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北海紀行 みどりの日 (画像クリック→大きく)
こんにちは
5月4日はみどりの日です。
これまでみどりの日は昭和天皇の誕生日だった4月29日でした。
ことしから昭和の日になったのを受けて、みどりの日は5月4日に変わりました。
どちらも祝日ですので世の中変わりがないと思うようですが、変わったこともありました。
冬の間、閉園していた北大植物園は毎年4月29日がオープンで、たまたまみどりの日ということもあって無料開放でした。
ところが今年はみどりの日が4月29日でなくなったため、オープンの日は無料でなく有料でした。
無料だと思って家族連れで訪れた客は思わぬ出費にしかめっ面だったと新聞は伝えていました。
かわってみどりの日の5月4日が無料開放です。
この日私は家内と一緒に昼食持参で植物園を訪れました。
< 都心のオアシス >
植物園に入りますと目にしみる広い緑の芝生と鮮やかなピンクの花の歓迎を受け、まるで別世界にきた感じです。
というのも、前日の3日にはエゾヤマザクラの開花宣言が出され、 訪れた翌4日にはソメイヨシノも開花してサクラ前線がちょうど札 幌まで到達したときとぶつかりました。
それだけではありません。
キバナノアマナ(黄)エゾエンゴサク(青)エンレイソウ(小豆色)アネモネといわれるイチゲ類(白)の林床植物が、盛りを過ぎたとはいえ土壌を覆って目を楽しませてくれます。
北大植物園は大都会のど真ん中の中でのオアシスといったところでしょうか。
北大植物園はクラーク博士の提言によって明治19年創立されました。
ちょうど今年で創立120年、日本で2番目の古い植物園です。
ちなみに最も古いのは江戸幕府の薬草園を引き継いだ東大の小石川植物園です。
北大植物園の素晴らしさは、札幌の中心地にあるということです。
もちろん創立当初は中心地ではありませんでした。
人口わずか1万人にも満たない札幌の町外れでした。
けどそれから120年、札幌の人口は189万人にまで膨れ上がりました。 いつのまにか植物園は町の真ん中になってしまいました。
周囲はビルが林立していますがその間に浮かんだ緑の島のようです。
札幌市は郊外の定山渓から流れ下る豊平川が、藻岩山を抜け出し所から大きく広がる扇状地にできた街です。
扇状地の先端部分には一旦地下にもぐった水脈が再び地上に現れ、アイヌの人がメムと呼んだ湧水池がたくさんありました。
植物園にも豊富なメムがあり、ミズバショウなどの湿地植物が観察されました。(写真左)
ところが周辺の都市開発で水脈は寸断されて、今では都心部ではメムは、ほんのわずかしか見ることができません。
植物園では湿地植物を絶やさないために、ポンプアップして池を維持しているということです。
< ライラックの咲く街 >
私は植物園を訪れる度に必ず立ち止まるのが、初代園長宮部金吾博士の記念館の前に植えられているライラックの老木です。
ことしも「ライラック君こんにちは また来たよ」と心の中で声をかけ、元気に生育しているのを確認します。
リラとも呼ばれて札幌市民に愛されているライラックは、もともと日本の自生種ではありません。
明治時代に宣教師として札幌にきたスミス女史がアメリカの自宅から持ち込んだのが始まりといわれています。
持ち込まれた3本のライラックのうち、2本は自らが創設した学校の校庭に、1本は北大植物園に植えられ、この3本が母木となって広がりました。
ところが戦時中ライラックは敵国の木としてことごとく切られてしまいました。
さすがに権威ある?
帝国大学の中にまで刃物を振りかざすことはできなかったのでしょうか、北大のライラック1本のみが難を逃れ、戦後母木となって再び街中に植えられました。
北大植物園のライラックが札幌最古のライラックであり、 札幌の木として市内各地で植えられているライラックの 母の木でもあります。
半年振りに観察したライラックは、何事もなかったかのようにこの時期、枝の先に緑の芽をふき出し、生の営みを続けていました。
札幌に植えられてから120歳の老木です。 あと1ヶ月もすれば、ほのかな香りを漂わせる房状の薄紫の花をつけることでしょう。
左の写真は花が咲いた、去年6月4日撮影の母の木です。
< 引付ける猛毒のオーラ >
北大植物園には植樹された木ばかりでなく、昔からその場にあった原生林もそのまま残されています。
物語のある植物、思い出のある植物が一杯詰まっています。
1日歩いても見飽きることはありません。
ハシリドコロです。
ナス科の草本植物で北海道には生育してなく、北大植物園にあるのみだそうです。
一見キキョウ科のバアソブに似ているなと思いました。
この植物は日本三大毒草のひとつです。
誤って食すると、発狂状態になって走り回ることからこの名がついたということです。
名前を聞いてブルル、思わず抗インフルエンザウイルス剤、タミフルを思い出しました。
もしかしたら共通する成分があるのでしょうか。
日本三大毒草のあとの二つは、保険金殺人事件で一躍有名になったトリカブト(写真下左)とマムシグサ(同下右)です。
トリカブトとマムシグサは札幌近郊の野山によく観察されます。
この日初めて観察したハシリドコロも含めて共通しているのは、いずれも人を引きつける何かを持つ植物です。
< 一気に咲く北国の花 >
植物園は無料開放の日とあっていつもより多い人で賑わい、家族連れやカップルが芝生や切り株に腰を下ろして弁当を広げていました。
また日曜画家があちこちで筆を走らせていました。
札幌では咲いたばかりと思ったキタコブシが、早くも散り始めています。
エゾヤマザクラやモクレンもあと数日の命でしょう。
北国では開花から満開までの時間がとても短く、散るのも早いです。
けどこれから初夏にかけて、次々に新しい花が登場する一番爽やかな季節を迎えます。
札幌:雨露路
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