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鳴りっぱなし 生活保護110番
2007/05/17
生活保護申請者・受給者を支援する法律家たちが10日、フリーダイヤルで生活困窮者からの電話相談に答えた。相談が殺到し、東京・四谷の法律事務所に設けられた6回線の「生活保護110番」は朝から鳴りっぱなしだった。
電話相談を行ったのは「首都圏生活保護支援法律家ネットワーク」(事務局:東京都豊島区駒込)。生活保護の受給対象者であるにもかかわらず社会福祉事務所で受け付けてもらえないケースが多いことから、同行して生活保護を適用させようという法律家のネットワークだ。先月20日結成され今月1日までに弁護士・司法書士119人が加盟している。
常設の電話窓口もあるが、相談の途中でコインがなくなり電話が切れたりすることがあるため、この日はフリーダイヤルにした。生活困窮者は電話代さえもったいないからという配慮からだ。
相談内容は大きく分けて「生活保護受給中」と「受給前=申請を受け付けてもらえない」。代表的な例を紹介する―
《受給中》
・持病で働けない体なのにケースワーカーから「働け働け」と指導され「廃止するぞ」と脅された(50代・女性)。
《受給前=申請を受け付けてもらえない》
・「持ち家を処分しろ」と福祉事務所で言われた(80代・男性)。
・「あり金がなくなってから来い」
・「家賃の安いところに引越してから来い」
・うつ病で働けないにもかかわらず「65歳まで働けるでしょう」
福祉事務所の対応について「ネットワーク」事務局長の森川清弁護士は以下のように話す(森川弁護士は14年間、福祉事務所に務めた経験がある)―
・持ち家があるとリバースモゲージ(持ち家を担保に生活資金の融資を受けるシステム)の対象になるが、生活保護を受けられないということにはならない。
・生活保護費を出してそれから安い所に引越してもらうのが普通(そもそも生活保護申請者は高額な引越費用など持ち合わせていない)。
(上記の対応は)「ありえない。違法だ」と森川弁護士は憤る。
1日で103件の電話相談があった。フリーダイヤルということもあり遠くは北海道、佐賀県、大分県からかけてくる生活困窮者もいた。
「ネットワーク」ではこの日(10日中)のうちに、最寄の弁護士・司法書士を手配した。11日以降、具体的な対応をとる。場合によっては福祉事務所に同行する(首都圏のケースのみ)。
生活保護受給世帯は100万世帯を超える(2005年総務省調査)。だが、同様に貧困ラインをさまよっているのはさらに400万世帯いる、との専門家の分析もある。
「首都圏生活保護支援法律家ネットワーク」の今泉敬子さん(司法書士)は「家庭内暴力や離婚、多重債務などは全部貧困にリンクする。誰もがこうなる危険性をはらんでいる」と指摘する。
◇
常設の電話相談
TEL:048-866-5040(埼玉総合法律事務所)
東京:田中龍作
6回線の「生活保護110番」は朝から鳴りっぱなしだった(東京・四谷「マザーシップ法律事務所」撮影:いずれも筆者)
弁護士・司法書士が親身になってじっくりと相談に乗った。フリーダイヤルなので生活困窮者も気がねなく話せる。
生活保護「受給中」の人は福祉事務所に「廃止するぞ」と脅される。「受給前」は資格があるにもかかわらず生活保護申請さえ受け付けてもらえないケースが目立った。
この記事の初出は日本インターネット新聞(JANJAN)http://www.janjan.jpで同社の協力により掲載します。
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