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北京あんなことやらこんなことやら(53)
~トヨタ問題を中国ユーザーはどう受けとめたか~
トヨタ、北京での記者会見(新京報の紙面) 
2月下旬にアメリカ議会の公聴会に出席し、トヨタ車の品質問題について謝罪したトヨタ自動車の豊田章男社長は、その足で北京を訪れて記者会見を行った。中国の新聞の報道によると、記者会見の中で豊田社長は4回にわたって陳謝という言葉を使って中国の消費者に対して謝罪したという。アメリカから中国へ直行しての記者会見は、2009年1年間の自動車販売量が1300万台を超えてアメリカを抜き、世界最大の新車消費国になったことを示した象徴的な出来事と言えよう。
中国で販売されたトヨタ車の中で、リコールの対象となった車種が多目的スポーツ車のRAV4、7万5000台に限られたことと、中国でのトヨタ車のシェアが2009年で6%程度と高くないこともあって、私が予想したほどの大騒動にはならなかったものの、メディアやネット上での反響は大きく、その最大公約数の主張は「アメリカでの対応と中国での対応が違うではないか」「アメリカと同じ対応をすべきだ」というものであった。ここでは、ネット上に掲載されたRAV4の車友会のフォーラムに出ていた反応を紹介したい。トヨタの車を購入した人なので、日本に対して余り悪い印象を持っていないのではないかと思いながら掲示板を覗いてみると、日本人に対する蔑称の「日本鬼子」という言葉が登場している。
「RAV4車友会」フォーラム(捜狐ネット)
『“鬼子”の車を買って本当に後悔している。カローラを買ったのだが、最近のリコール問題を見ていると、アメリカと中国に対する対応は全く違う。関係部門はトヨタに買収されたのか。9.18(満州事変)や盧溝橋の痛みを忘れたのか!』という厳しい意見もあれば、『まだ損害を受けた訳ではないが、RAV4を運転してもプレッシャーを感じる。トヨタは決して、一方を厚遇し他方を冷遇するようなことをしてはならない。アメリカ人の権益を保証すると同時に、中国人の権益も保証すべきだ』と訴える意見もある。
問題のRAV4を予約した人からは、予約を取り消したほうが良いかという不安の声も出ている。『予約した車は5月引き渡しになっているが、どうしたらいいか困っている。手付金として1万元払ったが、引き取ったほうが良いかどうか、同じような人がいたら意見を聞きたい。リコール問題が起きたものの、この車はやはり買い取ったほうがいいだろうか?』。一方で、いろいろ考えた末、予約を取り消さないことに決めたという意見もあるが、その理由が面白い。『この車は、外観や車幅、高さがホンダの車より気に入ったので、1月に予約した。どうするか色々と迷ったが、最近販売店に行ってみると、今もかなり売れているし、聞いた所によれば地元の安全監督を担当する政府の出先機関が大量にこの車を買ったというではないか。エライさん達が自分の命を粗末にすることは考えられないので、予約を取り消さないことに決めた。』
一方でリコール問題は起きたものの、トヨタの対応はまだマシな方ではないかという冷静な見方も。『これはアメリカ人という、世界で最も消費者としての基準の厳しい人々が、我々の代わりに厳しい安全チェックをしてくれて、その結果アクセルペダルに問題があるという結果が出ただけなので、自分としては心配していない。欧米だけでリコールを行って中国ではやらない他のメーカーに比べれば、トヨタは中国に対しても同じ対応をとり、しかも積極的、迅速に取り組んでいるので評価したい』
最後に、文章の中で“日本鬼子”という言葉を使いながらも、では中国の自動車メーカーではリコールをしている企業はあるのかという疑問を呈している意見を紹介する。『私は歴史が好きで、やや偏狭な民族主義思想を持っている。従って“日本鬼子”は好きではないので、以下の話は“日本鬼子”の弁明をしている訳ではない。今回の大量リコールというニュースを聞いて、私は日本車に対して不安になったというより、日本人の対応の仕方は凄いなと感じた次第だ。アメリカの市場でアクセルペダルの問題が明らかになった後、まだアジア市場では事故が起きていないのにもかかわらず、直ちにすべてをリコールすると発表した。中国人から見ると、このような大量リコールは大変な事態なので、こんな“馬鹿げた”ことをする企業は、ほとんど無いだろう。ところで中国車ではリコールという言葉はほとんど聞いたことが無い。例え車のドアがキチンと閉まらなくても、例え訳も分からず車の回線がショートしたとしても、多くの企業は買った人から文句を言われた後に本当にダメな場合だけ、わずかなお金を出して、事を済ませる程度であろう。トヨタのリコールの基準に従えば、中国市場ではどれだけ多くの車がリコールされることになるのだろうか。』
北京:中村 治
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