドウィルにしっかり指導していれば、派遣労働者を不安に陥れるようなことはなかったはずだ。ユニオンの関根書記長は「厚労省の責任は重い」と憤る。

 厚労省の出先機関である各地の労働局でも「グッドウィル失業電話相談」を行っている。こちらに電話をすると「最寄りのハローワークに行って下さい」という「アドバイス」が返ってくる。ハローワークでまともな仕事が見つかるのだったら、誰もグッドウィルなんかに登録したりはしない。「血の通わぬ行政」の典型だ。これでは厚労省自らがワーキングプアを生み出しているようなものだ。

・「ユニオン」による電話相談:TEL 03−5371−8808
東京:田中龍作
この記事の初出は日本インターネット新聞(JANJAN)です。
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2008年01月10日

危険運転致死傷否定判決と裁判員制度 

飲酒運転で前の車に追突して海中に転落させ、幼児3人を死亡させた事件で、福岡地裁(川口宰護裁判長)は8日、危険運転致死傷罪を適用せず、業務上過失致死傷と道交法違反(酒気帯び運転、ひき逃げ)を適用して懲役7年6ヶ月の判決を下した。
 
異例の訴訟指揮からこうなるだろうとは推測できたが、改めて判決が出されると腹が立つとともにこういう法匪がいる限り、日本も良くならないと思った。 
 
危険運転致死傷罪を適用しなかったことについて川口裁判長は 
@事故を起こす前道幅の狭い車道を接触事故を起こさず運転している。 
A事故後飲酒であることを警察官は検知したが、警察官にそれなりに対応しており、酩酊ではなく酒気帯びだったと判断した。
 
従って漫然としたわき見運転による事故で、酩酊による事故ではないと判断したという。 
それでは逆に 
@ 狭い道を接触事故さえ起こさなければ、いくら酒を飲んでも危険運転致死傷罪にならないのか。 
A 現場の交通警察官が酒気帯びと酩酊を、正確に理解し区別して判断していたのだろうか。
 
酔っ払いとはいえ大きな事故を起こしたあまり、血の気が引いて警察官には一時的にきちんと対応していたのではないか。酩酊していても正気に戻ることは実体験として豊富にある。 
などと「イチャモン」をつけたくなる。 
 
危険運転致死傷罪はなぜ生まれたのだろうか。 
大きな事故を起こして刑の軽い業務上過失致死だけではおかしい、さらに重い罪を作らなければいけなかった社会的背景をきちんと裁判官は捉えたのだろうか。
 
危険運転致死傷罪ができたときに構成要件が明確にされず、具体論は現場の裁判官の判断に任せたところにも問題もある。
 
その裁判官が重箱の隅をつつくような法律論で判断するのは「木を見て森を見ず」で、この裁判官は世の中を針の穴から天井を覗いているのではないか。 
 
21年から日本の司法制度を根本的に変える裁判員制度が導入される。 
一般の市民、つまり隣のおじさんもおばちゃんも裁判員なる時代になる。 
しかも宝くじが当たるよりもはるかに高い確率で、自分にあなたにその役回りがくる時代になる。 
この制度導入の大きな理由の一つは、司法の独立のもと手厚く保護されている裁判官の感覚と、一般市民とのズレの解消にある。
 
私はこれまで模擬裁判に何度か加わった。 
判決を決める過程の参加者の発言を聞いて、実は裁判員制度は本当に良い制度なのか懐疑的になっていた。
 
法廷の中で証拠としてとりあげてないものを「こうじゃないかしら」と勝手に推測する。
大勢になびく、声の大きな人に傾く。 
あげくのはて「専門家の検察官がそういっているのだからそうじゃない」
 
これで重要な刑事事件の判断をするのである。 
市民の一票も専門家の裁判官の一票も同じ一票である。 
これで被告の人権が守れるのかと実は強く思っていた。
 
そして民主主義を自分たちの血で勝ち取ったものでなく、第3者から与えられた国民に、きわめて民主的な裁判員制度は逆に危ない方向に向かうのではという危惧をもった。
 
しかし今回の福岡地裁の判決を聞いて、やはり裁判員制度になったほうがいいとも思うようになった。 
なぜなら、福岡のあの悲惨な事故で被告に危険運転致死傷罪を適用することに、反対する市民はあまりいないのではないかと思うからである。

北海道:雨露路

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2007年12月02日

袴田事件」弁護士と元担当裁判官が「冤罪」の背景明かす

 先月6日(火)、日本外国特派員協会(東京都千代田区)で「袴田事件」について、袴田事件弁護団の小川秀世弁護士と元担当裁判官の熊本典道さんが記者会見を行いました。

 袴田事件は1966年6月、静岡県清水市(現静岡市)で味噌会社の専務一家4人が刺殺体で発見され、従業員の袴田巌さんが逮捕された事件です。袴田さんは、一審(静岡地裁)で死刑判決を受け、80年、最高裁で死刑判決が確定しました。袴田さんは一貫して無罪を訴え続けています。再審請求は、静岡地裁、東京高裁で棄却され、現在最高裁に特別抗告しています。

袴田裁判.jpg  袴田事件の一審の静岡地裁の裁判官だった熊本典道さんは、テレビで「無罪の心証があった」と告白しました。熊本さんは、日本外国特派員協会で記者会見をすることについて、「まさかこんなことまでしなければ彼を救済できないのか、非情さに憤りを感じています」との思いを吐露し、「せっかくのチャンスなので、なんとか彼の救済のために話したいと思ってやってきた」と、次のように語りました。                              
  写真 小川秀世弁護士(左)と、熊本典道元裁判官(右)

●熊本典道さんのお話

非情に憤りを感じています
 熊本さんは、裁判官の守秘義務を破り、裁判の合議の内容を明らかにしたことについて批判の声があることに言及し、「判決以前から今日までずっと悩んでいた」と語りました。

 判決を言渡した当時、司法修習生が10名いたそうです。全員、熊本さんと(考えが)一致しており、司法修習生たちは、熊本さんが判決でサインをするか、あるいはしないでやめるか賭けをしたそうです。サインをしないでやめるというのが5人、一応サインをしてなにかをやらかすと思った人が5人いたそうです。熊本さんは「司法修習生がもし裁判官であれば、圧倒的多数であの事件は解決できたと思う」と語りました。

なぜあの事件はおかしいと思ったのか
 この点について、熊本さんは次のように語りました。「20日間身柄を拘束し、当時、静岡県警のエースと言われた2人が代わる代わる平均15、6時間、取調べた。弁護士の立会いなく得た自白だった。なんでこんなに長時間調べて自白をとらなければ、あの事件の捜査が進まなかったのか。直感的に審理の過程で感じた。どうしてもそれが納得できない。ほかに証拠がないから20日間、目一杯取り調べて最後に自白させた。かつてのえん罪事件の経過通りだった」。

 熊本さんが裁判官になった年の前後、松川事件や菅生事件などのフレームアップ事件(政治的でっちあげ事件)があり、東京地裁で刑事の裁判官になった年の1年目に狭山事件があったそうです。熊本さんはその年の4月から10月までの約半年間、東京地裁の令状部(拘留請求を認めるかどうか決める部)に配属され、令状却下率が30%だったため、いろいろ内部で問題になったそうです。

 そのとき警察や検察の捜査官と密接に触れ合い、相手がどうやって裁判官をちょろまかして令状をとろうとしているかを知り、検察庁の言うことは信用できないと思ったと語りました。当時は、検察の言うことは間違いないだろうという雰囲気が圧倒的に強かったそうです。

無罪の心証を持ったが、2対1で負けた
 その後、熊本さんは静岡地裁に転勤となり、袴田事件と出会うことになりました。熊本さんのお話によると、裁判で次々と証拠が出されたが、自白を除けば被告人の有罪を立証するには至らない、関係のないものばかりだったそうです。自白以外、被告人に結びつく証拠はなかったので、有罪にはできないと思ったと語りました。しかし、3人の裁判官で合議をした結果、2対1で負けたことを明らかにしました。

「40年経ってもまだ袴田君が無罪になっていないことは残念でならない」
 2対1で負けたとき、熊本さんは判決を書くのをやめて職を辞するか、どうかを選ぶとなったとき、「1人だけでも無実だと思う奴がいれば、後の時代にだれかがそのことに気づいてくれる。なんとかなると思って判決を書いた。その判決の中で俺は本当はこうだったのだとわかるような、いわばインチキな判決を書いた」と述べ、自らの思いが届かず、40年経ってもまだ袴田さんが無罪になっていないことに、「残念でならない」と現在の心境を語りました。

●小川秀世弁護士のお話

熊本さんが話してくれたことで支援の声が広がった
 小川さんは、元裁判官が裁判の合議内容についての守秘義務を破ったのは法律に違反しており、その席に自分が同席するのは複雑な心境、としながらも、熊本さんの話で袴田事件に対する世間の関心が高まり、問題があるのではないかということが世の中に知られるようになり、支援の声が広がったのは弁護団としてありがたいこと、と述べました。

 小川弁護士は、日本の刑事裁判について、「非常に野蛮であり、その犠牲者が袴田さんだと思っている」と語りました。袴田さんは1980年に死刑が確定し、81年に再審請求をしました。静岡地裁が棄却したのち、04年に東京高裁が棄却。現在最高裁に特別抗告しています。最高裁で3年間継続しており、再審事件としては長い方だそうです。弁護団は12月中に意見書を提出し、早ければ来年中に決定が出ることを期待していると語りました。

野蛮な刑事裁判
 刑事裁判が野蛮だと指摘した理由について、小川弁護士は次のように語りました。「無実の人が警察や検察官によって自白させられ、裁判所がそれを信用して有罪にする。えん罪の典型が袴田事件です。免田事件など死刑囚が再審で無罪になった事件が4つありました。最近でも富山の強姦事件で服役した人が再審で無罪になりました。あれも自白がありました」。

 さらに、日本の刑事事件の取調べの問題点について、「日本では警察や検察官の取調べが23日連続して行うことができる。取調べを始める時刻、終わる時刻に制限がない。1日何時間という制限もなく、袴田さんは深夜まで取調べを受けている。平均12時間、最高16時間もの取調べがあった」と、自白≠とるために長時間の取調べが行われていることを、明らかにしました。

いまも無実の人が自白を強要され、犠牲者が出ている
 さらに、「黙秘権を行使しても取調べがある。弁護士を呼んでくれと言っても取調べは続く。弁護士は取調室に入ることができない。立会いもできず、弁護人は自由に面会もできない。袴田さんは22日間のうち3回しか面会ができず、その3回でも合計37分だった。録画や録音もない。驚くべきことに、この野蛮な制度が袴田事件が起きた昭和41年から40年以上経っている現在も存続している。そのため、いまでも無実の人が自白を強要させられ、犠牲者が出ている」と、人権無視の取調べの実態を厳しく批判しました。

 この事件での袴田さんの自白調書45通のうち、44通が証拠として認められなかったそうです。小川弁護士は、「これは熊本さんが最初に書いた無罪判決がそのまま残った部分。44通の自白調書を証拠として認めなかった理由は、強制的で威圧的雰囲気があるとはっきり言っている。これはすぐれた判決だと思う」と高く評価した上で、重要な問題を含んでいたこの判決文が公表されなかったことは問題がある、との認識を示しました。

再審を却下した東京高裁の主張
 小川弁護士は、最後に再審を却下した東京高裁の判断について触れたい、と次のように語りました。

 「袴田さんが無実であると考える理由の1つ目は、自白が非常に変遷していたり、内容がおかしいことや、強制が明らかであること。2つ目は、重要な証拠である5点の衣類は事件があってから1年2ヶ月経って、現場近くの味噌タンクの中から発見された。5点の衣類は犯行に使われたものであり、且つ袴田さんのものであるとされたことで有罪が決定づけられた。しかし、重大な疑問点がある。5点の衣類の中に含まれていた、血がついたズボンとステテコには、(ズボンの下に履く)ステテコに広範囲に渡って血がついていたのに、ズボンにはほとんど血がついていなかった。上から下に血がしみこんでつくはずではないか、おかしいと(弁護団が)主張すると、東京高裁は犯行の途中でズボンを脱ぐことも考えられるのだからおかしくないと言った。我々はこうした判断をする裁判所の中で闘わざるを得ないのは残念である」。

質疑応答
 袴田さんを取り調べた警察官に関する質問に対し、熊本さんは、彼らは真面目に熱心に職務を遂行したと思っており、いまでもテレビ局の取材に対して、一点の落度もないと言い切っている、と述べ、日本の刑事手続きは石器時代か、もしくは江戸時代であるとの認識を示した上で、日本の被疑者の取調べに弁護人の立会いができないのは、基本的に被疑者を人間としてみていないからではないか、との見方を示しました。

 また、日本では被疑者の権利についての質問に対し、熊本さんは、日本の国民性につながる問題であると指摘し、今春、ロサンゼルス・タイムスから日本と外国の司法文化の違いについて質問を受けた時、「日本人が権利というときは自分のプライベートな権利、ヨーロッパやアメリカの場合は人間の権利。その違いではないか」と答えたと述べ、人権についても日本人は自分に関係のないことには無関心であり、それがこの事件が40年かかっている原因ではないか、と語りました。

 DNA鑑定についても質問が出ました。小川弁護士は、日本でもDNA鑑定はあるが、犯罪の種類によって、犯行の細かい内容は被疑者の自白による制度になっている、と述べ、取調べに録画・録音をせよという声が高くなっているが、警察は強く反対しており、密室での取調べが彼らの中心であることはいまも変わらない、と答えました。

 また、殺人事件の場合、客観的証拠がなくても、死体があり、自白があれば有罪にできるのが法律のシステム、とも述べました。この事件では、再審になってからDNA鑑定を行ったが、(衣類が味噌漬けになってから何十年も経っているので)DNA鑑定はできないというのが結論だったそうです。日本のシステムでは5点の衣類は裁判所にあり、裁判所が鑑定の必要があると判断しない限り、DNA鑑定ができないため、弁護団が必要があると主張しても、すぐに鑑定が実行されない点が、ほかの国と違うのではないか、と答えました。

 熊本さんは、日本で刑事裁判がもめることについて、基本的な認識の問題だと思うと述べ、(容疑者が逮捕されると)すぐに犯人か犯人でないか、裁判になると有罪か無罪か、黒白はっきりしろと(世間は)言うが、人間が人間を裁くのに(容易には)黒白のつけようがない、と語りました。そして、「国(検察)がいくらこいつが犯人だといっても、それが本当かどうか、犯人といえるかどうか合理的な疑いを残さない程度に証明できるかどうかであって、犯人じゃないとそこまで言うのは裁判官に対して非常に酷だと思う」と語りました。

 さらに続けて、「(検察が)合理的な疑いを残さない程度に証明できるかどうかであって、裁判所は犯人じゃないという必要ない。日本は裁判官に対してかなり大きな期待をかけすぎている。アメリカの場合、たぶんこいつが犯人ですよ、そうか、じゃ、証明できるか否かでそれ以外、裁判所は関与すべきでない(仕組みになっている)。有罪か無罪かそれ以上を言う必要はない。有罪だと言えるかどうか、それだけを判断すれば裁判の審理にとって非常に力になる。あいつはやったかどうか、それだけを判断すればいい。やっていないということに力を入れるから、余計な問題が発生する」との考えを示しました。

 また、取調べで自白した場合、(裁判所が)その自白に引きずられるかどうかについて、「裁判に影響を与える。証拠として採用してはいけない自白を採用すれば、それに引きずられて有罪のほうに心証が傾く。これは人間の自然な成り行き。証拠としてどういう証拠を裁判所はとるべきか、この判断が一番難しい。間もなく始まる裁判員制度にも決定的な役割を果たすと思う」と問題点を指摘しました。

筆者の感想
 熊本さんの「やっていないということに力を入れると余計な問題が発生する」という発言に大変興味を持ちました。えん罪を訴えている人たちは、自分がやっていないということを証拠を示して立証しなければなりません。

 しかし、関係者の調書や物的証拠のほとんど全部を警察や検察が握っており、弁護側の要請があっても開示する義務が課せられていないため、自分たちにとって都合の悪い証拠を開示せず、都合のいい証拠だけを出してくることができます。

 被疑者が無実を訴えても、その立証に大変な労苦を要することは、多くのえん罪事件の被害者が長い年月をかけて闘っていることを見れば、わかります。被疑者が本当に犯人かどうか、犯人といえるのかどうか合理的な疑いを残さない程度に証明できるかどうか。

 立証責任は検察にあるという熊本さんのお話は、裁判員制度導入を控え、取調べの完全録画・録音の導入も含め、大変参考になる意見ではないかとの感想を持ちました。

東京:ひらのゆきこ
    この記事の初出は日本インターネット新聞(JANJAN)です。

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2007年11月08日

裁判所が和解を勧めることのあれこれ〜薬害肝炎事件のニュースから [弁護士業について]  

http://www.so-net.ne.jp/news/cgi-bin/article.cgi?gid=soc&aid=20071107it06

大阪高裁が,薬害肝炎裁判について,原告と国の双方に和解勧告をした。裁判所の和解勧告というのは,訴訟法上は別に当事者は断ってもいいのだが,実際にはそれなりに重みがあり,特に国の側としては,そう無碍には断れない。

 私は,この事件で裁判所がリードして和解勧告して,特に国に対して指導力を発揮していることがとても良いことだと思う。現実的に,少しでも,被害者の人たちへの正当な救済に近づくだろうと思われる。

 さて,この高裁裁判官がどうだ,というわけではなくて,裁判官の中には,色んな個性があって,和解をよく勧める人とそうでない人というのもいる。

 裁判官の置かれる立場というのは,かなり大変なものだ。

 まず高裁は特にそうらしいが,多数の件数の事件を,しかも地裁で第1審をやった続き(つまり記録がパンパンにふくれあがっている状態)から,記録を精査し,自分なりに処理しなければならない。

 はっきり言って極めて多忙である。重労働,過酷労働である。

 そして,裁判は原則的には判決で終わる。判決とは,「勝ち」「負け」だけを言えばいいのではない。裁判官にとっては,判決書を書かねばならない。これは極めて大変な作業だ。薬害肝炎裁判の場合は判決書だけで膨大なページ数になるのは間違いないが,そんな事件でなくても一件一件,数十頁の判決書をしかも重要な証拠に対する評価を漏らさず,また,論理的にも欠陥を最小に防いで書かなければならない。

 さて,裁判官にとって,判決書を書かなくても済む方法がある。代表的には,当事者が裁判を取り下げるか,それとも和解が成立するか,という場合である。

 もちろん「判決書を書きたくないから和解を強く勧める」というのは本末転倒であって,今いる裁判官の人たちがそんな考えで仕事に臨んでいるはずはない,と思う。

 けれどもやはり頭の中には必ず「判決書を書くのには大変な時間と手間が掛かる」ということそのものは,自分で意識しなくても裁判官の中にあるのは間違いない。

 

 私が裁判をやっているとき,ときに,私の依頼者は「裁判所に判決を書いて欲しい」と希望しており,それを裁判官に伝えるのだが,(和解を勧めている)裁判官によっては,

「なぜ和解に応じないのか?
ということを,かなり強く,また何度も,言われることもある。こんなとき,その「勧告」の強さの度合いによっては,私も少し反発を覚え「当事者が和解をしないといっているのに,判決をするのが原則的な裁判の在り方ではないのか。」という気持ちになることもある。しかし,それでも,この先判決を書くとしても同じ裁判官だと思うと,余り派手に喧嘩をしたくないという気持ちもあって,そういうとき裁判官に逆らいがたい雰囲気になってしまうことも時々ある。

 

 裁判所が和解を勧めること。

 これは,やり方や程度,内容によっては,いいこともあるし,また,逆に,あまり適切ではないことも両方あると思う。

 上で私が挙げた例のように,「裁判官自身はこれがベストの解決と思って和解を提案し,またそれは客観的には確かにベストかもしれない。だが,当事者の心,立場をきちっと想像できていない。」と思われるような,独善的な和解勧告のやり方を,余りに強く,何度もなされたときには,民事裁判のあるべき姿が曲がってしまう恐れを感じるときがある。

 (民事裁判は,訴えるかどうかも,どういう主張をするかも,どういう証拠を出すかも,どういう形で終わらせるかどうかも,当事者=原告,被告の自分の意思で決めて良い,という原則になっている。

 「私のあなたの(利害に関する)裁判」だからだ。これが,当事者が心からは望まない形で終わるというのは良くない。)

 しかし,今回の大阪高裁の横田裁判官の和解勧告は,本当に当事者の立場を想像し考慮して,これが一番と思って,なされたものだ,と私は思う。これは,なんでも判決ではなくて裁判上の和解という途があることが,役だった例だと思う。

 

 上でも述べたとおり,裁判官の仕事は,本当に大変な仕事だが,判決であれ,和解であれ,とにかく当事者の立場への想像力をしっかり働かせていただいければ…といつも私は思っている。

 もっと言えば,裁判官の激務状態を,条件面においてもう少し解消できたら,もっと,それぞれの裁判官が当事者への想像力を働かせやすくなるだろうにな,と思っている。(法律家の人口を増やす政府方針にあっても,実は,裁判官の増員は予定されていない。受け入れる設備への予算がかかるからだ。これは重大な問題だ。)

神戸:村上英樹  弁護士村上英樹のブログ

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2007年11月02日

転勤辞令」で組合員いじめ? 〜郵政民営化 光と陰(後)

 郵政民営化がはじまる1カ月ほど前のころ、千葉県野田市にある野田郵便局集配営業課の山崎康史主任は憔悴しきっていた。仕事から帰れば、風呂にも入らず、テレビをつけたまま畳の上で寝た。夜中、頭痛がして薬を飲んだ。胸からこみあげるものがあって吐いた。娘の小学校最後の運動会は10分ほどしか見られなかったことを思い出す。           中央郵便局.jpg
郵政民営化にいたる前から郵政事業にはさまざまなひずみが生まれていた。色あせていく信頼を回復できるのか(イメージ画像、東京中央郵便局、撮影:山口朝)

 2006年4月10日、同じ野田市の川間郵便局から野田郵便局に着任したこの日の午後、山崎主任は局長室で着任のあいさつをした。野田郵便局長に辞令を渡し、局長は無言で山崎主任に返した。辞令を受け取った山崎主任の胸中にあったのは、「強制的にこの郵便局に配転された」という、以前いた郵便局の郵便課長らに対する怒りだった。

 その日の午前中、山崎主任は野田に移る前の川間郵便局の局長室で人事異動通知書を受け取ることになっていた。局長が通知書を読み上げたあと、山崎主任は背広から手帳を取り出した。

 山崎主任:山崎本人の意思を無視して、野田局の人事異動の命令は納得できませんので、認められません
 局長  :受け取りなさい
 総務課長:効力は変わりません
 局長  :どうぞ受け取ってください
 山崎主任:認められないので。話し合いましょう
 局長  :どうぞ受け取ってください
       (中略)
 総務課長:受け取りなさい
 局長  :このまま置きますか

 そして山崎主任は人事異動通知書を受け取った。局側の資料ではこのやりとりのあと、「辞令交付終了」とはっきり書かれている。

 山崎主任は1984年4月に川間郵便局に着任して以来23年、同局で勤めてきた。同局は転勤にあたって、山崎主任の家庭事情を考慮し、同局から直線距離で5、6km離れた同じ市内の野田郵便局を選んだという。転勤の2カ月前に山崎主任が提出した職員申告書で、現在の勤務地から離れたくないと書かれているにもかかわらずである。

 かつては大きな影響力をもった全逓信労働組合(日本郵政公社労働組合)から脱退し、新たに郵政労働者ユニオンという労働組合に加入していた山崎主任は、昨年4月5日、組合員として総務課長らに転勤の異議を申し立てた。

 総務課長は「組合員としての照会であるならば人事に関することは管理運営事項ですから応対できません」と退けるも、「ただし、一職員として話がしたいのであれば、話は聞きます」と応対した。山崎主任は、野田郵便局はいまの職場より遠く、残業も多い、さらに家族の体調不良などをあげて、転勤を取り消してもらうよう伝えたが、話し合いの決着はつかなかった。

 山崎主任は、これを不当な転勤、「労働組合員に対するいやがらせ」であるとして人事院に公平審査の訴えを起こした。今年9月19日から3日間にわたって行われた審査のなかで、川間郵便局側は「いやがらせ」を否定しているが、とくに注目されたのは、対話育成シートと呼ばれる転勤にあたって参考にされた資料を、局側が改ざんしていた疑いがある点だった。

 この対話育成シートは、2006年3月8日、17時45分から10分間行われた山崎主任と川間郵便局の郵便課長の対話を記録した手書きの資料で、山崎主任の代理人が追及したのは、対話のなかで山崎主任が発言していない部分が書き加えられていた問題だった。

 郵便課長:それぞれの家庭に色々な事情があると思いますが、人事異動の対象になった場合異動して頂きます。
 山崎:他にも古い人がいますけど。
 郵便課長:そうですね。その方も、全員が人事異動の対象になった場合は、同じように異動して頂きます。

 資料では、上のやり取りの直後、山崎主任の発言として「分かりました」と欄外に記載されているのだが、山崎主任は転勤の了解をしていない上に「分かりました」と発言していないというのだ。また、ローンについて書かれた部分では「車のローンがあります」と答えたことになっているが、山崎主任本人は車を持っていないし、ローンも組んでいない。

 いま公平審査は、これらのやりとりが録音されたテープを書き起こして証拠として提出済みであり、年内か来年のはじめには審査結果が出ることになっている。山崎主任が代表を務める映画上映のボランティア団体「シネマクラブのだ」が地域から署名を集めたところ、山崎主任をかつての職場に戻して欲しいという要望が350人を超えた。

(黒井孝明)
前回記事:19歳郵便配達員はなぜ自殺した〜郵政民営化 光と陰(前)
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2007年10月24日

19歳郵便配達員はなぜ自殺した〜郵政民営化 光と陰(前)

郵政民営化が本格化した。小泉純一郎・元首相が「改革の本丸」と位置づけ、2003年の公社化とともに現場に導入されたトヨタ方式など、次々と変わりつつある郵政事業だが、現場の悲鳴はそれにつれて高まっている。

 無駄な作業を徹底的にはぶくためトヨタ自動車の現場管理システムをヒントにした「JPS(ジャパン・ポスト・システム)」は、今年10月からの民営化を焦点に郵政の現場に導入された。それに先立って、モデル局として指定された郵便局のうち、「トヨタ方式の総本山」と呼ばれるのが、埼玉県越谷市大沢にある越谷郵便局である。

 翻って、今年6月27日の夕方6時ごろ、元荒川が市街を通り、人口32万人が住む越谷市のあるマンションの7階から、当時19歳のAさんが飛び降り自殺した。

 Aさんは親子3人暮らしの1人息子。15歳のときにゆうメイトと呼ばれるアルバイト配達員として越谷局に採用され、昼間は自転車で配達をし、夜間は定時制高校に通っていた。

 今年3月に定時制高校を卒業後、原付のバイクに乗り換え、それまで5、6時間だった勤務時間から8時間へと、一般職員と同じ勤務時間に変わった。ゆうメイトとしての彼の立場は変わっていない。

 バイクの運転にはなかなか慣れなかった。よく配達中に転んでケガをしていたという。こうした中、マンションから飛び降りる1ヶ月前のこと、Aさんは人身事故を起こしてしまったのだった。(越谷郵便局の説明では自転車同士の接触事故)

 郵政公社の資料によれば、郵便配達員の交通事故は、2004年だけで125件にのぼる。目立つのは飲酒運転。人身事故、スピード違反などが続く。

 相手は軽症だったというが、Aさんは越谷局放送室の局内放送で、局側の作成した謝罪文書を読み上げさせられた。局員のあいだでは「日勤教育」とひそかに呼ばれているという。

郵便局イメージ.jpg
旧来の郵政事業が民営化された。しかし、小泉政権の光と陰の部分はここにも顔を出す。
◇ ◇ ◇

 

 自殺当日。午前中、Aさんはエクスパックと呼ばれる定形小包郵便物をあるアパートに間違って配達してしまう。本人は途中で気づいて回収に行ったが、その住人は「そんな配達物は受け取っていない」と答えたという。

 局に戻ったあと、課長、課長代理から厳重に注意され、夕方、課長とともに謝罪に行くはずだった。しかし、Aさんは配達途中に自殺してしまう。事件のあと、越谷郵便局は局内に緘口令を敷く。Aさんの死から6日後の月曜、はじめて朝礼で説明を行った。

 「仕事はいつも定時で終わっていた。自殺の原因はわからない」

 そういう内容の説明だった。しかし、当時、Aさんの所属していた班では残業が当たり前だったにもかかわらず、タイムカードは定時で退勤とされ、この事故に詳しい関係者は自殺の原因について「確定はしていないが、パワーハラスメントだと思われる」と無念そうに述べている。

 以上はあくまで匿名の越谷局員から聞き取った事件の状況である。しかし、越谷局の総務課長は以下のように説明する。

――自殺の原因をどう考えているか。
総務課長:これといった原因というのは特定できていない。

――緘口令、残業の常態化、サービス残業の事実はあったのか。
総務課長:9月に越谷局に配置されたばかりで詳しいことはわからない。当時の記録を読んでみたが、緘口令はないと思う。残業の常態化はあり得ない。残業はあることはあるが、定時は16時45分と決められている(サービス残業はない)。

――謝罪の文面を読み上げる局内放送については。
総務課長:謝罪というものではなく、事故をどこでどういう状況で起こしたのか、などを局内放送で説明するものだから、「あの場所は気をつけなければならない」というような効果は認められる。

――遺族にはどのような対応をしたか。
総務課長:何回か会って説明をしている。私もお会いしている。自殺の原因がつかめなかったこともあって、「どうしてなんだろう」という反応だった。

 後編は、労働組合に関係していた郵便職員を、局側が強制的に配転しているという疑惑について報告する。

東京:黒井孝明

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2007年10月10日

「西山太吉訴訟」控訴審、証人申請を却下 傍聴報告

西山太吉国家賠償訴訟」の控訴審第2回口頭弁論が10月3日午後、東京高等裁判所で開かれました。           

東京高等裁判所(田中龍作撮影)
田中龍作撮影.jpg

出廷したのは、裁判官3名(大坪丘裁判長・宇田川基裁判官・新堀亮一裁判官)、控訴人側2名(控訴人本人の西山太吉さんと、控訴人代理人の藤森克美弁護士)、被控訴人側3名(国指定代理人)、書記2名。約35人が傍聴していました。

沖縄密約
 35年前、沖縄の返還交渉で日米政府が密約(米国が支払うべき原状回復費400万ドルを日本側が肩代わりする)を交わしていたことをスクープした西山太吉さん(当時、毎日新聞記者)は、国家機密を漏洩したとして、(密約を示す電信文を提供した)外務省女性事務官とともに有罪判決を受けました。00年と02年、密約を裏付ける公文書が米国で発見され、西山さんは、05年4月、損害賠償等を求め、国を提訴しました。

一審は除斥期間を理由に門前払い
 2年間の審理を経て07年3月に東京地裁で出た判決は、被告側(国)の主張を全面的に認め、除斥期間の20年を過ぎたことを理由に、原告側の訴えを棄却するというものでした。裁判の争点であった密約の存在には言及せず、中身についても審理せず、いわば門前払いをした東京地裁の判断に対し、司法の役割を放棄するものとして、新聞各紙などから厳しい批判の声があがりました。

 裁判が始まって1年目、当時、交渉に当たった日本側事務方トップの外務省アメリカ局長だった吉野文六氏が、北海道新聞記者の取材に、密約を認める発言をしました。さらに、河野洋平外務大臣(当時)が朝日新聞記者の取材に、吉野氏に対して口止め工作をしたことも明らかにしました。

 米国の公文書に続き、交渉の当事者であった吉野氏が自ら密約を認めているにもかかわらず、一貫して「密約はなかった」とウソをつき続けている日本政府に対し、政権寄りの偏向報道との批判の多い読売新聞までも、「政府はもう密約を認めてもいいのではないか」と社説で批判しました。

控訴審始まる
 原告側は07年4月、東京地裁の判決を不服として控訴、7月23日に東京高裁で第1回口頭弁論が行われました。藤森弁護士の傍聴報告によると、控訴人側からは、控訴の理由書、証人申請(吉野文六氏と、吉野氏に口止め工作をした河野洋平・元外務大臣)、準備書面、西山太吉著『沖縄返還―「情報犯罪」』が提出され、被控訴人側(国)は、答弁書で反論し、本件控訴には理由がないとして棄却を求めました。

吉野氏らの証人尋問申請は却下
 今回の第2回口頭弁論では、控訴人側が求めていた吉野氏らへの証人尋問について、裁判所の判断が眼目であるとの印象を持ちましたが、その期待もむなしく、大坪裁判長によって告げられたのは、「証人尋問の必要はないというのが裁判所の判断」というものでした。裁判は、わずか10分にも満たない短いもので、証人申請却下を裁判長が告げたほかは、双方が提出した準備書面の確認と次回の期日を決めたことだけで、終了しました。

弁護側の説明会
 閉廷後、藤森弁護士の説明会がありました。藤森弁護士によると、吉野氏と河野氏のほかに、検事3名(西山さんの刑事裁判の担当検事)の尋問申請もしていたそうです。しかし、いずれも「その必要はない」と却下されました。その理由について、藤森弁護士は一連の「吉野発言」は新聞などで報じられていること、また、外務省が吉野氏に対して守秘義務違反等の抗議をしていないことから、あえて証人尋問という形をとらなくてもそれが事実であることが分かる、という裁判所の判断があったのではないか、との説明がありました。

 また、西山さんがスクープした原状回復費400万ドルの位置づけについて、控訴人側は、それが国家機密であっても保護に値する秘密ではなく、佐藤(栄作)政権の権力犯罪そのものであり、当然、(西山さんは)無罪であると主張していること、それに対し、国側は仮に密約があったとしても有罪は変わらないとしていることなど、双方の主張の争点について説明がありました。藤森弁護士はまた、1962年の日米共同声明で大枠がすでに決まっていたことは客観的事実である、と述べ、裁判所がどう判断するのか、もし、一審と同じように除斥期間からスタートすれば(控訴人側は)裁判所に対し、判断に遺漏があったと主張する方針についても言及しました。

結審は
 「次回で結審か」との質問が出ましたが、藤森弁護士は「次回で必ず結審する」と答えました。国側が答弁書の中で、仮に密約があっても有罪判決は覆らない、と言っていることについて、「それは間違っている」と藤森弁護士は反論しました。

 西山さんも、「この秘密は保護に値しない。違法秘密であるとこちらは主張している」と述べました。また、国側が密約だけでなく、仮に違法行為があったとしても20年以上経過している、と除斥期間でもガードを固めていることに対し、「違法であるか否かを審理するのが司法の重大な役割であり、違法があったとしても関係ないとするのは司法のレベルの低さを露呈したもの」として厳しく批判しました。

筆者の感想
 西山さんは大変お元気そうでした。沖縄を初め全国各地で講演などを活発に行っているらしく、10月9日には新潟の大学で、西山さんが07年5月に著した著書『沖縄密約―「情報犯罪」と日米同盟』(岩波新書)について200人の学生に講義をするそうです。この本は、内容が大変分かりやすいという評判で、本を読んだ学生たちから「とても分かりやすかった」という感想文が寄せられているそうです。この本を読んだ高校生からも、同様の感想が寄せられているということでした(筆者注:『沖縄密約―「情報犯罪」と日米同盟』は版を重ね、現在第3刷)。

 世代を超え、多くの人が西山さんのこの著作に関心を寄せるのは、大変複雑で難しい問題を、「みんなが読んで分かるように工夫して書いた」と西山さんが述懐しているように、高校生が読んでも分かるような内容であると同時に、日米軍事同盟の強化や、グアム移転費を含む米軍再編の費用3兆円を日本が負担するといった、著しく不均衡な現在の日米関係の出発点が、この沖縄密約にあることを、多くの人たちが理解しているからだと思います。その意味で、この裁判は極めて今日的な裁判であることが分かります。

東京:ひらのゆきこ
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2007年09月11日

北九州市福祉事務所長を刑事告発

8月23日から25日まで北九州市に行ってきた。
もともとは、北九州市でネットカフェ調査を行う人たちへの講演が目的だったが、偶然にもその滞在中に刑事告発することが決定した。

告発したのは、364個人と4団体。告発されたのは、北九州市小倉北福祉事務所長を勤めていた菊本誓氏である。罪名は、保護責任者遺棄致死罪と公務員職権濫用罪。
告発状の起草や告発人の集約などは、私も幹事の一人である生活保護問題対策全国会議(代表:尾藤廣喜弁護士)がやった。告発文や関連する新聞記事などは、その全国会議のホームページで見ることができる。
http://seihokaigi.com/default.aspx

なんで刑事告発などという仰々しい事態に立ち至ったのか、そこまでやる必要があったのかについては、来週発売される週刊金曜日に書いたので、そちらを読んでいただきたい。

ここでは、24日の告発前に男性宅を訪問したときの印象を少し。
写真で見た人もいるだろうが、ひどい家だった。
「昔からの炭鉱長屋」ということだが、隣の家は当然ながらそれなりにきれいにしている。
でも、亡くなった人の家は、屋根が破れ、床は抜け、玄関引き戸にちゃんとガラスもはまっていないような家だった。
「あばら家」というものを、私は初めてこの目で見た。
そして、閉まらない引き戸から屋内をのぞくと、死臭がした。

死ぬ以前の問題じゃないか。そう思った。
生活保護を廃止されて亡くなったという「大事件」の前で、この家の問題は消し飛んでしまって問題にされることはない。
でも、訪問した人間は全員感じている。「この家に、このまま住まわせていたことだけで十分犯罪ではないか」と。

彼は、去年の12月から今年の4月まで生活保護を受けていた。
生活保護を始めるときには、必ず福祉事務所職員の家庭訪問がある。
担当職員は、最初にこの家を訪れたとき、なんとも思わなかったのか・・・。

そう、なんとも思わなかったのだ。たとえ思ったとしても、北九州市の生活保護行政では、アパートを引越すお金を出すことなど、とても上司に進言できる雰囲気ではないのだ。
なんと言っても、生活保護受給者が一人死ぬと、仕事が一つ減ったと言って喜ぶ、と証言されているところなのだから。

北九州市はいつも、それが自分たちにはどうしようもない事故だったのだと、自分たちも残念に思っているのだ、と言ってのける。
でも、それがうそっぱちだろうということを、その家が示している。
その家がそのままの「あばら家」状態で残されているという事実が、北九州市が市民を、生活保護受給者をどう見ているかを示している。
たとえ本人は言えなくても。
東京:湯浅

この記事の初出は特定非営利活動法人・自立生活サポートセンター・もやいです。
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2007年09月02日

北九州市福祉事務所長"餓死事件"で刑事告発される

 今年7月、北九州市で生活保護を打切られた男性(52歳)が餓死した問題で、法律家や福祉関係者らが先月24日、北九州市の福祉事務所長を「公務員職権濫用罪」と「保護責任者遺棄致死罪」で福岡地方検察庁小倉支部に刑事告発した。

 告発されたのは北九州市小倉北福祉事務所の菊本誓・所長。弁護士らで作る「生活保護問題対策全国会議」が告発者364人を募った。告発状が受理されたのを受けて「全国会議」は先月24日、厚生労働省記者クラブで会見を開いた。

 告発状によると―

 菊本所長は指導助言の権限に名を借りて被害者に厳しい就労指導を繰り返した上、辞退届を書かざるを得ないと思い込ませ、作成させた。こうして生活保護を廃止したことは被害者の生活保護受給権の侵害にあたる。公務員職権濫用罪(刑法193条)である。

 被害者の男性は単身孤独で健康上の理由から就労できず、経済的自立のめどもなく、生活保護を打ち切ればたちまち急迫する状況にあった。にも関わらず辞退届けを出させて保護を廃止した。保護廃止後も男性が窮迫した状況に陥っていないかを確認する義務を負っていたにも関わらず放置した。身体の一部がミイラ化する常態で餓死させた。保護責任者遺棄致死罪(刑法219条・218条)にあたる。

                        ―以上告発状

 マスコミで報道されたように、北九州市の生活保護行政は「適正化」の名の下、徹底した保護費削減を行っている。窓口を訪れた保護申請者を追い返すマニュアルまで備えている「水際作戦」は全国的にも有名だ。

 窓口に訪れた人が申請に至る申請率は全国平均が30.6%であるのに対し北九州市は半分の15.8%だ。申請率の低さが北九州市の「水際作戦」の厳しさを物語っている。

 男性は肝炎、糖尿病、高血圧などを患っていたが、嘱託医が「就労可」と診断したため就労指導した―北九州市はこう説明している。

 ところが「生活保護問題対策全国会議」によれば、担当医師は「そんな診断はしていない」と言う。

 「生活保護問題対策全国会議」は7月26日、厚生労働省に対して、「餓死事件」についての公開質問状を出している。回答がないので再度公開質問状を出した。質問状は独自の調査結果などに基づく丁寧な資料でもある。相当の時間と労力がかかっているはずだ。

厚生労働省.jpg 筆者は「全国会議」の猪俣正、川井理砂子、森川清弁護士と生活保護を打切られた男性(52歳)が餓死した問題で共に24日、厚労省の社会援護局を訪問した。対応したのは机の位置からして係長か課長補佐である。対応といっても部屋の奥からぶっきらぼうに答えるだけだ。40歳になるかならないか。明らかにキャリア官僚である。

弁護士「質問状のお答を聞きにきました」
官僚「答えたくありません」

弁護士「私たちの話だけでも聞いていただけませんか?」
官僚「時間がありません」
弁護士「聞きたくないということですか?」
官僚「はい」

 『けんもほろろ』とは、まさしくこういうことだ。厚労省で国語の勉強をするとは思わなかった。この人たちはどちらを向いて仕事をしているんだろうか?

 『同じような事件が再び起きるのでは…』と危惧しながら厚労省を後にした。

(田中龍作)


この記事の初出は日本インターネット新聞(JANJAN)で同社との提携により掲載。
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2007年08月18日

勝訴率が100%に極めて近い事件〜サラ金への過払い請求 [弁護士業について]  

 弁護士の仕事は,もめ事があれば,どちらかの代理人になって,話し合ったり,訴訟で戦ったりすること。

 ものを見る角度が変われば景色も変わるものですから,それぞれの立場に立てば,それなりの「言い分」がある。

 ですから,それなりに「正しい」者同士の戦い(少なくとも本人達はそう思っている)であることが多く,だから,「勝つか負けるかやってみなければわからない」ということが多い仕事です。

 ところが,私が受ける中で,

100%に限りなく近い確率で勝つ事件(というか,私の経験だけでいえば100です)があり,それは,サラ金に対する過払い請求「グレーゾーン金利」の計算し直し事件です。

 以前,グレーゾーン金利について日記を書きました。これ→http://blog.so-net.ne.jp/h-m-d/2006-06-20

 私の所属事務所(神戸シーサイド法律事務所)のHPから抜粋↓

 (弁護士による借金整理について)

 サラ金業者は,利息制限法の制限利率(例えば30万円や50万円の借金ならば18%)を上回る利率を取っています。
 弁護士による交渉により,同法の制限利率を上回った部分については,利息として認めないという主張を行って,借金を減額することを求めます。

 10年くらいの長期の借金の場合には,残高がゼロになるだけではなく,払いすぎになっており,逆に顧客が業者に返還を求める額が,数十万円に上る例も珍しくありません。(抜粋終わり)

 http://www.kobeseaside-lawoffice.com/saimuseiri.htm

 

 近年に最高裁で出された判決によって,この問題については全サラ金会社について決着がついたと言っていい状態になりました。

 つまり「とりすぎた利息は返せ」という結論が裁判所の態度としてハッキリしたということです。そして昨年の貸金業法改正を受けて,大手のサラ金も利息制限法の利率に変更する方針を打ち出しつつあります。これは本当にいいことです。



  しかし,知らない人も多いと思われますが,その前から,殆どの業者について「とりすぎた利息は返さなければならない」という最高裁判決はあったのです。

 つまり,

訴えられたら負ける可能性が極めて高い

ことを承知で,高金利を貸し付けていたというのがサラ金会社(大手含めて)の実態でした。そういう事件を担当してきた弁護士としては,これがいつわりのないところです。



 私の事務所に来てくださる方の中で,10年以上も29%くらいの利息を頑張って支払っておられた方もいます。

 事務所に来られたときはとても疲れた顔でおられますが,蓋を開けてみてビックリ,業者は法律・裁判所が認めない金利を取っていて返さなければならない。それで,逆に数百万円を取り戻すこともあります。それも,弁護士が入ればハッキリ言って数ヶ月以内に解決することが多いです。うそみたいな話です。

 依頼者さんの顔は,最初と見違えて晴れ晴れされることが多く,それはとても嬉しいことです。

 ですが…

 こんなのおかしいのじゃありませんか??

 そりゃ,弁護士として,人の役に立てたのは嬉しいけど…

 この人は10年以上もただ「無知」だっただけで,お金に苦しんで,毎月返済でやきもきして,きっとそのせいで体調崩すことも,人とケンカすることもあったはずで…

 そんな世の中自体が「だまし」じゃありませんか??

 適法なルールの中の競争社会で上手く立ち回れないので苦労しました…これだって気の毒だけど,「過払い」利息の問題はそんなレベルじゃない。

 ただ,無知なゆえに,ルールと違うことを「しかたない」と思わせられて,法律が認めない状態で苦労に苦労をして十年以上という人がいる世の中…異常ですよ。

 法の支配が,全然行き渡っていなかったということ。



 金融業そのものは銀行もしていることで,もちろん全ての借金が悪というわけではないとは思います。

 ですが,一般消費者相手に金融業を営む(サラ金など)に対しては,今までの経営方針(無知な顧客から法や裁判所が認めないような高金利=グレーゾーン金利をとってよしとしてきた方針)について,猛烈に反省をしていただきたいと思います。

 また,とりすぎた利息については,速やかに顧客に誠意を持って返していただきたいと思います。



 お金が全てじゃありませんが,お金に困ると色んなことに支障が出ますよ。夫婦喧嘩も増えるし,悩みが頭にずっとあったら体にも良くないし,人に優しくなんか,なかなかなれない。

 そんな社会を作ってきたのは一体だれでしょう?

 

 「勝てるに決まっている」事件がこんなにゴロゴロあるなんて,異常なんですよ。おかしいんですよ。

 こんなけったいな事件は早くなくさなければなりません。

 それとともに,こんなおかしな「グレーゾーン金利」でも,必死にサラ金業者をかばって,裁判所も認めなかった「高金利」を守ろうとした人たちが,国会議員たちにも財界人にもたくさんいたことは重要なことです。

 

 この問題のことなんかを考えると,異常なことをズバッと異常だ!と鋭く言い続ける。こういうことは社会にとって極めて大切なことだとおもいます。
神戸:村上英樹
 
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2007年08月16日

中国残留孤児の夏 62年目の報い      

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厚生労働省前.jpg 中国残留日本人孤児2210人が、帰国が遅れ現在も不自由な生活を強いられているのは、政策の誤りだったとして日本政府を相手どって損害賠償と謝罪を求めていた集団訴訟は、近く和解する見通しだ。満州に置き去りにされ辛酸をなめつくした残留孤児たち。彼らの筆舌に尽くし難い労苦は、62年目にして報われることになるのだろうか。

*  *  *

 中国残留日本人孤児だった過能国弘さん(62歳:東京都墨田区)は、「毎年8月15日が来ると私たちはあの戦争の犠牲になってきたと思う」と語る。

 過能さんは満蒙開拓団の父母のもと1945年4月21日、中国黒龍江省甘南県に生まれた。日本がポツダム宣言を受諾するわずか3ヶ月余り前のことである。敗戦時の混乱の中、父親は中国人武装集団に殺され、母親は、生まれたばかりの過能さんを置き去りにして日本に引き揚げた。

 過能さんは現地の中国人夫婦に拾われたが、養父は大地主だったため、2年後の47年、中国共産党によって銃殺された。養母は再婚。過能さんにとって2番目の養父となった。
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厚生労働省前前A.jpg学校は7歳から19歳まで行かせてもらった。中国では子供は農家の労働力であるため、中学校中退か小学校卒業が多かった。「私は残留孤児の中でも幸せだった。恵まれていた」と過能さんは話す。「あいつは日本人だ」と周りから言われるので母親に確かめると「お前は私の子だ。日本人ではない」。両親の愛情に育まれながら高校をトップクラスの成績で卒業した。

 そんな過能さんに転機が訪れたのは大学受験の時だった。身分調査で日本人であることが分かったのだ。大学はどこを受けても落ちた。

 「日本人と分かった時は不思議な気持ちだった」「周りは中国人なのになぜ私だけ日本人」。白い目で見られた、という。

 「それからは地獄だった」。19歳から27・28歳まで肉体労働に従事した。その後、定職を見つけたが砕石工場の爆破係。危ない仕事だった。次に中学校で2年、高校で3〜4年、教鞭を取ったこともある。
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国弘さん.jpg1972年、日中国交回復。過能さんは27歳になっていた。74年頃から日本の肉親を探し始める。

 愛知県にある引揚者がいて残留孤児を探していた。過能さんは甘南県公安局からそれを教えてもらい、引揚者に手紙を書いた。1981年、その甲斐あって「第1次肉親探し」で来日。

 初めて日本の地を踏んだが7年前(74年)に実の母親は亡くなっていた。

 テレビ出演がきっかけで兄3人、姉2人と再会を果たした。手の形、顔も似ている。胃が弱いところまでそっくり。通訳が「間違いない。あなたの兄姉だ」。涙が止まらなかった。「とても嬉しかった」。

 養母も2番目の養父もすでに鬼籍に入っていた。姉(中国人)が「日本に帰った方がいい。中国にいてもいいことはない」と説得してくれた。別れはつらかった。

 日本に帰ろうと決めたが、大変なことが発覚した。戸籍がないのだ。というのも過能さんが生まれた頃(1945年4月)、本土は連夜のように空襲に遭っていた。郵便は届かなかったのだ。

 一番上の兄(現在80歳)がいろいろ手を尽くして戸籍を作ってくれた。肉親が判明して帰国の途につくまで一年半が過ぎていた。過能さん37歳。

 「日本でやり直そう」。北京空港で飛行機のタラップを踏む時、期待と寂しさが入り混じった。
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残留孤児800人.jpg1982年10月、過能さんは中国で結婚した妻と共に成田空港に着いた。「これからが大変だ。言葉も通じないし、仕事が見つかるだろうか」。不安が胸を締め付けた。

 帰国直後の住居は江東区葛西の常磐寮(都の施設)。半年間いた。午前中は日本語教室で学ぶ日々だった。寮では過能さん夫妻を含めて7〜8家族が生活していた。
 
 83年3月から墨田区の都営住宅に居を構えた。生活保護の支給を受けながら日本語を勉強し、品川の職業訓練学校に通った。
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戦争に捨てられ、厚労省に捨てられた.jpg職業訓練学校で中国残留孤児は過能さん唯一人。当然授業は日本語だけだ。にもかかわらず4種類も免許が取れた。先生が親切だったからだ。小林先生。過能さんは今でも先生の名前を覚えている。

 就職は難しかった。日本語ができないのが大きなハンディだった。年齢はいうまでもない。だが小林先生の紹介で冷蔵庫、温蔵庫のメーカーに就職できた。葛飾区にある従業員35〜36人の中小企業だった。

 仕事は組立て作業。最初から完成するまで一人で組立てる。「電源を入れて動くと感動した」。過能さんは目を細める。給料は月額で25万円位になった。

 仕事のやりがいもあり人間関係も良かったが3ヶ月でメーカーを辞めた。日本語を話す機会がなかったからだ。その後ビルの設備会社に移った。従業員同士の会話もあり、現在も勤務している。

 妻は言葉が通じず、日本の生活になじめなかった。来日9年目で離婚。中国に帰っていった。
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国弘さん.j.jpg「苦労したのは、やっぱり言葉」。過能さんは噛みしめるように語る。

 訴訟に加わっている残留孤児2200人のうち、過能さんのように不自由なく日本語を話せるのはわずか100人ほど、という。帰国時の平均年齢は45歳以上というから、「日本語を上手に話せ」という方がどだい無理かもしれない。

 残留孤児たちは、中国での生活環境も厳しく、食べるものも十分でなかったのだろう。普通の日本人と比べると十歳近く老けて見える。

 弁護団と原告団が残留孤児の生活状況についてアンケート調査した(原告2200人のうち1779人が回答)―

・帰国時に50歳以上だった孤児の生活保護時給率…80%超。
・帰国後の就労経験がない…37.2%
・就労経験があっても肉体労働…全体の3分の2
・日本語の文章が書けない…72.4%
・読めない…61・7%
・交通機関を利用できない…15.1%

 孤児たちは―
 政府は自分たちの存在を知りながら長い間放置してきた。やっとの思いで帰国した後も、日本人として生活するのに必要な施策を実施してこなかった…などとして、日本政府を相手取り損害賠償と謝罪を求めることにした。2002年末、東京地裁を皮切りに全国15の裁判所で2200人もが提訴する集団訴訟となったのだ。

 政府は2007年夏をメドに和解に持っていく方針だった。ところが厚生労働省の「和解素案」は、生活保護とほぼ同じレベル、支給条件だった。あまりにもみじめだった。日本政府の不作為で自分たちは困窮している。その改善を求めて起こした訴訟なのだ。訴訟の意義を全く無視したような厚労省の「和解素案」だった。

 「人間の尊厳を返せ」。原告団は激怒し5月末から数日間、厚生労働省前で座り込み抗議をした。

 過能さんによれば今なお、ひと月に一度福祉事務所の職員が「収入認定」のために家庭訪問してくるという。日本のテレビは言葉が分からないので、中国のドラマを見るためにパラボラを付けたところ、福祉事務所に叱られた孤児もいた。

 原告・弁護団の抗議、ねばり強い政治折衝に、与党作業チームは先月はじめ、支援策をまとめ提示した。孤児1人につき基礎年金(6万6000円)と、生活支援金(8万円)を足した金額計14万6000円が支給されることになる。生活保護ではなくなる。原告・弁護団は与党作業チームの支援策を受け入れることにした。

 過能さんは「満足ではないが、これ以上要求するのは難しそうだ。与党が頑張ってくれた」と淡々と話す。

 それでも「謝罪の言葉が総理から欲しい」と声を大にした。

画像@:厚生労働省前(撮影:いずれも筆者)
画像A:厚生労働省前
画像B:過能国弘さん
画像C:日本各地から残留孤児800人が集まった厚生労働省前
画像D:「戦争に捨てられ、厚労省に捨てられた」と激怒する残留孤児。
画像E:過能国弘さん
東京:田中龍作

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2007年07月25日

中越沖地震に見る日本人の「良寛精神」

1 中越沖地震の悲劇

 2007年7月16日午前10時13分過ぎ、また新潟中越地方で、大災害が起きてしまった。M6.8の大地震は、すぐさま「中越沖地震」と命名された。それにしても、この地方での災害の頻発は、そこに住む人々からすれば、「どうしておらが村だけ、こんな目に遭わなければならないのさ」と天に向かって怒りをぶちまけたい気分になるところだろう。

 一連のニュースを見る限り、被災の人々は、信じられないほど冷静に映った。また大きな地震の大きさの割には、総務省消防庁(7月17日7時00分現在)調べで、「死者9名、行方不明1名、負傷者929名、住家全壊342棟、住家半壊97棟」(気象庁HPより)という被害は、思いの外に少なく抑えられたのではないかと思えた。これは、04年10月の「中越地震」の学習効果や、行政と地域住民の地震に対する普段の備えが功を奏したと言うべきかもしれない。

 ただ、死亡者9人(柏崎8人、刈羽村1)のほとんどが70歳以上の高齢者(71歳から83歳)で占められていたことは、やはり気になる。NHKのニュース(17日午後7時)によれば、柏崎市の死亡者のうちの4人は「災害時要援護者名簿」(*注)に記載された人だっにもかかわらず、市側はプライバシーの問題などから、援護者を特定していない状況だったという。このあたり、もう少しキチンと対応していれば、被害者数はもっと少なく抑えられた可能性もありそうだ。

2 越後の人良寛さんの励まし

 ところで、越後の人良寛さん(1758-1831)に、

 いつまでか何嘆くらむなげけどもつきせぬものを心まどひに
(現代語訳:いつまで何を嘆くのですか。嘆きは尽きせぬものなのに。そんなに心を惑わせて)

という歌がある。

 これには、詞書(ことばがき:歌の前に置く説明文のこと)があり、

 「こぞは疱瘡(ほうそう)にて子供さはに失せにたりけり。世の中の親の心にかはりてよめる(現代語訳:去年は、疱瘡という病で子供たちが沢山亡くなってしまった。そこで世の中の親に変わってその心を詠んだ歌」とある。

 つまり、これは良寛さんが、疱瘡(天然痘)という病によって、子を失った世の中の親たちを慰めるために詠んだ歌なのである。

 歌は、とても平凡な慰めの言葉である。しかしこの奥に良寛さんという人物の優しさが込められていることが尊い。良寛さんは手紙の端に、この歌を書き、大切に大切に育ててきたわが子を流行り病で失ったことを共に悲しみ、そしてその現実を受け入れ、そこから静かに離れることを歌に託して諭したのである。

 良寛さんの時代から、越後中越地方は、度々大地震の災害に見舞われるところだった。良寛さん自身、出雲崎の大商家「橘屋」の長男として生まれ、15歳で元服し、跡継ぎ修行に励むが、商売が合わないことで、18歳で禅寺に出家をしたようなとてもナイーブな人物だった。

 その後、実家の父は京都の桂川で入水自殺を遂げ、良寛さんの実弟が生家の跡目を継いだが、ついには没落してしまうのであった。

 その時にも、良寛さんは、生家の没落をさせた実弟を優しい眼差しで見つめ、励まし続けた。

 また文政11年(1828)11月12日に起きた三条大地震では、末の子を亡くして悲嘆にくれる友には次のような手紙を送っている。

 「地震は信に大変に候。野僧草庵は何事もなく、親るい中、死人もなく、めで度存候。うちつけにしなばしなずてながらへてかゝるうきめを見るがはびしさ。しかし災難に逢、時節には災難に逢がよく候。死ぬ時節には死ぬがよく候。是はこれ災難をのがるゝ妙法にて候。かしこ」(良寛全集 下巻 東郷豊治編著 東京創元社 昭和34年刊)

 何と、心のこもった手紙だろう。そして禅者らしく、災難に遭う時節というものもある。そんな時には災難もまた人生修行の一興(いっきょう)として受け入れることを説くのである。そしてそれこそが災難を逃れる妙法とまで言い切る。

 中越の有為転変の一切をわが事のように、共に悲しみ、涙を零し、そして温かい中にもちょっぴり厳しさを含んだ言葉を書き送って励ましの言葉としたのだ。

3 災害と日本人のこころ

 とかく、日本人は、神戸の大地震でもそうであったが、大災害が降りかかっても、ジタバタと騒がない精神文化を持つと言われる。今回の中越沖地震でもそのことは見事に実証された形だ。震度6という大地震に見舞われながら、騒動もなく、隣近所総出で助け合いながら、狭い体育館での共同生活にも、笑顔を絶やさずに、淡々としている姿は、やはり良寛さんを輩出したお国柄もあるのかな、と思った。

 読売新聞(17日朝刊)には、救出劇のさまざまなエピソードが紹介されている。中でも感動させられたのは、柏崎でひとり暮らしをしていたお婆さん(78)のエピソードだ。彼女は、潰れそうな自宅玄関で、頭から血を流しながら、助けを求め救助されたのだが、救助してくれた医師や隊員に何度も「ありがとう……」と連呼しながら、静かに息絶えたそうである。

 大災害に見舞われながら、懸命に生きる中越地方の人々に、日本人の誇りと真なる人の美しさを教わった気分になった。一日も早い復興を心から願うものである。


◇ ◇ ◇

注*
「災害時要援護者名簿」
災害時の安否確認や避難誘導等の支援を迅速かつ円滑に行うために、災害時の避難行動に支援が必要で、家族などの支援が受けられない人を名簿に登録。その上で、名簿を地域の自主防災組織など、民生委員・児童委員、警察、消防などに提供し、災害時の安否確認や避難支援などに活用する。

登録対象者は以下の通り。
(1)65歳以上の一人暮らしの人
(2)65歳以上のみの世帯で身体が虚弱な人
(3)介護保険の要介護3以上の認定者
(4)障害のある人
(5)難病患者
(6)その他外国人や日中独居の高齢者など、災害時に支援が必要な人
(以上は筆者が上越市のHPより編集作成)

義経伝説:佐藤弘弥

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2007年05月17日

鳴りっぱなし 生活保護110番

2007/05/17
生活保護申請者・受給者を支援する法律家たちが10日、フリーダイヤルで生活困窮者からの電話相談に答えた。相談が殺到し、東京・四谷の法律事務所に設けられた6回線の「生活保護110番」は朝から鳴りっぱなしだった。

 電話相談を行ったのは「首都圏生活保護支援法律家ネットワーク」(事務局:東京都豊島区駒込)。生活保護の受給対象者であるにもかかわらず社会福祉事務所で受け付けてもらえないケースが多いことから、同行して生活保護を適用させようという法律家のネットワークだ。先月20日結成され今月1日までに弁護士・司法書士119人が加盟している。

 常設の電話窓口もあるが、相談の途中でコインがなくなり電話が切れたりすることがあるため、この日はフリーダイヤルにした。生活困窮者は電話代さえもったいないからという配慮からだ。

 相談内容は大きく分けて「生活保護受給中」と「受給前=申請を受け付けてもらえない」。代表的な例を紹介する―

《受給中》
・持病で働けない体なのにケースワーカーから「働け働け」と指導され「廃止するぞ」と脅された(50代・女性)。

《受給前=申請を受け付けてもらえない》
・「持ち家を処分しろ」と福祉事務所で言われた(80代・男性)。
・「あり金がなくなってから来い」
・「家賃の安いところに引越してから来い」
・うつ病で働けないにもかかわらず「65歳まで働けるでしょう」

 福祉事務所の対応について「ネットワーク」事務局長の森川清弁護士は以下のように話す(森川弁護士は14年間、福祉事務所に務めた経験がある)―

・持ち家があるとリバースモゲージ(持ち家を担保に生活資金の融資を受けるシステム)の対象になるが、生活保護を受けられないということにはならない。

・生活保護費を出してそれから安い所に引越してもらうのが普通(そもそも生活保護申請者は高額な引越費用など持ち合わせていない)。

(上記の対応は)「ありえない。違法だ」と森川弁護士は憤る。

 1日で103件の電話相談があった。フリーダイヤルということもあり遠くは北海道、佐賀県、大分県からかけてくる生活困窮者もいた。

 「ネットワーク」ではこの日(10日中)のうちに、最寄の弁護士・司法書士を手配した。11日以降、具体的な対応をとる。場合によっては福祉事務所に同行する(首都圏のケースのみ)。

 生活保護受給世帯は100万世帯を超える(2005年総務省調査)。だが、同様に貧困ラインをさまよっているのはさらに400万世帯いる、との専門家の分析もある。

 「首都圏生活保護支援法律家ネットワーク」の今泉敬子さん(司法書士)は「家庭内