日本Webリポート&ニュース

2010-02-24 (水)

北京あんなことやらこんなことやら(52)

~厳しさ増す大学生の就職戦線②~

「中工ネット」に転載された“手紙” 
52-1 農民工の息子.JPG中国の大学新卒者の就職難、今回はネット上で話題になった、出稼ぎ農民の親を持つ新卒者の苦悩と、専業主婦を望む女子学生が増えているという動きを紹介したい。
春節前の今年1月、「故郷を離れて漂う大学新卒者から、“農民工”の父親への懺悔の手紙」と題する文章がネット上に現れ、話題を呼んだ。文章を書いたのは大学を卒業した後、半年余り経った新卒者。出稼ぎの農民工をしている父親に対しては3200元(日本円で4万円ほど)の月給をもらっていると言っているが、実際に受け取っているのは、わずか1000元(1万3000円)。ネット上に書いた手紙には次のように書かれている。

「お父さん、昨日の電話で貯金はいくらあるかと聞かれたので、8000元余りと私が答えたのに対し、3200元の給料で半年以上も仕事をしているのだから1万5000元は貯めないとねと言われてしまい、答えようがありませんでした。現実の私は、キャッシュカードには500元もなく、家賃の300元を数日後には納めなければならず、机の上にはインスタントラーメンが数袋あるだけ。お父さん、嘘を言って申し訳ない。私の実際の給料は1000元しかもらっていないのです。母さんの話しによると、父さんは3200元でも低いと思っており、自分が建設現場で1日100元以上も稼いでいるのだから、大学を卒業した者は5~6000元はもらってもいいはずだと言っているそうですね。お父さんが春節には帰るかどうかと尋ねたのに対し、私は休日出勤になれば帰らないと答えましたが、実は私の会社には春節の時に休日出勤なんかありません。年末に給料をもらっても、家賃や帰省の費用に当ててしまえば、お母さんにセーターのお土産を買ってあげるお金もなくなるので、親にあわせる顔がないんです。」

この文章に対してネットユーザーからは、「自分も何年か前には同じような状況だった」というコメントが寄せられた他、「新卒者の給料が低いのは社会全体のことなので、有りのままを両親に話した方が良い」という専門家の意見もアップされていた。この「手紙」などをキッカケに、里帰りを恐れるという意味の「恐帰族」という言葉が、頻繁に登場するようになった。

卒業写真(内容とは関係ありません)
52-2 卒業写真.JPG続いては、就職難が原因で「専職太太(専業主婦)」という言葉が流行語になっている現象を紹介する。北京の新聞「新京報」が去年末に、流行語大賞を決めるためのネットによる投票を実施したが、ノミネートされた言葉の中に「専職太太(専業主婦)」が含まれていた。

去年の4月、人民日報ネットに掲載された「済南時報」では、こんなケースを紹介。山東省済南市内に張り出された張り紙には、「大学4年の女子学生で職を求めているが、縁のある方のために専業主婦になることを望む。相手は40歳以下で、済南市の戸籍を持ち、自分で事業をしている人……」と書かれており、「果たして求職なのか、結婚相手の募集なのか」と論議を呼んだ。

「済南時報」の記者が張り紙にあった電話番号に電話をして「専業主婦を求めるというのは、家事の仕事をするという意味なのか」と尋ねると、相手の女子大生は「実は、結婚相手を探している。あなたが条件に合わなければ、電話代が無駄になるだけ」との答え。「条件とやらをもっと具体的に説明してくれないか」と記者が問うと、「年収はいくら?済南市に家を持っている?」。「年収は数万元だが、家はまだ持っていない。家がなければ、どうしてもダメなのか」と更に聞くと、「今、職探しがとても難しい。卒業して大学を離れた後、家がなければどこに住めばいいの?」というやり取りに。

記者が身分を明らかにした所、その女子大生は「今、気に入った仕事を探すのはとても難しい。それよりいい結婚相手を見つけるほうが着実なので、若さを利用して結婚相手を探すことに決めた。実際、周りの多くのクラスメイトは、ほとんど両親の世話で見合いをしている。」と弁解したという。

記者がその後、ある大学の近くにある結婚相談所を訪れて責任者に話を聞くと、「現在、女子大生は申込者の30%近くを占めている。彼女達は若いし、学歴があるので、人気があり、成功率がとても高い。出す条件も大変高く、特に卒業間近の学生の中には、年収十数万元を求める人も。相手の年令は、20歳以内の年の差ならばOK。何人かの学生は、自分で事業をしている人を伴侶に求め、しかも暫らくの間、相手の会社に勤めて、仕事をしながら“観察”することを求めている」とのこと。

中国の女性は、大学を卒業すれば就職し、結婚しても共稼ぎをするのが普通だが、就職難がこんな影響を与えているのかと驚いた次第。

北京:中村 治

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