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2008-03-03 (月)
トマトはフルーツ? (画像クリック→拡大)
トマトといえば、みずみずしい色鮮やかな野菜として、毎日食卓に彩りを添えるポピュラーな食物である。統計によると、今日ではキュウリを抜いて一番出荷量の多い野菜だそうだ。千歳の郊外に東洋一のトマト栽培農場があるというので見学にいった。
< トマト製造工場 >
農場の名前は田園倶楽部北海道、千歳郊外のあちこちにあるゴルフ場の一つかと錯覚する。札幌から車で小一時間、一面の雪原の中に巨大ハウスが突如現れた。
東京ドームの1.5倍の広さだという。
氷点下の外気をよそに、ハウスの中は10度から15度に保たれており、水、肥料、土壌などはすべてコンピュータ管理だという。
企業秘密で残念ながら栽培されているトマトの写真は撮影できなかったが、ここではトマト生産機械工場といった感じだ。
収穫は夏は毎日、冬は週2回ほどだそうだが、収穫されたトマトをみて驚いた。
ほとんどがゴルフかピンポンボールくらいのトマトで、一見生育不良か、きず物ばかりのようにみえる。
それをアルバイトの主婦が、一つ一つ形や色を見て箱詰めしてるではないか。
ブルドーザーで一気に運んでトマトジュースにするようなものを、なんで人手をかけているんだろう。
担当者の説明を聞いてるうちに次第に妙な気持ちになってきた。
そしてしばらくして、トマトに対するこれまでのイメージを払拭しなくてはいけないことを知った。
< トマトの糖度 >
ここでは収穫されたトマトはすべて糖度計を通って、一瞬のうちに自動的に糖度別に振り分けられる。
これほど大型の糖度計は国内ではないという。
トマトと糖度、今まで考えたことがなかったことが、ここでは生産ラインの最も重要なポイントとなっている。
もっぱら食べる人で、買う人ではなかった私はトマトというのは大きくて色赤く、みずみずしいものが上等なトマトだと思っていた。
ところがこの農場では主にゴルフボールのフルーツトマトを生産していることがわかった。
フルーツトマトというとトマトの品種かと思われがちだが、そういう品種はなく、糖度が高いのをフルーツトマトというのだそうだ。
八百屋の店先で売られている通常のトマトは糖度が4~5度くらいで、8度以上のトマトをフルーツトマトと言っているという。
野菜のトマトが何でフルーツ?
試食コーナーで8度、9度、10度、最高12度までのトマトを食べてみると納得、実に甘い。
恥ずかしながら私はこれまでフルーツトマトというものは知らなかった。
家内と一緒にスーパーに行っても鮮魚コーナーには足が止まっても、野菜のコーナーで立ち止まることはなく、いつも家内と足並みが乱れて言い合いになる。
その家内にフルーツトマトを知ってるかと聞いてみた。
買い物好きの家内は「知ってる。けど買ったことがない」という。
なぜ買わないのかと野暮な質問をすると、とても高いからだという。
1個200円以上するそうだ。
ゴルフボールのトマトが200円以上?
信じられずスーパーに行って自分の目で確かめたらやはりそうだった。2個で498円、衝撃だった。
トマトに対するイメージが完全に変わってしまった。
フルーツトマトの特徴は小さくて皮が厚いこと、こうなるとトマトも確かにフルーツだ。
< オオカミのモモ >
トマトはもともと中南米が原産で、それをスペイン人がヨーロッパに持ち込んだ。
日本には江戸初期に持ち込まれアカナスといわれていたという。
色鮮やかで当初は毒だと思われていたというから面白い。
トマトの花はナスの花に似ている。
そういえばトマトも有害なタバコも、芽に毒のあるジャガイモもナス科の植物である。
トマトの学名はlycopersicum(ギリシャ語lycos ‘狼’ + persicos ‘桃’) オオカミのモモである。
中南米から持ち込まれた赤くて大きなトマトは、狼が食べるような妖しいものだったー
桃は中国原産で、欧州人にとってアメリカ大陸よりはるかに遠い桃は異国の食べ物だったー
名付け親の植物分類学の祖リンネは、なかなか洒落のわかる人だったかもしれない。
その「オオカミのモモ」というブランドのトマトジュースが出現した。
旭川市の隣に鷹栖町という農業の町があるが、そこの農協が売り出したものだ。この衝撃的なネーミングに目をパチクリした消費者の間では結構人気となり、北海道から全国へと次第に販路も拡大しているという。
それにしても相当造詣の深い人が鷹栖農協にいたものだと感心する。
奥さんに「オオカミのモモ」って知ってる?と聞いてみてごらん。
「トマトジュースよ」と答えたら、かなりのトマトおばさんだ。
オオカミのモモを向こうに回したわけでもないだろうが、「ニシパの恋人」というトマトジュースが出現した。
こちらは日高の平取町(びらとり)のブランドだ。ニシパはアイヌ語で、旦那とか親父という意味だ。
旦那の健康を守るためにトマトを恋人にしたという、なんともロマンチックなネーミングだろう。
さすがアイヌで知られる町・平取から生まれたブランドだ。平取町を流れる沙流川は暴れ川で、大雨が降るとすぐ川があふれた。
(写真右)
付近の土地はそのたびに土壌がかき混ぜられて、豊かな土地になっており、いまでは治水も完備されて北海道有数のトマトの産地になっている。
トマト銀行という銀行が西日本にある。トマトの持つ温かみと健康イメージで、皆様の銀行として親しみをもって接してもらおうと、銀行名を変えたのだろう。
お堅い世界のなかではとても大胆な発想だと、思ったものだ。しかしオオカミのモモやニシパの恋人を知ると、味わいの深さに歴然としたものがある。
< トマトは野菜?果物? >
それにしてもトマトは面白い。
前から読んでも後ろから読んでも同じものなあに?というほど単純ではない植物だ。
料理王国中国では砂糖がかけられたトマトがディナーに出てくるそうだ。これはトマトを果物と見ているのだろうか。
その一方でハルピンではトマトが入っているギョウザが出てくるそうだ。これはトマトを野菜としてみているのだろうか。
アメリカではトマトをヨーロッパから輸入するとき、輸入業者はトマトを関税がかからない野菜と主張し、税金をかけたい当局は果物と主張して最高裁まで争ったそうだ。
たかがトマトというなかれ。
毎日のように食卓に彩を添えてくれるトマトを味わって食べよう。
< トマト製造工場 >
農場の名前は田園倶楽部北海道、千歳郊外のあちこちにあるゴルフ場の一つかと錯覚する。札幌から車で小一時間、一面の雪原の中に巨大ハウスが突如現れた。
東京ドームの1.5倍の広さだという。
企業秘密で残念ながら栽培されているトマトの写真は撮影できなかったが、ここではトマト生産機械工場といった感じだ。
収穫は夏は毎日、冬は週2回ほどだそうだが、収穫されたトマトをみて驚いた。
ほとんどがゴルフかピンポンボールくらいのトマトで、一見生育不良か、きず物ばかりのようにみえる。
ブルドーザーで一気に運んでトマトジュースにするようなものを、なんで人手をかけているんだろう。
担当者の説明を聞いてるうちに次第に妙な気持ちになってきた。
そしてしばらくして、トマトに対するこれまでのイメージを払拭しなくてはいけないことを知った。
< トマトの糖度 >
ここでは収穫されたトマトはすべて糖度計を通って、一瞬のうちに自動的に糖度別に振り分けられる。
これほど大型の糖度計は国内ではないという。
トマトと糖度、今まで考えたことがなかったことが、ここでは生産ラインの最も重要なポイントとなっている。
もっぱら食べる人で、買う人ではなかった私はトマトというのは大きくて色赤く、みずみずしいものが上等なトマトだと思っていた。
フルーツトマトというとトマトの品種かと思われがちだが、そういう品種はなく、糖度が高いのをフルーツトマトというのだそうだ。
八百屋の店先で売られている通常のトマトは糖度が4~5度くらいで、8度以上のトマトをフルーツトマトと言っているという。
野菜のトマトが何でフルーツ?
試食コーナーで8度、9度、10度、最高12度までのトマトを食べてみると納得、実に甘い。
恥ずかしながら私はこれまでフルーツトマトというものは知らなかった。
家内と一緒にスーパーに行っても鮮魚コーナーには足が止まっても、野菜のコーナーで立ち止まることはなく、いつも家内と足並みが乱れて言い合いになる。
その家内にフルーツトマトを知ってるかと聞いてみた。
買い物好きの家内は「知ってる。けど買ったことがない」という。
なぜ買わないのかと野暮な質問をすると、とても高いからだという。
ゴルフボールのトマトが200円以上?
信じられずスーパーに行って自分の目で確かめたらやはりそうだった。2個で498円、衝撃だった。
トマトに対するイメージが完全に変わってしまった。
フルーツトマトの特徴は小さくて皮が厚いこと、こうなるとトマトも確かにフルーツだ。
< オオカミのモモ >
トマトはもともと中南米が原産で、それをスペイン人がヨーロッパに持ち込んだ。
日本には江戸初期に持ち込まれアカナスといわれていたという。
色鮮やかで当初は毒だと思われていたというから面白い。
トマトの花はナスの花に似ている。
そういえばトマトも有害なタバコも、芽に毒のあるジャガイモもナス科の植物である。
トマトの学名はlycopersicum(ギリシャ語lycos ‘狼’ + persicos ‘桃’) オオカミのモモである。
中南米から持ち込まれた赤くて大きなトマトは、狼が食べるような妖しいものだったー
桃は中国原産で、欧州人にとってアメリカ大陸よりはるかに遠い桃は異国の食べ物だったー
名付け親の植物分類学の祖リンネは、なかなか洒落のわかる人だったかもしれない。
その「オオカミのモモ」というブランドのトマトジュースが出現した。
旭川市の隣に鷹栖町という農業の町があるが、そこの農協が売り出したものだ。この衝撃的なネーミングに目をパチクリした消費者の間では結構人気となり、北海道から全国へと次第に販路も拡大しているという。
それにしても相当造詣の深い人が鷹栖農協にいたものだと感心する。
奥さんに「オオカミのモモ」って知ってる?と聞いてみてごらん。
「トマトジュースよ」と答えたら、かなりのトマトおばさんだ。
オオカミのモモを向こうに回したわけでもないだろうが、「ニシパの恋人」というトマトジュースが出現した。
こちらは日高の平取町(びらとり)のブランドだ。ニシパはアイヌ語で、旦那とか親父という意味だ。
旦那の健康を守るためにトマトを恋人にしたという、なんともロマンチックなネーミングだろう。
(写真右)
付近の土地はそのたびに土壌がかき混ぜられて、豊かな土地になっており、いまでは治水も完備されて北海道有数のトマトの産地になっている。
トマト銀行という銀行が西日本にある。トマトの持つ温かみと健康イメージで、皆様の銀行として親しみをもって接してもらおうと、銀行名を変えたのだろう。
お堅い世界のなかではとても大胆な発想だと、思ったものだ。しかしオオカミのモモやニシパの恋人を知ると、味わいの深さに歴然としたものがある。
< トマトは野菜?果物? >
それにしてもトマトは面白い。
前から読んでも後ろから読んでも同じものなあに?というほど単純ではない植物だ。
料理王国中国では砂糖がかけられたトマトがディナーに出てくるそうだ。これはトマトを果物と見ているのだろうか。
その一方でハルピンではトマトが入っているギョウザが出てくるそうだ。これはトマトを野菜としてみているのだろうか。
たかがトマトというなかれ。
毎日のように食卓に彩を添えてくれるトマトを味わって食べよう。
札幌:望田武司
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