日本Webリポート&ニュース
北京あんなことやらこんなことやら(50)
~ダブル学位を目指す学生たち~
授業風景
大学内にある専門家宿舎に住む私が、初夏のある土曜日の午後、昼食を食べた後、学内のベンチに座って本を読んでいると、日本語専攻の当時2年生の男子学生が忙しく通り過ぎようとしていた。「今日は何があるの?」と聞くと、「土曜日も日曜日も8時間ずつ授業があるんです」と答える。驚いて話を聞くと、学位をふたつ取る「ダブル学位」取得を目指しているという。
その後の2年生の授業の中で、どのくらいの学生がダブル学位(中国語では『双学位』)を選択しているのかと聞いたところ、40人ほどの学生のうち、半数が選んでいると聞いて、またビックリ。
ダブル学位の募集要項
この大学は、メディア関係の人材を育てることでは伝統のある大学なので、日本語科の学生は、専攻の日本語のほかに、メディア関係の「ニュース」か「番組制作」のどちらかの専攻を選択することになるという。ダブル学位を取得する場合は、2年生から始めて2年間で取ることになっているそうだが、日本語科の学生は3年生になると1年間提携先の日本の大学に1年間留学することになっているので、その場合は2年生と4年生の2年間でそのための授業を受けることになり、土日も一日中授業という「休む日のない」日々が続くことになる。
何故、これ程までして勉強をするのか!やはり新卒の大学生の就職難の中で、少しでも学歴を高めることによって就職に有利な状況を作るためというのが、大きな理由と言えよう。中国は、今も高度経済成長が続いているのだから、大学生がなぜ就職難に直面するのか、不思議に思ったものだが、これについては、「就職難に直面する中国の大学4年生」で書いたことがある。大きな理由は、日本と違って中国の企業やメディア関係の機関も、仕事の経験のあるものを優先的に採用するという方針を採っているからである。このため新卒大学生は、それに代わるものとして学位や資格をより多く取ることによって就職難を乗り越えようと努力するのである。
では日本の大学生はどうなのだろうかと思い、ネットで調べてみると、一部の大学でダブル学位制度を導入している大学があった。その場合、入学した日本の大学と、提携先の外国の大学で2年間ずつ学んで、ふたつの学位を取得するケースが紹介されていたが、それに挑戦する学生は一部の学生のようで、学年の半数の学生が目指しているというケースは、ほとんど無いのではなかろうか。
番組制作専攻は8200元
ダブル学位を取る場合、勿論、学費が別に必要となる。この大学の場合は、1年間で6000元から8200元(日本円で8万円から10万円余り)となっている。学生本人が卒業後、メディア関係の仕事に就きたいという希望があるためでもあるが、お金を出す親としても何か資格を取っておけば、将来役に立つという思いもあるであろう。
我が身を振り返れば、大学3年生になる時に教員免状を取ろうと思い立ち、教育関係の授業を沢山選択したものの、ほとんど授業には出ず、成績は「可、可、可」のオンパレードであったが、それでも教員免状は取得した(それを直接役立てることはなかったが)。大学時代、授業をかなりサボった人間の言い訳に聞こえるかも知れないが、土日も休みなしで勉学に励む学生を見ていると、ついつい同情したくなるし、時々授業をサボってでも、少しは自分で考えるゆとりの時間を作った方が良いのではないかと、余計なアドバイスをしたい思いに駆られる次第である。
北京:中村 治
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