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政権交代
鳩山政権発足から、もうすぐ1か月となる。鳩山政権は、政治主導を掲げ、自公政権の官僚主導(官僚任せ)の政治から脱却しようとしている。官僚が積み上げた政策を、ただ単に承認するのではなく、政治家である大臣、副大臣、政務官が政策の中身を検討し、責任を持って決定する仕組みを構築しようとしている。
こうした状況では、政治家の発言が重みを増してくることは言うまでもない。亀井金融・郵政担当大臣は、中小企業や零細企業の倒産を防ぐために、銀行などの金融機関からの借り入れを猶予する返済猶予制度の法案化や、郵政経営陣の一新といったことを、政治家の責任で行うとしている。亀井大臣は、「政治家の責任で政策を実施することはいいことだ」と発言もしている。制度の是非や郵政の見直しの是非はともかく、亀井大臣が主導しようという意気込みは、これまでの官僚任せから変わるのではないかという思いを抱かせる。
今月13日、北海道の高橋知事が、北澤防衛大臣を訪ねた。陳情の内容は、▼北海道内の自衛隊基地の縮小に反対、▼新千歳空港に旧共産圏の航空会社が乗り入れるに際して行われている規制の緩和、といったものだった。自衛隊基地の縮小反対については、特に、北澤大臣からの回答はなかった。
一方、旧共産圏、つまり、ロシアと中国の航空会社が新千歳空港に乗り入れすることについての規制緩和については、北澤大臣は、「そんな話は知らなかった。ただちに検討する」と答えたという。景気が低迷する中で、特に、北海道は、沖縄と並んで、その冷え込みが厳しいとされている。ロシアや中国からの観光客を多く呼び込み、北海道経済を活性化させたい北海道としては、乗り入れ規制の緩和は是非とも実現したいところだ。
ロシアと中国の航空会社は、新千歳空港への乗り入れ便数・曜日を増やしたいと、前々から申し入れている。しかし、防衛省は、航空自衛隊の基地が隣接している新千歳空港への乗り入れを、防衛上の理由から月曜日、火曜日、木曜日、金曜日(午後5時まで)は禁止している。北海道の関係者にとって、北澤大臣の発言は、防衛省が規制緩和に動き出すことを期待させるものだ。
ただ、国の安全保障に関わる重大事を、大臣の発言1つで覆すことができるのかという疑問も浮かぶ。確かに、北澤大臣は「検討する」と述べただけで、検討した結果、緩和できないということになるかもしれない。これは、北海道だけのローカルな話かもしれないが、官僚主導から政治主導へという“慣例”から大きく転換するのか注目できるのではないだろうか。
参議院議員の宿舎がある東京都・千代田区紀尾井町。その宿舎の隣の清水谷公園には、明治維新を成し遂げ、維新の功臣とされる大久保利通の碑がある。大久保は、封建社会の徳川幕府から、日本の近代化のために心血を注いだ政治家だったが、1878年(明治11年)、一連の近代化政策で特権を奪われた士族に襲われ、非業の死を遂げた。
その石碑には、「忠臣や烈士といわれる人々が犠牲の死に会うのは悲しいことだが、乱世や騒乱の常」だと記されている。
政権交代を成し遂げた、民主党、社民党、国民新党の政治家に、死を覚悟してまで、この国を変えようという意気込みがあるのか。政治家の手腕が問われている。
東京:勘
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